¶ 道路橋示方書(5/16)
本頁文字(可複製、可搜尋)
表-5.7.8 調査・解析係数,部材・構造係数,抵抗係数
ξଶ∙Φோ௦ ξଵ (ξଶとΦோ௦の積)
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外の作用の組合せを
0.85
考慮する場合 0.90
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)2)で⑩を考慮する場合
1.00
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)3)で⑪を考慮する場合 1.00
5.7.8.5 軸方向力及び曲げモーメントを受ける鋼管部材
軸方向力及び曲げモーメントを同時に受ける鋼管部材が,5.4.8 の規定を
満足する場合には,限界状態3を超えないとみなしてよい。
5.7.8.6 軸方向圧縮力及びせん断力を受ける鋼管部材
軸方向圧縮応力度及び曲げに伴うせん断応力度が同時に作用する鋼管部
材が,垂直応力度及び曲げに伴うせん断応力度がそれぞれ最大となる荷重状
態に対して,式(5.7.9)を満足する場合には,限界状態3を超えないとみ
なしてよい。
𝜎ௗ ଶ + ൬𝜏ௗ ൰ ≦1 ······································· (5.7.9)
𝜎௨ௗ 𝜏௨ௗ
ここに,
𝜎ௗ : 鋼管断面に作用する垂直応力度(N/mm2)で,軸方向圧縮応力
度と曲げ応力度の和をとる。
𝜏ௗ : 鋼管断面に作用する曲げに伴うせん断応力度(N/mm2)
𝜎௨ௗ : 5.7.8.1 に規定する圧縮応力度の制限値(N/mm2)
𝜏௨ௗ : せん断応力度の制限値(N/mm2) で式(5.7.8)により算出す
る。
5.8 塑性変形能を考慮する鋼部材
(1) 鋼製橋脚の橋脚躯体部の鋼製柱の耐荷性能に塑性変形能を考慮する場
合は,Ⅳ編9 章の規定による。
(2) (1)によらず,鋼部材の塑性変形能を考慮する場合,適切な供試体等に
よる載荷試験に基づき,当該鋼部材の構造や限界状態を,(1)と同等の信
頼性が確保されるように適切に設定しなければならない。
214
本頁文字(可複製、可搜尋)
6章 接合部
6.1 一 般
6.1.1 設計の基本
(1) 接合部の耐荷性能の評価は,作用力に対して行わなければならない。
(2) 接合部の限界状態を適切に定めなければならない。
(3) 接合部の設計にあたっては,部材どうしが連結され一体となる部材の
限界状態と,接合部の限界状態との関係を明確にしたうえで,部材どう
しが連結され一体となる部材が所要の機能を発揮するようにしなければ
ならない。
(4) 接合部は,部材相互の応力を確実に伝達できるようにしなければなら
ない。
(5) (4)において接合部が所要の接合の機能を発揮するよう,接合部及び連
結される各部材に求められる条件を明らかにし,これを満足するように
しなければならない。
(6) 接合部は,原則として母材の全強の75%以上の強度をもつようにす
る。ただし,せん断力については作用力を用いてよい。
(7) 接合部の構造詳細は,少なくとも1)から4)の事項を満足する。
1) 応力の伝達が明確であること。
2) 構成する各材片において,なるべく偏心がないようにすること。
3) 有害な応力集中を生じさせないこと。
4) 有害な残留応力や二次応力を生じさせないこと。
(8) 鋼材又は鉄筋によりコンクリート部材を接合する場合は,地震の影響
に伴う載荷の繰返しに対しても,付着切れ及び鉄筋等の抜け出しの影響
をなるべく少なくするとともに,この影響を考慮したうえで,接合部に
生じる断面力を分担する耐荷機構を適切に設定し,限界状態及び限界状
態に対応する特性値及び制限値を設定しなければならない。
(9) 接合部の耐荷機構は,5.1.1(1)2)を踏まえて,設計供用期間中に変動
作用支配状況及び偶発作用支配状況に対応する作用の組合せが複数回,
順不同で生じることによる影響を考慮して,所要の接合部としての耐荷
性能が得られるものでなければならない。
215
本頁文字(可複製、可搜尋)
6.1.2 溶接と高力ボルトを併用する継手
(1) 溶接と高力ボルトを併用する継手は,それぞれが適切に応力を分担す
るよう設計しなければならない。
(2) 応力に直角なすみ肉溶接と高力ボルト摩擦接合とは併用してはならな
い。
(3) 溶接と高力ボルト支圧接合とは併用してはならない。
6.2 溶接継手
6.2.1 一 般
(1) 溶接継手の設計にあたっては,部材の接合部として所要の性能が得ら
れるために必要な溶接品質が確保できるように,適用箇所,施工性及び
継手の形式等について検討を行わなければならない。
(2) 溶接継手の設計にあたっては,少なくとも曲げモーメント,軸方向力
及びせん断力並びにそれらの組合せに対して安全となるようにしなけれ
ばならない。
6.2.2 溶接継手の種類と適用
(1) 応力を伝える溶接継手には,完全溶込み開先溶接による溶接継手,部
分溶込み開先溶接による溶接継手又は連続すみ肉溶接による溶接継手を
用いなければならない。完全溶込み開先溶接による溶接継手では裏はつ
りを行うことを原則とする。
(2) 溶接線に直角な方向に引張力を受ける継手には,完全溶込み開先溶接
による溶接継手を用いるのを原則とし,部分溶込み開先溶接による溶接
継手やすみ肉溶接による溶接継手を用いてはならない。
(3) プラグ溶接による溶接継手及びスロット溶接による溶接継手は用いて
はならない。やむを得ず用いる場合は,耐荷性能の評価にあたっては,
応力の伝達を考慮してはならない。
6.2.3 継手形式の選定
鋼板を用いた溶接継手の形式は以下のいずれか,又は,その組合せによる
ことを原則とする。
1) 突合せ継手
216
本頁文字(可複製、可搜尋)
母材がほぼ同じ面内で互いに突き合わされて溶接された継手
2) 十字継手
T継手の一つの板の裏側の面にも同様に直角にもう一つの板が溶接
されて十字形になる継手
3) T継手
一つの板の端面を他の板の表面に載せて溶接されてT形となる継手
4) 角継手
母材をほぼ直角にⅬ字形に保ちそれぞれの端を溶接された継手
5) 重ね継手
母材の一部を重ねて溶接された継手
6.2.4 溶接部の有効厚
(1) 応力を伝える溶接部の有効厚は,その溶接の理論のど厚とする。
(2) 溶接継手の種類ごとの理論のど厚は,1)から3)による。
1) 完全溶込み開先溶接による溶接継手の理論のど厚は,図-6.2.1 に示
すとおりとし,部材の厚さが異なる場合は薄い方の部材の厚さとする。
𝑎:理論のど厚
図-6.2.1 完全溶込み開先溶接による溶接継手の理論のど厚
2) 部分溶込み開先溶接による溶接継手の理論のど厚は,図-6.2.2 に示
す溶込み深さとする。
図-6.2.2 部分溶込み開先溶接による溶接継手の理論のど厚
3) すみ肉溶接による溶接継手の理論のど厚は図-6.2.3 に示す継手のル
ートを頂点とする二等辺三角形の底辺のルートからの距離とする。
217
本頁文字(可複製、可搜尋)
𝑎:理論のど厚
𝑆:サイズ
(a)等脚の場合 (b)不等脚の場合
図-6.2.3 すみ肉溶接による溶接継手の理論のど厚
6.2.5 溶接部の有効長
(1) 溶接部の有効長は,理論のど厚を有する溶接部の長さとする。
(2) すみ肉溶接でまわし溶接を行った場合は,まわし溶接部分は有効長に
含めない。
(3) 完全溶込み開先溶接で溶接線が応力方向に直角でない場合は,有効長
を応力に直角な方向に投影した長さとする。
6.2.6 すみ肉溶接の脚及びサイズ
(1) すみ肉溶接は等脚すみ肉溶接とするのを原則とする。
(2) すみ肉溶接のサイズは,設計上必要な寸法を確保するとともに,有害
なきずが生じない等の施工上必要な寸法を確保する。
(3) 部材の応力を伝えるすみ肉溶接のサイズは6mm 以上とし,式(6.2.1)
を満たす大きさとするのを標準とする。
····································· (6.2.1) 𝑡ଵ> 𝑆 かつ 𝑆≧ඥ2𝑡ଶ
ここに, 𝑆 :サイズ(mm)
𝑡ଵ :薄い方の母材の厚さ(mm)
𝑡ଶ :厚い方の母材の厚さ(mm)
6.2.7 すみ肉溶接の最小有効長
(1) すみ肉溶接の設計では,少なくとも溶接部に有害なきずを生じない施
工が可能となる有効長を確保しなければならない。
(2) (3)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) すみ肉溶接の有効長を,サイズの10 倍以上かつ80mm 以上を確保する。
218
本頁文字(可複製、可搜尋)
6.2.8 突合せ継手
(1) 断面が異なる突合せ継手部では,応力集中をできるだけ小さくし,溶
接部に欠陥を生じないように部材の断面を変化させなければならない。
(2) (3)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 厚さ及び幅は徐々に変化させ,長さ方向の傾斜を1/5 以下とする。
6.2.9 重ね継手
(1) 応力を伝える重ね継手部では,有害な応力集中や二次応力が生じない
ように配慮しなければならない。
(2) (3)及び(4)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 応力を伝える重ね継手には,2列以上のすみ肉溶接を用いるものとし,
部材の重なりの長さは薄い方の板厚の5倍以上とする。
(4) 軸方向力を受ける部材の重ね継手に側面すみ肉溶接のみを用いる場合
は,次の1)及び2)による。
1) 溶接線の間隔は薄い方の板厚の16 倍以下とする。ただし,引張力の
みを受ける場合は,薄い板の板厚の値を20 倍とする。
2) すみ肉溶接のそれぞれの長さは,溶接線間隔より大きくする。
6.2.10 T継手
(1) T継手の溶接は,ルート部に有害な応力集中を起こさず,変形に対し
て十分抵抗できるよう配置しなければならない。
(2) T継手に用いるすみ肉溶接又は部分溶込み開先溶接を継手の両側に配
置する場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 材片の交角が60°未満又は120°を超えるT継手には完全溶込み開先
溶接を用いるのを原則とし,すみ肉溶接又は部分溶込み開先溶接を用い
る場合は,応力の伝達を期待してはならない。
6.2.11 角継手
(1) 角継手の溶接は,ルート部に有害な応力集中を起こさず,変形に対し
て十分抵抗できるよう配置しなければならない。
(2) 角継手においてすみ肉溶接又は部分溶込み開先溶接を継手の両側に配
置する場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
219
本頁文字(可複製、可搜尋)
6.3 溶接継手の限界状態1
6.3.1 軸方向力又はせん断力を受ける溶接継手
軸方向力又はせん断力を受ける溶接継手が,式(6.3.1)又は式(6.3.2)を満
足する場合には,限界状態1を超えないとみなしてよい。ただし,すみ肉溶
接による溶接継手及び部分溶込み開先溶接による溶接継手は,作用する力の
種類に関わらず式(6.3.2)による。
𝜎ேௗ= ≦𝜎ே௬ௗ ············································ (6.3.1) ∑(・)
𝜏ௗ= ≦𝜏௬ௗ ··············································· (6.3.2) ∑(・)
ここに,
𝜎ேௗ : 継手に生じる軸方向応力度(N/mm2)
𝜏ௗ : 継手に生じるせん断応力度(N/mm2)
𝑃 : 継手に生じる力(N)
𝑎 : 溶接の有効厚(mm)
𝑙 : 溶接の有効長(mm)
𝜎ே௬ௗ : 軸方向引張応力度の制限値(N/mm2)で,式(6.3.3)に
より算出する。
𝜏௬ௗ : せん断応力度の制限値(N/mm2)で,式(6.3.4)により
算出する。
𝜎ே௬ௗ= ξଵ・Φெ・𝜎௬ ······································· (6.3.3)
𝜏௬ௗ= ξଵ・Φெ・𝜏௬ ········································ (6.3.4)
ここに,
𝜎௬ :表-4.1.9 に示す溶接部の降伏強度の特性値(N/mm2)
𝜏௬ :表-4.1.9 に示す溶接部のせん断降伏強度の特性値
(N/mm2)
Φெ :抵抗係数で表-6.3.1 に示す値とする。
ξଵ :調査・解析係数で表-6.3.1 に示す値とする。
220
本頁文字(可複製、可搜尋)
表-6.3.1 調査・解析係数,抵抗係数
ξଵ Φெ
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外の作用の組合せを
0.85
考慮する場合 0.90
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)2)で⑩を考慮する場合
1.00
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)3)で⑪を考慮する場合 1.00
6.3.2 曲げモーメントを受ける溶接継手
曲げモーメントを受ける溶接継手が,式(6.3.5)又は式(6.3.7)を満足する
場合には,限界状態1を超えないとみなしてよい。
1) 完全溶込み開先溶接による溶接継手
ெ
𝜎ௌ= ூ⋅𝑦≦𝜎ெ௬ௗ ········································ (6.3.5)
ここに,
𝜎ௌ : 溶接部に生じる垂直応力度(N/mm2)
𝑀ௗ : 継手に生じる曲げモーメント(N・mm)
𝐼 : 溶接部断面の断面二次モーメント(mm4)
𝑦 : 展開図形の中立軸から照査位置までの距離(mm)
𝜎ெ௬ௗ : 曲げ応力度の制限値(N/mm2)で,式(6.3.6)により算
出する
𝜎ெ௬ௗ= ξଵ・Φெ・𝜎௬ ··································· (6.3.6)
𝜎௬ :表-4.1.9 に示す溶接部の降伏強度の特性値(N/mm2)
Φெ :抵抗係数で表-6.3.2 に示す値とする。
ξଵ :調査・解析係数で表-6.3.2 に示す値とする。
2) すみ肉溶接による溶接継手及び部分溶込み開先溶接による溶接継手
ெ
𝜏ௌ= ூ⋅𝑦≦𝜏ெ௬ௗ ········································ (6.3.7)
ここに,
𝜏ௌ :溶接部に生じるせん断応力度(N/mm2)
221
本頁文字(可複製、可搜尋)
𝑀ௗ :継手に生じる曲げモーメント(N・mm)
𝐼 :のど厚を接合面に展開した断面のその中立軸まわりの
断面二次モーメント(mm4)
𝑦 :展開図形の中立軸から照査位置までの距離(mm)
𝜏ெ௬ௗ :せん断応力度の制限値(N/mm2)で,式(6.3.8)により算
出する
𝜏ெ௬ௗ= ξଵ・Φெ・𝜏௬ ···································· (6.3.8)
𝜏௬ :表-4.1.9 に示す溶接部のせん断降伏強度の特性値
(N/mm2)
Φெ :抵抗係数で,表-6.3.2 に示す値とする。
ξଵ :調査・解析係数で,表-6.3.2 に示す値とする。
表-6.3.2 調査・解析係数,抵抗係数
ξଵ Φெ
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外の作用の組合せを
0.85
考慮する場合 0.90
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)2)で⑩を考慮する場合
1.00
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)3)で⑪を考慮する場合 1.00
6.3.3 曲げモーメント及びせん断力を受ける溶接継手
曲げモーメント及びせん断力を同時に受ける溶接継手に生じる合成応力
が,式(6.3.9)又は式(6.3.10)を満足する場合には,限界状態1を超えない
とみなしてよい。
1) 完全溶込み開先溶接による溶接継手
ଶ ଶ
൬ఙ + ൬ఛ ≦1.2 ········································ (6.3.9) ఙ൰ ఛ൰
2) すみ肉溶接による溶接継手及び部分溶込み開先溶接による溶接継手
ଶ ଶ
൬ఛ್ + ൬ఛ ≦1.0 ······································(6.3.10) ఛ൰ ఛ൰
ここに,
𝜎ௗ :溶接部に生じる軸方向力もしくは曲げモーメントによる
222
本頁文字(可複製、可搜尋)
垂直応力度又は両者の和(N/mm2)
𝜏ௗ :溶接部に生じるせん断力によるせん断応力度 (N/mm2)
𝜏ௗ :溶接部に生じる軸方向力もしくは曲げモーメントによる
せん断応力度又は両者の和(N/mm2)
𝜎௬ௗ :6.3.2 及び6.4.2 に規定する曲げ応力度の制限値の小さい
方(N/mm2)
𝜏௬ௗ :6.3.2 及び6.4.2 に規定するせん断応力度の制限値の小さ
い方(N/mm2)
6.4 溶接継手の限界状態3
6.4.1 軸方向力又はせん断力を受ける溶接継手
軸方向力又はせん断力が作用する場合の溶接継手が,式(6.4.1)又は式
(6.4.2)を満足する場合には,限界状態3を超えないとみなしてよい。ただ
し,すみ肉溶接による溶接継手及び部分溶込み開先溶接による溶接継手は,
作用する力の種類に関わらず式(6.4.2)による。
𝜎ேௗ= ≦𝜎ே௨ௗ ············································ (6.4.1) ∑(⋅)
𝜏ௗ= ≦𝜏௨ௗ ·············································· (6.4.2) ∑(⋅)
ここに,
𝜎ேௗ : 継手に生じる軸方向応力度(N/mm2)
𝜏ௗ : 継手に生じるせん断応力度(N/mm2)
𝑃 : 継手に生じる力(N)
𝑎 : 溶接の有効厚(mm)
𝑙 : 溶接の有効長(mm)
𝜎ே௨ௗ : 軸方向引張応力度の制限値(N/mm2)で,式(6.4.3)によ
り算出する
𝜏௨ௗ : せん断応力度の制限値(N/mm2)で,式(6.4.4)により算
出する
𝜎ே௨ௗ= ξଵ・ξଶ・Φெ・𝜎௬ ··································· (6.4.3)
𝜏௨ௗ= ξଵ・ξଶ・Φெ・𝜏௬ ····································· (6.4.4)
223
本頁文字(可複製、可搜尋)
𝜎௬ :表-4.1.9 に示す溶接部の降伏強度の特性値(N/mm2)
𝜏௬ :表-4.1.9 に示す溶接部のせん断降伏強度の特性値
(N/mm2)
Φெ :抵抗係数で,表-6.4.1 に示す値とする。
ξଵ :調査・解析係数で,表-6.4.1 に示す値とする。
ξଶ :部材・構造係数で,表-6.4.1 に示す値とする。
表-6.4.1 調査・解析係数,部材・構造係数,抵抗係数
ξଵ ξଶ Φெ
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外の作用の組合せを
1.00 0.85
考慮する場合 0.90
0.951)
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)2)で⑩を考慮する場合
0.902) 1.00
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)3)で⑪を考慮する場合 1.00
注:1) SBHS500 及びSBHS500W
2) SBHS700 及びSBHS700W
6.4.2 曲げモーメントを受ける溶接継手
曲げモーメントを受ける溶接継手が,式(6.4.5) 又は式(6.4.7)を満足す
る場合には,限界状態3を超えないとみなしてよい。
1) 完全溶込み開先溶接による溶接継手
ெ
𝜎ௌ= ூ⋅𝑦≦𝜎ெ௨ௗ ······································ (6.4.5)
ここに,
𝜎ௌ :溶接部に生じる垂直応力度(N/mm2)
𝑀ௗ :継手に生じる曲げモーメント(N・mm)
𝐼 :溶接部断面の断面二次モーメント(mm4)
𝑦 :展開図形の中立軸から照査位置までの距離(mm)
𝜎ெ௨ௗ :曲げ応力度の制限値(N/mm2)で,式(6.4.6)により算出
する
𝜎ெ௨ௗ= ξଵ・ξଶ・Φெ・𝜎௬ ······························· (6.4.6)
224
本頁文字(可複製、可搜尋)
𝜎௬ :表-4.1.9 に示す溶接部の降伏強度の特性値(N/mm2)
Φெ :抵抗係数で,表-6.4.2 に示す値とする。
ξଵ :調査・解析係数で,表-6.4.2 に示す値とする。
ξଶ :部材・構造係数で,表-6.4.2 に示す値とする。
2) すみ肉溶接による溶接継手及び部分溶込み開先溶接による溶接継手
ெ
𝜏ௌ= ூ⋅𝑦≦𝜏ெ௨ௗ ······································· (6.4.7)
ここに,
𝜏ௌ :溶接部に生じるせん断応力度(N/mm2)
𝑀ௗ :継手に生じる曲げモーメント(N・mm)
𝐼 :のど厚を接合面に展開した断面のその中立軸まわりの
断面二次モーメント(mm4)
𝑦 :展開図形の中立軸から照査位置までの距離(mm)
𝜏ெ௨ௗ :せん断応力度の制限値(N/mm2)で,式(6.4.8)により算
出する
𝜏ெ௨ௗ= ξଵ・ξଶ・Φெ・𝜏௬ ································ (6.4.8)
𝜏௬ :表-4.1.9 に示す溶接部の降伏強度の特性値(N/mm2)
Φெ :抵抗係数で,表-6.4.2 に示す値とする。
ξଵ :調査・解析係数で,表-6.4.2 に示す値とする。
ξଶ :部材・構造係数で,表-6.4.2 に示す値とする。
表-6.4.2 調査・解析係数,部材・構造係数,抵抗係数
ξଵ ξଶ Φெ
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外の作用の組合せを考慮する場合 1.00 0.85
0.90
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)2)で⑩を考慮する場合 0.951)
1.00
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)3)で⑪を考慮する場合 1.00 0.902)
注:1) SBHS500 及びSBHS500W
2) SBHS700 及びSBHS700W
6.4.3 曲げモーメント及びせん断力を受ける溶接継手
225
本頁文字(可複製、可搜尋)
曲げモーメント及びせん断力を受ける溶接継手が,6.3.3 の規定を満足す
る場合には,限界状態3を超えないとみなしてよい。
6.5 高力ボルト継手
6.5.1 一 般
(1) 高力ボルトを用いる継手の設計にあたっては,接合部としての所定の
機能が満たされるよう,適用箇所,施工性及び継手面の状態等について
十分検討を行わなければならない。
(2) 高力ボルトを用いる継手は,摩擦接合,支圧接合及び引張接合とし,
引張接合は,継手面がある板を直接締め付ける短締め形式と,継手面を
リブプレート等を介して締め付けて接合する長締め形式に区分する。
(3) 高力ボルトを用いる継手は,継手としての限界状態に対して所要の安
全性を有していなければならない。このため,継手を構成する各要素が
作用力に対して安全となるように設計しなければならない。
(4) 高力ボルトを用いる継手の設計では,6.5.2 から6.5.12 の規定を満足
しなければならない。
(5) 高力ボルトを用いる継手は,ボルトに作用する力が不均等とならない
よう,1ボルト線上に並ぶ本数に配慮して設計しなければならない。
6.5.2 ボルト,ナット及び座金
(1) 高力ボルト継手に用いるボルト,ナット及び座金は,締付け方法や接
合方法に応じて必要な機械的性質等の特性や品質を満たさなければなら
ない。
(2) 高力ボルト継手に用いるボルト,ナット及び座金について,接合方法
に応じて,(3)から(5)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 摩擦接合
1) トルシア形を除く摩擦接合に用いるボルト,ナット及び座金は,JIS
B 1186(摩擦接合用高力六角ボルト・六角ナット・平座金のセット)
に規定する第1種(F8T)及び第2種(F10T)の呼びM20,M22 及びM24
を標準とする。この場合,セットのトルク係数値は表-6.5.1 による。
表-6.5.1 セットのトルク係数値
1製造ロットの出荷時のトルク 0.110 ~ 0.160
226
本頁文字(可複製、可搜尋)
係数値の平均値
1製造ロットの出荷時のトルク
5%以下
係数値の変動係数
1製造ロットの出荷時のトルク 20℃の温度変化に対して,出荷時の
係数値の温度による変化量 トルク係数値の平均値の5%以下
2) 摩擦接合に用いるトルシア形ボルトは,4.1.3(3)に示すS10T 及び
S14T とし,S10T の呼びはM20,M22 及びM24 を標準とする。S14T の呼
びはM22 及びM24 を標準とし,耐遅れ破壊特性の明らかなものとする。
ナット及び座金は,ボルトの締付け又は緩みに有害な影響を与えない
ものとする。
3) S14T のボルト,ナット及び座金は防せい皮膜を施したものを標準と
し,ⅰ)からⅴ)の全ての条件を満たす部位以外には用いない。なお,
被接合材はSM570,SBHS500 又はSBHS700 とする。
ⅰ) 塩分環境が厳しくない
ⅱ) 雨水等の影響を直接受けない
ⅲ) 滞水などにより長期に湿潤環境が継続する可能性が少ない
ⅳ) 点検・補修が可能である
ⅴ) 折損を生じても第三者被害を生じるおそれがない
4) 耐力点法によって締付けを行う摩擦接合用高力ボルト,六角ナット
及び座金は,JIS B 1186(摩擦接合用高力六角ボルト・六角ナット・
平座金のセット)に規定する第2種(F10T)の呼びM20,M22 及びM24
を標準とし,耐遅れ破壊特性が明らかで,かつ良好なものとする。
(4) 支圧接合
支圧接合に用いるボルトは,4.1.3(3)に示すB8T 及びB10T とし,ナッ
ト及び座金は,F8T 及びF10T に用いるものを使用することを標準とする。
(5) 引張接合
引張接合に用いるボルトは,(3)1)に示すF10T,2)に示すS10T 又はこ
れらと同等の材質の鋼ロッドを用いるのを標準とし,ナット及び座金は,
F10T 用のナット・座金のセットを用いるのを標準とする。
6.5.3 ボルトの長さ
ボルトの長さは部材を十分に締め付けられるものとしなければならない。
なお,支圧接合においては,ねじ部がせん断面にかかってはならない。
227
本頁文字(可複製、可搜尋)
6.5.4 ボルトの制限値
(1) 摩擦接合のボルトの制限値は6.6.2 の規定による。また,6.9.2 に規
定する限界状態3の制限値は,ねじ部有効径を直径とする断面積を用い
て算出したせん断力の制限値及び支圧力の制限値のうち小さい方の値と
する。この場合,ボルトの有効支圧面積はねじ部有効径と使用する鋼材
の厚さとの積とする。
(2) 支圧接合のボルトの制限値は,6.7.2 及び6.10.2 の規定によるものと
し,ねじ部外径を直径とする断面積を用いて算出したせん断力の制限値
及び支圧力の制限値のうち小さい方の値とする。この場合,ボルトの有
効支圧面積はねじ部外径と使用する鋼材の厚さとの積とする。ただし,
さらボルトの有効支圧面積の計算にあたっては,さら部はその深さの1/2
を有効とする。
(3) 引張接合のボルトの引張強度の制限値は6.8.2 及び6.11.2 の規定に
よる。またボルトの初期導入軸力は摩擦接合による場合と同じとする。
6.5.5 純断面積の計算
(1) 高力ボルト継手部の設計にあたっては,継手部の断面積を適切に考慮
しなければならない。
(2) (3)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 引張材の純断面積は1)から4)により計算する。
1) 純断面積は純幅と板厚との積とする。この場合,材片の純幅はその
総幅からボルト孔により失われる幅を除いたものとする。
2) 摩擦接合では,母材及び連結板の限界状態1における純断面応力度
を照査する場合に用いる純断面積は1)の規定により計算される値の
1.1 倍まで割増してよい。ただし,総断面積を超えてはならない。
3) 部材の純断面積を算定する場合のボルト孔の径は,ボルトの呼びに
3 ㎜を加えたものとする。
4) 千鳥にボルト締めされた材片の純幅は,総幅から考えている断面の
最初のボルト孔についてその全幅を控除し,以下順次に式(6.5.1)の𝑤
を各ボルト孔について控除したものとする。
మ
𝑤= 𝑑− ସ(𝑚𝑚) ············································ (6.5.1)
ここに,𝑑 :ボルト孔の直径(ボルトの呼び+3mm)(mm)
𝑝 :ボルトのピッチ(mm)
228
本頁文字(可複製、可搜尋)
g :応力直角方向のボルト線間距離(mm)
5) T形,H形等の組合せ断面の純断面積は,材片ごとに1)から4)の方
法により求めた純断面積の総和とし,圧延形鋼の場合もこれに準じる。
ただし,山形鋼,溝形鋼では,図-6.5.1 に示すように展開した形で純
断面積の算出を行う。
図-6.5.1 山形鋼の展開方法
6.5.6 ボルトの最小中心間隔
(1) ボルトの中心間隔は,ボルトの締付けにあたって支障のない寸法以上
としなければならない。
(2) ボルトの最小中心間隔を表-6.5.2 に示す値とする場合には,(1)を満
足するとみなしてよい。
表-6.5.2 ボルトの最小中心間隔(mm)
ボルトの呼び 最小中心間隔
M24 85
M22 75
M20 65
6.5.7 ボルトの最大中心間隔
(1) ボルトの中心間隔は,ボルト間の材片が局部座屈することなく,かつ
材片の密着性が確保できる寸法以下としなければならない。
(2) (3)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) ボルトの最大中心間隔を表-6.5.3 に示す値のうち小さい方の値とす
る。
ただし,引張部材のとじ合せボルトの応力方向の最大中心問隔は24
tとしてよい。このとき300mm を超えてはならない。
229
本頁文字(可複製、可搜尋)
表-6.5.3 ボルトの最大中心間隔(mm)
最大中心間隔
ボルトの呼び
𝑝 g
M24 170 12𝑡
千鳥の場合は,
24𝑡
M22 150 15𝑡−3 ∙g ただし,300 以下
8 M20 130 ただし,12𝑡以下
ここに, 𝑡:外側の板又は形鋼の厚さ(mm)
𝑝:継手に作用する応力の方向のボルトの間隔(mm)
g:継手に作用する応力と直角方向のボルトの間隔(mm)
図-6.5.2 ボルトの配置と間隔のとり方
6.5.8 縁端距離
(1) ボルト孔の中心から板の縁までの最小距離(最小縁端距離)は,縁端
部の破壊によって継手部の強度が制限値を下回らない寸法としなければ
ならない。また,ボルト孔の中心から縁までの最大距離(最大縁端距離)
は,材片間の密着性が確保できる寸法としなければならない。
(2) (3)及び(4)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 最小縁端距離は表-6.5.4 に示す値とする。
表-6.5.4 最小縁端距離(mm)
ボルトの呼び せん断縁 圧延縁,仕上げ縁
手動ガス切断縁 自動ガス切断縁
M24 42 37
M22 37 32
M20 32 28
ただし,摩擦接合及び支圧接合においては,応力方向のボルト本数が1
本の場合,応力方向の最小縁端距離は表-6.5.4 によるほか,式(6.5.2)
230
本頁文字(可複製、可搜尋)
を満足しなければならない。
𝑉௦ௗ≦𝑉௨ௗ ··················································· (6.5.2)
ここに,
𝑉௦ௗ :ボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑉௨ௗ :はし抜け破壊に対するせん断力の制限値(N)で,式
(6.5.3)により算出する
𝑉௨ௗ= ξଵ・ξଶ・Φ௦・𝜏௬・2𝑒𝑡 ······························· (6.5.3)
ここに,
𝜏௬ :表-4.1.1 に示す母材(連結板)のせん断降伏強度の特
性値(N/mm2)
Φ௦ :抵抗係数で表-6.5.5 に示す値とする。
ξଵ :調査・解析係数で表-6.5.5 に示す値とする。
ξଶ :部材・構造係数で表-6.5.5 に示す値とする。
𝑒 :応力方向に測った最小縁端距離(mm)
𝑡 :1面せん断の場合は薄い方の板厚(mm)
2面せん断の場合は母材の板厚又は連結板の板厚の合
計のいずれか薄い方の値(mm)
表-6.5.5 調査・解析係数,部材・構造係数,抵抗係数
ξଵ ξଶ Φ௦
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外の作用の組合せを考
1.00 0.85
慮する場合 0.90
0.951)
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)2)で⑩を考慮する場合
0.902) 1.00
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)3)で⑪を考慮する場合 1.00
注:1) SBHS500 及びSBHS500W
2) SBHS700 及びSBHS700W
(4) 材片の重なる部分の最大縁端距離は,外側の板厚の8倍とする。ただ
し,150mm を超えてはならない。
6.5.9 ボルトの最少本数
231
本頁文字(可複製、可搜尋)
高力ボルト継手は,1群として2本以上のボルトを配置する。
6.5.10 勾配座金及び曲面座金
(1) ボルト軸と部材面が直角でない場合や部材が曲面の場合は,ボルトや
座金に曲げによる応力が生じないようにしなければならない。
(2) (3)及び(4)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) ボルト頭又はナット面と部材面とが1/20 以上傾斜している場合に,
勾配フィラーを用いるか勾配座金を用いてボルトに偏心応力が生じない
ようにする。
(4) 継手部が曲面でその曲率半径が小さい場合に,曲面座金を用いる。
6.5.11 フィラー
(1) フィラーを使用するにあたっては,肌隙が生じないようにするととも
に,連結部の荷重伝達機構が確保されるように設計しなければならない。
(2) (3)及び(4)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) フィラーは2枚以上を重ねて用いない。
(4) 支圧接合において,連結される部材及び連結板間にフィラーを用いる
場合の設計は,1)及び2)による。
1) フィラーの厚さが6mm 以上の場合には,6.6.2 の規定を満たす必要
本数よりも30%増とする。
2) フィラーの厚さが9mm 以上の場合には,フィラーを延長し,1)の規
定により増加したボルトをフィラーの延長した部分に配置する。
(5) 摩擦接合に用いるフィラーは,母材の鋼種に関わらず,一般構造用圧
延鋼材としてよい。
6.5.12 連結板
(1) 摩擦接合及び支圧接合における連結板は,母材に作用する軸方向力,
せん断力及び曲げモーメントに対して安全となるように設計しなければ
ならない。
(2) (3)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 連結板に用いる鋼材の鋼種及び断面積は,母材と同等以上とすること
を原則とする。また,曲げモーメントが作用する板の連結板は,母材と
同等以上の曲げ剛性とすることを原則とする。
232
本頁文字(可複製、可搜尋)
6.6 高力ボルト摩擦接合の限界状態1
6.6.1 一 般
高力ボルト摩擦接合において,6.6.2 及び6.6.3 の規定による場合には,
限界状態1を超えないとみなしてよい。
6.6.2 摩擦接合用高力ボルト
(1) 直応力が生じる板を連結する場合に,式(6.6.1)を満足する。ただし,
垂直応力が均等に分布している場合は,式(6.6.2)を満足する。
𝑉௦ௗ= 𝑃௦ௗ/𝑛≦ξଵ・Φெ௩・𝑉・𝑚 ························· (6.6.1)
𝑉௦ௗ= 𝑃௦ௗ/𝑛≦ξଵ・Φெ௩・𝑉・𝑚 ··························· (6.6.2)
ここに,
𝑉௦ௗ :𝑖列目のボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑃௦ௗ :図-6.6.1 に示す𝑖列目の接合線の片側にあるボルト群に
生じる力(N)
1 列目のボルト
gଵ
𝑏ଵ= g+ 2
𝜎+ 𝜎ଵ
𝑃௦ௗଵ= ⋅𝑏ଵ⋅𝑡 2
𝑖 列目のボルト
gିଵ+ g
𝑏= 2
𝜎ିଵ+ 𝜎
𝑃௦ௗ= ⋅𝑏⋅𝑡 2
ここに,
gi : 作用力と直交方向のボルト間隔又はボルト縁端距離(mm)
𝜎 : 照査位置に生じる垂直応力度(N/mm2)
𝑏 : 𝑖列目のボルトの作用力分担幅(mm)
𝑡 : 母材の板厚(mm)
𝑛 :𝑖列目の接合線の片側にあるボルト群のボルト本数
𝑉௦ௗ :ボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑃௦ௗ :図-6.6.2 に示す接合線の片側にある全ボルトに生じる
233
本頁文字(可複製、可搜尋)
力(N)
𝑃௦ௗ= 𝜎⋅𝑏⋅𝑡
𝜎 :照査位置の垂直応力(N/mm2)
𝑏∙𝑡 :母材の断面積(mm2),母材の板幅𝑏(mm),母材の板厚𝑡(mm)
𝑛 :接合線の片側にあるボルトの全本数
𝑚 :摩擦面数(単せん断:𝑚=1,複せん断:𝑚=2)
𝑉 :1ボルト1摩擦面あたりのすべり強度(N)で,表-6.6.1
に示す値とする。
Φெ௩ :抵抗係数で表-6.6.2 に示す値とする。
ξଵ :調査・解析係数で表-6.6.2 に示す値とする。
表-6.6.1 摩擦接合用高力ボルトのすべり強度の特性値(kN)
(1ボルト1摩擦面あたり)
(a) 接触面を塗装しない場合
ボルトの等級
F8T F10T S10T S14T
ねじの呼び
M20 53 66 66 -
M22 66 82 82 120
M24 77 95 95 140
(b) 接触面に無機ジンクリッチペイントを塗装する場合
ボルトの等級
F8T F10T S10T S14T
ねじの呼び
M20 60 74 74 -
M22 74 92 92 135
M24 87 107 107 157
234
本頁文字(可複製、可搜尋)
𝑛ଵ
𝜎
1 g 𝑏ଵ
2 gଵ 𝜎ଵ
⁄ gଵ2
𝑛 ⁄gିଵ2
𝜎ିଵ
𝑖−1 gିଵ
⁄ 𝑏 g2
𝑖 g
𝜎
接合線
図-6.6.1 ボルトに作用する力(垂直応力の分布が均等でない場合)
図-6.6.2 ボルトに作用する力(垂直応力の分布が均等な場合)
(2) せん断力が作用する板を連結する場合に,式(6.6.3)を満足する。
𝑉௦ௗ௦= 𝑆௦ௗ/𝑛≦ξଵ・Φெ௦・𝑉・𝑚 ···························· (6.6.3)
ここに,
𝑉௦ௗ௦ :ボルト1 本あたりに生じるせん断力(N)
𝑆௦ௗ :連結部に生じるせん断力(N)
𝑛 :接合線の片側にあるボルトの全本数
𝑚 :摩擦面数(単せん断:𝑚=1,複せん断:𝑚=2)
𝑉 :表-6.6.1 に示す1ボルト1摩擦面あたりのすべり強度
の特性値(N)
Φெ௦ :抵抗係数で,表-6.6.2 に示す値とする。
ξଵ :調査・解析係数で,表-6.6.2 に示す値とする。
(3) 曲げモーメント,軸方向力及びせん断力が同時に作用する板を連結す
る場合に,式(6.6.4)を満足する。
235
本頁文字(可複製、可搜尋)
·························· (6.6.4) ට𝑉௦ௗ ଶ+ 𝑉௦ௗ௦ ଶ≦ξଵ・Φெ・𝑉・𝑚
ここに,
𝑉௦ௗ :曲げモーメント及び軸方向力による垂直応力によって
ボルト1本に生じる力(N)
𝑉௦ௗ௦ :せん断力によってボルト1本に生じる力(N)
𝑚 :摩擦面数(単せん断:𝑚=1,複せん断:𝑚=2)
𝑉 :表-6.6.1 に示す1ボルト1摩擦面あたりのすべり強度
の特性値(N)
Φெ :抵抗係数で,表-6.6.2 に示す値とする。
ξଵ :調査・解析係数で,表-6.6.2 に示す値とする。
(4) 曲げによるせん断力を受ける板を水平方向に連結する場合に,式
(6.6.5)を満足する。
ொ
𝑉௦ௗ= 𝑆௦ௗ⋅ ூ⋅ ≦ξଵ⋅Φெ⋅𝑉⋅𝑚 ·························· (6.6.5)
ここに,
𝑉௦ௗ :水平方向に連結するボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑆௦ௗ :計算する断面に生じるせん断力(N)
𝑄 :部材の総断面の中立軸回りの,せん断力を計算する接
合線の外側の断面一次モーメント(mm3)
𝐼 :部材の総断面の中立軸回りの断面二次モーメント(mm4)
𝑝 :ボルトのピッチ(mm)
𝑛 :接合線直角方向のボルト数
𝑚 :摩擦面数(単せん断:𝑚=1,複せん断:𝑚=2)
𝑉 :表-6.6.1 に示す1ボルト1摩擦面あたりのすべり強度
の特性値(N)
Φெ :抵抗係数で,表-6.6.2 に示す値とする。
ξଵ :調査・解析係数で,表-6.6.2 に示す値とする。
236
本頁文字(可複製、可搜尋)
表-6.6.2 調査・解析係数,抵抗係数
Φ
ξଵ ൫Φெ௩,Φெ௦,Φெ,Φெ൯
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外の作用の組合せを
0.85
考慮する場合 0.90
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)2)で⑩を考慮する場合
1.00
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)3)で⑪を考慮する場合 1.00
6.6.3 摩擦接合での母材及び連結板
(1) 引張力が作用する母材が,6.5.5 に規定する純断面に対して,5.3.5 の
規定を満足する場合には,限界状態1を超えないとみなしてよい。
(2) 圧縮力が作用する母材が,6.9.3 の規定を満足する場合には,限界状
態1を超えないとみなしてよい。
(3) 連結板は母材が,(1)及び(2)を満足し,かつ,6.5.12 の規定による場
合には,限界状態1を超えないとみなしてよい。
6.7 高力ボルト支圧接合の限界状態1
6.7.1 一 般
高力ボルト支圧接合が,6.7.2 及び6.7.3 の規定による場合には,限界状
態1を超えないとみなしてよい。
6.7.2 支圧接合用高力ボルト
(1) 軸方向力又はせん断力が作用する板を連結する場合に,式(6.7.1)を満
足する。
𝑉𝑠𝑑≦𝑉𝑦𝑑 ····················································· (6.7.1)
ここに,
𝑉௦ௗ :ボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑉௬ௗ :ボルト1本あたりの制限値(N)で,式(6.7.2)による場
合と式(6.7.3)のうち,いずれか小さい方とする
𝑉௦௬ௗ= ξଵ・Φெ௦ଵ・𝜏௩・𝐴௦・𝑚 ···························· (6.7.2)
237
本頁文字(可複製、可搜尋)
ここに,
𝑉௦௬ௗ :ボルトのせん断降伏に対する軸方向力又はせん断力
の制限値(N)
𝐴௦ :ねじ部の有効断面積(mm2)
𝑚 :接合面数(単せん断:𝑚=1,複せん断:𝑚=2)
𝜏௩ :表-4.1.11 に示す支圧接合用高力ボルトのせん断降伏
強度の特性値(N/mm2)
Φெ௦ଵ :抵抗係数で表-6.7.1 に示す値とする。
ξଵ :調査・解析係数で表-6.7.1 に示す値とする。
𝑉௬ௗ= ξଵ・Φெ௦ଶ・𝜎・𝐴 ·································· (6.7.3)
𝑉௬ௗ :ボルトの支圧限界に対する軸方向力又はせん断力の
制限値(N)
𝐴 :6.5.4(2)に規定するボルトの有効支圧面積(mm2)
𝜎 :表-4.1.12 に示す支圧接合用ボルトの支圧強度の特性
値(N/mm2)
Φெ௦ଶ :抵抗係数で表-6.7.1 に示す値とする。
ξଵ :調査・解析係数で表-6.7.1 に示す値とする。
(2) 曲げモーメントが作用する板を連結する場合に,式(6.7.4)を満足す
る。
ெೞ ௬
𝑉௦ௗ= ∑௬మ⋅𝑦≦ ௬⋅𝑉௬ௗ ······································· (6.7.4)
ここに,
𝑉௦ௗ :ボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑀௦ௗ :ボルト群に生じる曲げモーメント(N・mm)
𝑦 :ボルトから中立軸までの距離(mm)
∑ :接合線の片側にあるボルトに対する和
𝑦 :最縁ボルトの中立軸からの距離(mm)。ただし,同一連
結部のフランジをボルトで連結している場合は,中立軸
からフランジの圧縮縁又は引張縁までの距離(mm)
𝑉௬ௗ :式(6.7.2),式(6.7.3)に示すボルト1本あたりの制限
値。ただし,抵抗係数は,それぞれ,表-6.7.1 に示す
Φெଵ,Φெଶとする。
238
本頁文字(可複製、可搜尋)
(3) 曲げモーメント,軸方向力及びせん断力が組み合わされて作用する板
を連結する場合に,式(6.7.5)を満足する。
·································· (6.7.5) ට൫𝑉௦+ 𝑉௦ெ൯ଶ+ 𝑉௦௦ ଶ≦𝑉௬ௗ
ここに,
𝑉௦ :軸方向力によるボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑉௦ெ :曲げモーメントによるボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑉௦௦ :せん断力によるボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑉௬ௗ :式(6.7.2),式(6.7.3)に示すボルト1本あたりの制限
値。ただし,抵抗係数は,それぞれ,表-6.7.1 に示す
Φெଵ,Φெଶとする。
(4) 曲げモーメントによるせん断力を受ける板を水平方向に連結する場合
に,式(6.7.6)を満足する。
ொ
𝑉௦ௗ= 𝑆௦ௗ⋅ ூ⋅ ≦𝑉௬ௗ ········································ (6.7.6)
ここに,
𝑉௦ௗ :水平方向に連結するボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑆௦ௗ :計算する断面に生じるせん断力(N)
𝑄 :部材の総断面の中立軸回りの,せん断力を計算する接
合線の外側の断面一次モーメント(mm3)
𝐼 :部材の総断面の中立軸回りの断面二次モーメント
(mm4)
𝑝 :ボルトのピッチ(mm)
𝑛 :接合線直角方向のボルト数
𝑉௬ௗ :ボルト1本あたりの制限値(N)で,式(6.7.2)による
場合と式(6.7.3)のうち,いずれか小さい方とする。
239
本頁文字(可複製、可搜尋)
表-6.7.1 調査・解析係数,抵抗係数
Φ
ξଵ ൫Φெ௦ଵ,Φெଵ,Φெଵ,
Φெ௦ଶ,Φெଶ,Φெଶ൯
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外の作用の組合せを
0.85
考慮する場合 0.90
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)2)で⑩を考慮する場合
1.00
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)3)で⑪を考慮する場合 1.00
6.7.3 支圧接合での母材及び連結板
(1) 軸方向引張力が作用する母材が,6.5.5 に規定する純断面に対して,
5.3.5 の規定を満足する場合には,限界状態1を超えないとみなしてよ
い。
(2) 軸方向圧縮力が作用する母材が,6.10.3 の規定を満足する場合には,
限界状態1を超えないとみなしてよい。
(3) 連結板は母材が(1)及び(2)を満足し,かつ,6.5.12 の規定による場合
には,限界状態1を超えないとみなしてよい。
6.8 高力ボルト引張接合の限界状態1
6.8.1 一 般
高力ボルト引張接合が,1)及び2)を満足する場合には,限界状態1を超
えないとみなしてよい。
1) 高力ボルトが6.8.2 の規定を満足する。
2) 被接合材が5 章の関連規定により限界状態1を超えないとみなせる
条件を満足する。
6.8.2 引張接合用高力ボルト
(1) 短締め形式
短締め形式では引張力によって生じるてこ反力を考慮しなければなら
ない。
1) 引張力が生じる接合部のボルトが,式(6.8.1)を満足する。
𝑉௦ௗ= 𝑃௦ௗ(1 + 𝑝௬)/𝑛≦𝑉௧௬ௗ ································· (6.8.1)
240
本頁文字(可複製、可搜尋)
ここに,
𝑉௦ௗ :てこ反力を考慮したボルト1本に生じる引張力(N)
𝑃௦ௗ :接合部に生じる引張力(N)
𝑝௬ :てこ反力係数
𝑛 :接合部のボルト本数
𝑉௧௬ௗ :ボルト1本あたりに生じる引張力の制限値(N)で,式
(6.8.2)により算出する。
𝑉௧௬ௗ= ξଵ・Φெ்௧・𝜎௬・𝐴 ·································· (6.8.2)
𝐴 :ねじ部の有効断面積(mm2)
𝜎௬ :表-4.1.13 に示す引張接合用高力ボルトの引張降伏強
度の特性値(N/mm2)
Φெ்௧ :抵抗係数で表-6.8.1 に示す値とする。
ξଵ :調査・解析係数で表-6.8.1 に示す値とする。
表-6.8.1 調査・解析係数,抵抗係数
ξଵ Φெ்௧
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外の作用の組合せを
0.85
考慮する場合 0.90
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)2)で⑩を考慮する場合
1.00
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)3)で⑪を考慮する場合 1.00
2) 引張力及びせん断力が同時に作用する接合部のボルトが,引張力に
対しては式(6.8.1)を,せん断力に対して式(6.8.3)を満足する。ただ
し,せん断力を負担できる構造を別に設ける場合はこの限りでない。
𝑉௦ௗ௦= 𝑆ௗ/𝑛≦𝑉௬ௗ・(𝑛𝑁−𝑇)/𝑛𝑁 ···························· (6.8.3)
ここに,
𝑉௦ௗ௦ :ボルト1本に生じるせん断力(N)
𝑆ௗ :接合部に生じるせん断力(N)
𝑛 :接合部のボルト本数
241
本頁文字(可複製、可搜尋)
𝑁 :ボルトの初期導入軸力(N)
𝑇 :接合部に生じる引張力(N)
𝑉௬ௗ :ボルト1本あたりの摩擦接合としてのすべりに対する
せん断力の制限値(N)
(2) 長締め形式
1) 引張力が作用する接合部のボルトが,式(6.8.4)を満足する。
𝑉௦ௗ= 𝑃ௗ/𝑛≦𝑉௧௬ௗ ······································· (6.8.4)
𝑉௦ௗ : ボルト1本に生じる引張力(N)
𝑃ௗ : 接合部に生じる引張力(N)
𝑛 : 接合部のボルト本数
𝑉௧௬ௗ : ボルト1本あたりの引張力の制限値(N)で,式(6.8.2)
により算出する
2) 引張力及びせん断力が作用する接合部では,ボルトに直接せん断力
を負担させてはならない。また,接合面にせん断力を負担させる場合
は,十分な検討を行う。引張力に対しては式(6.8.4)による。
6.9 高力ボルト摩擦接合の限界状態3
6.9.1 一 般
高力ボルト摩擦接合が,6.9.2 及び6.9.3 の規定による場合には,限界状
態3を超えないとみなしてよい。
6.9.2 摩擦接合用高力ボルト
(1) 軸方向力又はせん断力が作用する板を連結する場合に,式(6.9.1)を満
足する。
𝑉𝑠𝑑≦𝑉𝑓𝑢𝑑 ·················································· (6.9.1)
ここに,
𝑉௦ௗ :ボルト1本あたりに生じる力(N)
242
本頁文字(可複製、可搜尋)
𝑉௨ௗ :ボルト1本あたりの制限値(N)で,式(6.9.2)によるボ
ルトのせん断破断に対する軸方向力又はせん断力の制
限値(N)
𝑉௨ௗ= ξଵ・ξଶ・Φெ௦ଵ・𝜏௨・𝐴௦・𝑚 ······················· (6.9.2)
𝐴௦ :ねじ部の有効断面積(mm2)
𝑚 :接合面数(単せん断:𝑚=1,複せん断:𝑚=2)
𝜏௨ :表-4.1.10 に示す摩擦接合用ボルトのせん断破断強度
の特性値(N/mm2)
Φெ௦ଵ :抵抗係数で表-6.9.1 に示す値とする。
ξଵ :調査・解析係数で表-6.9.1 に示す値とする。
ξଶ :部材・構造係数で表-6.9.1 に示す値とする。
(2) 曲げモーメントが作用する板を連結する場合に,式(6.9.3)を満足す
る。
ெೞ ௬
𝑉௦ௗ= ∑௬మ⋅𝑦≦ ௬⋅𝑉௨ௗ ····································· (6.9.3)
ここに,
𝑉௦ௗ :ボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑀௦ௗ :ボルト群に生じる曲げモーメント(N・mm)
𝑦 :ボルトから中立軸までの距離(mm)
∑ :接合線の片側にあるボルトに対する和
𝑦 :最縁ボルトの中立軸からの距離(mm)。ただし,同一連
結部のフランジをボルトで連結している場合は,中立軸
からフランジの圧縮縁又は引張縁までの距離(mm)
𝑉௨ௗ :式(6.9.2)に示すボルト1本あたりの制限値。ただし,
抵抗係数は,表-6.9.1 に示すΦெଵとする。
(3) 曲げモーメント,軸方向力及びせん断力が組み合わされて作用する板
を連結する場合に,式(6.9.4)を満足する。
243
本頁文字(可複製、可搜尋)
·································· (6.9.4) ට൫𝑉௦+ 𝑉௦ெ൯ଶ+ 𝑉௦௦ ଶ≦𝑉௨ௗ
ここに,
𝑉௦ :軸方向力によるボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑉௦ெ :曲げモーメントによるボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑉௦௦ :せん断力によるボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑉௨ௗ :式(6.9.2)に示すボルト1本あたりの制限値。ただし,
抵抗係数は,表-6.9.1 に示すΦெଵとする。
(4) 曲げモーメントによるせん断力を受ける板を水平方向に連結する場合
に,式(6.9.5)を満足する。
ொ
𝑉௦ௗ= 𝑆௦ௗ⋅ ூ⋅ ≦𝑉௨ௗ ····································· (6.9.5)
ここに,
𝑉௦ௗ :水平方向に連結するボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑆௦ௗ :計算する断面に生じるせん断力(N)
𝑄 :部材の総断面の中立軸回りの,せん断力を計算する接合
線の外側の断面一次モーメント(mm3)
𝐼 :部材の総断面の中立軸回りの断面二次モーメント(mm4)
𝑝 :ボルトのピッチ(mm)
𝑛 :接合線直角方向のボルト数
𝑉௨ௗ :式(6.9.2)に示すボルト1本あたりの制限値(N)
表-6.9.1 調査・解析係数,部材・構造係数,抵抗係数
ξଶ∙Φ(Φெ௦ଵ, Φெଵ, Φெଵ)
ξଵ
(ξଶとΦの積)
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外の作用の組合せを
0.50
考慮する場合 0.90
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)2)で⑩を考慮する場合
0.60
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)3)で⑪を考慮する場合 1.00
244
本頁文字(可複製、可搜尋)
6.9.3 摩擦接合での母材及び連結板
(1) 軸方向引張力を受ける母材は6.5.5 に規定する純断面に対して,5.4.5
の規定を満足し,かつ,6.5.6 及び6.5.8 の規定を満足する場合には,
限界状態3を超えないとみなしてよい。
(2) 軸方向圧縮力が作用する母材は,総断面に対して5.4.4 の規定を満足
し,かつ,6.5.6 及び6.5.8 の規定を満足する場合には,限界状態3を
超えないとみなしてよい。ただし,式(5.4.17)における𝜌,𝜌の補正
係数は考慮しなくてよい。
(3) 連結板は母材が(1)及び(2)を満足し,かつ,6.5.12 の規定による場合
には,限界状態3を超えないとみなしてよい。
6.10 高力ボルト支圧接合の限界状態3
6.10.1 一 般
高力ボルト支圧接合が,6.10.2 及び6.10.3 の規定による場合には,限界
状態3を超えないとみなしてよい。
6.10.2 支圧接合用高力ボルト
(1) 軸方向力又はせん断力が作用する板を連結する場合に,式(6.10.1)を
満足する。
𝑉௦ௗ≦𝑉௨ௗ ···················································(6.10.1)
ここに,
𝑉௦ௗ :ボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑉௨ௗ :ボルト1本あたりの制限値(N)で,式(6.10.2)による
ボルトのせん断破断に対する軸方向力又はせん断力の
制限値。
𝑉௨ௗ= ξଵ・ξଶ・Φெ௦ଵ・𝜏௨・𝐴௦・𝑚 ·························(6.10.2)
𝐴௦ :ねじ部の有効断面積(mm2)
𝑚 :接合面数(単せん断:𝑚=1,複せん断:𝑚=2)
𝜏௨ :表-4.1.11 に示す支圧接合用ボルトのせん断破断強度
245
本頁文字(可複製、可搜尋)
の特性値(N/mm2)
Φெ௦ଵ :抵抗係数で,表-6.10.1 に示す値とする。
ξଵ :調査・解析係数で表-6.10.1 に示す値とする。
ξଶ :部材・構造係数で表-6.10.1 に示す値とする。
(2) 曲げモーメントが作用する板を連結する場合に,式(6.10.3)を満足す
る。
ெೞ ௬
𝑉௦ௗ= ∑௬మ𝑦≦ ௬𝑉௨ௗ ········································(6.10.3)
ここに,
𝑉௦ௗ :ボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑀௦ௗ :ボルト群に生じる曲げモーメント(N・mm)
𝑦 :ボルトから中立軸までの距離(mm)
∑ :接合線の片側にあるボルトに対する和
𝑦 :最縁ボルトの中立軸からの距離(mm)。ただし,同一連
結部のフランジをボルトで連結している場合は,中立軸
からフランジの圧縮縁又は引張縁までの距離(mm)
𝑉௨ௗ :式(6.10.2)に示すボルト1本あたりの制限値。ただし,
抵抗係数は,表-6.10.1 に示すΦெଵとする。
(3) 曲げモーメント,軸方向力及びせん断力が組み合わされて作用する板
を連結する場合に,式(6.10.4)を満足する。
ට൫𝑉௦+ 𝑉௦ெ൯ଶ+ 𝑉௦௦ ଶ≦𝑉௨ௗ ··································(6.10.4)
ここに,
𝑉௦ :軸方向力によるボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑉௦ெ :曲げモーメントによるボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑉௦௦ :せん断力によるボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑉௨ௗ :式(6.10.2)に示すボルト1本あたりの制限値。ただし,
抵抗係数は,表-6.10.1 に示すΦெଵとする。
246
本頁文字(可複製、可搜尋)
(4) 曲げモーメントによるせん断力を受ける板を水平方向に連結する場合
に,式(6.10.5)を満足する。
ொ
𝑉௦ௗ= 𝑆௦ௗ・ ூ・ ≦𝑉௨ௗ ····································(6.10.5)
ここに,
𝑉௦ௗ :水平方向に連結するボルト1本あたりに生じる力(N)
𝑆௦ௗ :計算する断面に生じるせん断力(N)
𝑄 :部材の総断面の中立軸回りの,せん断力を計算する接合
線の外側の断面一次モーメント(mm3)
𝐼 :部材の総断面の中立軸回りの断面二次モーメント(mm4)
𝑝 :ボルトのピッチ(mm)
𝑛 :接合線直角方向のボルト数
𝑉௨ௗ :ボルト1本あたりの制限値(N)で,式(6.10.2)による
表-6.10.1 調査・解析係数,部材・構造係数,抵抗係数
ξଶ∙Φ(Φெ௦ଵ, Φெଵ, Φெଵ)
ξଵ
(ξଶとΦの積)
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外の作用の組合せを
0.50
考慮する場合 0.90
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)2)で⑩を考慮する場合
0.60
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)3)で⑪を考慮する場合 1.00
6.10.3 支圧接合での母材及び連結板
(1) 軸方向引張力が作用する母材が,6.5.5 に規定する純断面に対して,
5.4.5 の規定を満足し,かつ,6.5.6 及び6.5.8 の規定を満足する場合に
は,限界状態3を超えないとみなしてよい。
(2) 軸方向圧縮力が作用する母材が,総断面に対して5.4.4 の規定を満足
し,かつ,6.5.6 及び6.5.8 の規定を満足する場合には,限界状態3を
超えないとみなしてよい。ただし,式(5.4.17)における𝜌,𝜌の低減
係数は考慮しなくてよい。
(3) 連結板は母材が,(1)及び(2)を満足し,かつ,6.5.12 の規定による場
合には,限界状態3を超えないとみなしてよい。
247
本頁文字(可複製、可搜尋)
6.11 高力ボルト引張接合の限界状態3
6.11.1 一 般
高力ボルト引張接合が,1)及び2)を満足する場合には,限界状態3を超
えないとみなしてよい。
1) 高力ボルトが6.11.2 の規定を満足する。
2) 被接合材が5 章の関連規定により限界状態3を超えないとみなせる
条件を満足する。
6.11.2 引張接合用高力ボルト
(1) 短締め形式
短締め形式では引張力によって生じるてこ反力を考慮しなければなら
ない。
1) 引張力が生じる接合部のボルトが,式(6.11.1)を満足する。
𝑉௦ௗ= 𝑃௦ௗ(1 + 𝑝௬)/𝑛≦𝑉௧௨ௗ ·······························(6.11.1)
ここに,
𝑉௦ௗ : てこ反力を考慮したボルト1本に生じる引張力(N)
𝑃௦ௗ : 接合部に生じる引張力(N)
𝑝௬ : てこ反力係数
𝑛 : 接合部のボルト本数
𝑉௧௨ௗ : ボルト1本あたりに生じる引張力の制限値(N)で,式
(6.11.2)により算出する。
𝑉௧௨ௗ= ξଵ・ξଶ・Φெ்௧・𝜎௨・𝐴 ····························(6.11.2)
𝐴 :ねじ部の有効断面積(mm2)
𝜎௨ :表-4.1.13 に示す引張接合用高力ボルトの引張強度の
特性値(N/mm2)
Φெ்௧ :抵抗係数で表-6.11.1 に示す値とする。
ξଵ :調査・解析係数で表-6.11.1 に示す値とする。
ξଶ :部材・構造係数で表-6.11.1 に示す値とする。
248
本頁文字(可複製、可搜尋)
表-6.11.1 調査・解析係数,部材・構造係数,抵抗係数
ξଶ∙Φெ்௧
ξଵ
(ξଶとΦெ்௧の積)
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外の作用の組合せを考
0.75
慮する場合 0.90
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)2)で⑩を考慮する場合
0.90
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)3)で⑪を考慮する場合 1.00
(2) 長締め形式
引張力が作用する接合部のボルトが,式(6.11.3)を満足する。
𝑉𝑠𝑑𝑝= 𝑃𝑑/𝑛≦𝑉𝑡𝑢𝑑 ·································································· (6.11.3)
ここに,
𝑉௦ௗ :ボルト1本に生じる引張力(N)
𝑃ௗ :接合部に生じる引張力(N)
𝑛 :接合部のボルト本数
𝑉௧௨ௗ :ボルト1本あたりの引張力の制限値(N)で,式(6.11.2)
により算出する。
6.12 ピンによる連結
6.12.1 一 般
(1) ピンによる連結では,ピンに働く作用力に対してピン自体が安全であ
るとともに,ピンにより連結される部材も安全でなければならない。
(2) ピンによる連結部では,ピン及び連結される部材が移動しないように
しなければならない。また,ピン及びピン孔は回転による摩耗の影響が
少なくなければならない。
(3) (4)から(9)並びに,6.12.2 及び6.12.3 の規定を満足する場合には,
(1)及び(2)を満足するとみなしてよい。
(4) ピンによる連結では,主にせん断と支圧により力を伝達し,ピン軸ま
わりに回転を可能とする構造とする。
(5) ピンの直径は75mm 以上とし,ボルト孔や切り欠きを設けない。
249
本頁文字(可複製、可搜尋)
(6) ピンの仕上げ部の長さは部材の外面間距離より6mm 以上長くし,ピン
の両端にはローマスナット又は座金付き普通ナットを使用する。
(7) ピンとピン孔の直径の差は,ピンの直径130mm 未満のものに対しては
0.5mm,ピンの直径130mm 以上のものに対しては1mm とする。
(8) ピン孔を通る横断面における引張部材の純面積は,計算上必要な純断
面積の140%以上,引張部材のピン孔背後における純断面積は,計算上
必要な純断面積の100%以上とする。
(9) ピン孔がある部分の引張部材の腹板厚はその純幅の1/8 以上とする。
6.12.2 ピンによる連結の限界状態1
ピンによる連結部が5.3.12(2)の規定を満足し,かつ,被連結部が5.3.11
の規定を満足する場合には,限界状態1を超えないとみなしてよい。
6.12.3 ピンによる連結の限界状態3
ピンによる連結部が5.4.12 の規定を満足し,かつ,被連結部が5.4.11 の
規定を満足する場合には,限界状態3を超えないとみなしてよい。
6.13 鋼部材とコンクリート部材の接合
(1) 鋼部材とコンクリート部材とを連結し一体の部材とする場合の接合部
においては,少なくとも(2)から(4)を満足しなければならない。なお,
この節に規定されていない事項については,関連する各編の規定によら
なければならない。
(2) 接合部における鋼材及びコンクリートの荷重分担が明確であり,部材
相互の応力を確実に伝達できる構造とする。
(3) 接合部付近では,鋼部材及びコンクリート部材に発生する二次応力や
応力集中の影響が生じない構造とする。
(4) 施工工程を考慮し,各施工段階の応力度及びそれらの合成応力度に対
し,所要の安全性を確保する。
250
本頁文字(可複製、可搜尋)
7章 トラス構造・トラス系橋
7.1 適用の範囲
この章は,トラス構造及び11 章に規定する主桁・主構にトラス構造を用
いる橋(以下「トラス系橋」という。)に適用する。
7.2 トラス構造
7.2.1 一 般
部材の設計については5 章,接合部の設計については6 章の規定による。
7.2.2 トラスの二次応力に対する配慮
(1) トラス部材の断面の構成にあたっては,二次応力の影響を小さくし,
トラス面外の座屈の防止,格点での円滑な応力の伝達が図れるように配
慮しなければならない。
(2) (3)から(7)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 断面の構成にあたっては,断面の図心がなるべく断面の中心と一致し,
かつ骨組線と一致させる。
(4) 材片の組合せにあたっては,溶接部が左右はもとより上下にもなるべ
く対称な位置となるようにする。
(5) 軸方向圧縮力を受ける弦材,端柱及び中間支点に取り付く斜材等は,
原則として箱形又はπ形断面とし,かつ垂直軸まわりの断面二次半径に
関する細長比は,水平軸まわりのものよりも小さくする。
(6) 箱形断面部材においては,原則としてトラス面と平行に配置された板
(以下「腹板」という。)の断面積は部材総断面積の40%以上とする。
(7) 格点剛結の影響による二次応力をできる限り小さくなるようにし,主
トラス部材の部材高は,部材の長さの1/10 より小さくするのがよい。
7.2.3 トラス圧縮部材の有効座屈長
(1) トラス圧縮部材の有効座屈長は,格点での部材の拘束条件や他の部材
による支持条件を考慮して適切に決定しなければならない。
(2) 弦材に設けたガセットプレートに腹材を高力ボルトで接合する格点部
の構造の場合,(3)から(5)による場合には,(1)を満足するとみなしてよ
251
本頁文字(可複製、可搜尋)
い。
(3) トラス面内の有効座屈長
1) 弦材の有効座屈長は部材の骨組長をとる。
2) ガセットにより弦材に連結された腹材の有効座屈長は,連結高力ボ
ルト群の重心間距離をとってよい。ただし,骨組長の0.8 倍を下回っ
てはならない。なお,横構や対傾構等で部材の両面にガセットを設け
ない構造では骨組長の0.9 倍をとる。
3) 部材の中間点を他の部材が有効に支持する場合は,その支持点間を
有効座屈長としてよい。ここに有効に支持するという意味は,例えば
図-7.2.1 のように斜材と支材との連結が十分であり,かつ支材が
5.3.13 及び5.4.13 に規定する圧縮部材として設計されている場合を
いう。この場合斜材と支材との連結部の強さは,少なくとも斜材と弦
材との連結部の強さの1/4 以上とする。
図-7.2.1 支材のある腹材
(4) トラス面外の有効座屈長
圧縮部材のトラス面外の有効座屈長は骨組長をとるのを原則とする。
ただし,7.3.2 に規定する横構,対傾構又は橋門構によって横方向に支
持される主トラス弦材及び腹材はその支持点間を有効座屈長としてよ
い。
(5) 軸方向力の異なるトラス部材の面外有効座屈長
図-7.2.2 に示す部材𝑎𝑎തതതതのように,𝑎𝑏തതത,𝑏𝑎തതതで大きさの異なる軸方向圧縮
力が作用し,トラス面外に支材がない場合,部材𝑎𝑎തതതതのトラス面外に対す
る有効座屈長 𝑙 は,式(7.2.1)によって求めてよい。
𝑃ଶ 𝑙= ൬0.75 + 0.25 ൰𝐿 ·································· (7.2.1)
𝑃ଵ
ここに,𝑃ଵ,𝑃ଶは部材𝑎𝑎തതതതの各格間𝑎𝑏തതത,𝑏𝑎തതതに作用する軸方向圧縮力で
252
本頁文字(可複製、可搜尋)
𝑃ଵ≧𝑃ଶとする。
図-7.2.2 軸方向力の異なるトラス部材の面外有効座屈長
また,図-7.2.3 に示すK トラスの垂直材𝑎𝑎തതതതのように𝑎𝑏തതത,𝑏𝑎തതതで符号の異
なる軸方向力が作用し,トラス面外に支材がない場合,部材𝑎𝑎തതതതのトラス
面外に対する有効座屈長 𝑙 は式(7.2.2)によって求めてよい。
𝑃ଶ
𝑙= ൬0.75 −0.25 ൰𝐿 (𝑃ଵ≧𝑃ଶ) 𝑃ଵ ···················· (7.2.2)
𝑙= 0.5𝐿 (𝑃ଵ< 𝑃ଶ)
図-7.2.3 軸方向力の異なるトラス部材の面外有効座屈長
ただし,𝑃ଵは軸方向圧縮力の絶対値,𝑃ଶは軸方向引張力の絶対値とす
る。
なお,これらの式は部材𝑎𝑎തതതതで断面が一定の場合に適用することができ
る。
7.2.4 ダイアフラム等による補剛
(1) トラス部材の設計にあたっては,その断面形状が保持できるようにす
253
本頁文字(可複製、可搜尋)
るとともに,集中力の作用点では応力の伝達が確実となるようにしなけ
ればならない。
(2) (3)及び(4)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) トラスの格点,トラス部材の中間部で横構等を取り付ける箇所及び現
場継手の両側にはダイアフラムを設ける。
(4) トラス支承部,床桁の取付部等のように集中力の作用点の弦材及びガ
セットには,ダイアフラム等の補剛材を設けて応力の伝達が確実に行わ
れるようにする。
7.2.5 格 点
7.2.5.1 一 般
(1) 格点部は部材間の応力を円滑に伝達させるとともに,二次応力や応力
集中による損傷を防止できる構造とする。
(2) 格点の設計にあたっては,なるべく単純な構造とし,各部材の連結が
容易であり,かつ検査,排水,清掃等の維持作業が支障なく行えるよう
に配慮しなければならない。
(3) 部材に鋼管を用いる構造の場合は,5 章の規定による。
7.2.5.2 ガセット
(1) ガセットは,部材間の応力を円滑に伝達させるとともに,二次応力や
応力集中による損傷を防止できる構造としなければならない。
(2) (3)から(7)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 部材をガセットに連結する高力ボルトの配置は,部材の軸にできる限
り対称とし,かつ部材とガセットとの接触面全体に行きわたらせる。
(4) 主トラス格点において,弦材のウェブに重ねてガセットをあてる構造
で,かつ部材両面にガセットを使用する場合で7.2.2 の規定を満足する
場合には,ガセットの板厚は鋼材の種類に関わらず,式(7.2.3)により
算出する。
𝑃
𝑡= 1.8 × ·········································· (7.2.3)
𝑏
ここに,𝑡 :ガセットの板厚(mm)
𝑃 :ガセットで連結される端柱又は腹材に作用する最大部材
力(kN)
254
本頁文字(可複製、可搜尋)
𝑏 :ガセットで連結される端柱又は腹材のガセット面に接す
る部分の幅(mm)
(5) ガセットと弦材又は端柱のウェブとを一体とする構造では,ガセット
板厚はウェブより薄くしてはならず,また,式(7.2.3)で算出した値以
上とする。この場合,フィレット半径 𝑟 はガセットと一体となる弦材又
は端柱のウェブの高さ ℎ の1/5 以上とする(図-7.2.4)。
図-7.2.4 フィレット
(6) 斜材又は垂直材に圧縮力が作用する場合には,ガセットの局部座屈を
防止するため,図-7.2.5 における弦材とボルトの離れ 𝑙 は,表-7.2.1 を
超えないように設定する。
図-7.2.5 弦材とボルトとの離れ 𝑙
255
本頁文字(可複製、可搜尋)
表-7.2.1 弦材とボルトとの離れ 𝑙
SS400 SM490Y
ガセットの SBHS400 SM570 SBHS500
SM400 SM490 SM520
鋼種 SBHS400W SMA570W SBHS500W
SMA400W SMA490W
𝑙 ≦26𝑡 ≦22𝑡 ≦21𝑡 ≦20𝑡 ≦19𝑡 ≦18𝑡
ここに,𝑡:ガセットの板厚(mm)
(7) ガセットの最小板厚は9mm とする。
7.2.6 トラス構造の限界状態1
7.2.6.1 格 点
トラス構造の格点部が7.2.8.1 の規定を満足する場合には,格点部は限
界状態1を超えないとみなしてよい。
7.2.6.2 トラス構造
トラス構造が,7.2.1 から7.2.5 の規定を満足するとともに,トラス構造
を構成する各部材等が3.6.2 に規定する部材等の限界状態1を超えないと
みなせる場合には,限界状態1を超えないとみなしてよい。
7.2.7 トラス構造の限界状態2
7.2.7.1 格 点
トラス構造の格点部が7.2.8.1 の規定を満足する場合には,格点部は限
界状態2を超えないとみなしてよい。
7.2.7.2 トラス構造
トラス構造が,7.2.1 から7.2.5 の規定を満足するとともに,トラス構造
を構成する各部材等の状態の組合せにより,トラス構造全体として荷重を支
持する能力はあらかじめ想定する範囲内にあり,かつ,特別な注意のもとで
使用できる限界の状態の場合には,トラス構造の限界状態2を超えないとみ
なしてよい。
256
本頁文字(可複製、可搜尋)
7.2.8 トラス構造の限界状態3
7.2.8.1 格 点
トラス構造の格点部を構成する各部材等が3.6.2 に規定する部材等の限
界状態3を超えないとみなせる場合には,格点部は限界状態3を超えないと
みなしてよい。
7.2.8.2 トラス構造
(1) トラス構造が,7.2.1 から7.2.5 の規定を満足するとともに,トラス
構造を構成する各部材等の状態の組合せにより,トラス構造全体として
荷重を支持する能力の観点で挙動が可逆性を失うものの,耐荷力を完全
には失わない限界の状態の場合には,トラス構造の限界状態3を超えな
いとみなしてよい。
(2) 主トラスの支間長に比べてその主構間隔が非常に狭いトラス系橋で
は,3.7.5(8)の規定に従い,全体座屈について安全であるようにしなけ
ればならない。
7.2.9 防せい防食
(1) トラス構造の耐久性能は,Ⅰ編6 章及びこの編の14 章から16 章の規
定によらなければならない。
(2) トラス構造の格点及びコンクリート埋込み部等は,発せいや防食機能
の低下が生じないように配慮しなければならない。また,閉断面の場合
は内部に滞水が生じないように,防せい防食処理の施工や排水に配慮し
なければならない。
(3) 箱形断面の場合は,現場継手両側のダイアフラムは密閉形とする。
7.3 トラス系橋
7.3.1 一 般
(1) トラス系橋は,関連する規定によるほか,以下によらなければならな
い。
1) 主桁・主構は11 章による。
2) 床版・床組は12 章による。
3) 立体的構造保持部材は13 章による
257
本頁文字(可複製、可搜尋)
4) ポニートラスは7.3.3 による。
5) 床版を直接支持する弦材は,7.3.4 による。
(2) トラス系橋の設計にあたっては,Ⅰ編3.2 及びこの編の3.6.1 による
とともに,施工方法,施工途中の各段階における構造等の条件を適切に
考慮して,施工時の安全性を確保しなければならない。
(3) トラス系橋においてⅠ編2.4.2 に規定する立体的構造保持機能系統を
構成する部材等として,7.3.2 の規定を満足する横構,対傾構及び橋門
構を設ける場合には,13 章を満足する立体的構造保持部材が設けられて
いるとみなしてよい。
7.3.2 横構,対傾構及び橋門構
7.3.2.1 横 構
(1) トラスの上弦及び下弦にはそれぞれ横構を設けることを原則とする。
(2) 無載荷弦に横構部材を取り付ける部分においては,横構部材高が弦材
高より小さくストラットがその部分に取り付いていない場合,取付部付
近の横構部材を拡大して弦材の全高にわたって取り付けるのがよい。
(3) 下路トラスのストラットの高さは少なくともそれが取り付く弦材の高
さと同じにする。
(4) 圧縮弦に取り付けられる横構及びストラットは,式(7.3.1)及び式
(7.3.2)による断面力に対して,5 章及び6 章に規定する部材等の限界
状態1及び限界状態3を超えないとみなせる条件を満足する。
𝑃ଵ+ 𝑃ଶ ストラットに対して ···················· (7.3.1)
100
𝑃ଵ+ 𝑃ଶ
横構に対して sec 𝜃 ···················· (7.3.2)
100
ここに,𝑃ଵ,𝑃ଶ :横構又はストラットが取り付けられている格点の左
右側にある弦材の圧縮力(N)
𝜃 :ストラットと横構とのなす角度
(5) 横構は主トラス弦材応力の一部を分担するほか,中間対傾構の影響に
よる付加応力を受けることがあるので,余裕を見込んだ設計を行うよう
に配置することが望ましい。
258
本頁文字(可複製、可搜尋)
7.3.2.2 対傾構
(1) トラスの各格点には対傾構を設けることを原則とする。
(2) 上路トラスの場合は,以下による。
1) 中間対傾構は,主構の全高にわたってトラスを組むことを原則とし,
このとき部材の断面は5.2.2 の規定を満足しなければならない。
2) 支点上の対傾構は,トラスを組んで十分な剛性を確保し,かつ上弦
に作用する横荷重の全反力を支点に伝え得るものでなければならな
い。
7.3.2.3 橋門構
下路トラス橋の橋門構は,上弦に作用する横荷重の全反力を支点に伝え得
る構造とし,なるべく箱形断面の部材を用いて端柱及び上弦材のフランジに
直接取り付けるのがよい。I形断面の部材を用いる場合は端柱の図心の位置
に取り付け,ダイアフラム等を用いて応力の伝達が確実なものとなるように
しなければならない。
7.3.3 ポニ-トラス
(1) ポニートラスの上弦材,垂直材,床桁及びそれらの連結部の設計にあ
たっては,上弦材の横座屈防止に必要な強度と剛性とを確保しなければ
ならない。
(2) (3)及び(4)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) ポニートラスの垂直材,床桁及び垂直材と床桁との連結部は,式
(7.3.3)によって算出した横力に対して,5 章及び6 章に規定する限界
状態1及び限界状態3を超えないとみなせる条件を満足する。
𝑃
𝐻= ············································· (7.3.3)
100
ここに,𝐻 :横力(N)
𝑃 :上弦材に作用する最大軸方向圧縮力(N)
(4) ポニートラス上弦材の垂直軸まわりの断面二次半径は,水平軸まわり
の断面二次半径の1.5 倍以上とする。
7.3.4 床版を直接支持する弦材
(1) 主トラスの弦材がコンクリート床版を直接支持する構造とする場合に
259
本頁文字(可複製、可搜尋)
おいては,その弦材は,主トラス部材としての機能と床組部材としての
機能を同時に満たさなければならない。
(2) 主トラスの弦材がコンクリート床版を直接支持する構造で,かつ格点
外に作用した荷重の影響が弦材にのみ現れるとみなすことができる場合
に,その弦材を主トラス部材として算出した応力と床組部材として算出
した応力とが同時に作用する部材として設計する場合には,(1)を満足す
るとみなしてよい。ただし,この場合の圧縮応力度の制限値はその上限
値を用いる。
7.3.5 そ り
主トラスには,死荷重によるたわみに対して,路面が所定の高さになるよ
うに,そりをつけることを原則とする。
8 章 アーチ構造・アーチ系橋
8.1 適用の範囲
この章は,アーチ構造及び11 章に規定する主桁・主構にアーチ構造を用
いる橋(以下「アーチ系橋」という。)に適用する。
8.2 アーチ構造
8.2.1 一 般
(1) 部材の設計については5 章,接合部の設計については6 章の規定によ
る。
(2) アーチ部材の配置,形状及び部材断面の選定にあたっては,アーチ面
内外への全体座屈が生じないようにしなければならない。
(3) アーチの部材軸線は,原則として骨組線と一致させなければならない。
(4) アーチの設計にあたっては,アーチを構成する部材等が限界状態1又
は2を超えたとしても,アーチとしての耐荷機構による耐荷性能が急激
に失われることがないようにしなければならない。
260
本頁文字(可複製、可搜尋)
8.2.2 アーチ構造の限界状態1
アーチ構造が,8.2.1 の規定を満足するとともに,アーチ構造を構成する
各部材等が3.6.2 に規定する部材等の限界状態1を超えないとみなせる場
合には,限界状態1を超えないとみなしてよい。
8.2.3 アーチ構造の限界状態2
アーチ構造が,8.2.1 の規定を満足するとともに,アーチ構造を構成する
各部材等の状態の組合せにより,アーチ構造全体として荷重を支持する能力
はあらかじめ想定する範囲内にあり,かつ,特別な注意のもとで使用できる
限界の状態の場合には,アーチ構造の限界状態2を超えないとみなしてよ
い。
8.2.4 アーチ構造の限界状態3
(1) アーチ構造が,8.2.1 の規定を満足するとともに,アーチ構造を構成
する各部材等の状態の組合せにより,アーチ構造全体として荷重を支持
する能力の観点で挙動が可逆性を失うものの,耐荷力を完全には失わな
い限界の状態であって,8.3.4,並びに(2)及び(3)を満足する場合には,
限界状態3を超えないとみなしてよい。
(2) 8.3.2 の規定により変位の影響を考慮するアーチ系橋では,荷重の増
加に対して安全となるようにする。
(3) 死荷重及び衝撃を含む活荷重の特性値に1.7 を乗じた荷重により生じ
る応力度が,式(8.2.1)を超えない。
𝜎௬ (引張応力の場合)
𝜎௨= ·················· (8.2.1)
𝜌𝜎௬ (圧縮応力の場合)
ここに,𝜎௬ :4.1.2 に示す鋼材の降伏強度の特性値(N/mm2)
𝜌 :5.4.1,5.4.2 及び5.4.3 に示す局部座屈の影響を考慮
した特性値の補正係数
8.2.5 防せい防食
(1) アーチ構造の耐久性能は,Ⅰ編6 章及びこの編の14 章から16 章の規
定によらなければならない。
(2) アーチ構造を構成する部材と吊材等の接合部,及び,やむを得ずコン
クリート中に部材を埋め込む場合の埋込み部等に発せいや防食機能の低
261
本頁文字(可複製、可搜尋)
下が生じないように配慮しなければならない。また,閉断面の場合は内
部に滞水が生じないように,防せい防食処理の施工や排水に配慮しなけ
ればならない。
8.3 アーチ系橋
8.3.1 一般
(1) アーチ系橋は,関連する規定によるほか,以下によらなければならな
い。
1) 主桁・主構は11 章による。
2) 床版・床組は12 章による。
3) 立体的構造保持部材は13 章による。
(2) アーチ系橋の設計にあたっては,Ⅰ編3.2 及びこの編の3.6.1 による
とともに,施工方法,施工途中の各段階における構造等の条件を適切に
考慮して,施工時の安全性を確保しなければならない。
(3) アーチ系橋の耐荷性能の評価にあたっては少なくとも,8.3.2 から
8.3.5 の規定を満足しなければならない。
8.3.2 変位の影響
アーチ系橋の設計にあたっては,必要に応じて骨組線の変位の影響を適切
に考慮しなければならない。
このとき,1主構あたりの荷重組合せ係数及び荷重係数を考慮した死荷重
強度が式(8.3.1)により算出される𝑤(kN/m)より大きいアーチ系橋では,
死荷重と活荷重を載荷することによって生じる骨組線の変位の影響を考慮し
て主構造を設計する。ただし,補剛桁に軸方向力が生じるアーチ系橋では,こ
れを無視してよい。
8𝛼
𝑤= ··········································· (8.3.1) 𝛾∙𝐸𝐼𝐿ଷ∙𝑓𝐿
ここに,𝐸 :ヤング係数(kN/m2)
𝐼 :アーチ面内の曲げに対する片側アーチ部材の断面二次モーメ
ントの平均値(m4)。補剛アーチの場合には,アーチと補剛桁
の和をとる。
𝐿 :アーチの支間長(m)
𝑓 :アーチのライズ(m)
262
本頁文字(可複製、可搜尋)
𝛼 :表-8.3.1 に示すアーチの面内座屈係数
𝛾 :表-8.3.1 に示す補正係数
表-8.3.1 面内座屈係数 𝛼 及び補正係数 𝛾
f/L α γ
B A
0 0.10 0.15 0.20 0.30
構造形式 活荷重 活荷重
無 ア 2 ヒンジアーチ 39.5 36.0 32.0 28.0 20.0
補 ー 10.5 9.5
剛 チ 固定アーチ 81.0 76.0 69.5 63.0 48.0
側径間がない場合 39.5 36.0 32.0 28.0 20.0
補 2 0 81.0 76.0 69.5 63.0 48.0
剛 ヒ
桁 ン 0.25 63.0 58.5 52.5 47.0 34.5 生
に ジ じ
軸 補 側径間が 0.50 55.5 51.5 46.5 41.5 30.5 14.0 12.5 な
方 剛 λ い ある場合 0.75 51.5 48.0 43.0 38.5 28.5 向 ア
力 ー
1.0 49.0 45.5 41.0 36.5 27.0 が チ
2.0 45.0 41.0 36.5 32.0 22.5
𝑎 𝐼
(a) 𝜆= 𝐿൬1 + 𝐼ீ ൰ ···································· (8.3.2)
ここに,𝑎 :補剛桁の側径間の支間長(m)
𝐿 :アーチの支間長(m)
𝐼:アーチ面内の曲げに対する片側アーチ部材の断面二次モーメ
ントの平均値(m4)
𝐼ீ:片側補剛桁の断面二次モーメントの平均値(m4)
(b) 𝑓𝐿⁄ 及び 𝜆 が表-8.3.1 に示す値の中間の値となる場合は,𝛼 は直線
補間して算出してよい。
8.3.3 アーチリブの設計で考慮する断面力
(1) アーチリブは,(2)による場合を除き,5.3.8 及び5.4.8 の規定により
軸方向力及び曲げモーメントを受ける部材として設計する。このとき,
部材断面図心の骨組線からの偏心量として,互いに隣接する格点を結ぶ
直線と部材軸線のへだたりを考慮する。
(2) 1)から4)に示す条件を全て満足するアーチ系橋では,アーチリブを軸
263
本頁文字(可複製、可搜尋)
方向力のみを受ける部材として設計してよい。
1) 8.3.2 に規定する変位の影響を無視できる。
2) アーチ軸線が各格点間で直線である。
3) アーチリブの部材高が格間の1/10 以下である。
4) 式(8.3.3)を満足する。
𝛽∙𝜎௨ௗ ∙ℎீ 1 ···································· (8.3.3) 𝜎௧௨ௗ ℎ>
ここに,ℎ :アーチリブの部材高さの平均値(mm)
ℎீ :補剛桁の部材高さの平均値(mm)
𝜎௨ௗ :アーチリブの軸方向圧縮応力度の制限値の平均値
(N/mm2)
𝜎௧௨ௗ :補剛桁の下フランジの軸方向引張応力度の制限値の
平均値(N/mm2)
𝛽 :補剛桁に軸方向力が生じない場合
β=0.04+0.004 l/r
補剛桁に軸方向力が生じる場合
β=1.75(0.04+0.004 l/r)
𝑙𝑟⁄ :アーチ部材の細長比
8.3.4 アーチ系橋の面外座屈
(1) 主構間隔が支間に比べて小さいアーチ系橋は,面外座屈に対して安全
であることを照査しなければならない。
(2) (3)から(5)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 3.7.5(8)の規定に従い,アーチ構造の面外座屈を設計するにあたって
は,図-8.3.1 に示す載荷状態について荷重組合せ係数及び荷重係数を考
慮して照査するのを原則とする。ただし,等分布活荷重 𝑝ଵ は曲げモーメ
ントを算出する場合の値を用いる。
264
本頁文字(可複製、可搜尋)
図-8.3.1 面外座屈の照査に用いる載荷状態
(4) アーチ軸線が鉛直面内にあって対称な放物線をなし,部材がほぼ等高
のアーチで,横構と対傾構が13 章の規定に準じて設けられている場合
には,アーチの面外座屈の照査は,式(8.3.4)によってよい。
𝐻
≦𝛼𝜎௨ௗ ·········································· (8.3.4)
𝐴
ここに,𝐻 :図-8.3.1 に示す載荷によって片側アーチ部材に作用す
る軸方向力の水平成分(kN)
𝐴 :片側アーチ部材の総断面積の平均値(m2)
𝜎௨ௗ :片側アーチ部材のL/4 点の5.4.4 に規定する軸方向圧
縮応力度の制限値(kN/m2)。ただし,有効座屈長(m)
及び断面二次半径(m)は(5)による。
𝛼 :アーチリブの面外座屈に対する補正係数0.7 とする。
(5) (4)に規定する照査における有効座屈長 𝑙 及び断面二次半径 𝑟 はそれ
ぞれ式(8.3.5)による。
𝑙= 𝜑𝛽௭𝐿
ଶ ···························· (8.3.5)
𝑟= ඨቊ𝐼௭+ 𝐴൬𝑏 ቋ ൘ 𝐴 2൰
ここに,𝐼௭ :片側アーチ部材の鉛直軸のまわりの断面二次モーメン
トの平均値(m4)
𝐴 :片側アーチ部材の総断面積の平均値(m2)
𝑏 :アーチ軸線の間隔(m)
𝛽௭ :表-8.3.2 に示す値。なお,f/L の中間の値に対しては直
線的に補間してよい。
265
本頁文字(可複製、可搜尋)
表-8.3.2 βz の値
ライズ比 𝐼௭, 𝑐
𝐼௭(𝑥) 𝜑௫ f/L 𝑓
𝑥 𝐿
断 面
0.05 0.10 0.20 0.30 0.40
Iz=一定 0.50 0.54 0.65 0.82 1.07
𝐼௭(x) = 𝐼௭,/cos𝜑௫ 0.50 0.52 0.59 0.71 0.86
φ : (i)から(ⅲ)に規定する値
(ⅰ) 下路補剛アーチ φ=1-0.35k
(ⅱ) 上路補剛アーチ φ=1+0.45k
(ⅲ) 中路補剛アーチ φ=1
k : 図-8.3.1 の載荷状態において吊材又は支柱が分担する荷重の
全荷重に対する比の値。ただし,上路補剛アーチで,アーチと
補剛桁をアーチクラウンで剛結しない場合は,k =1 とする。
(6) 3.7.5(8)の規定に従い,構造全体系の線形固有値解析を行って面外座
屈に対する固有値を算出する場合には,(4)及び(5)に関わらず,式
(8.3.6)からアーチリブ各断面の有効座屈長を求めるとともに,この有
効座屈長を基に5.4.4 に規定する軸方向圧縮応力度の制限値を算出し,
式(8.3.7)によりアーチリブ各断面の作用圧縮応力度を照査してもよい。
······································· (8.3.6) 𝑙= 𝜋ඨ𝐸𝐼
𝜆௨௧𝑁
𝑁𝐴⁄ ≦𝛼𝜎௨ௗ ······································· (8.3.7)
ここに,𝜆௨௧ :固有値
𝑙 :断面i の有効座屈長(m)
𝐸 :ヤング率(kN/m2)
𝐼 :断面i の鉛直軸回りの断面二次モーメント(m4)
𝑁 :断面i の作用軸力(kN)
𝐴 :断面i の断面積(m2)
𝛼 :アーチリブの面外座屈に対する補正係数で0.7 とす
る。
𝜎௨ௗ :式(8.3.6)の有効座屈長をもとに5.4.4 によって算出
266
本頁文字(可複製、可搜尋)
した軸方向圧縮応力度の制限値
このとき,線形固有値解析の荷重としては荷重組合せ係数及び荷重係数
を考慮した死荷重と活荷重を考慮し,活荷重はアーチリブ軸方向力が最大
となるように載荷する。このときの活荷重は,着目断面ごとに変化させる
必要はなく,通常であれば図-8.3.1 に示す状態でよい。
8.3.5 吊材又は支柱
(1) 吊材又は支柱の部材力の算出にあたっては,吊材又は支柱の長さが特
に短いものを除いては,アーチ面内の変形に対してそれらの両端はピン
と仮定してよい。
(2) 吊材又は支柱と補剛桁又はアーチリブの連結部は,有害な応力集中や
二次応力が生じないように注意しなければならない。
(3) 細長い吊材や支柱では,風によって有害な振動が発生しないように注
意しなければならない。
9章 ラーメン構造・ラーメン系橋
9.1 適用の範囲
この章は,ラーメン構造及び11 章に規定する主桁・主構にラーメン構造
を用いる橋(以下「ラーメン系橋」という。)に適用する。
9.2 ラーメン構造
9.2.1 一般
(1) 部材の設計については5 章,接合部の設計については6 章の規定によ
る。
(2) 垂直応力度とせん断応力度が作用するラーメン部材の設計にあたって
は,これらの組合せに対して安全となるようにしなければならない。
(3) ラーメン構造は全体座屈に対して安全となるように設計しなければな
らない。
267