¶ 道路橋示方書(1/16)
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別添
道路橋示方書
ページ
Ⅰ 共通編 ················································· 2
Ⅱ 鋼部材・鋼上部構造編 ································· 118
Ⅲ コンクリート部材・コンクリート上部構造編 ············· 396
Ⅳ 下部構造編 ··········································· 576
Ⅴ 上下部接続部編 ······································· 782
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Ⅰ 共 通 編
1章 総 則
1.1 適用の範囲
(1) 道路橋示方書は,支間長が200m 以下の橋の設計及び施工に適用する。
ただし,支間長が200m を超える橋についても,橋種,構造形式,架橋地
点の実状等に応じ必要かつ適切な補正を行って,この示方書を準用する
ことができる。
(2) この示方書は,Ⅰ共通編,Ⅱ鋼部材・鋼上部構造編,Ⅲコンクリート
部材・コンクリート上部構造編,Ⅳ下部構造編,Ⅴ上下部接続部編で構
成し,各編の適用の範囲は以下のとおりとする。
1) Ⅰ共通編
橋の性能等,共通的な事項,付属物等
2) Ⅱ鋼部材・鋼上部構造編
主として鋼部材及び鋼製の上部構造
3) Ⅲコンクリート部材・コンクリート上部構造編
主としてコンクリート部材及びコンクリート製の上部構造
4) Ⅳ下部構造編
主として下部構造,橋の区間に接続する道路区間に関する事項
5) Ⅴ上下部接続部編
主として上下部接続部
1.2 用語の定義
1.2.1 用語の定義
(1) 上部構造
上下部接続部のみを境界条件として,それらに支持されていることを
前提に専ら自動車等の上載荷重と自重及びその他自らに作用する荷重に
抵抗して橋の区間の路面を形成する構造部分
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(2) 下部構造
地盤と上下部接続部を境界条件として,橋の区間の路面高さを保持す
るとともに,橋に作用する全ての荷重を下部構造の周辺地盤に伝達する
構造部分
(3) 上下部接続部
上部構造と下部構造を境界条件として,上部構造に作用する全ての荷
重等の影響を下部構造に伝達するとともに,専ら上部構造の位置を所定
の範囲にとどめるために上部構造と下部構造の間の相対変位を制御する
役割を担う構造部分
(4) 橋の区間
上部構造と橋台躯体構造の一部として扱う背面部からなる区間
(5) 橋梁接続区間
橋の区間に接続する道路区間のうち,橋の使用目的との適合性の観点
から,路面の連続性などの道路機能に関し,橋の区間と一体的にその性
能を評価する区間
(6) 鋼橋
上部構造の耐荷性能を担う部材が主に鋼材からなる橋
(7) コンクリート橋
上部構造の耐荷性能を担う部材が主にコンクリートからなる橋
(8) 車道部分
車道部(車道,中央帯,路肩等)のうち自動車が通行できる部分
(9) 歩道等
道路構造令第2条で定義する歩道,自転車道及び自転車歩行者道
(10) 部材等
着目する単独の部材又は複数の部材の集合,部材の一部分又は接合部,
安定に関わる基礎地盤
(11) 設計供用期間
適切な維持管理が行われることを前提に,設計の前提として橋が所要
の性能を有した状態で供用されることを想定する期間
(12) 橋の設計耐久期間
適切な維持管理が行われることを前提に,経年の影響に対し,橋の耐
荷性能の評価において考慮する状態が維持されることを想定する期間
(13) 部材等の設計耐久期間
適切な維持管理が行われることを前提に,経年の影響に対し,部材等
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ごとに材料の機械的性質や力学的特性等といった部材等の耐荷性能の評
価において考慮する状態が維持されることを想定する期間
(14) 橋の性能
橋の耐荷性能や耐久性能,その他使用目的との適合性を満足するため
に必要な性能から構成される一連の性能
(15) 橋の耐荷性能
設計状況に対して,橋としての荷重を支持する能力の観点及び橋の構
造安全性の観点から,橋の状態が想定される区分にあることを所要の信
頼性で実現する性能
(16) 橋の耐久性能
橋の設計耐久期間における経年の影響に対して,橋の耐荷性能の評価
において考慮する状態が維持されることを,所要の信頼性で実現する性
能
(17) 設計状況
橋の耐荷性能を照査するにあたって,地形,地質,気象,自動車の通
行の状況等,橋が置かれる外的環境について,外的環境に関わる作用の
組合せで代表させた状況
(18) 限界状態
橋の耐荷性能を照査するにあたって,応答値に対応する橋や部材等の
状態を区分するために用いる状態の代表点
(19) 機能系統
橋の耐荷性能を満足させるうえで,上部構造,下部構造,上下部接続
部のそれぞれが有する橋としての耐荷機構を成立させるために必要不可
欠な機能を担う系統であり,橋を構成する部材等からなる
(20) 作用
部材等に発生する断面力や変形等の状態変化を部材等に生じさせる全
ての働き
(21) 荷重
部材等に働く作用を力に変換したもの
(22) 永続作用
設計供用期間内において,その大きさが大きく変動することなく継続
的に又は非常に高い頻度で部材等に影響を及ぼす作用
(23) 変動作用
設計供用期間内において,絶えず大きさが変動し,その作用の最大値
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又は最小値が部材等に及ぼす影響が無視できない作用
(24) 偶発作用
設計供用期間内に生じる可能性が極めて小さい,又はその規模や頻度
について確率統計的に扱うことが困難であるが,部材等に及ぼす影響が
甚大である作用
(25) 応答値
断面力や変形等,作用により変化する部材等の状態を表す指標の値
(26) 特性値
設計計算において,作用や材料の性質,部材等の応答の性質を最も適
切に代表できるものとした指標の値
(27) 塑性変形能
部材が作用の繰返しを受けた場合に,荷重支持能力の低下があらかじ
め想定した範囲でかつ限定的な範囲にとどまる状態を保持したまま,あ
らかじめ想定した範囲の塑性変形を安定的に繰り返すことができる能力
(28) 減衰付加装置
それ自体は橋の耐荷性能を担う部材として扱われないが,橋に主に減
衰を付加する目的で橋の耐荷性能を担う部材に接続され,特に高い減衰
特性を有する部材や装置
1.2.2 字句の意味
規定の末尾に用いられる字句の意味は表-1.2.1 に示すとおりとする。
表-1.2.1 末尾に置く字句の意味
末尾に置く字句 意味の区別
・・・・・・する。 理論上又は実際上の明確な根拠に基づく規
・・・・・・とする。 定又は規格や取扱いを統一する必要性から設
・・・・・・による。 けた規定。
・・・・・・とおりとする。 したがって,よほどはっきりした理由がな
・・・・・・しなければならない。 い限り当該規定に従わなければならない。
・・・・・・原則として・・・・・する。 周囲の状況等によって一律に規制すること
・・・・・・を標準とする。 はできないが,実用上,規格や取扱いを統一
する必要性から設けた規定。したがって,規
定の趣旨を逸脱しない範囲であれば,必ずし
も当該規定に従う必要はない。
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・・・・・・することができる。 (1) 本来,厳密な検討を行ったうえで設計す
るのがよいものの,設計を簡単にすること
を旨とするときの便宜上,簡便法を与えた
規定。したがって,厳密な検討を行う場合
には,それが当該規定に優先する。
(2) 規定が全て安全側につくられているた
め,それをそのまま適用すると厳しすぎる
場合,緩和するための規定。したがって,
原則や標準とする規定が安全側にすぎる
ことが明らかな場合には,必ずしも当該規
定に従う必要はない。
1.3 設計の基本理念
橋の設計にあたっては,使用目的との適合性,構造物の安全性,耐久性,
維持管理の確実性及び容易さ,施工品質の確保,環境との調和,経済性を考
慮しなければならない。
1.4 橋の重要度
(1) 橋の設計において実現するべき橋の性能は,物流等の社会・経済活動
上の位置付けや,防災計画上の位置付け等の道路ネットワークにおける
路線の位置付けや代替性を考慮して決定する。
(2) 橋は,表-1.4.1 に規定する防災機能上の橋の重要度の区分に従って,
道路機能の観点からの重要性が標準的な橋及び特に重要性が高い橋(以
下それぞれ「A種の橋」及び「B種の橋」という。)のいずれかに区分し
なければならない。
表-1.4.1 防災機能上の橋の重要度の区分
防災機能上の
対象となる橋
橋の重要度の区分
A種の橋 下記以外の橋
・高速自動車国道,都市高速道路,指定都市高速道路,本州
四国連絡道路,一般国道の橋
・都道府県道のうち,複断面,跨線橋,跨道橋又は地域の防
災計画上の位置付けや当該道路の利用状況等から特に重要
B種の橋
な橋
・市町村道のうち,複断面,跨線橋,跨道橋又は地域の防災
計画上の位置付けや当該道路の利用状況等から特に重要な
橋
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1.5 設計供用期間
橋の設計にあたっては,適切な維持管理が行われることを前提に橋が所
要の性能を有した状態で供用されることを想定する期間として設計供用期
間を定めることとし,100 年を標準とする。
1.6 調査
橋の適切な設計,施工,維持管理を行うために,橋の建設予定地点の状況,
構造物の規模等に応じて必要な調査を行わなければならない。なお,調査に
ついてはこの編によるほか,Ⅱ編からⅤ編の関連する規定によらなければな
らない。
1.7 計画
1.7.1 架橋位置と形式の選定
橋の計画にあたっては,以下の1)から4)を考慮して架橋位置と形式の選
定を行わなければならない。
1) 路線線形や地形,地質,気象,交差物件等の外部的な諸条件,使用目
的との適合性,構造物の安全性,耐久性,維持管理の確実性及び容易さ,
施工品質の確保,環境との調和,経済性。
2) 地域の防災計画や関連する道路網の計画との整合性。
3) 地域の防災計画等で想定される地震によって生じ得る津波,斜面崩壊
等及び断層変位によって深刻な影響を受ける可能性。なお,やむを得ず
これらの影響を受ける架橋位置又は橋の形式となる場合には,少なくと
も致命的な被害が生じにくくなるような構造とする等,地域の防災計画
等とも整合するように必要な対策を講じなければならない。
4) 地域の防災計画等で想定される地震や,その他大規模な地震が発生し
たときに道路ネットワークにおける路線の位置付けや代替性,架橋位置
や交差物件との関係から求められる道路の通行機能を確保するための,
橋の区間内並びに橋と一体的に評価する区間(以下「橋梁接続区間」と
いう。)と橋の区間の路面の連続性の確保の容易さ及び確実性。
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1.7.2 交差物件との関係
架橋位置,支間割,橋脚位置,橋脚形状,橋下空間等は,使用目的との
適合性,構造物の安全性,耐久性,維持管理の確実性及び容易さ,施工品
質の確保,環境との調和,経済性を考慮し,また,交差物件の管理者と十
分協議して定めなければならない。
1.8 設計
1.8.1 設計の基本方針
(1) 設計にあたっては,橋の耐荷性能,橋の耐久性能,その他使用目的と
の適合性の観点から橋の性能を適切に設定し,これらを満足させなけれ
ばならない。
(2) 橋の耐荷性能を満足するために,設計供用期間中の交通の状況,地形,
地質,気象その他の状況に対して,橋が落橋等の致命的な状態に対して
安全な状態であること,及び,状況に応じて必要な橋の機能を満足する
適切な状態にあることを,それぞれ所要の信頼性で実現できるように設
計する。
(3) 橋の耐久性能は,経年の変化を考慮し,橋の設計耐久期間にわたって
所要の橋の耐荷性能が確保される状態が所要の信頼性で得られるように
する。
(4) 橋の設計にあたっては,橋の使用目的との適合性を満足するために,
通行者が安全かつ快適に使用できるために必要な性能,道路橋の損傷経
験等も踏まえて付与しておくのがよい性能等のその他必要な性能につい
て検討し,適切に設計に反映させるものとする。
(5) (1)の橋の耐荷性能は,2章から5章及び8章以降の規定による。
(6) (1)の橋の耐久性能は,6章及び9章以降の規定による。
(7) (1)のその他使用目的との適合性の観点からの橋の性能は,7章の規定
による。
(8) 橋の設計にあたっては,橋の性能の前提とする維持管理の条件を定め
なければならない。
(9) 橋の設計にあたっては,橋の性能の前提とする施工の条件を定めなけ
ればならない。
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1.8.2 設計の手法
設計は,理論的な妥当性を有する手法,実験等による検証がなされた手
法等適切な知見に基づいて行わなければならない。
1.8.3 構造設計上の配慮事項
(1) 橋の設計にあたっては,1)から5)の観点等について構造設計上配慮で
きる事項と構造設計への反映方法を総合的に検討し,必要に応じて,設
計上配慮できる事項を橋の構造設計に反映する。
1) 施工品質の確認の確実性及び容易さの観点
2) 橋の一部の部材や接合部の損傷等が原因となって崩壊等の橋の致命
的な状態となる可能性及び橋の機能の回復が困難になる可能性の観点
3) 地域の防災計画や関連する道路網の計画との整合性の観点
4) 維持管理の実施の確実性や容易さの観点
5) 経済性の観点
(2) 少なくとも,1)から5)について構造設計上配慮できる事項を検討する
ことを標準とする。
1) 設計で前提とする施工品質が満足されていることを,確実かつ容易に
確認することができる構造とするための配慮。
2) 橋の一部の部材や接合部の損傷等が原因となって崩壊等の橋の致命
的な状態となる可能性に対して,補完性又は代替性を考慮した部材の配
置を行うこと,一旦発生すると制御困難な現象の防止策を設けること,
又は一部の損傷が橋の安全性に与える影響を拡大させない別途の部材
等を設置すること等の致命的な状態を回避するための配慮。
3) 橋の一部の部材や接合部の損傷等が原因となって橋の機能の回復が
困難になる可能性に対する部材等の修繕や更新の実現性への配慮。特に
設計耐久期間中に更新することを想定する部材については,更新が確実
かつできるだけ容易に行うことができる構造とするための配慮。
4) 供用期間中の点検及び事故や災害時における橋の状態を評価するた
めに行う調査及び計画的な維持管理を適切に行うことができる構造と
するための配慮。なお,維持管理設備,点検施設等を設置する場合には,
10.4 の規定による。
5) 耐久性能を満足するための設計の前提条件と部材各部における局所
的な応力性状や暴露環境との乖離を小さくすることができる細部構造
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とするための配慮。
1.9 設計図等に記載すべき事項
設計図等には少なくとも,(1)から(5)の事項を記載する。
(1) 路線名及び架橋位置
(2) 橋 名
(3) 責任技術者
(4) 設計年月日
(5) 主な設計条件
1) 橋の種別
2) 設計概要
3) 荷重の条件
4) 地形・地質・地盤条件
5) 材料の条件
6) 製作・施工の条件
7) 維持管理の条件
8) その他必要な事項
1.10 施工
(1) 橋の施工にあたっては,少なくとも1)から3)を考慮しなければなら
ない。
1) 設計において前提とした諸条件が満足されること
2) 工事の安全性を確保すること
3) 周辺環境,交通等に及ぼす影響をあらかじめ計画する範囲内とするこ
と
(2) 橋の施工にあたっては,必要な調査を行うとともに,施工の各段階で
適切に施工が行われていることを確認することができる方法について
あらかじめ検討し,これを定めなければならない。
(3) 適切な施工方法で進められたことが確認できる施工に関する記録を
保存しなければならない。
(4) 維持管理に引き継ぐべき事項のうち,施工に関する記録は施工完了後
に保存しなければならない。
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2章 橋の耐荷性能に関する基本事項
2.1 橋の耐荷性能の評価において考慮する状況の区分
設計にあたっては,1)から3)の異なる3種類の状況を考慮する。
1) 永続作用による影響が支配的な状況(永続作用支配状況)
2) 変動作用による影響が支配的な状況(変動作用支配状況)
3) 偶発作用による影響が支配的な状況(偶発作用支配状況)
2.2 橋の耐荷性能の評価において考慮する橋の状態の区分
設計にあたっては,設計供用期間中に生じることを考慮する橋の状態を
1)及び2)に区分して設定する。
1) 橋としての荷重を支持する能力に関わる観点
ⅰ) 橋としての荷重を支持する能力が損なわれない状態
ⅱ) 部分的に荷重を支持する能力の低下が生じているが,橋としてあら
かじめ想定する荷重を支持する能力の範囲である状態
2) 橋の構造安全性に関わる観点
ⅰ) 橋としての荷重を支持する能力の低下が生じ進展しているものの,
落橋等の致命的ではない状態
2.3 橋の耐荷性能
(1) 橋の耐荷性能は,道路ネットワークにおける路線の位置付けや代替
性,架橋位置や交差物件との関係等を勘案し,1)及び2)に規定する橋の
耐荷性能1又は2とする。
1) 橋の耐荷性能1は,橋としての荷重を支持する能力の観点からⅰ)に
ついて,また,橋の構造安全性の観点からⅱ)及びⅲ)について,それぞ
れ所要の信頼性を満足する性能とする。
ⅰ) 永続作用支配状況や変動作用支配状況において,部分的にも損傷が
生じておらず橋としての荷重を支持する能力が損なわれていない状
態を実現すること。
ⅱ) 永続作用支配状況や変動作用支配状況において,ⅰ)に加えて,落
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橋等の致命的な状態に至らないだけの十分な終局強さを有している
状態を実現すること。
ⅲ) 偶発作用支配状況において,橋としての荷重を支持する能力の低下
が生じているものの橋として落橋等の致命的ではない状態を実現す
ること。
2) 橋の耐荷性能2は,橋としての荷重を支持する能力の観点からⅰ)及
びⅲ)について,また,橋の構造安全性の観点からⅱ)及びⅳ)について,
それぞれ所要の信頼性を満足する性能とする。
ⅰ) 永続作用支配状況や変動作用支配状況において,部分的にも損傷が
生じておらず橋としての荷重を支持する能力が損なわれていない状
態を実現すること。
ⅱ) 永続作用支配状況や変動作用支配状況において,ⅰ)に加えて,落
橋等の致命的な状態に至らないだけの十分な終局強さを有している
状態を実現すること。
ⅲ) 偶発作用支配状況において,直後に橋に求められる荷重を支持する
能力を速やかに確保できる状態を実現すること。
ⅳ) 偶発作用支配状況において,ⅲ)に加えて,橋としての荷重を支持
する能力の低下が生じているものの,橋として落橋等の致命的ではな
い状態を実現すること。
(2) 橋の耐荷性能は,1.4 に規定する防災機能上の橋の重要度の区分がA
種の橋では橋の耐荷性能1を,防災機能上の橋の重要度の区分がB種の
橋では橋の耐荷性能2とすることを標準とする。
(3) 偶発作用支配状況を考慮する橋の耐荷性能の評価にあたっては,地震
の影響として考慮する最大級の地震動が複数回生じることの影響を考
慮しなければならない。
(4) 橋の耐荷性能の評価においては,橋の状態が橋の区間及び橋の区間と
Ⅳ編に規定する橋梁接続区間との間の路面の連続性に及ぼす影響を考
慮し,なるべく道路機能が確保できるように配慮しなければならない。
(5) 橋の耐荷性能の評価にあたっては,2.4.1 の規定に従い,橋を上部構
造,下部構造及び上下部接続部に区分するとともに,区分した上部構造,
下部構造,上下部接続部のそれぞれが2.4.2 から2.4.4 に規定される機
能系統を有するように,その形式や形状を選定しなければならない。
(6) (5)の規定を満足させるにあたっては,少なくとも以下の1)から5)を
考慮しなければならない。
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1) 各橋脚及び橋台が,下部構造が有すべき全ての機能系統を有するよう
にすることで下部構造の機能系統を実現するにあたって,各橋脚及び橋
台が担う荷重分担や各橋脚及び橋台が上下部接続部の位置をとどめる
範囲が,橋脚及び橋台間で相互に整合すること。
2) 上下部接続部に支承部を用いる場合は,上部構造及び下部構造の状態
に対して,各橋脚又は橋台上の支承部群を構成する支承部の荷重分担が
できるだけ不均等にならないような配置や形状とすること。このとき,
上部構造及び下部構造のねじれの影響を適切に考慮しなければならな
い。
3) 上下部接続部に支承部を設ける場合,橋脚及び橋台それぞれの機能系
統を充足させるためにそれぞれの支承部群の支持条件を適切に設定す
ること並びにその支持条件を達成するために必要な荷重伝達機構や変
位追随機構が実現できる支承部群及び支承部の配置や形状とすること。
また上部構造及び上下部接続部それぞれが担う全ての機能系統の機能
が実現できるように,上部構造を構成する部材等の配置や形状と支承部
群及び支承部の配置や形状が相互に整合すること。
4) 上部構造,下部構造及び上下部接続部の構造,配置,形状が,橋とし
て5.3.3 に規定する設計振動単位の条件を満足すること。
5) 上下部接続部に支承部を設ける場合の橋脚及び橋台は,支承部の破壊
が生じても,橋脚及び橋台が直ちに倒壊したり,支点反力支持機能を喪
失するような不安定な状態とならない構造であること。
2.4 橋の耐荷性能の評価単位
2.4.1 橋の耐荷機構による区分
橋の耐荷性能の評価にあたっては,橋を以下の(1)から(3)の構造部分に
区分しなければならない。
(1) 上部構造
上下部接続部のみを境界条件として,それらに支持されていることを
前提に専ら自動車等の上載荷重と自重及びその他自らに作用する荷重に
抵抗して橋の区間の路面を形成する構造部分
(2) 下部構造
地盤と上下部接続部を境界条件として,橋の区間の路面高さを保持す
るとともに,橋に作用する全ての荷重を下部構造の周辺地盤に伝達する
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構造部分
(3) 上下部接続部
上部構造と下部構造を境界条件として,上部構造に作用する全ての荷
重等の影響を下部構造に伝達するとともに,専ら上部構造の位置を所定
の範囲にとどめるために上部構造と下部構造の間の相対変位を制御する
役割を担う構造部分
2.4.2 上部構造が有すべき機能系統とそれらを構成する部材等
(1) 2.4.1(1)の上部構造は,それを構成する部材等により,以下の1)から
3)の機能系統を有しているようにしなければならない。
1) 主桁・主構機能系統
上部構造に作用する荷重等の影響を上下部接続部に伝達する機能(主
桁・主構機能)を担う系統であり,上部構造を構成する部材等により構
成される。
2) 床版・床組機能系統
所要の道路機能を満足する路面を形成する機能(床版・床組機能)を
担う系統であり,上部構造を構成する部材等により構成される。
3) 立体的構造保持機能系統
主桁・主構機能系統が所要の機能を発揮できるとする状態の前提条件
として,上部構造の形状を所要の範囲にとどめるための機能(立体的構
造保持機能)を担う系統であり,上部構造を構成する部材等により構成
される。
(2) 以下の1)から3)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
1) 主桁・主構機能系統が,Ⅱ編11 章又はⅢ編10 章を満足する主桁・主
構により構成される。
2) 床版・床組機能系統が,Ⅱ編12 章又はⅢ編11 章を満足する床版・床
組により構成される。
3) 立体的構造保持機能系統が,Ⅱ編13 章又はⅢ編12 章を満足する立
体的構造保持部材により構成される。
2.4.3 下部構造が有すべき機能系統とそれらを構成する部材等
(1) 2.4.1(2)の下部構造は,以下の1)及び2)の機能系統を有しているよ
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うにしなければならない。
1) 支点反力支持機能系統
上下部接続部から伝達される荷重を,架橋位置の地盤と一体となっ
て,境界条件となる周辺地盤に伝達する機能を担う系統であり,1つの
橋に含む全ての橋脚及び橋台により構成される。
2) 支点位置保持機能系統
上下部接続部が所要の状態を満足するうえで,許容される範囲に上下
部接続部の位置をとどめる機能を担う系統であり,1つの橋に含む全て
の橋脚及び橋台により構成される。
(2) 橋脚及び橋台により(1)の下部構造の機能系統を充足させるにあたっ
ては,各橋脚及び橋台は,それぞれ,以下の1)及び2)の機能系統を有し
ているようにしなければならない。
1) 支点反力支持機能系統
各橋脚及び橋台のそれぞれの支承部群からの荷重等の影響を伝達す
るとともに,各橋脚及び橋台に属する地盤までの範囲で支持する機能を
担う系統
2) 支点位置保持機能系統
各橋脚及び橋台とその上の支承部群との境界位置を所要の位置に保
持する機能を担う系統
(3) 橋脚及び橋台により下部構造の機能系統を充足させるにあたっては,
地形・地質の条件や上下部接続部の構造を考慮し,上部構造を支持する
うえで各橋脚及び橋台が一体となって下部構造として所要の水準で耐
荷性能を担えるように,それぞれの橋脚及び橋台が支持する荷重の分担
や分割された設計振動単位間の振動特性が整合したものでなければな
らない。
(4) 各橋脚及び橋台の機能系統を充足させるにあたっては,橋脚はⅣ編
6.1 に規定する橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造から,橋台はⅣ編7.1 に
規定する橋台躯体構造及び橋台基礎構造から構成することを標準とす
る。
2.4.4 上下部接続部が有すべき機能系統とそれらを構成する部材等
(1) 2.4.1(3)の上下部接続部は,橋全体として以下の1)及び2)の機能系
統を有しているようにしなければならない。
1) 変位追随機能系統
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上部構造及び下部構造との相対変位に追随し,その影響を上部構造及
び下部構造が所要の状態を満足するうえで許容される範囲にとどめる
機能を担う系統であり,その橋に含む全ての上下部接続部を構成する部
材等で構成される。
2) 荷重伝達機能系統
上部構造と下部構造の間で相互に荷重を伝達する機能を担う系統で
あり,その橋に含む全ての上下部接続部を構成する部材等で構成され
る。
(2) 橋に含む橋脚及び橋台の全ての上下部接続部により,橋全体としての
上下部接続部の機能系統を充足させるにあたっては,各橋脚又は橋台の
それぞれの上下部接続部は,以下の1)及び2)の機能系統を有している
ようにしなければならない。
1) 変位追随機能系統
各橋脚又は橋台位置で上部構造と橋脚又は橋台との相対変位に追随
し,その影響を上部構造と橋脚又は橋台が所要の状態を満足するうえで
許容される範囲にとどめる機能を担う系統であり,各橋脚又は橋台のそ
れぞれの上下部接続部を構成する部材等で構成される。
2) 荷重伝達機能系統
各橋脚又は橋台位置で上部構造と下部構造の間で相互に荷重を伝達
する機能を担う系統であり,各橋脚又は橋台のそれぞれの上下部接続部
を構成する部材等で構成される。
(3) 橋に含む橋脚及び橋台の全ての上下部接続部により橋全体としての
上下部接続部の機能系統を充足させるにあたっては,設計時に想定する
方向に対して上部構造及び下部構造が有する機能系統を充足できる条
件と整合するように各橋脚及び橋台のそれぞれの上下部接続部の支持
条件を設定する。
(4) 橋脚又は橋台の上下部接続部を支承部で構成する場合は,各橋脚又は
橋台上のそれぞれの支承部群が,変位追随機能及び荷重伝達機能を有し
ていなければならない。
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2.5 上部構造,下部構造,上下部接続部の耐荷性能の評価において考慮
する状態の区分
2.5.1 上部構造の耐荷性能の評価において考慮する状態の区分
2.5.1.1 一般
(1) 上部構造は,2.2 に規定する橋の状態を満足するために必要な以下の
1)から3)に区分される状態を考慮したものでなければならない。
1) 耐荷力の観点からは特別の注意無く使用できる状態であり,以下の
ⅰ)及びⅱ)を満足する状態
ⅰ) 上部構造として荷重を支持する能力の低下が生じていない。
ⅱ) 2.4.2 に規定する上部構造が有すべき機能系統の機能が損なわれ
ていない。
2) 耐荷力の観点からはあらかじめ想定する範囲内にあり,かつ,特別な
注意のもとで使用できる状態であり,以下のⅰ)及びⅱ)を満足する状態
ⅰ) 上部構造として荷重を支持する能力の低下が生じているものの限
定的である。
ⅱ) 2.4.2 に規定する上部構造が有すべき機能系統のいずれか又は全
ての機能に低下が生じているものの,その程度が限定的であり,あら
かじめ想定する範囲内である。
3) 耐荷力の観点からは致命的ではない状態であり,以下のⅰ)及びⅱ)を
満足する状態
ⅰ) 上部構造として荷重を支持する能力が完全には失われていない。
ⅱ) 2.4.2 に規定する上部構造が有すべき機能系統のいずれか又は全
ての機能に低下が生じているものの,いずれも完全には失われていな
い。
(2) 2.4.2 に規定する主桁・主構機能系統,床版・床組機能系統,立体的
構造保持機能系統は,上部構造を構成する部材等からなる,2.5.1.2 の
主桁・主構機能系統を構成する部材等の状態,2.5.1.3 の床版・床組機
能系統を構成する部材等の状態及び2.5.1.4 の立体的構造保持機能系統
を構成する部材等の状態を適切に組み合わせて,所要の主桁・主構機能,
床版・床組機能,立体的構造保持機能が満足されるように構成しなけれ
ばならない。
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2.5.1.2 主桁・主構機能系統を構成する部材等の状態
主桁・主構機能系統を構成する部材等は,2.2 に規定する橋の状態を満足
するように,2.6 に規定する部材等の状態の区分のいずれかの状態を満足す
るようにしなければならない。
2.5.1.3 床版・床組機能系統を構成する部材等の状態
床版・床組機能系統を構成する部材等は,2.2 に規定する橋の状態を満足
するように,2.6 に規定する部材等の状態の区分のいずれかの状態を満足す
るようにしなければならない。
2.5.1.4 立体的構造保持機能系統を構成する部材等の状態
立体的構造保持機能系統を構成する部材等は,2.2 に規定する橋の状態を
満足するように,2.6 に規定する部材等の状態の区分のいずれかの状態を満
足するようにしなければならない。
2.5.2 下部構造の耐荷性能の評価において考慮する状態の区分
2.5.2.1 一般
(1) 下部構造は,2.2 に規定する橋の状態を満足するために必要な以下の
1)から3)に区分される状態を考慮したものでなければならない。
1) 耐荷力の観点からは特別の注意無く使用できる状態であり,以下の
ⅰ)及びⅱ)を満足する状態
ⅰ) 下部構造として荷重を支持する能力の低下が生じていない。
ⅱ) 2.4.3 に規定する下部構造が有すべき機能系統の機能が損なわれて
いない。
2) 耐荷力の観点からは,あらかじめ想定する範囲内にあり,かつ,特別
な注意のもとで使用できる状態であり,以下のⅰ)及びⅱ)を満足する状
態
ⅰ) 下部構造として荷重を支持する能力の低下が生じているものの限
定的である。
ⅱ) 2.4.3 に規定する下部構造が有すべき機能系統のいずれか又は全て
の機能に低下が生じているものの,その程度が限定的であり,あらか
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じめ想定する範囲内である。
3) 耐荷力の観点からは致命的ではない状態であり,以下のⅰ)及びⅱ)を
満足する状態
ⅰ) 下部構造として荷重を支持する能力が完全には失われていない。
ⅱ) 2.4.3 に規定する下部構造が有すべき機能系統のいずれか又は全て
の機能に低下が生じているものの,いずれも完全には失われていな
い。
(2) (1)を満足させるにあたって,下部構造の状態は2.5.2.2 に規定する
全ての橋台及び橋脚の状態を適切に組み合わせて代表させなければなら
ない。
2.5.2.2 橋脚及び橋台の耐荷性能の評価において考慮する状態
(1) 下部構造を構成する各橋脚及び橋台は,2.2 に規定する橋の状態を満
足するために必要な以下の1)から3)に区分される状態を考慮したもの
でなければならない。
1) 耐荷力の観点からは特別の注意無く使用できる状態であり,以下の
ⅰ)及びⅱ)を満足する状態
ⅰ) 橋脚又は橋台として荷重を支持する能力の低下が生じていない。
ⅱ) 2.4.3 に規定する橋脚又は橋台として担うべき支点反力支持機能及
び支点位置保持機能の低下が生じていない。
2) 耐荷力の観点からは,あらかじめ想定する範囲内にあり,かつ,特別
な注意のもとで使用できる状態であり,以下のⅰ)及びⅱ)を満足する状
態
ⅰ) 橋脚又は橋台として荷重を支持する能力の低下が生じているもの
の,その程度が限定的であり,あらかじめ想定する範囲内である。
ⅱ) 2.4.3 に規定する橋脚又は橋台として担うべき支点反力支持機能及
び支点位置保持機能のいずれか又は全ての機能に低下が生じている
ものの限定的であり,あらかじめ想定する範囲内である。
3) 耐荷力の観点からは致命的ではない状態であり,以下のⅰ)及びⅱ)を
満足する状態
ⅰ) 橋脚又は橋台として荷重を支持する能力が完全には失われていな
い。
ⅱ) 2.4.3 に規定する橋脚又は橋台として担うべき支点反力支持機能及
び支点位置保持機能のいずれか又は全ての機能に低下が生じている
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ものの,いずれも完全には失われていない。
(2) 橋脚の状態は,Ⅳ編6.1 の規定により橋脚を構成する構造部分に区分
したうえで,2.5.2.3 に規定する橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造の状態
を適切に組み合わせて代表させなければならない。
(3) 橋台の状態は,Ⅳ編7.1 の規定により橋台を構成する構造部分に区分
したうえで,2.5.2.4 に規定する橋台躯体構造及び橋台基礎構造の状態
を適切に組み合わせて代表させなければならない。
2.5.2.3 橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造の耐荷性能の評価において考慮する状
態
(1) 橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造は,2.2 に規定する橋の状態を満足す
るために必要な以下の1)から3)に区分される状態を考慮したものでな
ければならない。
1) 耐荷力の観点からは特別の注意無く使用できる状態であり,以下の
ⅰ)及びⅱ)を満足する状態
ⅰ) 橋脚躯体構造又は橋脚基礎構造として荷重を支持する能力の低下
が生じていない。
ⅱ) 橋脚躯体構造又は橋脚基礎構造として担うべき支点反力支持機能
及び支点位置保持機能の低下が生じていない。
2) 耐荷力の観点からはあらかじめ想定する範囲内にあり,かつ,特別な
注意のもとで使用できる状態であり,以下のⅰ)及びⅱ)を満足する状態
ⅰ) 橋脚躯体構造又は橋脚基礎構造として荷重を支持する能力の低下
が生じているものの限定的である。
ⅱ) 橋脚躯体構造又は橋脚基礎構造として担うべき支点反力支持機能
及び支点位置保持機能の低下が生じているものの限定的であり,あら
かじめ想定する範囲内である。
3) 耐荷力の観点からは致命的ではない状態であり,以下のⅰ)及びⅱ)を
満足する状態
ⅰ) 橋脚躯体構造又は橋脚基礎構造としての荷重を支持する能力が完
全には失われていない。
ⅱ) 橋脚躯体構造又は橋脚基礎構造として担うべき支点反力支持機能
及び支点位置保持機能のいずれか又は全ての機能に低下が生じてい
るものの,いずれも完全には失われていない。
(2) 橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造の状態は,2.5.2.5 に規定する部材等
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の状態を適切に組み合わせて代表させなければならない。このとき,所
要の支点反力支持機能及び支点位置保持機能が発揮できるようにしなけ
ればならない。
2.5.2.4 橋台躯体構造及び橋台基礎構造の耐荷性能の評価において考慮する状
態
(1) 橋台躯体構造及び橋台基礎構造は,2.2 に規定する橋の状態を満足す
るために必要な以下の1)から3)に区分される状態を考慮したものでな
ければならない。
1) 耐荷力の観点からは特別の注意無く使用できる状態であり,以下の
ⅰ)及びⅱ)を満足する状態
ⅰ) 橋台躯体構造又は橋台基礎構造として荷重を支持する能力の低下
が生じていない。
ⅱ) 橋台躯体構造又は橋台基礎構造として担うべき支点反力支持機能
及び支点位置保持機能の低下が生じていない。
2) 耐荷力の観点からは,あらかじめ想定する範囲内にあり,かつ,特別
な注意のもとで使用できる状態であり,以下のⅰ)及びⅱ)を満足する状
態
ⅰ) 橋台躯体構造又は橋台基礎構造として荷重を支持する能力の低下
が生じているものの限定的である。
ⅱ) 橋台躯体構造又は橋台基礎構造として担うべき支点反力支持機能
及び支点位置保持機能の低下が生じているものの限定的であり,あら
かじめ想定する範囲内である。
3) 耐荷力の観点からは致命的ではない状態であり,以下のⅰ)及びⅱ)を
満足する状態
ⅰ) 橋台躯体構造又は橋台基礎構造としての荷重を支持する能力が完
全には失われていない。
ⅱ) 橋台躯体構造又は橋台基礎構造として担うべき支点反力支持機能
及び支点位置保持機能のいずれか又は全ての機能に低下が生じてい
るものの,いずれも完全には失われていない。
(2) 橋台躯体構造及び橋台基礎構造の状態は,2.5.2.5 に規定する部材等
の状態を適切に組み合わせて代表させなければならない。このとき,所
要の支点反力支持機能及び支点位置保持機能が発揮できるようにしなけ
ればならない。
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2.5.2.5 橋脚及び橋台を構成する部材等の状態
橋脚及び橋台を構成する部材等は,2.2 に規定する橋の状態を満足するよ
うに,2.6 に規定する部材等の状態の区分のいずれかの状態を満足するよう
にしなければならない。
2.5.3 上下部接続部の耐荷性能の評価において考慮する状態の区分
2.5.3.1 一般
(1) 上下部接続部は,2.2 に規定する橋の状態を満足するために必要な以
下の1)から3)に区分される状態を考慮したものでなければならない。
1) 耐荷力の観点からは特別の注意無く使用できる状態であり,以下の
ⅰ)及びⅱ)を満足する状態
ⅰ) 上下部接続部として荷重を支持する能力の低下が生じていない。
ⅱ) 2.4.4 に規定する上下部接続部が有すべき機能系統の機能が損なわ
れていない。
2) 耐荷力の観点からは,あらかじめ想定する範囲内にあり,かつ,特別
な注意のもとで使用できる状態であり,以下のⅰ)及びⅱ)を満足する状
態
ⅰ) 上下部接続部として荷重を支持する能力の低下が生じているもの
の限定的である。
ⅱ) 2.4.4 に規定する上下部接続部が有すべき機能系統のいずれか又は
全ての機能に低下が生じているものの,その程度が限定的であり,あ
らかじめ想定する範囲内である。
3) 耐荷力の観点からは致命的ではない状態であり,以下のⅰ)及びⅱ)を
満足する状態
ⅰ) 上下部接続部として荷重を支持する能力が完全には失われていな
い。
ⅱ) 2.4.4 に規定する上下部接続部が有すべき機能系統のいずれか又は
全ての機能に低下が生じているものの,いずれも完全には失われてい
ない。
(2) 上下部接続部の状態は2.5.3.2 に規定する橋に含む橋脚及び橋台上の
全ての支承部の状態を適切に組み合わせて代表させなければならない。
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2.5.3.2 全ての橋脚及び橋台上の支承部群の耐荷性能の評価において考慮する
状態
(1) 橋に含む橋脚及び橋台上の全ての支承部は,2.2 に規定する橋の状態
を満足するために必要な以下の1)から3)に区分される状態を考慮した
ものでなければならない。
1) 耐荷力の観点からは特別の注意無く使用できる状態であり,以下の
ⅰ)及びⅱ)を満足する状態
ⅰ) 橋に含む橋脚及び橋台上の全ての支承部として荷重を支持する能
力の低下が生じていない。
ⅱ) 2.4.4 に規定する全ての上下部接続部として担うべき荷重伝達機能
及び変位追随機能の低下が生じていない。
2) 耐荷力の観点からはあらかじめ想定する範囲内にあり,かつ,特別な
注意のもとで使用できる状態であり,以下のⅰ)及びⅱ)を満足する状態
ⅰ) 橋に含む橋脚及び橋台上の全ての支承部として荷重を支持する能
力の低下が生じているものの限定的である。
ⅱ) 2.4.4 に規定する全ての上下部接続部として担うべき荷重伝達機能
及び変位追随機能の低下が生じているものの限定的であり,あらかじ
め想定する範囲内である。
3) 耐荷力の観点からは致命的ではない状態であり,以下のⅰ)及びⅱ)を
満足する状態
ⅰ) 橋に含む橋脚及び橋台上の全ての支承部として荷重を支持する能
力が完全には失われていない。
ⅱ) 2.4.4 に規定する全ての上下部接続部として担うべき荷重伝達機能
及び変位追随機能のいずれか又は全ての機能に低下が生じているも
のの,いずれも完全には失われていない。
(2) 橋に含む橋脚及び橋台上の全ての支承部の状態は2.5.3.3 に規定する
各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群の状態を適切に組み合わせて代
表させなければならない。
2.5.3.3 1基の橋脚又は橋台上の支承部群の耐荷性能の評価において考慮する
状態
(1) 各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群は,2.2 に規定する橋の状態
を満足するために必要な以下の1)から3)に区分される状態を考慮した
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ものでなければならない。
1) 耐荷力の観点からは特別の注意無く使用できる状態であり,以下の
ⅰ)及びⅱ)を満足する状態
ⅰ) 各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群として荷重を支持する能
力の低下が生じていない。
ⅱ) 各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群として担うべき荷重伝達
機能及び変位追随機能の低下が生じていない。
2) 耐荷力の観点からはあらかじめ想定する範囲内にあり,かつ,特別な
注意のもとで使用できる状態であり,以下のⅰ)及びⅱ)を満足する状態
ⅰ) 各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群として荷重を支持する能
力の低下が生じているものの限定的である。
ⅱ) 各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群として担うべき荷重伝達
機能及び変位追随機能の低下が生じているものの限定的であり,あら
かじめ想定する範囲内である。
3) 耐荷力の観点からは致命的ではない状態であり,以下のⅰ)及びⅱ)を
満足する状態
ⅰ) 各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群として荷重を支持する能
力が完全には失われていない。
ⅱ) 各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群として担うべき荷重伝達
機能及び変位追随機能のいずれか又は全ての機能に低下が生じてい
るものの,いずれも完全には失われていない。
(2) 各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群の状態は2.5.3.4 に規定する
支承部の状態を適切に組み合わせて代表させなければならない。
2.5.3.4 支承部の耐荷性能の評価において考慮する状態
(1) 支承部は,2.2 に規定する橋の状態を満足するために必要な以下の1)
から3)に区分される状態を考慮したものでなければならない。
1) 耐荷力の観点からは特別の注意無く使用できる状態であり,以下の
ⅰ)及びⅱ)を満足する状態とする。
ⅰ) 支承部として荷重を支持する能力の低下が生じていない。
ⅱ) 支承部として担うべき荷重伝達機能及び変位追随機能の低下が生
じていない。
2) 耐荷力の観点からは,あらかじめ想定する範囲内にあり,かつ,特別
な注意のもとで使用できる状態であり,以下のⅰ)及びⅱ)を満足する状
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態とする。
ⅰ) 支承部として荷重を支持する能力の低下が生じているものの限定
的である。
ⅱ) 支承部として担うべき荷重伝達機能及び変位追随機能の低下が生
じているものの限定的であり,あらかじめ想定する範囲内である。
3) 耐荷力の観点からは致命的ではない状態であり,以下のⅰ)及びⅱ)を
満足する状態とする。
ⅰ) 支承部として荷重を支持する能力が完全には失われていない。
ⅱ) 支承部として担うべき荷重伝達機能及び変位追随機能のいずれか
又は全ての機能に低下が生じているものの,いずれも完全には失われ
ていない。
(2) 支承部の状態は2.5.3.5 に規定する支承部を構成する部材等の状態を
適切に組み合わせて代表させなければならない。このとき,支承部とし
ての所要の変位追随機能及び荷重伝達機能が発揮できるようにしなけれ
ばならない。
2.5.3.5 支承部を構成する部材等の状態
支承部を構成する部材等は,2.2 に規定する橋の状態を満足するように,
2.6 に規定する部材等の状態の区分のいずれかの状態を満足するようにし
なければならない。
2.6 部材等の状態の区分
部材等の耐荷性能の評価にあたっては,部材等の状態は,以下の1)から
3)のいずれかの区分に該当する状態としなければならない。
1) 部材等として荷重を支持する能力が低下していない状態
2) 部材等として荷重を支持する能力が低下しているものの,その程度は
限定的であり,あらかじめ想定する範囲にある状態
3) 部材等として荷重を支持する能力が完全には失われていない状態
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3章 設 計 状 況
3.1 作用の種類
(1) 設計で考慮する状況を設定するための作用として,以下に示す荷重又
は影響を考慮する。
1) 死荷重 (D)
2) 活荷重 (L)
3) 衝撃の影響 (I)
4) プレストレス力 (PS)
5) コンクリートのクリープの影響 (CR)
6) コンクリートの乾燥収縮の影響 (SH)
7) 土圧 (E)
8) 水圧 (HP)
9) 浮力又は揚圧力 (U)
10) 温度変化の影響 (TH)
11) 温度差の影響 (TF)
12) 雪荷重 (SW)
13) 地盤変動の影響 (GD)
14) 支点移動の影響 (SD)
15) 遠心荷重 (CF)
16) 制動荷重 (BK)
17) 橋桁に作用する風荷重 (WS)
18) 活荷重に対する風荷重 (WL)
19) 波圧 (WP)
20) 地震の影響 (EQ)
21) 衝突荷重 (CO)
22) その他
(2) 作用の特性値を,8章の規定に従い設定する。
(3) 施工の過程に対して,橋の完成時に所要の性能が得られるよう(1)及び
(2)に関わらず以下に従い,施工時に対して設計で考慮する状況を適切な
荷重又は影響により考慮しなければならない。
1) 橋の施工時の安全性を確保するため,施工方法,施工途中の各段階に
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おける構造等の条件を適切に考慮して,自重,施工に用いる資機材,
風,地震の影響等に対して必要な検討を行い,施工時荷重(ER)を設
定する。
2) 施工時荷重(ER)の特性値は,施工期間等に応じて適切に設定する。
3) 橋の完成時に所要の性能が得られるための設計における前提条件を
満足するため,施工方法や施工途中の各段階における構造等の条件を
適切に考慮して,施工時荷重(ER)を設定しなければならない。あわ
せて,施工方法や施工途中の各段階における構造等の条件を完成系の
設計にて適切に考慮する。
3.2 設計状況の設定
(1) 設計にあたっては,2.1 の規定に示す設計状況を,3.1 に規定する作
用を用いて適切に設定しなければならない。また,設定にあたっては,
それぞれの設計状況の区分において橋にとって最も不利となる作用の組
合せを考慮することを原則とする。
(2) (3)及び(4)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 作用の組合せを,3.3 の規定に従い設定する。
(4) 施工時の設計状況は,(3)に関わらず,施工条件を考慮して所要の橋
の性能が得られるよう適切に設定する。
3.3 作用の組合せ
(1) 2.1 に規定する設計状況として,3.1 に規定する作用を(2)から(5)のと
おり組み合わせたものは少なくとも考慮しなければならない。
(2) 1)から3)の作用の組合せを考慮し,各組合せにおいて,括弧書きの作
用については橋にとって最も不利な状況になる条件で組み合わせる。
1) 永続作用による影響が支配的な状況(永続作用支配状況)
①D +PS+CR+SH+E+HP+(U) +(TF) +GD+SD +WP +(ER)
2) 変動作用による影響が支配的な状況(変動作用支配状況)
②D+L+I+PS+CR+SH+E+HP+(U) +(TF)+(SW)+GD+SD+(CF)+(BK) +WP +(ER)
③D +PS+CR+SH+E+HP+(U)+TH+(TF) +GD+SD +WP +(ER)
④D +PS+CR+SH+E+HP+(U)+TH+(TF) +GD+SD +WS +WP +(ER)
⑤D+L+I+PS+CR+SH+E+HP+(U)+TH+(TF)+(SW)+GD+SD+(CF)+(BK) +WP +(ER)
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⑥D+L+I+PS+CR+SH+E+HP+(U) +(TF) +GD+SD+(CF)+(BK)+WS+WL+WP +(ER)
⑦D+L+I+PS+CR+SH+E+HP+(U)+TH+(TF) +GD+SD+(CF)+(BK)+WS+WL+WP +(ER)
⑧D +PS+CR+SH+E+HP+(U) +(TF) +GD+SD +WS +WP +(ER)
⑨D +PS+CR+SH+E+HP+(U)+TH+(TF)+(SW)+GD+SD +WP+EQ +(ER)
⑩D +PS+CR+SH+E+HP+(U) +(TF) +GD+SD +WP+EQ +(ER)
3) 偶発作用による影響が支配的な状況(偶発作用支配状況)
⑪D +PS+CR+SH+E+HP+(U) +GD+SD +EQ
⑫D +PS+CR+SH+E+HP+(U) +GD+SD +CO
(3) (2)1)から3)に規定する作用の組合せに対して,表-3.3.1 の荷重組合
せ係数及び荷重係数を考慮する。
ここに,γ୮:荷重組合せ係数であり,異なる作用の同時載荷状況に応じ
て,設計で考慮する作用の規模の補正を行うための係数
γ୯:荷重係数であり,作用の特性値に対するばらつきに応じて,
設計で考慮する作用の規模の補正を行うための係数
なお,活荷重に対する衝撃の影響(I)を考慮するにあたって,衝撃の影
響(I)には荷重組合せ係数γ୮及び荷重係数γ୯を乗じる必要はない。
(4) 風荷重については必要に応じてほかの作用を考慮しない場合等,
(2)1)2)以外の条件を適切に設定する。
(5) 衝突荷重及び制動荷重については死荷重及び活荷重のみと組み合わせ
る場合等,(2)1)2)以外の条件を適切に設定する。
表-3.3.1 作用の組合せに対する荷重組合せ係数及び荷重係数
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4章 橋の限界状態
4.1 橋の限界状態
(1) 橋が所要の耐荷性能を満足するために求める状態にとどまることを照
査するにあたっては,橋の状態を区分するための橋の限界状態を適切に
設定することを標準とする。
(2) (3)から(5)による場合には,橋の限界状態を適切に設定したものとみ
なしてよい。
(3) 橋の限界状態として,橋としての荷重を支持する能力に関わる観点及
び橋の構造安全性の観点から橋の限界状態1から限界状態3を設定す
る。
1) 橋の限界状態1
橋としての荷重を支持する能力が損なわれていない限界の状態
2) 橋の限界状態2
部分的に荷重を支持する能力の低下が生じているが,橋としての荷重
を支持する能力に及ぼす影響は限定的であり,荷重を支持する能力があ
らかじめ想定する範囲にある限界の状態
3) 橋の限界状態3
これを超えると構造安全性が失われる限界の状態
(4) 橋の耐荷性能の評価に用いる橋の限界状態は,橋を構成する部材等及
び橋の安定に関わる基礎地盤の安定等の限界状態によって代表させるこ
とができる。
(5) 上部構造,下部構造及び上下部接続部の限界状態によって橋の限界状
態を代表させる場合には,4.2 の規定に従って適切に上部構造,下部構
造及び上下部接続部の限界状態を設定する。
(6) 設計で考慮する橋の限界状態を関係付ける特性値や部分係数は,5章
並びにⅡ編,Ⅲ編,Ⅳ編及びⅤ編の規定による。
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4.2 上部構造,下部構造,上下部接続部の限界状態
4.2.1 一般
(1) 4.1 に規定する橋の限界状態を上部構造,下部構造及び上下部接続部
の限界状態で代表させる場合には,それぞれの限界状態を適切に設定し,
橋の限界状態に応じてそれらを適切に組み合わせることで橋の限界状態
を代表させなければならない。
(2) (3)から(8)の規定により上部構造,下部構造及び上下部接続部の限界
状態を設定し,これを組み合わせた場合には,(1)を満足するとみなして
よい。
(3) 上部構造,下部構造及び上下部接続部の限界状態1から限界状態3を,
それぞれ4.2.2,4.2.3 及び4.2.4 の規定により適切に設定する。
(4) 橋の限界状態1は,上部構造,下部構造又は上下部接続部の状態が,
それぞれ4.2.2,4.2.3 及び4.2.4 の上部構造,下部構造及び上下部接続
部の限界状態1に達した状態とする。
(5) 橋の限界状態2は,上部構造,下部構造又は上下部接続部の中から上
部構造,下部構造及び上下部接続部の限界状態1を超えるとするものを
適切に定めたうえで,上部構造,下部構造及び上下部接続部の限界状態
1を超えるとするものが上部構造,下部構造又は上下部接続部の限界状
態2に達した状態又は上部構造,下部構造及び上下部接続部の限界状態
1を超えるとしないものが上部構造,下部構造又は上下部接続部の限界
状態1に達した状態とする。
(6) 橋の限界状態3は,上部構造,下部構造又は上下部接続部の状態のい
ずれかが,4.2.2,4.2.3 及び4.2.4 の上部構造,下部構造及び上下部接
続部の限界状態3に達した状態とする。
(7) それぞれ4.2.2,4.2.3 及び4.2.4 の規定に対応する上部構造,下部構
造及び上下部接続部の限界状態をⅡ編からⅤ編の規定に従って適切に設
定し,それを組み合わせた場合には,(4)から(6)を満足するとみなして
よい。
(8) 上部構造が支間の途中において支承等で接続されて一連とされている
場合,躯体構造と基礎構造が一連で連結されておらず支承等で接続され
ている場合には,それぞれの接続部の限界状態は,上下部接続部の限界
状態を踏まえて適切に定めなければならない。
(9) 上部構造,下部構造及び上下部接続部の限界状態を部材等の限界状態
30
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で代表させる場合には,4.3 の規定に従って適切に部材等の限界状態と
その組合せを設定する。
4.2.2 上部構造の限界状態
4.2.2.1 一般
(1) 上部構造の限界状態1は,耐荷力の観点からは特別の注意無く使用で
きる限界の状態であり,以下の1)及び2)を満足するとみなせる限界の状
態とする。
1) 上部構造として荷重を支持する能力の低下が生じていない。
2) 2.4.2 に規定する上部構造が有すべき機能系統の機能が損なわれてい
ない。
(2) 上部構造の限界状態2は,耐荷力の観点からは,あらかじめ想定する
範囲内にあり,かつ,特別な注意のもとで使用できる限界の状態であり,
以下の1)及び2)を満足するとみなせる限界の状態とする。
1) 上部構造として荷重を支持する能力の低下が生じているものの限定
的である。
2) 2.4.2 に規定する上部構造が有すべき機能系統のいずれか又は全ての
機能に低下が生じているものの,その程度が限定的であり,あらかじめ
想定する範囲内である。
(3) 上部構造の限界状態3は,以下の1)及び2)を満足するとみなせる限界
の状態とする。
1) 上部構造として荷重を支持する能力が完全には失われていない。
2) 2.4.2 に規定する上部構造が有すべき機能系統のいずれか又は全ての
機能に低下が生じており,いずれも完全には失われていない。
(4) (5)の規定による場合は(1),(6)の規定による場合は(2),(7)の規定に
よる場合は(3)をそれぞれ満足するとみなしてよい。
(5) 上部構造の限界状態1は,以下の1)を満足する状態又は2)から4)を
満足した状態とする。
1) 上部構造を構成する全ての部材等の状態が限界状態1を超えない限
界の状態
2) 主桁・主構機能系統を構成する全ての部材等の状態が,部材等の限界
状態1を超えない限界の状態又は4.2.2.2 の規定に従って定める主桁・
主構機能が損なわれていないとみなせる状態にとどまる限界の状態
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3) 床版・床組機能系統を構成する全ての部材等の状態が,部材等の限界
状態1を超えない限界の状態又は4.2.2.3 の規定に従って定める床版・
床組機能が損なわれていないとみなせる状態にとどまる限界の状態
4) 立体的構造保持機能系統を構成する全ての部材等の状態が,部材等の
限界状態1を超えない限界の状態又は4.2.2.4 の規定に従って定める
立体的構造保持機能が損なわれていないとみなせる状態にとどまる限
界の状態
(6) 上部構造の限界状態2は,主桁・主構機能,床版・床組機能及び立体
的構造保持機能のいずれか又は全ての機能に低下が生じているものの,
その程度が限定的であり,あらかじめ想定する範囲内にあるとみなせる
よう,それぞれ4.2.2.2 から4.2.2.4 の規定に従って定めた状態にとど
まる限界の状態とする。
(7) 上部構造の限界状態3は,主桁・主構機能,床版・床組機能及び立体
的構造保持機能のいずれか又は全ての機能に低下が生じているものの,
いずれも完全には失われていない限界の状態とする。
(8) 5章に規定する橋の耐荷性能の評価にあたって,上部構造の限界状態
は,上記を満足するほか,当該設計状況における上下部接続部の限界状
態との関係において,所要の橋の耐荷性能を満足できるように設定しな
ければならない。
4.2.2.2 主桁・主構機能系統
(1) 2.4.2 に規定する主桁・主構機能系統の機能を満足させるにあたって
は,以下の1)から3)の機能を有するように主桁・主構機能系統を構成す
る部材等を特定しなければならない。
1) 鉛直方向及び水平方向からの上部構造への荷重等の影響を上下部接
続部に伝達する。
2) 4.2.2.3 に規定する床版・床組機能系統が所要の機能を果たせるため
に求められる形状を保持するとともに,床版・床組機能系統からの荷重
の影響を上下部接続部に伝達する。
3) 上部構造の橋軸方向の形状を保持し,4.2.2.4 に規定する立体的構造
保持機能と協働して,所要の上部構造の耐荷性能を満足できるために求
められる立体的挙動を保持する。
(2) (1)を満足するにあたって,主桁・主構機能系統を構成する部材等の限
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界状態は,4.2.2.5 及び4.3 の規定を満足しなければならない。
4.2.2.3 床版・床組機能系統
(1) 2.4.2 に規定する床版・床組機能系統の機能を満足させるにあたって
は,以下の1)から3)の機能を有するように床版・床組機能系統を構成す
る部材等を特定しなければならない。
1) 所要の道路機能を満足する路面を形成する。
2) 直接支持する活荷重等の影響を主桁・主構機能系統を構成する部材等
に伝達する。
3) 直接支持する活荷重等の影響に対して,床版・床組機能系統を構成す
る部材等に有害な変形を生じさせない。
(2) 床版・床組機能系統を構成する部材等の限界状態は,4.2.2.6 及び4.3
の規定を満足しなければならない。
4.2.2.4 立体的構造保持機能系統
(1) 2.4.2 に規定する立体的構造保持機能系統の機能を満足させるにあた
っては,以下の1)から5)の機能を有するように立体的構造保持機能系
統を構成する部材等を特定しなければならない。
1) 鉛直方向及び水平方向からの上部構造への荷重等の影響に対して,床
版・床組機能系統及び主桁・主構機能系統を構成する部材等が協働して
抵抗し,所要の上部構造の耐荷性能を満足できるよう上部構造の鉛直方
向及び橋軸方向,橋軸直角方向の立体的な構造形状を保持させる。
2) 上部構造を構成する部材間の温度差の影響に対して,床版・床組機能
系統及び主桁・主構機能系統を構成する部材等が協働して抵抗し,所要
の上部構造の耐荷性能を満足できるよう,上部構造の鉛直方向及び橋軸
方向,橋軸直角方向の立体的な構造形状を保持させる。
3) 鉛直方向及び水平方向からの上部構造への荷重等の影響に対して,上
部構造としての立体的剛性を確保し,主桁・主構機能系統を構成する部
材等からの断面力等を上下部接続部や下部構造に円滑に伝達させる。
4) 荷重の偏載,不均一な部材の変形等に起因する作用力に対して,上部
構造が所要の耐荷性能を満足できるよう上部構造としての立体的剛性
を確保する。
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5) 主桁・主構機能系統を構成する部材等のたわみ差に起因する上部構造
の各部の付加的な応力などに対して,上部構造が所要の耐荷性能を満足
できるよう,その影響を主桁・主構機能系統を構成する部材等に伝達す
る。
(2) 立体的構造保持機能系統を構成する部材等の限界状態は,4.2.2.7 及
び4.3 の規定を満足しなければならない。
4.2.2.5 主桁・主構機能系統を構成する部材等の限界状態
主桁・主構機能系統を構成する部材等の限界状態は,上部構造の耐荷性能
で考慮する上部構造の状態を満足するとともに,その状態において求めら
れる4.2.2.2 に規定する主桁・主構機能系統の機能が発揮できるように適
切に設定しなければならない。
4.2.2.6 床版・床組機能系統を構成する部材等の限界状態
床版・床組機能系統を構成する部材等の限界状態は,上部構造の耐荷性能
で考慮する上部構造の状態を満足するとともに,その状態において求めら
れる4.2.2.3 に規定する床版・床組機能系統の機能が発揮できるように設
定しなければならない。
4.2.2.7 立体的構造保持機能系統を構成する部材等の限界状態
立体的構造保持機能系統を構成する部材等の限界状態は,上部構造の耐荷
性能で考慮する上部構造の状態を満足するとともに,その状態において求め
られる4.2.2.4 に規定する立体的構造保持機能系統の機能が発揮できるよう
に設定しなければならない。
4.2.3 下部構造の限界状態
4.2.3.1 一般
(1) 下部構造の限界状態1は,耐荷力の観点からは特別の注意無く使用で
きる限界の状態であり,以下の1)及び2)を満足するとみなせる限界の
状態とする。
1) 下部構造として荷重を支持する能力の低下が生じていない。
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2) 2.4.3 に規定する下部構造が有すべき機能系統の機能が損なわれて
いない。
(2) 下部構造の限界状態2は,耐荷力の観点からは,あらかじめ想定する
範囲内にあり,かつ,特別な注意のもとで使用できる限界の状態であり,
以下の1)及び2)を満足するとみなせる限界の状態とする。
1) 下部構造として荷重を支持する能力の低下が生じているものの限定
的である。
2) 2.4.3 に規定する下部構造が有すべき機能系統のいずれか又は全て
の機能に低下が生じているものの,その程度が限定的であり,あらかじ
め想定する範囲内である。
(3) 下部構造の限界状態3は,以下の1)及び2)を満足するとみなせる限界
の状態とする。
1) 下部構造として荷重を支持する能力が完全には失われていない。
2) 2.4.3 に規定する下部構造が有すべき機能系統のいずれか又は全て
の機能に低下が生じているものの,いずれも完全には失われていない。
(4) (5)の規定による場合は(1),(6)の規定による場合は(2),(7)の規定に
よる場合は(3)をそれぞれ満足するとみなしてよい。
(5) 下部構造の限界状態1は,以下の1)を満足する状態又は2)及び3)を
満足する状態とする。
1) 下部構造を構成する全ての部材等の状態が限界状態1を超えない限
界の状態
2) 支点反力支持機能系統を構成する全ての橋脚及び橋台の状態が,部材
等の限界状態1を超えない限界の状態又は4.2.3.2 の規定に従って定
める支点反力支持機能が損なわれていないとみなせる状態にとどまる
限界の状態
3) 支点位置保持機能系統を構成する全ての橋脚及び橋台の状態が,部材
等の限界状態1を超えない限界の状態又は4.2.3.2 の規定に従って定
める支点位置保持機能が損なわれていないとみなせる状態にとどまる
限界の状態
(6) 下部構造の限界状態2は,支点反力支持機能及び支点位置保持機能の
いずれか又は全ての機能に低下が生じているものの,その程度が限定的
であり,あらかじめ想定する範囲内にあるとみなせるよう,4.2.3.2 の
規定に従って定めた状態にとどまる限界の状態とする。
(7) 下部構造の限界状態3は,いずれか若しくは全ての橋脚及び橋台の状
態が,支点反力支持機能及び支点位置保持機能のいずれか又は両方の機
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能に低下が生じているものの,いずれも完全には失われていない限界の
状態とする。
(8) 5章に規定する橋の耐荷性能の評価にあたって,下部構造の限界状態
は,上記を満足するほか,当該設計状況における上下部接続部の限界状
態との関係において,所要の橋の耐荷性能を満足できるように設定しな
ければならない。
4.2.3.2 橋脚及び橋台の限界状態
(1) 橋脚又は橋台の限界状態1は,耐荷力の観点からは特別の注意無く使
用できる限界の状態であり,以下の1)及び2)を満足するとみなせる限
界の状態とする。
1) 橋脚又は橋台として荷重を支持する能力の低下が生じていない。
2) 2.4.3 に規定する橋脚又は橋台として担うべき支点反力支持機能及
び支点位置保持機能の低下が生じていない。
(2) 橋脚又は橋台の限界状態2は,耐荷力の観点からは,あらかじめ想定
する範囲内にあり,かつ,特別な注意のもとで使用できる限界の状態で
あり,以下の1)及び2)を満足するとみなせる限界の状態とする。
1) 橋脚又は橋台として荷重を支持する能力の低下が生じているものの,
その程度が限定的であり,あらかじめ想定する範囲内である。
2) 2.4.3 に規定する橋脚又は橋台として担うべき支点反力支持機能及
び支点位置保持機能のいずれか又は全ての機能に低下が生じているも
のの限定的であり,あらかじめ想定する範囲内である。
(3) 橋脚又は橋台の限界状態3は,以下の1)及び2)を満足するとみなせ
る限界の状態とする。
1) 橋脚又は橋台として荷重を支持する能力が完全には失われていない。
2) 2.4.3 に規定する橋脚又は橋台として担うべき支点反力支持機能及
び支点位置保持機能のいずれか又は全ての機能に低下が生じているも
のの,いずれも完全には失われていない。
(4) (1)から(3)の橋脚の限界状態を,橋脚を構成する部材等の状態の組合
せで代表させる場合には,Ⅳ編6.1 の規定により橋脚を構成する構造部
分に区分するとともに,4.2.3.3 に規定する橋脚躯体構造及び橋脚基礎
構造の限界状態を適切に組み合わせて代表させる。
(5) (1)から(3)の橋台の限界状態を,橋台を構成する部材等の状態の組合
せで代表させる場合には,Ⅳ編7.1 の規定により橋台を構成する構造部
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分に区分するとともに,4.2.3.4 に規定する橋台躯体構造及び橋台基礎
構造の限界状態を適切に組み合わせて代表させる。
4.2.3.3 橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造の限界状態
(1) 橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造の限界状態1は,耐荷力の観点からは
特別の注意無く使用できる限界の状態であり,以下の1)及び2)を満足
するとみなせる限界の状態とする。
1) 橋脚躯体構造又は橋脚基礎構造として荷重を支持する能力の低下が
生じていない。
2) 橋脚躯体構造又は橋脚基礎構造として担うべき支点反力支持機能及
び支点位置保持機能の低下が生じていない。
(2) 橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造の限界状態2は,耐荷力の観点からは,
あらかじめ想定する範囲内にあり,かつ,特別な注意のもとで使用でき
る限界の状態であり,以下の1)及び2)を満足するとみなせる限界の状
態とする。
1) 橋脚躯体構造又は橋脚基礎構造として荷重を支持する能力の低下が
生じているものの限定的である。
2) 橋脚躯体構造又は橋脚基礎構造として担うべき支点反力支持機能及
び支点位置保持機能の低下が生じているものの限定的であり,あらかじ
め想定する範囲内である。
(3) 橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造の限界状態3は,以下の1)及び2)を
満足するとみなせる限界の状態とする。
1) 橋脚躯体構造又は橋脚基礎構造として荷重を支持する能力が完全に
は失われていない。
2) 橋脚躯体構造又は橋脚基礎構造として担うべき支点反力支持機能及
び支点位置保持機能のいずれか又は全ての機能に低下が生じているも
のの,いずれも完全には失われていない。
(4) 橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造の限界状態は,4.2.3.5 に規定する部
材等の限界状態を適切に組み合わせて代表させなければならない。この
とき,所要の支点反力支持機能及び支点位置保持機能が満足されるよう
にしなければならない。
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4.2.3.4 橋台躯体構造及び橋台基礎構造の限界状態
(1) 橋台躯体構造及び橋台基礎構造の限界状態1は,耐荷力の観点からは
特別の注意無く使用できる限界の状態であり,以下の1)及び2)を満足
するとみなせる限界の状態とする。
1) 橋台躯体構造又は橋台基礎構造として荷重を支持する能力の低下が
生じていない。
2) 橋台躯体構造又は橋台基礎構造として担うべき支点反力支持機能及
び支点位置保持機能の低下が生じていない。
(2) 橋台躯体構造又は橋台基礎構造の限界状態2は,耐荷力の観点からは,
あらかじめ想定する範囲内にあり,かつ,特別な注意のもとで使用でき
る限界の状態であり,以下の1)及び2)を満足するとみなせる限界の状
態とする。
1) 橋台躯体構造又は橋台基礎構造として荷重を支持する能力の低下が
生じているものの限定的である。
2) 橋台躯体構造又は橋台基礎構造として担うべき支点反力支持機能及
び支点位置保持機能の低下が生じているものの限定的であり,あらかじ
め想定する範囲内である。
(3) 橋台躯体構造及び橋台基礎構造の限界状態3は,以下の1)及び2)を
満足するとみなせる限界の状態とする。
1) 橋台躯体構造又は橋台基礎構造として荷重を支持する能力が完全に
は失われていない。
2) 橋台躯体構造又は橋台基礎構造として担うべき支点反力支持機能及
び支点位置保持機能のいずれか又は全ての機能に低下が生じているも
のの,いずれも完全には失われていない。
(4) 橋台躯体構造及び橋台基礎構造の限界状態は,4.2.3.5 に規定する部
材等の限界状態を適切に組み合わせて代表させなければならない。この
とき,所要の支点反力支持機能及び支点位置保持機能が満足されるよう
にしなければならない。
4.2.3.5 橋脚及び橋台を構成する部材等の限界状態
橋脚及び橋台を構成する部材等の限界状態は,下部構造の耐荷性能で考慮
する下部構造の状態を満足するとともに,その状態において求められる
4.2.3.3 に規定する橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造又は4.2.3.4 に規定する
橋台躯体構造及び橋台基礎構造として担うべき支点反力支持機能及び支点
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位置保持機能が発揮できるように,4.3 に規定する部材等の限界状態のいず
れかの限界状態から適切に設定しなければならない。
4.2.4 上下部接続部の限界状態
4.2.4.1 一般
(1) 上下部接続部の限界状態1は,耐荷力の観点からは特別の注意無く使
用できる限界の状態であり,以下の1)及び2)を満足するとみなせる限
界の状態とする。
1) 上下部接続部として荷重を支持する能力の低下が生じていない。
2) 2.4.4 に規定する上下部接続部が有すべき機能系統の機能が損なわ
れていない。
(2) 上下部接続部の限界状態2は,耐荷力の観点からは,あらかじめ想定
する範囲内にあり,かつ,特別な注意のもとで使用できる限界の状態で
あり,以下の1)及び2)を満足するとみなせる限界の状態とする。
1) 上下部接続部として荷重を支持する能力の低下が生じているものの
限定的である。
2) 2.4.4 に規定する上下部接続部が有すべき機能系統のいずれか又は
全ての機能に低下が生じているものの,その程度が限定的であり,あら
かじめ想定する範囲内である。
(3) 上下部接続部の限界状態3は,以下の1)及び2)を満足するとみなせ
る限界の状態とする。
1) 上下部接続部として荷重を支持する能力が完全には失われていない。
2) 2.4.4 に規定する上下部接続部が有すべき機能系統のいずれか又は
全ての機能に低下が生じているものの,いずれも完全には失われていな
い限界の状態とする。
(4) (5)の規定による場合は(1),(6)の規定による場合は(2),(7)の規定に
よる場合は(3)をそれぞれ満足するとみなしてよい。
(5) 上下部接続部の限界状態1は,以下の1)を満足する状態又は2)から
5)を満足する状態とする。
1) 上下部接続部を構成する全ての部材等の状態が限界状態1を超えな
い限界の状態とする。
2) 支承部を設ける場合には,荷重伝達機能系統を構成する全ての支承部
の状態が,部材等の限界状態1 を超えない限界の状態又は4.2.4.2 の規
定に従って定める荷重伝達機能が損なわれていないとみなせる状態に
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とどまる限界の状態とする。
3) 支承部を設ける場合には,変位追随機能系統を構成する全ての支承部
の状態が,部材等の限界状態1を超えない限界の状態又は4.2.4.2 の規
定に従って定める変位追随機能が損なわれていないとみなせる状態に
とどまる限界の状態とする。
4) 支承部を設けない場合には,荷重伝達機能系統を構成する全ての上下
部接続部の状態が,部材等の限界状態1 を超えない限界の状態又は荷重
伝達機能が損なわれていないとみなせる状態にとどまる限界の状態と
する。
5) 支承部を設けない場合には,変位追随機能系統を構成する全ての上下
部接続部の状態が,部材等の限界状態1を超えない限界の状態又は変位
追随機能が損なわれていないとみなせる状態にとどまる限界の状態と
する。
(6) 上下部接続部の限界状態2は,以下の1)から4)を満足する状態とす
る。
1) 支承部を設ける場合には,荷重伝達機能系統を構成する全ての支承部
のいずれか又は全てにおいて,荷重伝達機能に低下が生じているもの
の,その程度が限定的であり,あらかじめ想定する範囲内にあるとみな
せるよう,4.2.4.2 の規定に従って定めた状態にとどまる限界の状態と
する。
2) 支承部を設ける場合には,変位追随機能系統を構成する全ての支承部
のいずれか又は全てにおいて,変位追随機能に低下が生じているもの
の,その程度が限定的であり,あらかじめ想定する範囲内にあるとみな
せるよう,4.2.4.2 の規定に従って定めた状態にとどまる限界の状態と
する。
3) 支承部を設けない場合には,荷重伝達機能系統を構成する全ての上下
部接続部のいずれか又は全てにおいて,荷重伝達機能が低下しているも
のの,その程度が限定的であり,あらかじめ想定する範囲内にあるとみ
なせる状態にとどまる限界の状態とする。
4) 支承部を設けない場合には,変位追随機能系統を構成する全ての上下
部接続部のいずれか又は全てにおいて,変位追随機能が低下しているも
のの,その程度が限定的であり,あらかじめ想定する範囲内にあるとみ
なせる状態にとどまる限界の状態とする。
(7) 上下部接続部の限界状態3は,以下の1)から4)を満足する状態とす
る。
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1) 支承部を設ける場合には,荷重伝達機能系統を構成する全ての支承部
のいずれか又は全てにおいて,荷重伝達機能に低下が生じ,これを超え
ると機能が完全に失われる限界の状態とする。
2) 支承部を設ける場合には,変位追随機能系統を構成する全ての支承部
のいずれか又は全てにおいて,変位追随機能に低下が生じ,これを超え
ると機能が完全に失われる限界の状態とする。
3) 支承部を設けない場合には,荷重伝達機能系統を構成する全ての上下
部接続部のいずれか又は全てにおいて,荷重伝達機能に低下が生じ,こ
れを超えると荷重伝達機能が完全に失われる限界の状態とする。
4) 支承部を設けない場合には,変位追随機能系統を構成する全ての上下
部接続部のいずれか又は全てにおいて,変位追随機能に低下が生じ,こ
れを超えると変位追随機能が完全に失われる限界の状態とする。
(8) 5章に規定する橋の耐荷性能の評価にあたって,上下部接続部の限界
状態は,上記を満足するほか,当該設計状況における上部構造及び下部
構造の限界状態との関係において,所要の橋の耐荷性能を満足できるよ
うに設定しなければならない。
4.2.4.2 全ての橋脚及び橋台上の支承部群の限界状態
(1) 橋に含む橋脚及び橋台上の全ての支承部の限界状態1は,耐荷力の観
点からは特別の注意無く使用できる限界の状態であり,以下の1)及び2)
を満足するとみなせる限界の状態とする。
1) 橋に含む橋脚及び橋台上の全ての支承部として荷重を支持する能力
の低下が生じていない。
2) 2.4.4 に規定する全ての上下部接続部として担うべき荷重伝達機能
及び変位追随機能の低下が生じていない。
(2) 橋に含む橋脚及び橋台上の全ての支承部の限界状態2は,耐荷力の観
点からは,あらかじめ想定する範囲内にあり,かつ,特別な注意のもと
で使用できる限界の状態であり,以下の1)及び2)を満足するとみなせ
る限界の状態とする。
1) 橋に含む橋脚及び橋台上の全ての支承部として荷重を支持する能力
の低下が生じているものの限定的である。
2) 2.4.4 に規定する全ての上下部接続部として担うべき荷重伝達機能
及び変位追随機能の低下が生じているものの限定的であり,あらかじめ
想定する範囲内である。
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(3) 橋に含む橋脚及び橋台上の全ての支承部の限界状態3は,以下の1)及
び2)を満足するとみなせる限界の状態とする。
1) 橋に含む橋脚及び橋台上の全ての支承部として荷重を支持する能力
が完全には失われていない。
2) 2.4.4 に規定する全ての上下部接続部として担うべき荷重伝達機能
及び変位追随機能のいずれか又は全ての機能に低下が生じているもの
の,いずれも完全には失われていない。
(4) 橋に含む橋脚及び橋台上の全ての支承部の限界状態を各橋脚又は橋台
上のそれぞれの支承部群の状態の組合せで代表させる場合には,4.2.4.3
に規定する各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群の限界状態を適切に
組み合わせて代表させなければならない。
4.2.4.3 1基の橋脚又は橋台上の支承部群の限界状態
(1) 各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群の限界状態1は,耐荷力の観
点からは特別の注意無く使用できる限界の状態であり,以下の1)及び2)
を満足するとみなせる限界の状態とする。
1) 各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群として荷重を支持する能力
の低下が生じていない。
2) 各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群として担うべき荷重伝達機
能及び変位追随機能の低下が生じていない。
(2) 各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群の限界状態2は,耐荷力の観
点からは,あらかじめ想定する範囲内にあり,かつ,特別な注意のもと
で使用できる限界の状態であり,以下の1)及び2)を満足するとみなせ
る限界の状態とする。
1) 各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群として荷重を支持する能力
の低下が生じているものの限定的である。
2) 各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群として担うべき荷重伝達機
能及び変位追随機能の低下が生じているものの限定的であり,あらかじ
め想定する範囲内である。
(3) 各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群の限界状態3は,以下の1)及
び2)を満足するとみなせる限界の状態とする。
1) 各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群として荷重を支持する能力
が完全には失われていない。
2) 各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群として担うべき荷重伝達機
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能及び変位追随機能のいずれか又は全ての機能に低下が生じているも
のの,いずれも完全には失われていない。
(4) 各橋脚又は橋台上のそれぞれの支承部群の限界状態を支承部の状態の
組合せで代表させる場合には,4.2.4.4 に規定する支承部の限界状態を
適切に組み合わせて代表させなければならない。
4.2.4.4 支承部の限界状態
(1) 支承部の限界状態1は,耐荷力の観点からは特別の注意無く使用でき
る限界の状態であり,以下の1)及び2)を満足するとみなせる限界の状
態とする。
1) 支承部として荷重を支持する能力の低下が生じていない。
2) 支承部として担うべき荷重伝達機能及び変位追随機能の低下が生じ
ていない。
(2) 支承部の限界状態2は,耐荷力の観点からは,あらかじめ想定する範
囲内にあり,かつ,特別な注意のもとで使用できる限界の状態であり,
以下の1)及び2)を満足するとみなせる限界の状態とする。
1) 支承部として荷重を支持する能力の低下が生じているものの限定的
である。
2) 支承部として担うべき荷重伝達機能及び変位追随機能の低下が生じ
ているものの限定的であり,あらかじめ想定する範囲内である。
(3) 支承部の限界状態3は,以下の1)及び2)を満足するとみなせる限界
の状態とする。
1) 支承部として荷重を支持する能力が完全には失われていない。
2) 支承部として担うべき荷重伝達機能及び変位追随機能のいずれか又
は全ての機能に低下が生じているものの,いずれも完全には失われてい
ない。
(4) 支承部の限界状態は4.2.4.5 に規定する支承部を構成する部材等の限
界状態を適切に組み合わせて代表させなければならない。このとき,所
要の変位追随機能及び荷重伝達機能が満足されるようにしなければなら
ない。
4.2.4.5 支承部を構成する部材等の限界状態
支承部を構成する部材等の限界状態は,上下部接続部の耐荷性能で考慮す
る上下部接続部の状態を満足するとともに,その状態において求められる
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4.2.4.4 に規定する支承部として担うべき荷重伝達機能及び変位追随機能
が発揮できるように,4.3 に規定する部材等の限界状態のいずれかの限界状
態から適切に設定しなければならない。
4.3 部材等の限界状態
(1) 4.2 に規定する上部構造,下部構造又は上下部接続部の限界状態を,
それらを構成する部材等の限界状態で代表させる場合には,部材等の限
界状態を適切に設定し,上部構造,下部構造又は上下部接続部の限界状
態に応じて適切に組み合わせることで,上部構造,下部構造又は上下部
接続部の限界状態を代表させなければならない。
(2) 上部構造,下部構造,上下部接続部のそれぞれが有する機能系統が所
要の機能を発揮できる条件を満足するように,上部構造,下部構造,上
下部接続部を構成する部材等の限界状態を適切に設定し,これを組み合
わせなければならない。このとき,1.8.3 の規定及び部材等の耐久性能
に関する6 章の規定との関係性も考慮しなければならない。
(3) (1)及び(2)を満足するにあたっては,4.2 の規定及びⅡ編からⅤ編の
規定も満足するように部材等の限界状態を適切に設定し,これを組み合
わせなければならない。
(4) 部材等の限界状態1から限界状態3は,少なくとも表-4.3.1 の各限界
の状態を超えないように適切に設定しなければならない。
表-4.3.1 部材等の限界状態
部材等の 部材等としての荷重を支持する能力が確保されている限界の状態
限界状態1
部材等の 部材等としての荷重を支持する能力は低下しているもののあらかじ
限界状態2 め想定する能力の範囲にある限界の状態
部材等の これを超えると部材等としての荷重を支持する能力が完全に失われ
限界状態3 る限界の状態
(5) (4)の部材等の限界状態の設定にあたっては,3.3 に規定する永続作用
支配状況及び変動作用支配状況に該当する全ての作用の組合せの状況
が,設計供用期間にわたって繰返し,順不同で生じることを考慮しなけれ
ばならない。
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4.4 構造細目
(1) 4.3 に規定される部材等の限界状態を用いて橋の耐荷性能の評価を行
う場合には,前提条件として,橋の構造は,少なくとも,1)及び2)を満
たさなければならない。
1) 橋は,構造全体系及び各部で一定の剛性を有し,様々な作用に対して,
一定程度,橋の断面形状が保持される構造であること。
2) 橋の耐荷性能の設計で考慮する状況において,鉛直方向及び水平方向
に作用する荷重を,支承部や下部構造に円滑に伝達できる上部構造であ
ること。
(2) 4.3 に規定される各構造及び構成する部材等の限界状態を用いて橋の
耐荷性能の評価を行う場合には,以下の1)及び2)を満たさなければな
らない。
1) 連結部を有する部材等は,連結部と被連結部の力学的特性の違いを適
切に考慮して限界状態を設定しなければならない。
2) 連結部を含む部材等の耐荷性能の評価にあたって,連結部と被連結部
材の力学的特性の相違が無視できない場合には,連結部の存在の影響を
考慮して,連結部を含む部材等の耐荷性能を安全側に評価できるように
その限界状態を設定しなければならない。
5章 橋の耐荷性能の評価
5.1 一般
(1) 橋は2.3 の規定により選択した橋の耐荷性能に対する要求性能につい
て,(2)から(5)を満足しなければならない。
(2) 橋の耐荷性能1又は2を満足する橋は,3.3 に規定する永続作用支配
状況及び変動作用支配状況において,所要の信頼性でもって橋の限界状
態1及び限界状態3を超えないとみなせる条件を満足する。
(3) 橋の耐荷性能1又は2を満足する橋は,3.3 に規定する偶発作用支配
状況において,所要の信頼性でもって橋の限界状態3を超えないとみな
せる条件を満足する。
(4) 橋の耐荷性能2を満足する橋は,3.3 に規定する偶発作用支配状況に
おいて,所要の信頼性でもって橋の限界状態2を超えないとみなせる条
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件を満足する。
(5) (2)から(4)の橋の状態の評価にあたっては,以下の1)及び2)を満足
しなければならない。
1) 少なくとも橋の橋軸方向及び橋軸直角方向のそれぞれについて評価
を行うとともに,橋の構造や架橋環境に応じて,橋の状態に最も不利な
影響を及ぼすと考えられる方向にも着目して行う。
2) 3.3 に規定する永続作用支配状況及び変動作用支配状況に該当する
全ての作用の組合せの状況が,設計供用期間にわたって繰返し,順不同
で生じることを考慮する。
5.2 耐荷性能の評価
5.2.1 一般
(1) 橋の耐荷性能は,部材等の耐荷性能で代表させてよい。
(2) 橋の耐荷性能は,上部構造,下部構造,上下部接続部の耐荷性能の組
合せにより満足しなければならない。
(3) (1)(2)を満足するにあたっての鋼部材等及び鋼上部構造の耐荷性能
はⅡ編3.4,コンクリート部材等及びコンクリート上部構造の耐荷性能
はⅢ編3.4,下部構造の耐荷性能はⅣ編3.4,上下部接続部の耐荷性能は
Ⅴ編3.4 をそれぞれ満足しなければならない。
(4) (2)を満足するにあたっては,上部構造,下部構造,上下部接続部のそ
れぞれが,2章に規定する機能系統を有しており,かつ,それらが所要
の機能を発揮できる状態となるようにしなければならない。
(5) 橋の耐荷性能を部材等の耐荷性能で代表させる場合には,以下の1)か
ら4)を満足しなければならない。
1) 部材等は,塑性変形能が発揮されない状態にとどまることを原則とす
る。ただし,地震の影響が卓越する場合には,部材の塑性変形能が発揮
される状態を前提としてよいが,塑性変形能が発揮される部材をあらか
じめ特定し,その部材でのみ確実に塑性変形能が発揮されるように他の
部材等の状態を適切に組み合わせなければならない。
2) 永続作用支配状況においては部材等の状態がその限界状態1から限
界状態3の全てを超えないものとする。
3) 変動作用支配状況においては部材等の状態が限界状態1から限界状
態3の全てを超えないことを標準とする。また,限界状態1を超える状
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態を想定する部材等を組み合わせる場合には,橋の状態としての適合性
を吟味するとともに,当該部材は,限界状態2を超えず,かつ,限界状
態3を超えないものとする。
4) 偶発作用支配状況においては部材等の状態が限界状態1又は限界状
態2のうちあらかじめ適切に定めた限界状態を超えず,かつ,限界状態
3を超えないものとする。
(6) 部材等が式(5.2.1)を満足する場合,基本的に,所要の耐荷性能を有す
るとみなしてよい。このとき,作用効果は,作用の特性値や載荷方法の
条件を適切に反映でき,抵抗の特性と比較可能な作用効果の特性値を与
える方法によらなければならない。
Σ𝑆൫γ୮γ୯𝑃൯ ≦ ξଵξଶΦோ𝑅ሺ𝑓, ∆ሻ ····················· (5.2.1)
ここに,𝑃 :作用の特性値
𝑆 :作用効果であり,作用の組合せに対する橋の状態
𝑅 :部材等の抵抗に係る特性値で,材料の特性値𝑓や寸法の
特性値∆を用いて算出される値
𝑓 :材料の特性値
∆ :寸法の特性値
γ୮ :荷重組合せ係数
γ୯ :荷重係数
ξଵ :調査・解析係数
ξଶ :部材・構造係数
Φோ :抵抗係数
(7) 式(5.2.1)の作用の特性値𝑃は8章の規定による。また,橋の主方向及
び横方向の両者について,作用の組合せは3.3 の規定による。式(5.2.1)
の作用効果𝑆は,各編の関連する規定に従って適切に算出する。作用効
果の算出にあたっては,着目する機能系統及び部材ごとに,最も不利な
状態が生じるように作用を考慮しなければならない。
(8) 式(5.2.1)の抵抗に係る特性値𝑅は,抵抗の特性に応じて着目する部材
等の限界状態を代表する工学的指標で表すものとする。各編に特性値𝑅
の算出に関連する規定がある場合にはそれに従って適切に算出する。
(9) 式(5.2.1)の荷重組合せ係数γ୮及び荷重係数γ୯は,それぞれ,設計供
用期間中の荷重の同時載荷状況を考慮するための係数と8章で規定す
る作用の特性値が設計供用期間中に橋に与える影響の極値を考慮する
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ための係数であり,3.3 の規定による。
(10) 式(5.2.1)の抵抗係数Φோは,抵抗値𝑅の評価に直接関係する確率統計
的な信頼性の程度を考慮するための係数であり,その値は,Ⅱ編からⅤ
編に規定がある場合にはそれによることができる。
(11) 式(5.2.1)の調査・解析係数ξଵは,橋の構造をモデル化し,作用効果
を算出する過程に含まれる不確実性を考慮して抵抗係数Φோを補正する
ための係数である。その値は,0.90 を標準とし,十分な検討を行ったと
きには0.95 を上回らない範囲で設定することができる。ただし,Ⅱ編か
らⅤ編にて別途の規定がある場合にはその規定を優先する。
(12) 式(5.2.1)の部材・構造係数ξଶは,部材等の非弾性域における強度増
加又は減少の特性の違いなど抵抗の特性に応じて抵抗係数Φோを補正す
るための係数であり,その値はⅡ編からⅤ編に規定がある場合にはそれ
によることができる。
(13) (6)の評価を行うにあたって,作用効果が適切に評価されるように必
要な条件を明らかにし,満足させねばならない。
(14) 鋼部材やコンクリート部材の耐荷性能の評価は,この編によるほか,
Ⅱ編からⅤ編の関連する規定によらなければならない。
(15) 橋全体系において特定の条件に対して安全性の検討を行う場合に
は,(1)に加えて,3.3 に規定されるとおり作用の組合せを適切に設定す
るとともに,検討の目的や構造の特性に応じた部分係数の種類や値を適
切に設定する。
(16) 地震の影響が支配的となる設計状況における耐荷性能は,本節によ
るほか,5.3 の規定によらなければならない。
(17) 地震の影響が支配的となる設計状況における橋の耐荷性能の評価に
あたって基礎部及び基礎地盤部の塑性化が生じる状態を考慮する場合
は,基礎部及び基礎地盤部が塑性化すると仮定した場合並びに基礎部及
び基礎地盤部が塑性化しないと仮定した場合のいずれの場合にも所要
の橋の性能を満足しなければならない。
(18) 地震の影響が支配的となる設計状況における橋の耐荷性能の評価に
あたって8.19.2 に規定する地震動の影響としてレベル2地震動を考慮
する場合は,プレート境界型の大規模な地震を想定した地震動(以下「レ
ベル2地震動(タイプⅠ)」という。)と,内陸直下型地震を想定した地震
動(以下「レベル2地震動(タイプⅡ)」という。)の2種類の地震動を考
慮しなければならない。
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(19) 地震の影響が支配的となる設計状況における耐荷性能の評価に
8.19.5 に規定する構造物及び土の重量に起因する慣性力の影響を考慮
するにあたっては,橋の水平方向及び鉛直方向の状態をそれぞれ評価し
なければならない。
(20) 地震の影響を考慮する設計状況における橋の状態の評価にあたって
は,橋に支配的な影響を及ぼす方向に対して8.19.5 に規定する構造物
及び土の重量に起因する水平方向の慣性力の影響を考慮しなければな
らない。考慮する方向は,着目する機能系統及び部材ごとに影響が最も
大きくなる方向及びその直角方向とし,それぞれの方向に別々に作用さ
せなければならない。このとき,少なくとも,以下の1)から4)の方向に
ついて考慮しなければならない。
1) 橋脚躯体部では,橋脚躯体部の柱の断面二次モーメントが最小とな
る軸周りに曲げモーメントを発生させる方向及びその直角方向
2) 橋台躯体部では,土圧の水平成分の作用方向及びその直角方向
3) 橋脚基礎構造及び橋台基礎構造では,これが支持する橋脚躯体構造
及び橋台躯体構造において慣性力の影響を考慮する方向と同じ方向
4) 上部構造では,橋軸及び橋軸直角方向
(21) 地震の影響を考慮する設計状況における橋の状態の評価にあたっ
て,以下の1)及び2)に該当する場合には,橋に支配的な影響を及ぼす方
向に対して8.19.5 に規定する構造物の重量に起因する鉛直方向の慣性
力の影響を考慮しなければならない。
1) 支承部
2) 永続作用により大きな偏心モーメントを受ける橋脚躯体部
(22) 橋に慣性力の影響を考慮する方向に対して上部構造を支持する橋脚
又は橋台の上下部接続部の支持条件が可動の場合には,橋脚躯体部及び
橋台躯体部に伝達される上部構造の慣性力の代わりに,橋脚躯体部及び
橋台躯体部には上部構造から伝達される荷重として以下の1)及び2)を
考慮する。
1) レベル1地震動を考慮する設計状況に対しては,支承の静摩擦力
2) レベル2地震動を考慮する設計状況に対しては,橋脚の場合はi),
橋台の場合はⅱ)を考慮する。
ⅰ) 上部構造の死荷重反力の1/2 に8.19.8 に規定する設計水平震度
を乗じた荷重
ⅱ) 支承の静摩擦力
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5.2.2 減衰付加装置を用いる場合の評価
橋の耐荷性能を担う部材以外に主に橋に減衰を付加する目的で減衰付加
装置を用いる場合,橋の耐荷性能の評価においては,少なくとも5.2.1 の規
定を満足するとともに,以下の1)及び2)を満足しなければならない。
1) 減衰付加装置が所定の減衰特性を発揮するとした条件において,所
要の橋の耐荷性能を満足する。
2) 減衰付加装置による減衰付加効果が発揮されない条件において,橋
の限界状態3を超えない。
5.3 地震の影響を慣性力によって評価する場合の耐荷性能の評価
5.3.1 慣性力の影響の評価
(1) 8.19.5 に規定する構造物及び土の重量に起因する慣性力の影響によ
る作用効果𝑆の算出にあたって,8.19.6 及び8.19.7 に規定する設計加
速度応答スペクトルを用いる場合,又は8.19.8 に規定する設計水平震
度を用いる場合,橋の構造特性は,以下の1)から4)の条件を満足しなけ
ればならない。
1) 橋が以下の3)及び4)の条件を満足し,5.3.3 に規定する設計振動単
位に分割可能であること。
2) 設計振動単位の減衰特性が,構成する部材の応答が可逆性を有する範
囲の減衰定数として5%を超えないとみなせるものであること。
3) 地盤の振動特性が設計振動単位の振動特性に及ぼす影響が明らかで
あり,かつ,その影響が設計振動単位の振動特性に適切に反映できるこ
と。
4) 慣性力の影響による作用効果の評価にあたって,それに関わる部材の
塑性化による履歴減衰やエネルギー吸収を見込む場合には,以下のⅰ)
からⅲ)を満足すること。
ⅰ) 部材の塑性化による履歴減衰やエネルギー吸収が,設計振動単位の
振動特性に及ぼす影響が明らかであること。
ⅱ) ⅰ)の影響が設計振動単位を構成する部材における作用効果の評価
に適切に反映されること。
ⅲ) ⅱ)の評価において,ⅰ)の影響に対する部分係数との関係が明らか
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であること。
(2) 慣性力の影響による作用効果の評価は,5.3.4 の規定を満足する動的
解析又は5.3.5 の規定を満足する静的解析によるものとする。
5.3.2 液状化の評価
(1) 地震の影響が卓越する場合の耐荷性能の評価にあたっては,5.3.6 の
規定により,液状化が生じる可能性について適切に判断し,液状化が生
じる可能性があると判断される場合にはその影響を適切に考慮しなけ
ればならない。
また,液状化が生じる可能性があると判断される場合,橋の耐荷性能
の評価は,(2)の規定により液状化の影響を考慮した条件と液状化の影響
を考慮しない条件の両方について行い,いずれの条件でも所要の橋の耐
荷性能を満足しなければならない。
ただし,以下の1)及び2)に該当する場合には液状化の影響は考慮し
なくてよい。
1) 3.3 に規定する⑨の作用の組合せを考慮する設計状況
2) 5.3.6 の規定により,橋に影響を与える液状化が生じないとみなせる
条件を満足する場合
(2) 液状化が生じる可能性があると判断される場合,橋の耐荷性能の評価
にあたって,5.2 に規定する作用効果𝑆及び部材等の抵抗に係る特性値𝑅
には,液状化が生じると判定された土層に対して,液状化の影響が適切
に考慮できるよう地盤反力係数,地盤反力度の上限値及び最大周面摩擦
力(以下これらを「耐震設計上の土質定数」という。)を低減して考慮し
なければならない。
(3) 液状化が生じると判定された土層の耐震設計上の土質定数を,表-
5.3.1 に示す低減係数𝐷ாにより低減して考慮する場合,(2)を満足すると
みなしてよい。
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表-5.3.1 耐震設計上の土質定数の低減係数𝐷ா
動的せん断強度比R 地表面から
FLの範囲
の深さx(m) R≦0.3 0.3<R
0≦x≦10 0 1/6
FL≦1/3
10<x≦20 1/3 1/3
0≦x≦10 1/3 2/3
1/3<FL≦2/3
10<x≦20 2/3 2/3
0≦x≦10 2/3 1
2/3<FL≦1
10<x≦20 1 1
5.3.3 設計振動単位
(1) 橋を設計振動単位に分割するにあたっては,橋を等価な1自由度系の
振動モデルとして扱うことができる構造の単位となるように分割しなけ
ればならない。このとき,少なくとも以下の1)から4)が橋の振動特性に
及ぼす影響を適切に考慮しなければならない。
1) 上部構造,下部構造,上下部接続部間の接続条件
2) 上部構造,下部構造,上下部接続部を構成する基礎地盤も含めた各部
材の剛性,塑性化した状態を考慮する部材についてはその塑性化した状
態を考慮した部材の剛性
3) 2)で規定する各部材の粘性減衰,摩擦減衰,履歴減衰
4) 逸散減衰,入力損失等の構造物と地盤の相互作用の影響
(2) 設計振動単位は,各部材等により構成された構造体として単一の振動
特性を有し慣性力の算出が行える構造体でなければならない。このとき,
橋を構成する部材等がそれぞれ有する振動特性に基づき,地震動に対す
る応答に及ぼす影響が大きく異ならない場合は,構造体として単一の振
動特性を有しているとみなしてよい。
(3) 橋を設計振動単位に分割するにあたっては,慣性力の影響を考慮する
方向ごとに,以下の1)から4)によることを基本とする。
1) 橋に慣性力の影響を考慮する方向において一連の上部構造を支持す
る複数の橋脚及び橋台の上下部接続部の支持条件が固定支持又は弾性
支持の場合には,それらの複数の橋脚及び橋台とそれらが支持している
上部構造部分からなる構造系を1つの設計振動単位とする。
2) 橋に慣性力の影響を考慮する方向において一連の上部構造を支持す
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る複数の橋脚及び橋台のうち1基の橋脚又は橋台の上下部接続部のみ
支持条件が固定支持又は弾性支持の場合には,その1基の橋脚又は橋台
とそれが支持している上部構造部分からなる構造系を1つの設計振動
単位とする。
3) 橋に慣性力の影響を考慮する方向において橋脚又は橋台の上下部接
続部の支持条件が可動支持の場合には,その1基の橋脚又は橋台のみか
らなる構造系を1つの設計振動単位とする。
4) 設計振動単位の振動特性の評価には,基礎地盤や橋台背面土が振動特
性に及ぼす影響を考慮しない。
5.3.4 動的解析による応答の評価
(1) 動的解析には,時刻歴応答解析を用いることを標準とする。
(2) 時刻歴応答解析に用いる部材の解析モデルは,以下の1),2)を満足し
なければならない。
1) 橋の応答に支配的な影響を与える固有振動モードを表せるように,橋
を構成する各部材の質量分布,剛性分布及び境界条件を適切に設定す
る。
2) 1)で考慮する固有振動モードの減衰特性を表せるように,橋を構成す
る構造及び部材等の粘性減衰,摩擦減衰,履歴減衰等の減衰特性や逸散
減衰,入力損失等の構造物と地盤の相互作用の影響を適切に設定する。
(3) 時刻歴応答解析に用いる加速度波形は,部材ごとに最も不利な応答値
が得られるように,位相特性と継続時間を適切に考慮しなければならな
い。
(4) (5)及び(6)による場合は,(3)に規定する時刻歴応答解析に用いる加速
度波形を適切に設定したとみなしてよい。
(5) 時刻歴応答解析に用いる加速度波形には,式(8.19.1)により算出する
レベル1地震動並びに式(8.19.2)及び式(8.19.3)により算出するレベル
2地震動の設計加速度応答スペクトルに考慮された構造特性及び地震動
の特性と同等の特性を有するように強震記録を振幅調整した加速度波形
を用いる。
このとき,変動作用支配状況においては1波形,偶発作用支配状況に
おいては,位相特性が異なる加速度波形を少なくとも3波形用いる。
(6) 振幅調整に用いる強震記録を選定するにあたっては,以下の1)及び2)
を考慮しなければならない。
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1) 振幅調整しようとする強震記録の加速度応答スペクトルが目標とす
る設計加速度応答スペクトルと類似した地震動特性を有すること。
2) 部材の塑性化を許容する場合は,以下のⅰ)及びⅱ)の地震動特性を有
すること。
ⅰ) レベル2地震動(タイプⅠ)については,継続時間が長く,地震動
の繰返しが橋の非線形応答に与える影響が大きい位相特性
ⅱ) レベル2地震動(タイプⅡ)については,継続時間は短いが振幅の
大きな地震動が橋の非線形応答に与える影響が大きい位相特性
(7) 設計振動単位の中で地盤種別が異なる場合は,設計振動単位ごとに,
同じレベル1地震動の加速度波形及びレベル2地震動の加速度波形を用
いるものとし,異なる地盤種別それぞれの応答を算出し,部材ごとに不
利な応答が生じる地盤種別の応答を作用効果𝑆とする。
(8) 作用効果𝑆は,(4)に規定する加速度波形を用いて算出し,偶発作用支
配状況については設定した加速度波形により算出した応答値の平均値と
する。
5.3.5 静的解析による応答の評価
(1) 設計振動単位の固有周期に対応する8.19.8 に規定する設計水平震度
を構造物の重量に乗じて慣性力の影響による作用効果を評価する。
(2) 静的解析を用いて部材等の耐荷性能で考慮する状態を評価する場合に
は,橋の構造特性が以下の1)から3)の条件を満足しなければならない。
1) 1次の固有振動モードが卓越していること
2) 塑性化を許容する部材及び部位が明確であること
3) エネルギー一定則の適用性が検証されていること
(3) 静的解析に用いる部材の解析モデルは,橋の固有振動数を適切に設定
できるように,橋を構成する各部材の質量分布,剛性分布及び境界条件
を適切に設定しなければならない。
(4) 設計振動単位の固有周期は,橋を構成する各部材等の変形の影響を適
切に考慮しなければならない。
(5) 以下の1)又は2)による場合は,(4)を満足するとみなしてよい。
1) 固有値解析による場合。このとき,基礎構造の抵抗特性に考慮する地
盤反力係数には,8.19.3 の規定による耐震設計上ごく軟弱な土層又は
5.3.6 の規定により液状化が生じると判定される土層を有する場合であ
っても,耐震設計上の土質定数の低減を行わない。
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2) 上下部接続部の構造条件に応じて,以下のi)又はⅱ)による。
ⅰ) 設計振動単位が,1基の橋脚又は橋台とそれが支持している上部
構造部分からなる場合又は1基の橋脚又は橋台のみからなる場合,
固有周期は式(5.3.1)により評価する。
𝑇= 2.01√𝛿 ······································· (5.3.1)
ここに,
𝑇 :設計振動単位の固有周期(s)
δ :耐震設計上の地盤面より上にある基礎地盤を含まない橋脚又
は橋台の重量の80%と,それが支持している上部構造部分の
全重量に相当する力を慣性力の影響を考慮する方向に作用さ
せた場合の上部構造の慣性力の影響を考慮する位置における
変位(m)
ⅱ) 設計振動単位が,複数の橋脚及び橋台とそれが支持している上部
構造部分からなる場合には,固有周期は式(5.3.2)により評価する。
𝑇= 2.01√𝛿 ······································ (5.3.2)
∫௪(௦)௨(௦)మௗ௦
𝛿= ··································· (5.3.3) ∫௪(௦)௨(௦)ௗ௦
ここに,
𝑤(𝑠) :上部構造及び橋脚及び橋台の位置sにおける重量(kN/m)
𝑢(𝑠) :上部構造及び耐震設計上の地盤面より上の基礎地盤を含ま
ない橋脚及び橋台の重量に相当する水平力を慣性力の影響
を考慮する方向に作用させた場合にその方向に生じる位置
sにおける変位(m)
なお,∫は設計振動単位全体に関する積分を示す。
5.3.6 橋に影響を与える液状化の判定
(1) 橋の建設地点が,以下の1)から4)の全てに該当する土層を有している
場合の橋に影響を与える液状化が生じる可能性については,(2)の規定に
より判定しなければならない。
1) 地下水位が地表面から10m 以内にあり,かつ,地表面から20m 以内の
深さに存在する飽和土層
2) 細粒分含有率𝐹𝐶が35%以下の土層又は𝐹𝐶が35%を超えても塑性指数
IPが15 以下の土層
3) 50%粒径𝐷ହが10mm 以下で,かつ,10%粒径𝐷ଵが1mm 以下である土
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層
4) 完新世に形成された土層
(2) 液状化に対する抵抗率FL をレベル1地震動及びレベル2地震動のそ
れぞれに対して式(5.3.4)により評価した場合に,この値が1.0 以下の土
層は橋に影響を与える液状化が生じると判定する。
𝐹= 𝑅𝐿⁄ ············································ (5.3.4)
ここに,
𝐹 :液状化に対する抵抗率
𝑅 :動的せん断強度比で,(3)により算出する。
𝐿 :地震時せん断応力比で,(4)により算出する。
(3) 動的せん断強度比Rは,レベル1地震動及びレベル2地震動のそれぞ
れに対して式(5.3.5)によることを標準とする。
𝑅= 𝑐ௐ𝑅 ············································· (5.3.5)
(レベル1地震動及びレベル2地震動(タイプⅠ)の場合)
𝑐௪= 1.0
(レベル2地震動(タイプⅡ)の場合)
···· (5.3.6)
1.0 (𝑅≦0.1)
𝑐௪= ቐ 3.3𝑅+ 0.67 (0.1 < 𝑅≦0.4)
2.0 (0.4 < 𝑅)
0.0882ඥ(0.85𝑁+ 2.1)⁄1.7 (𝑁< 14) 𝑅= ቊ ··· (5.3.7) ≦𝑁)ቋ 0.0882ඥ𝑁1.7⁄ + 1.6 × 10ି∙(𝑁−14)ସ.ହ (14
𝑐ி(𝑁ଵ+ 2.47) −2.47 (𝐷ହ< 2𝑚𝑚) 𝑁= ൜ ········ (5.3.8) ሼ1 −0.36 logଵ(𝐷ହ2⁄ )ሽ𝑁ଵ (𝐷ହ≧2𝑚𝑚)ൠ
𝑁ଵ= 170𝑁/(𝜎௩’ + 70) ································ (5.3.9)
1 ൫0% ≦𝐹𝐶<10%൯
𝑐ி= ൞(𝐹𝐶+ 20)⁄30 ൫10% ≦𝐹𝐶<40%൯ ൢ ·············· (5.3.10)
(𝐹𝐶−16)⁄12 (40% ≦𝐹𝐶)
ここに,
𝑐ௐ :地震動特性による補正係数
𝑅 :繰返し三軸強度比
𝑁 :標準貫入試験から得られるN値
𝑁ଵ :有効上載圧100kN/m2相当に換算したN値
𝑁 :粒度の影響を考慮した補正N値
𝜎௩’ :標準貫入試験を行ったときの地表面からの深さにおける有効
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上載圧(kN/m2)
𝑐ி :細粒分含有率によるN値の補正係数
𝐹𝐶 :細粒分含有率(%)(粒径75μm以下の土粒子の通過質量百分率)
𝐷ହ :50%粒径(mm)
(4) 地震時せん断応力比𝐿は,レベル1地震動及びレベル2地震動のそれぞ
れに対して式(5.3.11)によることを標準とする。
𝐿= 𝑟ௗ𝑘𝜎௩𝜎௩ᇱ⁄ ········································ (5.3.11)
𝑟ௗ= 1.0 −0.015𝑥 ······································ (5.3.12)
𝑘= 𝑐௭𝑘 ····································· (5.3.13)
ここに,
𝑟ௗ :地震時せん断応力比の深さ方向の低減係数
𝑘 :液状化の判定に用いる地盤面の設計水平震度(四捨五入によ
り小数点以下2桁とする)
𝑐௭ :地域別補正係数で,レベル1地震動に対しては8.19.10に規定
するレベル1地震動の地域別補正係数czとする。レベル2地震
動(タイプⅠ)に対しては8.19.10に規定するレベル2地震動
(タイプⅠ)の地域別補正係数cⅠz,また,レベル2地震動(タイ
プⅡ)に対しては8.19.10に規定するレベル2地震動(タイプ
Ⅱ)の地域別補正係数cⅡzとする。
𝑘 :液状化の判定に用いる地盤面の設計水平震度の標準値で,表-
5.3.2の値とする。
𝜎௩ :地表面からの深さ𝑥における全上載圧(kN/m2)
𝜎௩ᇱ :地表面からの深さ𝑥における有効上載圧(kN/m2)
x :地表面からの深さ(m)
表-5.3.2 液状化の判定に用いる地盤面の設計水平震度の標準値 khgL0
レベル2地震動
地盤種別 レベル1地震動
タイプⅠ タイプⅡ
Ⅰ種地盤 0.12 0.50 0.80
Ⅱ種地盤 0.15 0.45 0.70
Ⅲ種地盤 0.18 0.40 0.60
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6章 橋の耐久性能に関する基本事項と評価
6.1 一般
(1) 橋の設計にあたっては,各部材等について,道路ネットワークにおけ
る路線の位置付けや代替性,性能の低下が橋の性能に及ぼす影響の程度,
修繕が生じたときに橋や道路の通行に及ぼす影響の程度,異常の発見や
修繕の容易さの程度を考慮して,各部材等に必要な耐久性を確保しなけ
ればならない。
(2) 橋の耐荷性能の評価において考慮する状態が維持されることを想定す
る期間として,橋の設計耐久期間を定めなければならない。
(3) 橋の設計耐久期間は,設計供用期間と同じ期間とすることを標準とす
る。
(4) 橋の設計耐久期間を定めるにあたっては,橋の耐荷性能において考慮
する全ての部材等の設計耐久期間を部材等ごとに適切に設定しなければ
ならない。
(5) (4)の部材等の設計耐久期間を設定するにあたっては,少なくとも以下
の1)から4)を考慮しなければならない。
1) 架橋条件を含む維持管理に関わる制約事項
2) 部材等が上部構造,下部構造,上下部接続部の各機能系統の一部を構
成する場合には,その機能系統において求められる機能を発揮できるた
めに維持されるべき状態
3) 部材等の設計耐久期間中に生じる可能性のある経年変化や変状など
の異常の発見と措置が行えることの確実性と容易さ
4) 橋の設計耐久期間を通じての経済性
(6) 部材等の設計耐久期間は,表-6.1.1 によることを標準とする。
表-6.1.1 部材等の種別と設計耐久期間の組合せの標準
部材等の種別 部材等の設計耐久期間
橋の設計耐久期間中の更新を前提としない部材等 橋の設計耐久期間とする。
橋の設計耐久期間を超えな
橋の設計耐久期間中の更新を前提とする部材等
い範囲で適切に定める。
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(7) 部材等の設計耐久期間の設定にあたっては,1)及び2)の条件を満足し
なければならない。
1) 設計で考慮する点検,補修,更新等の維持管理の条件と整合している
こと。
2) 部材等の設計耐久期間を橋の設計耐久期間より短く設定する場合,そ
れらの部材等ごとに補修・更新等の措置が確実かつ容易に行えること。
(8) 部材等の耐久性能を満足するためには,部材等の設計耐久期間にわた
って,耐久性能の評価において考慮する状況の時間的継続や繰返しによ
る経年の影響を適切に考慮し,材料の機械的性質や力学的特性等といっ
た部材等の耐荷性能の評価において考慮する状態を維持する期間が,部
材等の設計耐久期間を所要の信頼性で上回るようにしなければならな
い。
このとき,経年の影響として,少なくとも次の事象については考慮し
なければならない。
1) 鋼部材及びコンクリート部材の疲労
2) 鋼材の腐食
3) ゴム材料の疲労及び熱,紫外線等の環境作用による劣化
(9) 次の1)から3)による場合,(8)を満足するとみなしてよい。
1) 橋及び部材等の耐久性能の評価において考慮する状況は,6.2 の規定
による。
2) 橋及び部材等の耐久性能を確保するにあたっては,6.3 を満足する。
3) Ⅱ編からⅤ編の耐久性能に関する規定を満足する。
6.2 橋及び部材等の耐久性能の評価において考慮する状況
橋及び部材等の耐久性能の評価において考慮する状況は,耐荷性能の評価
において考慮する状況のほか,耐久性能に影響を及ぼす全ての状況とする。
ただし,耐荷性能の評価において考慮する状況のうち,偶発作用による影響
が支配的な状況による影響は考慮しなくてよい。
6.3 橋及び部材等の耐久性能の確保
(1) 橋の耐久性能は,橋を構成する部材等の耐久性能を組み合せることに
よって満足するようにしなければならない。
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(2) 部材等の耐久性能を確保するための方法は,以下の方法1から方法3
のいずれかの区分による。なお,いずれの区分による場合にも,1.8.3 を
満足しなければならない。
1)方法1
部材等の設計耐久期間内における材料の機械的性質や力学的特性等
に生じる可能性のある経年変化の影響に対して,当該部材等のそのも
のによって,耐荷性能の評価において考慮している状態に所要の信頼
性でもって影響が及ばないようにする方法
2)方法2
部材等の設計耐久期間内における材料の機械的性質や力学的特性等
に生じる可能性のある経年変化の影響に対して,その影響が及ばない
ように別途の手段により付加的な対策を講じることで,耐荷性能の評
価において考慮している状態に所要の信頼性でもって影響が及ばない
ようにする方法
なお,以下のⅰ)及びⅱ)を満足しなければならない。
ⅰ) 耐荷性能の評価で考慮する部分と明確に特定できる境界面を定
めたうえで,別途の手段に経年変化を許容しない部分を定める。
ⅱ) 別途の手段を適切に維持管理することで,別途の手段の経年変
化を許容しない部分が状態を維持する期間が,当該部材等の設計
耐久期間を所要の信頼性で上回るとみなせるようにする。
3)方法3
部材等の設計耐久期間内における材料の機械的性質や力学的特性等
に及ぼす経年の影響に対して,その影響が現れる可能性がないか,無視
できるほど小さいものとすることで,耐荷性能の評価において考慮し
ている状態に影響が及ばないようにする方法
なお,部材等の設計耐久期間内における材料の機械的性質や力学的
特性等に経年の影響が現れないとみなすことができる材料や環境の条
件を定め,これを満足しなければならない。
(3) (2)のいずれかの区分のひとつの手段で所要の耐久性能を満足する場
合には,必要に応じて,更に耐久性能の向上が期待できる対策を行って
もよい。
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7章 橋の使用目的との適合性を満足するために
必要なその他検討
7.1 一般
(1) 橋の耐荷性能や耐久性能と必ずしも直接関係付けられないものの橋の
使用目的との適合性の観点から必要な性能を満足させるにあたっては,
少なくとも1)及び2)について検討が必要な事項を適切に設定する。
1) 橋の損傷の発生が第三者に被害を及ぼす可能性の程度
2) 振動や騒音等が発生する可能性又は発生した際に橋の通行者や周辺
環境に及ぼす影響の程度
(2) (1)を受けて検討を行うときには,検討の目的や構造の特性を考慮し,
適切に設計に反映させるものとする。
(3) 橋の区間及び橋梁接続区間に対しては,目標とする通行機能を確保す
るために必要な道路機能として路面性状及び路面の荷重支持能力に関わ
る条件を定め,それらを満足できるように必要な配慮を行わなければなら
ない。配慮するにあたっては,少なくとも次の1)から5)について考慮す
る。
1) 道路ネットワークにおける路線の位置付け
2) 道路ネットワークにおける当該区間が他の区間等に対して求められ
る代替性及び補完性
3) 交差物件との関係
4) 地震等による当該区間の被災に対する復旧性
5) 地域の防災計画において当該区間に期待される機能等
(4) (3)の道路機能に関わる条件として,少なくとも次の1)から6)を考慮
しなければならない。
1) 路面の平坦性として,縦断方向及び横断方向の段差や凹凸の程度
2) 路面の連続性として,割れや陥没など通行障害の原因となる不連続と
その程度
3) 道路線形の連続性として横ずれによる車線幅員の不連続とその程度
4) 通行を可能とする車両重量などの自動車荷重
5) 目標とする被災後の機能の状態への回復の方法及び機能回復に要す
る時間
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6) 橋梁接続区間の点検や診断,修繕等の維持管理の条件
(5) 橋梁接続区間の路面性状及び路面の荷重支持能力の確保にあたって
は,(3)及び(4)によるほか,橋の基礎構造が適切な地盤上に位置するよ
うに下部構造の位置を決定するとともに,少なくとも以下1)から5)につ
いて配慮しなければならない。
1) 盛土材の流出による路面保持機能の低下を生じにくくするための配
慮
2) 切土など路側斜面の崩落の発生による通行機能への影響を生じにく
くするための配慮
3) 盛土や切土における所要の排水機能の確保を確実にするための配慮
4) 路面に滞水が生じにくくするための配慮
5) 路外からの落石や倒木による通行機能への影響を生じにくくするた
めの配慮
(6) (1)から(5)の検討にあたって,8章に規定する地震の影響を考慮する
場合には,偶発作用支配状況における地震の影響として,そこで考慮す
る最大級の地震動が複数回生じることの影響を考慮することを原則とす
る
(7) 橋の使用目的との適合性を満足するために必要なその他の検討で考慮
した事項やその目的で設置した構造等に対しては,部材等の設計耐久期
間及びその前提とする維持管理の条件を適切に定め,それらが満足する
ように必要な配慮を行わなければならない。
8章 作用の特性値
8.1 死荷重
(1) 死荷重は,材料の単位体積重量を適切に評価して定めなければならな
い。
(2) 表-8.1.1 に示す単位体積重量を用いて死荷重を算出した場合には(1)
を満足するとみなしてよい。
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表-8.1.1 材料の単位体積重量(kN/m3)
材 料 単位体積重量
鋼・鋳鋼・鍛鋼 77.0
鋳鉄 71.0
アルミニウム 27.5
セメントモルタル 21.0
コンクリート 23.0
鉄筋コンクリート 24.5
プレストレスを導入するコンクリート
24.5
(設計基準強度60N/mm2 以下)
プレストレスを導入するコンクリート
25.0
(設計基準強度60N/mm2 を超え80N/mm2 まで)
木材 8.0
歴青材(防水用) 11.0
アスファルト舗装 22.5
(3) 材料の単位体積重量を(2)によらず定める場合には,(4)から(6)に従
わなければならない。
(4) 材料の単位体積重量のばらつきを適切に評価する。
(5) JIS 等の公的規格に従って材料の単位体積重量や部材寸法等の変動の
上限値や下限値が制御された材料を用いる場合には,規格を満足するも
ののみを母集団とする場合のばらつきで評価する。
(6) 材料の単位体積重量の特性値は,その母集団を正規分布としたときの
非超過確率50%に相当する値とすることを標準とする。
8.2 活荷重
(1) 活荷重は,自動車荷重(T荷重,L荷重),群集荷重及び軌道の車両荷
重とし,大型の自動車の交通の状況に応じてA活荷重及びB活荷重に区
分しなければならない。
(2) 活荷重は,着目する部材等の応答が最も不利となる方法で路面部分に
載荷しなければならない。
(3) 高速自動車国道,一般国道,都道府県道及びこれらの道路と基幹的な
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道路網を形成する市町村道の橋の設計にあたってはB活荷重を適用し
なければならない。その他の市町村道の橋の設計にあたっては,大型の
自動車の交通の状況に応じてA活荷重又はB活荷重を適用しなければ
ならない。
(4) 床版及び床組を設計する場合の活荷重
床版及び床組を設計する場合の活荷重は次のとおりとする。
1) 車道部分には図-8.2.1 に示す集中荷重(T荷重)を載荷する。T荷
重は,橋軸方向に1組,橋軸直角方向には組数に制限がないものとし,
設計部材に最も不利な応力が生じるように載荷する。T荷重の橋軸直
角方向の載荷位置は,載荷面の中心が車道部分の端部より250mm まで
とする。載荷面の辺長は,橋軸方向及び橋軸直角方向にそれぞれ200mm
及び500mm とする。
なお,B活荷重を適用する橋の床組を設計する場合には,T荷重に
よって算出した断面力等に表-8.2.1 に示す係数を乗じたものを用いる
ものとするが,この係数は1.5 を超えてはならない。
支間長が特に長い縦桁等は,T荷重とL荷重のうち不利な応力を与
える荷重を用いて設計しなければならない。
橋軸方向 橋軸直角方向
200kN
T荷重1組の占有幅
2750
載荷面
100kN 100kN
200
500
500 1750 500 (単位:mm)
図-8.2.1 T荷重
表-8.2.1 床組を設計する場合に乗じる係数
部材の支間長 L(m) 𝐿≦4 4 < 𝐿
𝐿 7
係 数 1.0 + 32 8
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2) 歩道等には,群集荷重として5.0kN/m2 の等分布荷重を載荷する。
3) 軌道には,軌道の車両荷重とT荷重のうち設計部材に不利な応力を与
える荷重を載荷する。軌道の車両は両数に制限がないものとし,設計部
材に最も不利な応力を与えるように載荷する。占有幅及び荷重は当該軌
道の規定に従わなければならない。
(5) 主桁を設計する場合の活荷重
主桁を設計する場合の活荷重は次のとおりとする。
1) 車道部分にはA活荷重又はB活荷重の区分に応じて,図-8.2.2 及び
表-8.2.2 に示す2種類の等分布荷重𝑝ଵ,𝑝ଶよりなるL荷重を載荷する。
𝑝ଵは1橋につき1組とし,L荷重は着目している点又は部材に最も不利
な応力が生じるように,橋の幅5.5m までは等分布荷重𝑝ଵ及び𝑝ଶ(主載
荷荷重)を,残りの部分にはそれらの各々の1/2(従載荷荷重)を載荷
する。
ただし,支間長が特に短い主桁や床版橋は,T荷重とL荷重のうち不
利な応力を与える荷重を用いて設計しなければならない。T荷重を用い
て設計する場合には,T荷重は橋軸直角方向には2組を限度とし,3 組
目からは1/2 に低減する。なお,B活荷重を適用する橋を設計する場合
には,T荷重によって算出した断面力等に表-8.2.1 に示す係数を乗じ
ることとするが,この係数は1.5 を超えてはならない。
ゲルバー桁の吊桁及び片持部に対しては,表-8.2.2 における支間長
Lとしてそれぞれ図-8.2.3 に示す𝐿ଵ及び𝐿ଶをとる。
2) 歩道等には,群集荷重として表-8.2.3 に示す等分布荷重を載荷する。
等分布荷重p1
等分布荷重p2
載荷長D
1 1 p1 p2 p2 1 p2 (p1+p2)
1 2 2 2 1 1 2 2 2
p2 p1+p2 p2 p 1 p2 2 等分布荷重p 1 1 1 橋軸直角方向 p 1 等分布荷重p p p2 p2 (p1+p2) 2 2 2 1 2 1 2
橋軸方向
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図-8.2.2 L荷重
表-8.2.2 L荷重
主載荷荷重幅(幅5.5m)
等分布荷重𝑝ଵ 等分布荷重𝑝ଶ
荷重(kN/m2) 荷重(kN/m2) 従載荷
荷 重
載荷長 曲げモーメ せん断力 荷 重
𝐷(m) ントを算出 を算出す 𝐿≦80 80<𝐿≦130 130<𝐿
する場合 る場合
主載荷A活荷重 6
10 12 3.5 4.3-0.01𝐿 3.0 荷重の
50%B活荷重 10
ここに,𝐿:支間長(m)
L1
L2
図-8.2.3 ゲルバー桁における支間長𝐿(m)のとり方
表-8.2.3 歩道等に載荷する等分布荷重
支間長𝐿(m) 𝐿≦80 80<𝐿≦130 130<𝐿
等分布荷重(kN/m2) 3.5 4.3-0.01L 3.0
3) 軌道には,軌道の車両荷重とL荷重のうち設計部材に不利な応力を
与える荷重を載荷する。軌道の車両は両数に制限がないものとし,占有
幅及び荷重は当該軌道の規定による。自動車の通行を許さない軌道敷
がある場合には,L荷重の載荷幅はこの部分を除いてもよい。
(6) 下部構造を設計する場合の活荷重
下部構造を設計する場合の活荷重は次のとおりとする。
1) 下部構造を設計する場合の上部構造に載荷する活荷重は,原則として
(5)に規定する荷重とする。ただし,支間長が短い場合には,T荷重と
L荷重のうち不利な応力を与える荷重を用いて設定しなければならな
い。
2) ラーメン橋脚を設計する場合,活荷重は上部構造の支点反力が着目点
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に対して最も不利となるように,上部構造に載荷することを原則とす
る。ただし,T形ラーメンを除く他のラーメン橋脚を設計する場合は,
着目点に対する影響線の符号が同一となるところに作用する上部構造
の活荷重最大支点反力を用いてよい。
8.3 衝撃の影響
(1) 活荷重の載荷に際しては,(4)及び(5)の規定による場合を除き,動的
な影響による応答の増幅分を衝撃の影響として考慮しなければならな
い。
(2) 衝撃の影響の特性値は,橋の支間長,構造特性,死荷重と活荷重の比,
交通特性,車両軸重とその変動の影響を考慮して適切に定めなければな
らない。
(3) 衝撃の影響は,活荷重にその影響分に相当する係数を乗じてこれを考
慮しなければならない。
(4) 歩道等に載荷する等分布荷重,吊橋の主ケーブル及び補剛桁を設計す
る際には衝撃の影響は考慮しない。
(5) 下部構造の設計に用いる上部構造反力には,活荷重による衝撃の影響
を考慮しない。ただし,支承部,鋼製橋脚及びコンクリート製の張出し
ばり,ラーメン橋脚若しくはこれに類似の軽量の躯体には活荷重による
衝撃の影響を考慮する。
(6) 表-8.3.1 の支間長を用いて,表-8.3.2 により上部構造の衝撃係数を
算出し,衝撃の影響を考慮した場合には,(1)から(3)を満足するとみな
してよい。
表-8.3.1 衝撃係数を求めるときの支間長
𝐿
形 式 部 材
(m)
単純桁 桁及び支承部 支間長
弦材・端柱及び支承部 支間長
下路トラスの吊材 床桁の支間長
トラス 上路トラスの支柱 床桁の支間長
分格間の斜材の類 床桁の支間長
その他の腹材 支間長の75%
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① ① ③ ② 荷重①に対しては𝐿ଵ
荷重②に対しては𝐿ଶ
連続桁
荷重③に対しては(𝐿ଵ+𝐿ଶ)/2 L1 L2
① ① ④ ② ③ 荷重①に対しては𝐿ଵ
荷重②に対しては𝐿ଶ+𝐿ଷ
荷重③に対しては
L1 L2 L3
吊桁に対して𝐿ଷ
ゲルバー桁
片持部及び定着桁に
③ ③ ② ④ ①
対して𝐿ଶ+𝐿ଷ
荷重④に対しては
L3 L2 L1
(𝐿ଵ+𝐿ଶ+𝐿ଷ)/2
① ① ② 荷重①に対しては𝐿ଵ
荷重②に対しては(𝐿ଵ+𝐿ଶ)/2
L1 L2
② ③ ① ① 荷重①に対しては𝐿ଵ
ラーメン 荷重②に対しては
L2 L3 吊桁に対して𝐿ଶ
片持部及びラーメンに
L1 対して𝐿ଶ+𝐿ଷ
荷重③に対しては
ラーメンに対して𝐿ଵ
片持部に対して𝐿ଶ+𝐿ଷ
アーチリブ,アーチの弦材,補剛
桁,補剛トラスの弦材,支承及び 支間長
アーチ及び
タイドアーチのタイ
補剛桁を有
アーチ及び補剛トラスの腹材 支間長の75%
するアーチ
上路アーチの支柱 床桁の支間長
下路アーチの吊材 床桁の支間長
吊 橋 ハンガー 床桁の支間長
主桁 連続桁に準じる
斜 張 橋
ケーブル 連続桁の支点に準じる
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表-8.3.2 衝撃の影響の標準
備
橋 種 衝撃係数 𝑖
考
20 T荷重,L荷重の使用の
鋼 橋 𝑖=
50 + 𝐿 別に関わらない
20
𝑖= T荷重を使用する場合
50 + 𝐿
鉄筋コンクリート橋
7
𝑖= L荷重を使用する場合
20 + 𝐿
20
𝑖= T荷重を使用する場合
50 + 𝐿 プレストレスト
コンクリート橋 10
𝑖= L荷重を使用する場合
25 + 𝐿
8.4 プレストレス力
(1) 構造物にプレストレス力を導入する場合には,これを適切に考慮しな
ければならない。
(2) プレストレス力は,プレストレッシング直後のプレストレス力及び有
効プレストレス力に区分して,それぞれ適切に考慮しなければならない。
(3) プレストレス力により不静定力が生じる場合には,これを適切に考慮
しなければならない。
(4) (5)及び(6)による場合には(1)及び(2)を,(7)による場合には(3)を満
足するとみなしてよい。
(5) プレストレッシング直後のプレストレス力の特性値は,PC 鋼材の引張
端に与えた引張力に,次の影響を考慮して適切に定めなければならない。
1) コンクリートの弾性変形
2) PC 鋼材とシースの摩擦
3) 定着具におけるセット
(6) 有効プレストレス力の特性値は,(5)のプレストレッシング直後のプレ
ストレス力の特性値に考慮される影響以外に,次の影響を考慮して適切
に定めなければならない。
1) コンクリートのクリープ
2) コンクリートの乾燥収縮
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3) PC 鋼材のリラクセーション
(7) 有効プレストレス力による不静定力は,プレストレッシング直後のプ
レストレス力による不静定力にPC 鋼材引張力の有効係数を部材全体に
わたって平均した値を乗じて算出する。
8.5 コンクリートのクリープの影響
(1) コンクリートのクリープによる影響は,クリープひずみとして考慮す
る。
(2) (3)及び(4)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) コンクリートのクリープひずみを,Ⅲ編4.2.3 に従い算出する。
(4) コンクリートのクリープの影響により生じる不静定力は,次の規定に
より算出する。
1) 構造系に変化がない場合
構造物全体を一度に支保工上で施工し,施工中の構造系と施工後の構
造系に変化がない場合には,コンクリートのクリープの影響は一般に考
慮しなくてよい。
2) 構造系に変化がある場合
構造物全体を一度に施工せず,施工中の構造系と施工後の構造系に変
化がある場合には,コンクリートのクリープの影響による不静定力は
(3)による値を用いて算出する。なお,この場合に考慮する持続荷重は
死荷重,プレストレス力及び乾燥収縮の影響とする。
8.6 コンクリートの乾燥収縮の影響
(1) コンクリートの乾燥収縮の影響は,乾燥収縮によるひずみ(コンクリ
ートの乾燥収縮度)として考慮する。
(2) (3)及び(4)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) プレストレスの減少量を算出する場合のコンクリートの乾燥収縮度
をⅢ編4.2.3 に従い設定する。
(4) コンクリートの乾燥収縮の影響により生じる不静定力は,1)又は2)に
より算出する。
1) 構造系に変化がない場合
構造物全体を一度に支保工上で施工し,施工中の構造系と施工後の
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構造系に変化がない場合には,コンクリートの乾燥収縮度を15×10-5と
する。ただし,軸方向鋼材量が部材のコンクリート断面積の0.5%未満
の場合には乾燥収縮度を20×10-5 とする。
2) 構造系に変化がある場合
構造物全体を一度に施工せず,施工中の構造系と施工後の構造系に
変化がある場合には,Ⅲ編4.2.3 の規定によらず,部材周辺の湿度,部
材断面の形状寸法,荷重が作用するときのコンクリートの材料や材齢
等を考慮して別途にコンクリートの乾燥収縮度を定め,不静定力を算
出する。なお,この場合に考慮する持続荷重は死荷重,プレストレス力
及び乾燥収縮の影響とする。
8.7 土圧
(1) 土圧は,構造物の種類,土質条件,構造物の変位や土に生じるひずみ
の大きさ,土の力学特性の推定における不確実性等を適切に考慮して設
定しなければならない。
(2) 地震時土圧は,8.19.11 による。
(3) 橋台の土圧の作用面は,原則として以下のとおりとする。
1) 重力式橋台の場合は,躯体コンクリート背面とする。
2) 逆T式橋台の場合は,壁の断面計算においては躯体コンクリート背
面,安定計算においては,後フーチング縁端での鉛直な仮想背面とす
る。
(4) (5)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(5) 土圧は,壁面に働く分布荷重とし,荷重強度の特性値を以下とする。
1) 主働土圧及び受働土圧
ⅰ) 砂質土
𝑝= 𝐾∙𝛾∙𝑥+ 𝐾∙𝑞 ······························ (8.7.1)
𝑝= 𝐾∙𝛾∙𝑥+ 𝐾∙𝑞 ······························ (8.7.2)
ⅱ) 粘性土
𝑝= 𝐾∙𝛾∙𝑥−2 ∙c ∙ඥ𝐾+ 𝐾∙𝑞 ···················· (8.7.3)
ただし,𝑝 ≧ 0
𝑝= 𝐾∙𝛾∙𝑥+ 2 ∙c ∙ඥ𝐾+ 𝐾∙𝑞 ··················· (8.7.4)
ただし,
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ୡ୭ୱమ(థିఏ)
𝐾= మ ···················· (8.7.5)
ୡ୭ୱమఏୡ୭ୱ(ఏାఋ)ቊଵାට౩(ഝశഃ) ౩(ഝషഀ) ౙ౩(ഇశഃ) ౙ౩(ഇషഀ)ቋ
௦మ(థାఏ)
𝐾= మ ···················· (8.7.6)
ୡ୭ୱమఏୡ୭ୱ(ఏାఋ)ቊଵିට౩(ഝషഃ) ౩(ഝశഀ) ౙ౩(ഇశഃ) ౙ౩(ഇషഀ)ቋ
なお,𝜙±𝛼<0 の場合にはsin(𝜙± 𝛼) = 0 とする。
2) 静止土圧
𝑝= 𝐾∙𝛾∙𝑥+ 𝐾∙𝑞 ······························· (8.7.7)
ここに,𝛾 :土の単位体積重量(kN/m3)
𝑝 :深さ 𝑥 における主働土圧強度(kN/m2)
𝑝 :深さ 𝑥 における受働土圧強度(kN/m2)
𝑝 :深さ 𝑥 における静止土圧強度(kN/m2)
𝐾 :クーロン土圧による主働土圧係数
𝐾 :クーロン土圧による受働土圧係数
𝐾 :静止土圧係数
𝑥 :土圧 𝑝,𝑝,𝑝が壁面に作用する深さ(m)
𝑐 :土の粘着力(kN/m2)
𝑞 :地表載荷荷重(kN/m2)
𝜙 :土のせん断抵抗角(度)
𝛼 :地表面と水平面とのなす角(度)
𝜃 :壁背面と鉛直面とのなす角(度)
𝛿 :壁背面と土との間の壁面摩擦角(度)
ここで用いる角度は反時計回りを正とする。
𝑞 𝑞
+𝛼 +𝛼
𝜃+ 𝛿
+𝑥 𝑝 +𝑥
𝑝௩ 𝑝 𝜃+ 𝛿
𝑝 +𝜃 𝑝௩ +𝜃 𝑝
N-N:壁面に垂直
な面
𝛿 N N
𝛿
NN
(a)主働土圧の場合 (b)受働土圧の場合
図-8.7.1 土 圧
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8.8 水圧
(1) 水圧は,水位の変動,流速,洗掘の影響及び橋脚の形状・寸法を適切
に考慮して設定しなければならない。
(2) 地震時動水圧は,8.19.12 による。
(3) (4)及び(5)による場合には(1)を満足するとみなしてよい。
(4) 静水圧は式(8.8.1)により算出する。ただし,構造物の地中にある部分
に働く水圧がこの理論水圧の値まで作用しないことが明らかな場合は,
その明らかな値まで低減することができる。
𝑝= 𝑤∙ℎ ········································· (8.8.1)
ここに,𝑝 :水面より深さ ℎ のところの静水圧(kN/m2)
ℎ :水面よりの深さ(m)
𝑤 :水の単位体積重量(kN/m3)
(5) 流水圧を流水方向に対する橋脚の鉛直投影面積に作用する水平荷重
とし,式(8.8.2)により算出する。作用位置は河床より0.6Hとする。
𝑃= 𝐾∙𝑣ଶ∙𝐴 ······································· (8.8.2)
ここに,𝑃 :流水圧(kN)
𝐾 :表-8.8.1 に示す橋脚の形状により定まる係数
𝑣 :最大流速(m/s)
𝐴 :橋脚の鉛直投影面積(m2)
H :水深(m)
洗掘の影響がある場合における流水圧の算出に用いる水深は,下部構
造による洗掘の影響のないときの水深に下部構造の影響によって生じる
洗掘の深さと,橋の供用中に予想される全般的な河床低下量を加えた深
さとする。洪水時においては,上記の水深に,洪水時の水位の増加と洪
水時の洗掘深さを加えた深さとする。
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表-8.8.1 橋脚の形状に応じた係数
橋脚の流水方向端部の形状 係数
→
0.7
→
→
→ 0.4
→
→ 0.2
8.9 浮力又は揚圧力
(1) 浮力又は揚圧力は,間隙水や水位の変動を考慮して適切に定めなけれ
ばならない。
(2) 浮力又は揚圧力は,鉛直方向に作用するものとし,構造物に最も不利
になるように載荷する。
8.10 温度変化の影響
(1) 温度変化の影響は,構造物の種類,構造条件,架橋地点の環境条件及
び部材の材質・寸法を適切に考慮して設定しなければならない。
(2) (3)から(6)による場合は,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 設計に用いる基準温度は+20℃を標準とする。ただし,寒冷な地域にお
いては+10℃を標準とする。
(4) 設計に用いる温度変化の範囲は1)から3)のとおりとし,構造物にお
ける温度の昇降は基準温度からの差として考慮する。
1) 鋼構造
鋼構造全体の一様な温度変化を考慮する場合の温度変化の範囲は,
-10℃から+50℃までとする。ただし,寒冷な地方においては-30℃から
+50℃までとする。
2) コンクリート構造
コンクリート構造全体の温度変化を考慮する場合の温度昇降は,一般
に,基準温度から地域別の平均気温を考慮して定める。一般の場合,温度
の昇降はそれぞれ15 度とする。断面の最小寸法が700mm 以上の場合には,
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上記の標準を10 度とすることができる。
3) 支承及び伸縮装置
支承の移動量及び伸縮装置の伸縮量の算定に用いる温度変化の範囲は,
1)及び2)に関わらず表-8.10.1 を用いる。
表-8.10.1 支承の移動量並びに伸縮装置の伸縮量算定に用いる温度変化の範囲
温 度 変 化
橋 種
普通の地方 寒冷な地方
鉄筋コンクリート橋
-5℃~+35℃ -15℃~+35℃
プレストレストコンクリート橋
鋼橋(上路橋) -10℃~+40℃ -20℃~+40℃
鋼橋(下路橋及び鋼床版橋) -10℃~+50℃ -20℃~+40℃
4) 水中又は土中にある構造物では温度変化の影響を考慮しなくてよ
い。
(5) 設計に用いる線膨張係数は,1)から3)のとおりとする。
1) 鋼構造物における鋼の線膨張係数は12×10-6 とする。
2) コンクリート構造物における鋼材及びコンクリートの線膨張係数は
10×10-6 とする。
3) 鋼桁とコンクリート床版の合成作用を考慮する場合の鋼及びコンク
リートの線膨張係数は12×10-6 とする。
(6) 温度変化の影響を(3)から(5)によらず定める場合には,構造物の種
類,構造条件及び部材の材質・寸法を考慮したうえで,温度変化の範囲
の特性値については,設計供用期間に対して,架橋地点が該当する地域
の年最高気温と年最低気温の統計的性質を考慮し,最大級の値となるよ
うに定めなければならない。
8.11 温度差の影響
(1) 構造部材間の温度差の影響は,構造条件,架橋地点の環境条件及び部
材の材質・寸法を適切に考慮して設定しなければならない。
(2) 鋼構造,コンクリート床版を有する鋼桁及びコンクリート構造におい
て(3)及び(4)による場合は,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 構造部材間の温度差の影響を評価するときの温度差を次のとおりと
し,かつ,設計部材に最も不利な応力が生じるようにその影響を考慮す
る。
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1) 鋼構造
部材間又は部材各部における相対的な温度差は15 度とする。
2) コンクリート床版を有する鋼桁
コンクリート床版と鋼桁の相対的な温度差は10 度とする。
3) コンクリート構造
部材間又は部材各部における相対的な温度差は5度とする。
4) 鋼,コンクリートが複合する桁
材料の配置に応じて1)から3)を満足するようにする。
(4) 設計に用いる線膨張係数は,8.10(5)の規定による。
8.12 雪荷重
(1) 雪荷重を考慮する必要のある地域においては,雪荷重の設定にあたっ
て,架橋地点の積雪状態や設計の前提となる除雪等の維持管理の条件を
適切に考慮しなければならない。
(2) (3)から(5)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 十分圧縮された雪の上を自由に車両が通行する場合に対して,活荷重
に加えて橋の全面に1kN/m2 を考慮する。
(4) 積雪が特に多く自動車交通が積雪と同時に載荷されない場合には,式
(8.12.1)を考慮する。
SW = 𝑃∙𝑍ୗ ······································· (8.12.1)
ここに,SW :雪荷重(kN/m2)
𝑃 :雪の平均単位体積重量(kN/m3)
𝑍ୗ :設計積雪深(m)で,通常の場合は架橋地点における
再現期間10 年に相当する年最大積雪深を考慮し,こ
れに既往の記録や橋上での積雪状態を勘案し適切に
定める。
(5) 雪荷重を(3)又は(4)によらず定める場合には,設計の前提となる除雪
等の維持管理の条件を適切に考慮するとともに,自動車の通行を見込ま
ない場合の雪荷重の特性値には,通常の場合は架橋地点における再現期
間10 年に相当する年最大積雪深を考慮すればよい。
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8.13 地盤変動の影響
下部構造完成後,地盤の圧密沈下等による地盤変動が予想されるところ
ではこの影響を適切に考慮しなければならない。
8.14 支点移動の影響
(1) 不静定構造物において,地盤の圧密沈下等のために長期にわたり生じ
る支点の移動及び回転の影響が想定される場合には,この影響を適切に
考慮しなければならない。
(2) (3)による場合には(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 支点移動の影響による断面力の算出にあたっては,コンクリート橋に
ついては弾性計算で求めた最終移動量の推定値による断面力の50%を
設計計算に用いるものとし,鋼橋については弾性計算で求めた最終移動
量の推定値による断面力をそのまま設計計算に用いる。
8.15 遠心荷重
(1) 遠心荷重は,自動車及び軌道車両の通行,橋の構造形式を適切に考慮
して設定しなければならない。
(2) (3)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 遠心荷重は,曲線軌道のある場合に限り軌道の車両荷重の8%をレー
ル面上1.8m の高さにおいて横方向に作用させる。極端に軽い橋等特別
な場合には自動車に対しても遠心荷重を考慮する。
8.16 制動荷重
(1) 制動荷重は,自動車及び軌道車両の通行,橋の構造形式を適切に考慮
して設定しなければならない。
(2) (3)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 制動荷重は,軌道のある場合に限り軌道車両の輪荷重総和の10%をレ
ール面上1.8m の高さにおいて車両の進行方向に作用させる。極端に軽
い橋等特別な場合には自動車の制動荷重は25kN とし,橋面上1.8m の高
さにおいて自動車の進行方向に作用させる。
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8.17 風の影響
8.17.1 一般
(1) 風の影響は,架橋地点の位置,地形及び地表条件や橋の構造特性,断
面形状を適切に考慮して設定しなければならない。
なお,設定にあたっては,構造物の静的な応答が支配的となる応答を
生じさせる風の影響(以下「静的応答支配風作用」という。)と構造物の
動的な応答が支配的となる応答を生じさせる風の影響(以下「動的応答
支配風作用」という。)のそれぞれについて適切に考慮しなければならな
い。
(2) (3)及び(4)による場合は,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 静的応答支配風作用は,8.17.2 の規定による。
(4) 動的応答支配風作用は,8.17.7 の規定による。
8.17.2 静的応答支配風作用
(1) 静的応答支配風作用は,架橋地点の風速及びその変動の影響につい
て,その統計的性質を考慮して設計供用期間中に生じる最大級の値とな
るように定めた時間的及び空間的に平均化した作用として考慮しなけ
ればならない。
(2) (3)から(6)による場合は,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 構造物に対する静的応答支配風作用として,式(8.17.1)による風荷重
を考慮する。このとき,1)から3)を適切に考慮する。
1
𝑝= 𝜌𝑉ଶ𝐶ௗ𝐺 ········································ (8.17.1) 2
ここに,𝑝 :単位面積あたりに作用する風荷重(N/m2)
𝜌 :空気密度(=1.23kg/m3)
𝑉 :8.17.3 に規定する設計基準風速(m/s)
𝐶ௗ :8.17.4 に規定する抗力係数
𝐺 :8.17.5 に規定するガスト応答係数
1) 上部構造に作用する風荷重は,有効鉛直投影面積An(m2/m)を乗じた
橋軸方向単位長さあたりにおいて,鋼桁の場合は6.0kN/m 以上とし,2
主構トラスの場合は載荷弦において6.0kN/m 以上,無載荷弦においては
3.0kN/m 以上とする。
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2) 遮音壁が設置される橋では,風の特性に応じて上部構造に作用する風
荷重を0.8 倍に低減することができる。また,遮音壁が一定以上の風荷
重を橋本体に伝達しない構造である場合には,構造に応じて風荷重を低
減することができる。
3) 鋼桁橋が並列する場合には,その影響を考慮して上部構造に作用する
風荷重を表-8.17.1 により補正する。
表-8.17.1 並列の効果による上部構造に作用する風荷重の補正係数
並列の効果による風荷重の補正係数
上部構造の設計 1.3
𝑆 風上側 風下側
𝑆≦0.5𝐵ଵ 1.3 1.3
SV≦0.5𝐷ଶ 0.3
下部構造の設計
0.5𝐵ଵ<𝑆≦1.5𝐵ଶ 1.3 0.5𝐷ଶ<SV≦1.5𝐷ଶ 1.0
1.5𝐷ଶ<SV≦2.5𝐷ଵ 1.2
1.5𝐵ଶ<𝑆≦1.5𝐵ଵ 1.3 1.0
ここに,𝑆:橋の水平方向の中心間距離(m)(図-8.17.1 参照)
𝑆𝑉:橋の鉛直方向の中心間距離(m)(図-8.17.1 参照)
図-8.17.1 並列橋の位置関係
(4) 構造物の単位面積あたりに作用する風荷重は,着目する部材等に最も
不利な応力を生じさせるように,着目する部材等に対する有効鉛直投影
面積に対して載荷する。
(5) 下部構造に直接作用する風荷重は,橋軸直角方向及び橋軸方向に作用
する水平荷重とする。ただし,同時に2方向には作用しないものとする。
(6) 活荷重に対する風荷重WLは,橋軸方向の長さ1m につき3.0(𝑉/40)2
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kN/m の値とし,橋面上1.5m の位置に作用させる。
(7) ラーメン系橋に作用する風荷重は,上部構造に作用する風荷重とし,
ラーメン橋脚に作用する風荷重は,下部構造に作用する風荷重とする。
(8) (2)によらず8.17.6 による場合は,(1)を満足するとみなしてよい。
8.17.3 設計基準風速
(1) 設計基準風速は,40m/s を標準とする。
(2) (1)によらない場合,設計基準風速を架橋地点における風の変動の影
響や統計的性質を考慮した場合に設計供用期間中に生じ得る最大級の
値とみなすことができる風速とする。
8.17.4 抗力係数
(1) 抗力係数は,少なくとも構造物の幾何学的形状,近接する構造物の影
響を考慮して適切に定めなければならない。
(2) (3)及び(4)による場合は,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 上部構造等の抗力係数は,次のとおりとする。
1) 鋼主桁を用いた上部構造
充腹のI形断面,π形断面及び箱形断面の主桁を用いた上部構造の抗力
係数は,式(8.17.2)により算出する。
2.1 −0.1(𝐵𝐷⁄ ) 1 ≦𝐵𝐷⁄ < 8 𝐶ௗ= ൜ ൠ ··············· (8.17.2) 1.3 8 ≦𝐵𝐷⁄
ここに,𝐵:上部構造の総幅(m)(図-8.17.2)
𝐷:上部構造の総高(m)(表-8.17.2)
なお,断面形状が軸方向に変化する場合には,各径間において,その径
間の平均的な断面の𝐵及び𝐷とする。
𝐵
図-8.17.2 上部構造の総幅Bのとり方
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表-8.17.2 上部構造の総高𝐷のとり方
橋梁用防護柵 壁型剛性防護柵 壁型剛性防護柵以外
0.4m
𝐷のとり方 D
D
2) 2主構トラスを用いた上部構造
2主構トラスの抗力係数は,式(8.17.3)により算出する。
𝐶ௗ= 1.35 ⁄ඥ𝜙 ·································· (8.17.3)
ただし,0.1≦𝜙≦0.6
ここに,𝜙:トラスの充実率(トラス外郭面積に対するトラス投影面
積の比)
トラスの橋床に対しては,抗力係数1.6 を標準とする。
3) アーチ系橋
アーチ系橋のアーチ部材,補剛桁,吊材及び支柱に対して,角形断面
の場合には,風上側部材及び風下側部材にそれぞれ1.6 及び0.8 とし,
円形断面の場合には,風上側部材及び風下側部材とも0.8 とする。アー
チ系橋の橋床は1.6 とする。
4) 吊橋,斜張橋
吊橋,斜張橋の橋桁部分(補剛桁及び橋床)の抗力係数は,その形状
に応じ,1)及び2)に規定する鋼桁又は2主構トラスの抗力係数を適用
する。塔の抗力係数は,風上側部材及び風下側部材にそれぞれ1.6 及び
0.8 を標準とする。ケーブルの抗力係数は,風上側部材及び風下側部材
とも0.8 を標準とする。ただし,中心間隔が直径の4倍未満の並列ケー
ブルで別途抗力係数を定める必要がある場合には,ケーブル2本あたり
の抗力を考慮して,風上ケーブルの有効鉛直投影面に対し,抗力係数1.0
を標準とする。
5) その他の形式の橋
角形断面について,風上側部材及び風下側部材にそれぞれ1.6 及び
0.8 とする。円形断面については,風上側及び風下側とも0.8 とする。
(4) 下部構造の抗力係数は,風向方向の有効鉛直投影面積に対して,角形
断面について1.6,円形断面及び小判形断面は0.8 とする。
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