¶ 道路橋示方書(11/16)
本頁文字(可複製、可搜尋)
𝜎௦ : 鉄筋の引張応力度(N/mm2)
𝑀 : 接合部に生じる曲げモーメント(N・mm)
𝐴௦ : 内側引張に対する補強鉄筋量(mm2)
𝑍 : 図-8.2.2 参照。部材断面の有効高𝑑(mm)に対して
𝑍= (7/8)𝑑としてよい。
8.2.7 端接合部の限界状態3
8.2.7.1 外側引張の曲げモーメントを受ける端接合部
(1) 外側引張の曲げモーメントを受ける端接合部が,(2)及び(3)を満足す
る場合には,限界状態3を超えないとみなしてよい。
(2) 端接合部にプレストレス力が作用しない。
(3) 接合部に生じる曲げモーメント(図-8.2.1 参照)が式(8.2.5)に定め
る制限値を超えない。
𝑀ௗ= ξଵξଶΦ௨𝑀 ····················································· (8.2.5)
ここに, 𝑀ௗ : 外側引張の曲げモーメントの制限値(N・mm)
𝑀 : 外側引張の曲げモーメントに対する耐力の特性値
(N・mm)
𝑀= 𝐴௦𝑅𝜎௦௬/2
𝐴௦ : 外側引張に対する補強鉄筋量(mm2)
𝜎௦௬ : 鉄筋の降伏強度の特性値(N/mm2)で345N/mm2 を超え
る場合には,345N/mm2 とする。
𝑅 : 接合部対角線長(mm)(図-8.2.1 参照)
ξଵ : 調査・解析係数で表-8.2.3 に示す値とする。
ξଶΦ௨: 部材・構造係数ξଶと抵抗係数Φ௨の積で表-8.2.3
に示す値とする。
表-8.2.3 調査・解析係数,部材・構造係数及び抵抗係数
ξଶΦ௨
ξଵ
(ξଶとΦ௨の積)
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外の作用の組合せを
0.70
考慮する場合 0.90
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)2)で⑩を考慮する場合
1.00
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)3)で⑪を考慮する場合 1.00
493
本頁文字(可複製、可搜尋)
8.2.7.2 内側引張の曲げモーメントを受ける端接合部
(1) 内側引張の曲げモーメントを受ける端接合部が,(2)及び(3)を満足す
る場合には,限界状態3を超えないとみなしてよい。
(2) 端接合部にプレストレス力が作用しない。
(3) 接合部に生じる設計曲げモーメント(図-8.2.2 参照)が式(8.2.6)に
定める制限値を超えない。
𝑀ௗ= ξଵξଶΦ௨𝑀 ······················································ (8.2.6)
ここに, 𝑀ௗ : 内側引張の曲げモーメントに対する制限値(N・mm)
𝑀 : 内側引張の曲げモーメントに対する耐力の特性値
(N・mm)
𝑀= 𝐴௦𝑍𝜎௦௬/√2
𝐴௦ : 内側引張に対する補強鉄筋量(mm2)
𝑍 : 引張鉄筋からコンクリート圧縮域の合力までの距離
(mm)(図-8.2.2 参照)。部材断面の有効高𝑑(mm)に
対して𝑍= (7/8)𝑑としてよい。
𝜎௦௬ : 鉄筋の降伏強度の特性値(N/mm2)で345N/mm2 を超え
る場合には,345N/mm2 とする。
ξଵ : 調査・解析係数で表-8.2.3 に示す値とする。
ξଶΦ௨: 部材・構造係数ξଶと抵抗係数Φ௨の積で表-8.2.3
に示す値とする。
8.2.8 中間接合部の限界状態1
中間接合部において,この章及び5章の規定に従い設計された各部材が
8.2.5 の規定に従い連結されている場合には,中間接合部が限界状態1を超
えないとみなしてよい。
8.2.9 中間接合部の限界状態3
中間接合部において,この章及び5章の規定に従い設計された各部材が
8.2.5 の規定に従い連結されている場合には,中間接合部が限界状態3を超
えないとみなしてよい。
494
本頁文字(可複製、可搜尋)
8.2.10 はり部の設計
(1) ラーメン構造の接合部付近のはりにおける曲げモーメントに対する評
価では,剛域,ハンチの影響,柱の形状等を考慮しなければならない。
(2) 以下の1)から5)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
1) 設計曲げモーメントの算出では,8.2.5(9)1)及び2)に従い,軸線及
び剛域を設定する。
2) 接合部付近のはりの設計曲げモーメントの算出は図-8.2.3 のとおり
とする。
図-8.2.3 接合部の設計曲げモーメント
3) 設計曲げモーメントの評価におけるハンチの有効部分は図-8.2.4 の
とおりとする。
495
本頁文字(可複製、可搜尋)
図-8.2.4 ハンチの有効部分
4) 曲げモーメントに対する照査断面は,柱が矩形の場合には図-8.2.4
に示す位置とし,円形の場合には図-8.2.5 に示す位置とする。
図-8.2.5 柱の断面が円形の場合の設計断面
5) 中間接合部が10.3.4.2 の規定を満足する。
8.3 ラーメン系橋
8.3.1 一般
(1) ラーメン系橋は,関連する規定によるほか,1)から3)によらなければ
ならない。
1) 主桁・主構は10 章による。
2) 床版・床組は11 章による。
3) 立体的構造保持部材は12 章による。
(2) ラーメン系橋の設計にあたっては,Ⅰ編3.2 及びこの編の3.6.1 によ
るとともに,施工方法,施工途中の各段階における構造等の条件を適切
496
本頁文字(可複製、可搜尋)
に考慮して,施工時の安全性を確保しなければならない。
9 章 ケ ー ブ ル 構 造 ・ ケ ー ブ ル 系 橋
9.1 適用の範囲
この章は,橋の耐荷性能を担う部材としてケーブル部材を単独部材とし
て使用する場合のケーブル部材とその定着構造を含む構造部分(以下「ケー
ブル構造」という。)に適用する。
また,ケーブル構造をⅠ編2.4.2,2.4.3 及び2.4.4 に規定するいずれか
の機能系統の主たる役割を担う部材として用いた橋(以下「ケーブル系橋」
という。)に適用する。
9.2 ケーブル構造
9.2.1 一 般
(1) ケーブル構造の設計にあたっては,Ⅱ編10.2.1 から10.2.3 によるほ
か,少なくとも(2)から(5)を満足しなければならない。
(2) 主桁,塔の変形及びケーブルのサグの影響を考慮する。
(3) ケーブル構造を用いる場合には,ケーブルとコンクリートとの平面保
持の仮定が成立しないこと及び部材の変形に伴いケーブルの偏心が変
化することを考慮する。
(4) 主桁,塔及びケーブル部材の温度差の影響を考慮する。
(5) 死荷重,ケーブルに導入する緊張力,主桁に導入されたプレストレス
等の持続荷重による断面力の算出にあたっては,コンクリートのクリー
プの影響を考慮する。
9.2.2 ケーブル定着構造及び偏向部
(1) ケーブル定着構造及び偏向部は,ケーブルの張力を主桁に円滑に伝達
するため,十分な剛性を確保した構造としなければならない。
(2) (1)を満足するために,主桁へのケーブル定着においては,ケーブル定
着部の主桁に厚さ300mm 以上の横桁又は隔壁を設ける。
497
本頁文字(可複製、可搜尋)
(3) ケーブル定着構造及び偏向部は,ケーブルの張力による局部応力に対
して安全な構造としなければならない。
(4) (3)を満足するために,少なくともコンクリート部材にケーブルを定
着するケーブル定着構造においては,ケーブルの張力による局部応力に
対して,コンクリートにひび割れが集中することなく分散するよう鋼材
等によって補強する。
(5) ケーブルの定着構造又は偏向部本体に鋼部材を用いる場合には,定着
構造又は偏向部の設計は関連するⅡ編の規定を満足しなければならな
い。
(6) ケーブルの定着部及び偏向部は,ケーブルに局部的な曲げが生じない
構造としなければならない。
(7) ケーブルの偏向部におけるケーブルの曲げ半径は,ケーブルに生じる
二次応力及び疲労の影響等を考慮して定めなければならない。
(8) ケーブル構造の偏向部ではケーブルを滑らせないことを原則とし,ケ
ーブルの偏向力を円滑に主桁及び塔へ伝達させなければならない。
(9) ケーブル構造及びケーブル構造を構成する部材は偏向部におけるケ
ーブルの滑りに対して安全な構造としなければならない。
(10) 横桁又は隔壁にケーブルを定着するケーブル定着構造における横桁
又は隔壁の断面力は,適切な解析理論及び解析モデルにより算出するこ
とを基本とする。
9.2.3 ケーブル構造の限界状態1
ケーブル構造が,9.2.1 及び9.2.2 の規定を満足するとともに,ケーブル
構造を構成する各部材等が3.6.2 に規定する部材等の限界状態1を超えな
いとみなせる場合には,限界状態1を超えないとみなしてよい。
9.2.4 ケーブル構造の限界状態2
ケーブル構造が,9.2.1 及び9.2.2 の規定を満足するとともに,ケーブル
構造を構成する各部材等の状態の組合せにより,ケーブル構造全体として
荷重を支持する能力はあらかじめ想定される範囲内にあり,かつ,特別な注
意のもとで使用できる限界の状態の場合には,ケーブル構造の限界状態2
を超えないとみなしてよい。
498
本頁文字(可複製、可搜尋)
9.2.5 ケーブル構造の限界状態3
ケーブル構造が,9.2.1 及び9.2.2 の規定を満足するとともに,ケーブル
構造を構成する各部材等の状態の組合せにより,ケーブル構造全体として
荷重を支持する能力の観点で挙動が可逆性を失うものの,耐荷力を完全に
は失わない限界の状態の場合には,ケーブル構造の限界状態3を超えない
とみなしてよい。
9.2.6 防せい防食
ケーブル構造の防せい防食については,Ⅱ編10.2.7 による。
9.3 ケーブル系橋
(1) ケーブル系橋は,関連する規定によるほか,1)から3)によらなければ
ならない。
1) 主桁・主構は10 章による。
2) 床版・床組は11 章による。
3) 立体的構造保持部材は12 章による。
(2) ケーブル系橋の設計にあたっては,Ⅰ編3.2 及びこの編の3.6.1 によ
るとともに,施工方法,施工途中の各段階における構造等の条件を適切
に考慮して,施工時の安全性を確保しなければならない。
10 章 主 桁 ・ 主 構
10.1 一 般
(1) Ⅰ編2.4.2 に規定する主桁・主構は,10.3 の規定,及び以下の(2)か
ら(4)の規定によらなければならない。
(2) 主桁・主構は,上部構造に作用する荷重等の影響を上下部接続部に伝
達できる機能を有していなければならない。
(3) 主桁・主構は,立体的構造保持機能系統及び床版・床組機能系統を担
う部材等の耐荷性能の評価における前提条件として求められる範囲に
499
本頁文字(可複製、可搜尋)
上部構造の橋軸方向の断面形状を保持できるものでなければならない。
(4) 主桁・主構は,床版・床組機能系統を担う部材等の耐荷性能の評価に
おける前提条件を満足するよう,それらを所定の位置に支持できるもの
でなければならない。
(5) 主桁・主構が,(2)から(4)を満足するにあたっては,少なくとも以下
の1)から6)による。
1) 上部構造の鉛直方向及び水平方向からの荷重等の影響に対して,主
桁・主構から上下部接続部に伝達させるために必要な主桁・主構とし
ての耐荷性能を有する。
2) 上部構造の鉛直方向及び水平方向からの荷重等の影響に対して,主
桁・主構の支点部を通じて上下部接続部に伝達させる。
3) 上部構造の鉛直方向及び水平方向からの荷重等の影響に対して,床
版と桁が一体となった合成断面で抵抗させる場合には,主桁・主構と
しての一体性を確保する。
4) 上部構造の鉛直方向及び水平方向からの荷重等の影響に対して,上
部構造の橋軸方向の断面形状を保持する。
5) 上部構造の鉛直方向及び水平方向からの荷重等の影響に対して,床
版・床組機能系統を構成する部材等を支持する。
6) 主桁・主構として複数の部材等を用いる場合には,部材等を適切に
組み合わせ,1)から5)の規定を満足する。
(6) 主桁に,合成桁構造を用いる場合には,(1)によるほか,10.4 の規定
を満足しなければならない。
(7) 主桁に,プレキャスト部材を連結した桁構造を用いる場合には,(1)に
よるほか,10.5 の規定を満足しなければならない。
(8) 主桁に,外ケーブルを用いたプレストレストコンクリート箱桁を用い
る場合には,(1)によるほか,10.6 の規定を満足しなければならない。
(9) 主桁に,ラーメン構造を用いる場合には,(1)によるほか,8.2 の規定
を満足しなければならない。
(10) 主構に,アーチ構造を用いる場合には,(1)によるほか,7.2 の規定
を満足しなければならない。
500
本頁文字(可複製、可搜尋)
10.2 構造設計上の配慮事項
(1) 主桁・主構の断面形状や配置並びに主桁・主構内部や主桁・主構間に
立体的構造を保持するための部材の配置や構造を決定するにあたって
は,以下について配慮しなければならない。
1) 上部構造を構成する全ての部材等の点検や部材の更新などの設計で
考慮する維持管理の条件に対する維持管理の確実性と容易さ
2) 上下部接続部に支承部を設ける場合には,支承部に損傷や破壊が生
じた場合の機能回復の方法,設計供用期間中の支承部の点検,補修,
更新などの設計で考慮する維持管理の条件に対する維持管理の確実性
と容易さ
3) 上下部接続部に用いられる落橋防止システムや変位抑制構造などの
損傷や破壊時の機能回復の方法,設計供用期間中のそれらに対する点
検,補修,更新などの設計で考慮する維持管理の条件に対する維持管
理の確実性と容易さ
10.3 主 桁
10.3.1 一 般
10.3.1.1 適用の範囲
この節は,主としてT形断面及び箱形断面のコンクリート部材を主桁と
して用いる場合の設計に適用する。
10.3.1.2 設計の基本
(1) コンクリート桁における軸方向及び軸直角方向の設計では,断面形
状,幅員,支持条件等に応じて適切に有効断面を設定し,橋軸直角方向
の荷重分配及びねじり剛性効果を適切に評価できる解析理論及び解析
モデルによって断面力を算出しなければならない。
(2) (1)を満足するために,(3)及び(4)によることを標準とする。
(3) 桁の軸方向の設計では,以下の1)から3)に従う。
1) 10.3.1.3 及び10.3.1.4 の規定に従い軸方向の有効断面を設定する。
2) 10.3.3 の規定に従い横桁及び隔壁を設け,かつ,断面形状及び桁の
部材構成に応じてはり理論又は格子解析理論により断面力を算出す
501
本頁文字(可複製、可搜尋)
る。
3) 曲線のコンクリート桁では,1)及び2)によるほか,10.3.1.5 の規定
による。
(4) 桁の軸直角方向の設計では,以下の1)から3)に従う。
1) 桁を構成するフランジ及びウェブに対して桁の軸方向に1m の奥行
きを有する有効幅を設定する。
2) 適切に有効幅を与えたウェブ部材及びフランジ部材により構成され
るラーメン構造とみなして断面力を算出する。
3) 曲線のコンクリート桁では,1)及び2)によるほか,10.3.1.5 の規定
による。
(5) コンクリート桁における軸方向及び軸直角方向の設計では,断面形
状,幅員,支持条件等に応じて適切に有効断面を設定し,抵抗の特性値
を算出しなければならない。
(6) 桁の軸方向及び軸直角方向の設計において,断面力の算出で設定した
有効断面に対して,5章の規定に従い抵抗の特性値を算出した場合に
は,(5)を満足するとみなしてよい。
10.3.1.3 曲げモーメント又は軸方向力に対する有効断面
(1) 桁の軸方向断面に生じる曲げモーメント又は軸方向力に対する有効
断面は,せん断遅れ現象,ダクトの配置等を考慮して適切に定めなけれ
ばならない。
(2) 曲げモーメント又は軸方向力に対する有効断面の設定を,(3)から(5)
による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 曲げモーメントに対する圧縮フランジの片側有効幅は,式(10.3.1)に
より算出する。
502
本頁文字(可複製、可搜尋)
1) 主桁,支点横桁(直接支持された桁)
𝑙
𝜆= + 𝑏௦ 8
ただし,連続版及び単純版の場合 𝜆≦𝑙2⁄
片持版の場合 𝜆≦𝑙 ············ (10.3.1)
2) 中間横桁(間接支持された桁)
𝑛−1
𝜆= (𝑙+ 𝑏௪) + 𝑏௦ 6
ただし,連続版及び単純版の場合 𝜆≦𝑙௧2⁄
片持版の場合 𝜆≦𝑙
ここに, 𝜆 : 圧縮フランジの片側有効幅(mm)
𝑙 : 有効幅算出のための支間長(mm)(表-10.3.1 の値)
𝑏௦ : ハンチ部の有効幅(mm)
𝑙 : 主桁の純間隔(mm)
𝑙 : 片持版の張出長(mm)
𝑙௧ : 横桁の純間隔(mm)
𝑛 : 主桁の本数(本)
𝑏௪ : 主桁のウェブ厚(mm)
図-10.3.1 圧縮フランジの片側有効幅(主桁の場合)
503
本頁文字(可複製、可搜尋)
表-10.3.1 有効幅算出のための支間長
(4) 軸方向力に対する圧縮フランジの片側有効幅は,式(10.3.2)により算
出する。
1) 主桁,支点横桁(直接支持された桁)
連続版及び単純版の場合 𝜆≦𝑙2⁄
片持版の場合 𝜆= 𝑙 ····················· (10.3.2)
2) 中間横桁(間接支持された桁)
連続版及び単純版の場合 𝜆≦𝑙௧2⁄
片持版の場合 𝜆= 𝑙
ここに, 𝜆 : 圧縮フランジの片側有効幅(mm)
𝑙 : 主桁の純間隔(mm)
𝑙 : 片持版の張出し長(mm)
𝑙௧ : 横桁の純間隔(mm)
(5) プレストレストコンクリート部材のダクトは,有効断面に含めない。
10.3.1.4 ねじりモーメントに対する有効断面
(1) 桁の軸方向断面に生じるねじりモーメントに対する有効断面は,断面
内のせん断流を考慮して定めなければならない。
(2) ねじりモーメントに対する有効断面の設定を(3)による場合には,(1)
を満足するとみなしてよい。
(3) ねじりモーメントに対するフランジの片側有効幅は,式(10.3.3)によ
504
本頁文字(可複製、可搜尋)
り算出する。ただし,箱桁断面を構成するフランジは,全て有効断面と
する。
図-10.3.2 フランジの片側有効幅と有効断面
𝜆௧= 3ℎ௧
ただし,片持部 𝜆௧≦𝑙 ······························ (10.3.3)
中間部 𝜆௧≦𝑙2⁄
ここに, 𝜆௧ : フランジの片側有効幅(mm)
ℎ௧ : フランジの厚さ(mm)
𝑙 : 桁の純間隔(mm)
𝑙 : 片持版の張出長(mm)
10.3.1.5 曲線の影響
(1) 曲線の桁に生じる部材断面力の算出にあたっては,曲線構造の特性を
考慮できる適切な解析理論及び解析モデルを設定しなければならない。
505
本頁文字(可複製、可搜尋)
(2) 曲線構造における部材軸直角方向の鉄筋等の鋼材量は,平面曲線によ
る鉄筋等の配置間隔の変化を考慮して定めなければならない。
(3) プレストレスが導入される曲線構造においては,上部構造の立体的構
造保持機能の観点から,ケーブルの腹圧力及び偏心力の向きや分布の影
響を適切に考慮しなければならない。
10.3.2 フランジ及びウェブ
10.3.2.1 一 般
(1) フランジ及びウェブは,部材断面内の応力分布及び荷重分配を適切に
考慮し,それに対して安全となるよう,部材の形状,鉄筋,PC 鋼材の量
及び配置を適切に定めなければならない。
(2) (3)から(9)を満足する場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 開口部を設ける場合,その設置位置はできるだけ応力の小さい位置を
選び,かつ,その周辺に必要な補強を行う。
(4) ウェブ及びフランジに配置されるPC 鋼材は,以下の1)から3)に配慮
して設置する。
1) ウェブに配置することを標準とする。
2) ウェブに配置できない場合には,桁高が変化する場合でも腹圧力等
の影響が小さくなり,また,ウェブにプレストレス力が適切に伝達さ
れるよう,ウェブ付近のフランジに配置する。
3) 各ウェブになるべく均等にプレストレス力が伝達されるように配置
する。
(5) Ⅰ編2.3 に規定される永続作用及び変動作用の影響が支配的となる状
況におけるフランジ及びウェブの状態の評価にあたっては,以下の1)か
ら4)の影響も考慮する。
1) ウェブからフランジに伝達される水平せん断力
2) ウェブの傾斜に伴うプレストレスの分力の偏心及び自重の偏心の影
響
3) 桁高又は部材厚の変化及び桁の曲線形状に伴うプレストレスの分力
の影響(腹圧力)
4) 桁の軸直角方向に生じる曲げモーメント並びに桁の軸方向に生じる
せん断力及びねじりモーメントの影響
(6) (5)の状態の評価にあたって,鉄筋の荷重分担は,式(10.3.4)によるこ
506
本頁文字(可複製、可搜尋)
とを標準とする。ただし,鉄筋に負担させる引張応力度の最大値は
210N/mm2 とする。
𝐴௦= maxሾ𝐴, 𝐴ሿ
𝐴௦ଶ
𝐴= 𝐴௦ଵ+ 𝐴௧+ ···················································(10.3.4) 2
𝐴௦ଵ+ 𝐴௧
𝐴= + 𝐴௦ଶ 2
ここに, 𝐴௦ : 桁の軸直角方向の設計で想定されるラーメン構造を構
成する1つの部材に配置される鉄筋のうち,部材断面
の片側に必要な鉄筋量で,𝐴又は𝐴のうち大きい値
𝐴௦ଵ : 桁の軸直角方向の設計で想定されるラーメン構造を構
成する1つの部材において,鉛直方向のせん断力に対
して必要となるせん断補強鉄筋のうち,水平方向の曲
げモーメントに対して有効となる領域に配置された鉄
筋量
𝐴௦ଶ : 桁の軸直角方向の設計で想定されるラーメン構造を構
成する1つの部材において,水平方向の曲げモーメン
トに対して必要となる鉄筋量で,ウェブの場合,ウェ
ブの内側又は外側のうち大きい値であり,フランジの
場合,フランジの上側又は下側のそれぞれの値
𝐴௧ : 桁の軸直角方向の設計で想定されるラーメン構造を構
成する1つの部材において,鉛直方向のねじりモーメ
ントに対して必要となる軸直角方向鉄筋のうち,水平
方向の曲げモーメントに対して有効となる領域に配置
された鉄筋量
(7) 特に軸方向がプレストレストコンクリート部材である箱桁の軸直角
方向の設計では,下フランジに腹圧力が作用する場合に,鉄筋に生じる
応力度が表-10.3.2 に示す制限値を超えない。
表-10.3.2 鉄筋の引張応力度の制限値(N/mm2)
鉄筋の種類
SD345 SD390 SD490
着目部位
箱形断面の部材軸直角方向の設計におけ
160
る鉄筋コンクリート部材の下フランジ
507
本頁文字(可複製、可搜尋)
(8) プレストレス導入直後に生じる引張応力に対して,5.4.3 に規定され
る引張鉄筋を配置する。
(9) 曲線構造における軸直角方向の鉄筋及びPC 鋼材の配置と鋼材量は,
平面曲線による鉄筋等の配置間隔の変化を考慮して定めなければなら
ない。
10.3.2.2 T桁のフランジ及びウェブ
下フランジを有するプレストレスを導入するコンクリートT桁の下フラ
ンジの設計にあたっては,プレストレス導入時の圧縮応力によりコンクリ
ートが破壊しないよう必要な補強を行わなければならない。
10.3.2.3 箱桁のフランジ及びウェブ
(1) せん断応力度の計算に用いる箱桁のウェブ厚は,ウェブ軸線に直角の
方向の厚さとする。
(2) 箱桁のウェブとフランジは,ねじりモーメントに対しても十分な抵抗
力が発揮できる構造とする。
(3) (2)を満足するよう,以下の1)及び2)を標準とする。
1) 箱桁のウェブとフランジの接合部には,適切にハンチを設ける。
2) 箱桁のウェブの軸方向と,下フランジ上下面の軸方向及び軸直角方
向に,直径13mm 以上の鉄筋を250mm 以下の中心間隔でコンクリート表
面付近に配置する。
(4) 箱桁の下フランジの最小厚さは,140mm とする。
(5) PC 鋼材を箱桁のウェブ及びフランジに配置する場合には,以下の事項
に配慮する。
1) ウェブに配置することを基本とする。
2) ウェブに配置できない場合には,桁高が変化することにより生じる
腹圧力のフランジに対する影響が小さくなり,また,ウェブにプレス
トレス力が適切に伝達されるよう,ウェブ付近に配置する。
3) 各ウェブに均等にプレストレス力が伝達されるように配置する。
508
本頁文字(可複製、可搜尋)
10.3.3 横桁及び隔壁
10.3.3.1 一 般
(1) 横桁及び隔壁は,主桁及び床版との一体性及び耐久性が確保される構
造でなければならない。
(2) 主桁の支点上に設ける横桁及び隔壁は,コンクリート桁橋の立体的な
変形を抑制し,ねじり剛性,荷重分配効果を高めるほか,主桁から伝達
される力,支承反力,橋軸方向拘束構造及び橋軸直角方向拘束構造に作
用する地震力に対して抵抗できる構造でなければならない。
(3) 支点横桁及び隔壁の断面力は,支点及び部材の結合条件等に応じた解
析理論及び解析モデルを設定して算出しなければならない。
(4) 10.3.1.3 の規定に従い主桁フランジの有効断面を設定し,はり理論に
よって支点横桁及び隔壁の断面力を算出する場合には,(3)を満足する
とみなしてよい。
10.3.3.2 T桁橋の横桁
(1) 主桁及び横桁を含めた荷重分配効果を適切に評価できる解析モデル
として扱えるよう,プレストレストコンクリートT桁橋の横桁には,必
要なPC 鋼材を配置し,鉄筋コンクリートT桁橋の横桁には,必要な軸方
向鉄筋を配置する。
(2) 桁のたわみ差等により床版の疲労耐久性能を低下させる二次応力が
生じにくい構造となるよう横桁を配置する。
(3) (2)を満足するよう,支点上に横桁を設けるとともに,1支間につき1
箇所以上の中間横桁を設けることを標準とする。
(4) 斜角を有する場合には,T桁橋に生じるねじりモーメントの影響が小
さくなるよう斜角に応じて横桁を設置する。
(5) プレストレストコンクリートT桁橋においてプレキャスト主桁と横
桁を連結し一体化する場合には,接合面の適切な打継目処理の実施,接
合面に鉄筋を配置する等により確実に一体化する。
10.3.3.3 箱桁橋の横桁及び隔壁
(1) 箱桁は,荷重の伝達及び抵抗が一方向の解析モデルとして扱えるよ
509
本頁文字(可複製、可搜尋)
う,断面の変形に対し適切な剛性が確保される構造でなければならな
い。
(2) 箱桁を主桁として用いる場合には,支点上及び1支間に1箇所以上の
隔壁を設けることを標準とする。
(3) 多主箱桁においては,(1)に加えて,桁相互を結ぶ横桁を支点上及び1
支間に1箇所以上設けることを標準とする。
(4) 主桁以外に箱桁を用いる場合には,桁としての断面剛性を確保できる
よう,適切に隔壁を設置する。
(5) 隔壁には適切に鉄筋を配置するほか,隔壁に開口部を設ける場合,そ
の設置位置はできるだけ応力の小さい位置を選び,かつその周辺に必要
な補強をしなければならない。
(6) 偏向力に対して安全となるよう,偏向力が作用する個所に剛な横桁を
配置することを標準とする。
10.3.4 接合部の設計
10.3.4.1 支点部
(1) 支点部の横桁及び隔壁は,地震の影響を考慮する設計状況において支
承部,橋軸方向拘束構造等から作用する水平力に対し,この力を主桁に
円滑に伝達できる構造でなければならない。
(2) 支点部の横桁及び隔壁の設計は,支承部,橋軸方向拘束構造等から作
用する水平力を考慮して行わなければならない。
(3) 地震の影響を考慮する設計状況において支承部,橋軸方向拘束構造等
から支点部の横桁及び隔壁に作用する水平力は,Ⅰ編の規定により算出
しなければならない。
(4) コンクリート上部構造における支承取付部は,支承から橋軸方向及び
橋軸直角方向に作用する水平力に対して,せん断破壊することのない構
造でなければならない。
10.3.4.2 支承に支持された中間支点部又は橋脚に剛結された接合部
(1) 支承に支持された中間支点上及び接合部に生じる設計曲げモーメン
トの算出にあたっては,支承幅,橋脚躯体部の幅,桁の高さ,横桁等の
影響を適切に考慮しなければならない。
510
本頁文字(可複製、可搜尋)
(2) 以下の1)から3)よる場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
1) 支承に支持された中間支点上の設計曲げモーメントは,式(10.3.5)
により算出する。
𝑀ଵ= 𝑀−𝑞𝑎ଶ/8 ······················································ (10.3.5)
ただし,𝑀ଵ≧0.9𝑀
ここに, 𝑀ଵ : 中間支点上の設計曲げモーメント(N・mm)
𝑀 : 中間支点上の曲げモーメント(N・mm)
𝑞= 𝑅/𝑎(N/mm)
𝑅 : 中間支点の反力(N)
𝑎 : 断面の図心位置における反力の橋軸方向分布幅(mm)
2) 中間支点付近の接合部に生じる,曲げモーメント,せん断力及び集
中的な支点反力を考慮する。
3) 接合部付近においては,断面変化及び剛域の影響を考慮する。
(3) 中間支点付近には,ウェブ及び桁下縁側に用心鉄筋を配置しなければ
ならない。
10.3.5 集中荷重の影響
(1) コンクリート桁は,架設時及び運搬時に作用する集中荷重の影響に対
して安全となる構造でなければならない。
(2) プレストレスを導入するコンクリート部材及びケーブル構造におけ
る定着部及び偏向部は,PC 鋼材からの作用力に対して安全となる構造で
なければならない。
10.3.6 主桁の限界状態1
(1) 主桁が,(2)から(5)の規定を満足する場合には,限界状態1を超えな
いとみなしてよい。
(2) 主桁が,5.7 又は5.10 の規定による制限値を超えない。
(3) 主桁に合成桁構造を用いる場合には,(2)によるほか,10.4.4.2 の規
定による制限値を超えない。
(4) 主桁にプレキャスト部材を連結した桁構造を用いる場合には,(2)に
よるほか,10.5.6 の規定による制限値を超えない。
(5) 主桁に外ケーブルを用いたプレストレストコンクリート箱桁を用い
511
本頁文字(可複製、可搜尋)
る場合には,(2)によるほか,10.6.5 の規定による制限値を超えない。
10.3.7 主桁の限界状態2
(1) 主桁を構成する各部材等の状態の組合せにより,主桁として荷重を支
持する能力はあらかじめ想定する範囲内にあり,かつ,特別な注意のも
とで使用できる限界の状態の場合には,主桁の限界状態2を超えないと
みなしてよい。
(2) 塑性化した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合において,曲げモー
メント及び軸方向力を受けるプレストレストコンクリート箱桁が,(3)
から(5)の規定を満足する場合には,限界状態2を超えないとみなして
よい。
(3) 曲げモーメント又は軸方向力を受けるプレストレストコンクリート
箱桁が,5.2,5.4 及び5.6 の規定を満足する。
(4) 限界状態2に対応する制限値を適切に設定したうえで,応答値がその
制限値を超えない。
(5) 支承部とコンクリート上部構造との接合部は,10.3.4 の規定による。
10.3.8 主桁の限界状態3
(1) 主桁が,(2)から(5)の規定を満足する場合には,限界状態3を超えな
いとみなしてよい。
(2) 主桁が,5.9 又は5.11 の規定による制限値を超えない。
(3) 主桁に合成桁構造を用いる場合には,(2)によるほか,10.4.4.3 の規
定による制限値を超えない。
(4) 主桁にプレキャスト部材を連結した桁構造を用いる場合には,(2)に
よるほか,10.5.7 の規定による制限値を超えない。
(5) 主桁に外ケーブルを用いたプレストレストコンクリート箱桁を用い
る場合には,(2)によるほか,10.6.5 の規定による制限値を超えない。
(6) 塑性化した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合において,曲げモー
メント及び軸方向力を受けるプレストレストコンクリート箱桁が,(7)
から(9)の規定を満足する場合には,限界状態3を超えないとみなして
よい。
(7) 曲げモーメント又は軸方向力を受けるプレストレストコンクリート
512
本頁文字(可複製、可搜尋)
箱桁が,5.2,5.4 及び5.6 の規定を満足する。
(8) 限界状態3に対応する制限値を適切に設定したうえで,応答値がその
制限値を超えない。
(9) 支承部とコンクリート上部構造との接合部は,10.3.4 の規定による。
10.4 合成桁構造
10.4.1 一 般
(1) 合成桁構造は,プレキャストのコンクリート主桁と床版が一体となり
作用の影響に対して抵抗することで,所要の耐荷性能を満足しなければ
ならない。
(2) 合成桁構造の設計にあたっては,床版とプレキャストのコンクリート
桁が一体となる部材を10 章の規定に従いコンクリート桁部材として設
計し,床版を11 章の規定及び10.4.3 の規定に従い設計するとともに,
桁と床版との接合部を10.4.4 の規定に従い設計することを基本とする。
(3) 桁及び床版の設計においては,桁と床版の接合面に直交する引張応力
が極力生じないような構造とする。
(4) 合成桁構造は,施工段階ごとの構造系の変化に対しても安全となるよ
うにしなければならない。
(5) (6)から(9)による場合には,(4)を満足するとみなしてよい。
(6) 合成桁構造は,施工工程を考慮し,施工段階ごとの構造系の変化に応
じた応力度及びそれらの合成応力度に対し,所要の安全性を確保する。
(7) 断面力及び応力度の算出にあたっては,プレキャストのコンクリート
桁と場所打ち床版との間におけるコンクリートのクリープ及び乾燥収
縮の差を考慮する。
(8) プレキャストのコンクリート桁の断面形状は,架設時に生じる圧縮力
によって不安定とならないことも考慮して決定する。
(9) 桁高に比べてフランジ幅の小さいプレキャスト部材の支間中央付近
の上縁角部には,架設時に生じる引張応力に対して5.4.3 に規定される
引張鉄筋を配置することを原則とする。
10.4.2 適用の範囲
この節は,プレキャストのコンクリート桁と場所打ち床版の合成効果を
513
本頁文字(可複製、可搜尋)
見込み,両者が協働して荷重に抵抗する合成桁構造の設計に適用する。
10.4.3 床版部の構造
(1) 桁の上フランジの一部を床版に埋込む場合は,以下の1)及び2)を満
足しなければならない。
1) 接合部の床版は,中間支点としての断面力に対し,所要の耐荷性能
を有するようにしなければならない。
2) 接合部の床版は,桁と床版との接合構造,合成作用及び施工品質の
確保に支障をきたさないようにしなければならない。
(2) Ⅱ編の12.2.3 から12.2.7 の規定を満足するとともに,桁の上フラン
ジの一部を床版に埋込む場合において,桁の上の床版の最小厚さを
150mm とした場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
図-10.4.1 桁を床版に埋込む場合の床版の最小厚さ
10.4.4 主桁と床版との接合部
10.4.4.1 合成桁構造における一般事項
(1) 桁と床版との接合部の耐荷性能の評価は,接合面に生じるせん断力に
対して行う。
(2) 桁と床版との接合面に生じるせん断力に対して,接合部は所要の耐荷
性能を満足しなければならない。
(3) 桁と床版との接合部は,せん断面に沿った残留応力の不均等,付着強
度の不均等,また,経年の繰返し載荷の影響を考慮し,設計計算上は見
込まないものの局所的に生じ得るせん断応力及び引張応力の集中に対
してせん断伝達機構がぜい性的に失われない構造でなければならない。
(4) (2)及び(3)を満足するよう,桁と床版との接合面のせん断伝達機構は
514
本頁文字(可複製、可搜尋)
1)及び2)を標準とする。
1) 桁と床版との接合面の付着力のみでせん断力を分担する構造とする
ことを基本とする。
2) たとえ桁と床版との接合面の付着力が失われた場合でも,ずれ止め
によりせん断力を分担し,せん断伝達機構がぜい性的に失われない構
造とする。
10.4.4.2 主桁と床版との接合部の限界状態1
(1) せん断力を受ける合成桁構造の桁と床版との接合部が,(2)及び(3)の
規定を満足する場合には,限界状態1を超えないとみなしてよい。
(2) 桁と床版との接合面に生じるせん断応力度が,式(10.4.1)に定める制
限値を超えない。ただし,桁と床版の温度差の影響によるせん断応力度
は,不利となるように考慮する。
𝜏ௗ= ξଵξଶΦ𝜏 ························································ (10.4.1)
ここに, 𝜏ௗ : 接合面におけるコンクリートのせん断応力度の制限値
(N/mm2)
𝜏 : 接合面におけるせん断強度の特性値(N/mm2)
𝜏= 𝑘𝜎
𝑘 : 桁の接合面を洗い出し仕上げした場合の付着係数で
0.05 とする。
𝜎 : 床版に使用するコンクリートの設計基準強度(N/mm2)
ξଵ : 調査・解析係数で表-10.4.1 に示す値とする。
ξଶ : 部材・構造係数で表-10.4.1 に示す値とする。
Φ: 抵抗係数で表-10.4.1 に示す値とする。
表-10.4.1 調査・解析係数,部材・構造係数及び抵抗係数
ξଵ ξଶ Φ
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外の作用の組合せを考
0.65
慮する場合 0.90
0.75
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)2)で⑩を考慮する場合
1.00
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)3)で⑪を考慮する場合 1.00
515
本頁文字(可複製、可搜尋)
(3) 桁と床版の接合面に生じるせん断応力度は,式(10.4.2)による。
𝑆∙𝑄
𝜏= ·········································································(10.4.2) 𝑏∙𝐼
ここに, 𝜏: 合成断面として桁と床版が完全結合した場合の接合面の
コンクリートに生じるせん断応力度(N/mm2)
𝑆 : 桁断面に生じるせん断力(N)
𝑏 : 桁と床版の接合面における橋軸直角方向の幅(mm)
𝑄 : 合成断面の図心軸に関する床版の断面一次モーメント
(mm3)
𝐼 : 合成断面の図心軸に関する合成断面の断面二次モーメン
ト(mm4)
10.4.4.3 主桁と床版との接合部の限界状態3
(1) せん断力を受ける合成桁構造の桁と床版との接合部が(2)を満足する
場合には,限界状態3を超えないとみなしてよい。
(2) 桁ウェブに配置されたスターラップ及びそれと同材質のずれ止め鉄
筋を,少なくとも,桁と床版の接合面の面積に対する比が式(10.4.3)の
値以上かつ0.2%以上となるように配置し,桁から接合面に垂直に突出
させ,床版まで貫通させて十分な定着を行う。又は,これと同等の機能
を発揮できるようにずれ止めを配置する。
𝜏′ 𝑝= ·····························································(10.4.3)
0.55 ∙ඥ𝜎௦௬𝜎
ここに, 𝑝 : 接合面の面積に対するずれ止め鉄筋比
: 合成断面が曲げひび割れした状態での接合面のコンク
𝜏′ リートに生じるせん断応力度(N/mm2)で以下により算出
する。
𝜏′
𝑆
= ···················································(10.4.4)
𝑏𝑑௩
𝑆 : 桁断面に生じるせん断力(N)
𝑏 : 桁と床版の接合面における橋軸直角方向の幅(mm)
516
本頁文字(可複製、可搜尋)
𝑑௩ : 引張鉄筋等の図心から床版図心までの距離(mm)
𝜎 : プレキャストのコンクリート桁又は床版コンクリート
のうち設計基準強度(N/mm2)の低い方の値
𝜎௦௬ : 鉄筋の降伏強度の特性値(N/mm2)
10.5 プレキャスト部材を連結した桁構造
10.5.1 一般
(1) プレキャスト部材は,部材に生じる曲げモーメント,軸方向力,せん
断力,ねじりモーメント及び支圧力に対し,所要の耐荷性能を満足しな
ければならない。
(2) (3)から(5)を満足する場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) コンクリートの設計基準強度を40N/mm2 以上とする。
(4) プレキャスト部材が,5章に規定される部材の限界状態を超えない。
(5) プレキャスト部材は,吊上げ時,運搬時及び架設時に生じる応力に対
して,安全かつ設計の前提とする部材の状態が確保される構造とする。
(6) プレキャスト部材において,接合部の耐荷機構及びプレキャスト部材
の接合部でない箇所の耐荷機構の前提となる状態が確保されている。
(7) 10.5.3 の規定を満足する場合には,(6)を満足するとみなしてよい。
10.5.2 適用の範囲
この節は,複数のプレキャスト部材どうしを部材軸方向に連結し一体化
したプレストレストコンクリート部材の設計に適用する。
10.5.3 設計の基本
(1) 接合部における耐荷性能の評価は,接合部に生じる曲げモーメント,
軸方向力,せん断力,ねじりモーメント及びそれらの組合せに対して行
わなければならない。
(2) プレキャスト部材が連結後に一体で挙動する部材としてみなせるよ
う,接合部はプレキャスト部材相互の作用力を確実に伝達できる構造で
なければならない。
(3) プレキャスト部材が剛結され一体となる部材が所定の機能を発揮す
517
本頁文字(可複製、可搜尋)
るよう,接合部及びプレキャスト部材が限界状態1を超えず,かつ,プ
レキャスト部材が限界状態3に達するまで接合部が限界状態3を超え
ないようにしなければならない。
(4) 10.5.1 を満足するプレキャスト部材を連結するとき,コンクリートの
打設を伴わない接合部が10.5.5 の規定を,コンクリートの打設を伴う
接合部が10.5.4 の規定をそれぞれ満足する場合には,(3)を満足すると
みなしてよい。
(5) プレキャスト部材の接合部に対して,14.1 の規定に従い設計耐久期間
及び耐久性確保の方法を適切に定めたうえで,接合部に求められる耐久
性能を確保しなければならない。
(6) コンクリートの打設を伴わないプレキャスト部材のコンクリート接
合部は,接合面のコンクリート内部鋼材の腐食に対して,所要の耐久性
能を有するようにしなければならない。
(7) 14.2 及び14.3 の規定を満足したうえで,さらに,以下の1)又は2)に
よる場合には,接合面のコンクリート内部鋼材は,防食について,(6)を
満足するとみなしてよい。
1) 腐食が生じないとみなせる材質の鋼材を内部鋼材として用いる場
合。
2) エポキシ樹脂等の遮蔽材により接合面からの腐食因子の浸入を防ぐ
とともに,内部鋼材の防食及び被覆を行う場合。ただし,それぞれ,
橋の設計供用期間と同等程度の設計耐久期間を有する材料及び防食を
用いるとともに,局部的な腐食環境の違い,点検の確実性及び容易さ
に配慮し,接合面の設置位置にも十分配慮する。
10.5.4 コンクリートの打設を伴う接合部における一般事項
(1) プレキャスト部材どうしを連結してコンクリートで一体的な打設を
伴う接合部では,以下の1)から6)を満足しなければならない。
1) 接合部の各接合面において,打設されたコンクリートと接合部が各
部材と一体化して作用に抵抗する。
2) 接合部の耐荷機構に応じて鉄筋又はPC 鋼材が配置されている。
3) 部材が連結し構造系が変化することで生じる不静定力等の影響を適
切に考慮する。
4) 主桁と床版コンクリートの接合面の設計では,10.4.4 によるほか,
518
本頁文字(可複製、可搜尋)
少なくとも床版に作用しているプレストレス力によるせん断力を考慮
する。
5) 中間支点部の主桁を連結するとき,その接合部を鉄筋コンクリート
部材とする場合には,主桁どうしが確実に連結されるよう連結鉄筋に
対し十分な定着を確保する。
6) 中間支点部で主桁を連結する場合には,主桁を横桁と確実に結合で
きる構造とする。
(2) 部材の連結のために接合部に配置する鉄筋の重ね継手長を5.2.7 に従
って算出し,かつ鉄筋径の25 倍以上とした場合には,(1)5)を満足する
とみなしてよい。
10.5.5 コンクリートの打設を伴わず一体化したプレキャスト部材の接合部に
おける一般事項
10.5.5.1 接合面の構造
(1) プレキャスト部材の接合部は,プレストレス力による分力を極力生じ
させず,かつ,接合面に作用する曲げモーメント,軸方向力,せん断力,
ねじりモーメント及び支圧力に対し抵抗できる構造でなければならな
い。
(2) (3)から(8)を満足する場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 接合面は,部材軸線に直角に設けることを原則とする。
(4) せん断キーは,接合面に直角に,同一材質,形状及び寸法の接合キー
を,1接合面あたり2箇所以上,かつ,それぞれの接合キーの強度を設
計上重ね合わせて接合面のせん断強度を評価できるように分散して配
置する。
(5) プレキャスト部材の接合部は,接合面を開口する曲げモーメントに対
して急激に耐荷力を失わない構造とする。
(6) プレキャスト部材の端部及び接合キーの周辺部は,局部的に生じる大
きな支圧力に抵抗できるよう適切に鉄筋を配置する。
(7) せん断力及びねじりモーメントの作用は,せん断キーが受け持つもの
とし,接合面の摩擦による分担は期待しないことを原則とする。ただし,
摩擦による分担を見込む場合には,導入するプレストレスの大きさ,接
合面の形状及び鉄筋の配置を適切に行ったうえで,限界状態3を超えな
い範囲において想定した摩擦力が発揮されるよう,接合面の状態及び形
519
本頁文字(可複製、可搜尋)
状を含めて実験等により安全性を確認した範囲において見込むものと
する。
(8) プレキャスト部材を連結して一体となる部材は,ねじりモーメントに
対する耐荷機構が成立するよう,付着のあるPC 鋼材を軸方向に配置す
ることを原則とする。
10.5.5.2 せん断キーの設計せん断力
せん断キー1箇所あたりに生じる設計せん断力は,式(10.5.1)により算
出しなければならない。
𝑃= 𝑃௦+ 𝑃௧ ································································· (10.5.1)
ここに, 𝑃 : せん断キー1箇所あたりに生じる設計せん断力(N)
𝑃௦ : せん断キー1箇所あたりに作用するせん断力(N)で,
偏心等の影響がない場合には式(10.5.2)により算出
してよい。
𝑃௦= 𝑆𝑛⁄ ·········································· (10.5.2)
𝑆 : 接合面に作用するせん断力(N)で,架設方法及びプレ
ストレスの分力を考慮して適切に算出する。
𝑛 : せん断キーの個数
𝑃௧ : せん断キー1箇所あたりに作用するねじりモーメン
トによるせん断力(N)であり,式(10.5.3)により算出
する。
𝑃௧= 𝑀௧max(𝑑)/Σ𝑑ଶ ···························· (10.5.3)
𝑀௧ : 接合面に作用するねじりモーメント(N・mm)
max(𝑑) : 𝑑の最大値(mm)
𝑑 : せん断中心から𝑖番目の接合キーまでの距離(mm)
10.5.5.3 鋼製接合キーの強度
リング型鋼製接合キー1箇所あたりのせん断強度の特性値は,式
(10.5.4)により算出してよい。ただし,式(10.5.5)に定める鋼製接合キーに
生じるせん断応力度が,表-10.5.1 に定めるせん断応力度の制限値を超えな
い範囲で適用する。
520
本頁文字(可複製、可搜尋)
𝐿
𝑆= 𝐵𝑘௦𝜎 ······································································(10.5.4) 3
ここに, 𝑆 : 鋼製接合キーのせん断強度の特性値(N)
𝐵 : 接合キーの外径(mm)(図-10.5.1 参照)
𝐿 : 接合キーの埋込長さ(mm)で,図-10.5.1 の𝐿ଵ又は𝐿ଶで50mm
以上とする。
𝜎 : コンクリートが負担できる支圧応力度(N/mm2)で,コンク
リートの設計基準強度とする。
𝑘௦ : 補正係数で4.0 とする。
図-10.5.1 鋼製接合キーの支圧応力度の分布
𝜏= 𝑆/𝐴ோ ····································································· (10.5.5)
ここに, 𝜏 : 鋼製接合キーに生じるせん断応力度(N/mm2)
𝑆 : 鋼製接合キー1箇所あたりに作用するせん断力(N)
𝐴ோ : 鋼製接合キー1箇所あたりの断面積(mm2)
表-10.5.1 鋼製接合キーのせん断応力度の制限値
材料 せん断応力度の制限値
SS400
140N/mm2
FCD450
521
本頁文字(可複製、可搜尋)
10.5.5.4 コンクリート製接合キーの強度
(1) 図-10.5.2 に従い鉄筋を配置したコンクリート製台形接合キーのせん
断強度の特性値は,式(10.5.6)に従い算出しなければならない。
𝑆= minቀ𝑆௩, 𝑆௦௦, 𝑆′௦௦ቁ ·············································· (10.5.6)
ここに, 𝑆 : せん断強度の特性値(N)で,式(10.5.7)より算出
する𝑆௩,𝑆௦௦又は𝑆′௦௦のうち最も小さい値とする。
𝑆௩= 𝑘2𝜎௦௬𝐴
0.8ℎ𝜎௦௬
𝑆௦௦= 𝑘 𝐴 𝑎
································· (10.5.7)
𝑆′௦௦
0.8ℎ′𝜎௦௬
= 𝑘 𝐴′ 𝑎
ここに, 𝑆௩ : 台形接合キー凸側及び凹側に配置される鉛直方向
鉄筋が負担できるせん断強度(N)
𝑆௦௦ : 台形接合キー凸側が負担できるせん断強度(N)
: 台形接合キー凹側が負担できるせん断強度(N)
𝑆′௦௦
𝑘 : 補正係数で1.60 とする。
𝐴, : 補強鉄筋の断面積(mm2)
𝐴′
𝐴, : 耐荷力の前提となる水平スターラップの断面積
(mm2)で,𝐴= 𝐴/4,𝐴′= 𝐴′/4を満足するよ
𝐴′ う配置する。
𝐴, :
垂直方向補強鉄筋の断面積(mm2)ቀ𝐴′= 𝐴ቁ
𝐴′
𝜎௦௬ : スターラップ及び垂直方向補強鉄筋の降伏強度の
特性値(N/mm2)
𝑎 : 支点から荷重作用点までの距離で𝑎= 𝐻/2(mm)
522
本頁文字(可複製、可搜尋)
𝐻 : 台形接合キー凸側の高さ(mm)
図-10.5.2 台形接合キーの補強鉄筋
(2) 図-10.5.3 及び図-10.5.4 に示す形状のコンクリート製多段接合キー
を用いる場合,多段接合キーのせん断強度の特性値は,式(10.5.8)より
算出してよい。ただし,多段接合キーの高さ𝐻及び間隔𝑉は図-10.5.3 に
示す範囲のものとする。
𝑆= 𝜏𝑏ℎ ································································ (10.5.8)
ここに, 𝑆: 多段接合キー1箇所あたりのせん断強度の特性値(N)
𝜏 : コンクリートが負担できるせん断応力度で4.0N/mm2 と
する。
ℎ : 接合キーの有効高さ(mm)(図-10.5.4 参照)
𝑏 : 接合キーの幅(mm)(図-10.5.4 参照)
523
本頁文字(可複製、可搜尋)
図-10.5.3 多段接合キーの形状
図-10.5.4 多段接合キーのせん断に対する有効断面
10.5.6 接合部の限界状態1
10.5.6.1 曲げモーメント又は軸方向力を受ける接合部の限界状態1
(1) 曲げモーメント又は軸方向力を受ける接合部が(2)及び(3)を満足す
る場合には,接合部が限界状態1を超えないとみなしてよい。
(2) 接合面に生じる曲げモーメントが,接合面が全圧縮である状態の限界
に対応する曲げモーメントの制限値を超えない。ただし,接合面に生じ
る曲げモーメントは,3.5 に規定する作用の組合せに対して3.9 の規定
により算出する。また,接合面が全圧縮である状態の限界に対応する曲
524
本頁文字(可複製、可搜尋)
げモーメントの制限値は,軸方向力を考慮して5.6.2(2)に規定する仮定
に基づき算出される最外縁の引張応力がゼロとなるときとする。
(3) 接合面においては,(2)の想定を超える曲げモーメントの作用等によ
り仮に接合面が開口した場合でも,ある一定の深さで開口が抑えられ,
変形が接合面に集中することなく部材軸方向に分散される構造とする。
(4) (3)を満足するよう,(2)を満足するうえで必要とされるPC 鋼材の鋼
材量の30%以上をコンクリートと付着のあるPC 鋼材の鋼材量とするこ
とを標準とする。
10.5.6.2 せん断力又はねじりモーメントを受ける接合部の限界状態1
せん断力又はねじりモーメントを受ける接合部が10.5.7.2(2)を満足す
る場合には,限界状態1を超えないとみなしてよい。
10.5.7 接合部の限界状態3
10.5.7.1 曲げモーメント又は軸方向力を受ける接合部の限界状態3
(1) 曲げモーメント又は軸方向力を受ける接合部が(2)を満足する場合に
は,限界状態3を超えないとみなしてよい。
(2) 接合面に生じる軸方向力又は曲げモーメントに対し,接合面が
10.5.6.1(2)及び(3)の規定を満足し,かつ,連結される部材が5.11.2(2)
及び10.5.5.1(6)の規定を満足する。
10.5.7.2 せん断力又はねじりモーメントを受ける接合部の限界状態3
(1) せん断力又はねじりモーメントを受ける接合部が(2)を満足する場合
には,接合部が限界状態3を超えないとみなしてよい。
(2) 接合面に作用するせん断力及びねじりモーメントにより,10.5.5.2 の
規定に従い算出した接合キーに生じるせん断力が,式(10.5.9)に定める
制限値を超えない。
𝑃ௗ= ξଵξଶΦ𝑆 ······················································· (10.5.9)
ここに, 𝑃ௗ : 接合キーに生じるせん断力の制限値(N)
ξଵ : 調査・解析係数で表-10.5.2 に示す値とする。
ξଶ : 部材・構造係数で表-10.5.2 に示す値とする。
525
本頁文字(可複製、可搜尋)
Φ : 抵抗係数で表-10.5.2 に示す値とする。
𝑆 : 各接合キーのせん断強度の特性値(N)で,10.5.5.3 又
は10.5.5.4 により算出する。
表-10.5.2 調査・解析係数,部材・構造係数,抵抗係数
ξଵ ξଶ Φ
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外 0.50(コンクリート製多段接合キー)
の作用の組合せを 0.65(コンクリート製台形接合キー)
考慮する場合 0.90 0.50(鋼製接合キー)
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)2)で 0.75
0.75(コンクリート製多段接合キー)
⑩を考慮する場合
0.95(コンクリート製台形接合キー)
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)3)で
1.00 0.75(鋼製接合キー)
⑪を考慮する場合
10.6 外ケーブルを用いたプレストレストコンクリート箱桁
10.6.1 適用の範囲
(1) この節は,外ケーブルを桁高の範囲内に配置したプレストレストコン
クリート箱桁の設計に適用する。
(2) この節に規定する外ケーブルを用いたプレストレストコンクリート
箱桁は,外ケーブル,プレストレストコンクリート箱桁及びこれらの間
で荷重を伝達するケーブル定着構造及び偏向部の組合せによって,主
桁・主構を構成するものを対象とする。
10.6.2 構造解析
(1) 外ケーブルを用いたプレストレストコンクリート箱桁の設計にあた
っては,外ケーブルでは平面保持の仮定が成立しないこと及びプレスト
レストコンクリート箱桁の変形に伴い外ケーブルの偏心が変化するこ
と等の影響を適切に考慮しなければならない。
(2) (1)を満足するためには,少なくとも,外ケーブルとプレストレストコ
ンクリート箱桁を独立した部材として,それぞれに対して断面力を算出
しなければならない。
526
本頁文字(可複製、可搜尋)
10.6.3 外ケーブルの配置
(1) 外ケーブルは,プレストレストコンクリート箱桁に沿って配置し,プ
レストレストコンクリート箱桁へのプレストレスの導入,プレストレス
トコンクリート箱桁の中間支持,箱桁に作用する荷重等の影響を上下部
接続部に適切に伝達できるものでなければならない。
(2) 偏向部における外ケーブルの曲げ半径は,外ケーブルに生じる二次応
力及び疲労の影響等を考慮して定めなければならない。
10.6.4 ケーブル定着構造及び偏向部
(1) ケーブル定着構造及び偏向部は,外ケーブルによるプレストレストコ
ンクリート箱桁の中間支持点として適切に機能する構造でなければな
らない。
(2) ケーブル定着構造及び偏向部は,外ケーブルとプレストレストコンク
リート箱桁との間の作用力に対してプレストレストコンクリート箱桁
のフランジ及びウェブが一体として挙動し,かつ,外ケーブルとプレス
トレストコンクリート箱桁の間で作用力が円滑に伝達するよう,適切な
間隔で配置しなければならない。
(3) ケーブル定着構造及び偏向部は,外ケーブルとプレストレストコンク
リート箱桁との間の作用力によってプレストレストコンクリート箱桁
のフランジ,ウェブ並びにフランジ及びウェブの接合部に局部応力を極
力生じさせず,かつ,外ケーブルとプレストレストコンクリート箱桁と
の間で作用力が円滑に伝達するよう,十分な寸法及び剛性を確保しなけ
ればならない。
(4) ケーブル定着構造及び偏向部は,外ケーブルとプレストレストコンク
リート箱桁との間の作用力に対して,所要の耐荷性能を満足しなければ
ならない。
(5) (1)から(4)の規定によるほか,ケーブル定着構造及び偏向部としての
設計は9.2.2 の規定,立体的構造保持部材としての設計は12 章の規定
による。
10.6.5 外ケーブルを用いたプレストレストコンクリート箱桁の限界状態
(1) 外ケーブルを用いたプレストレストコンクリート箱桁が,10.6.2 から
527
本頁文字(可複製、可搜尋)
10.6.4 までの規定を満足することを前提として,1),2)及び4)を満足す
る場合には,限界状態1を超えないとみなしてよい。
1) プレストレストコンクリート箱桁が,5.10 に規定する部材の限界状
態1の制限値を超えない。
2) プレストレストコンクリート箱桁が限界状態1に至るまで,ケーブ
ル定着構造及び偏向部が十分な剛性を有し,所要の耐荷性能を有する。
3) ケーブル定着構造及び偏向部を構成する部材が,5.7 及び5.9 に規
定する部材の限界状態1及び限界状態3の制限値をそれぞれ超えない
場合には,2)を満足するとみなしてよい。
4) プレストレストコンクリート箱桁が限界状態1に至るまで,外ケー
ブルが必要な軸力を保持する。
5) 外ケーブルが,5.5 に規定するケーブル部材の限界状態1及び限界
状態3の制限値を超えない場合には,4)を満足するとみなしてよい。
(2) 外ケーブルを用いたプレストレストコンクリート箱桁が,10.6.2 から
10.6.4 までの規定を満足することを前提として,1),2)及び4)を満足す
る場合には,限界状態3を超えないとみなしてよい。
1) プレストレストコンクリート箱桁が,5.11 に規定する部材の限界状
態3の制限値を超えない。
2) プレストレストコンクリート箱桁が限界状態3に至るまで,ケーブ
ル定着構造及び偏向部が十分な剛性を有し,所要の耐荷性能を有する。
3) ケーブル定着構造及び偏向部を構成する部材が,5.7 及び5.9 に規
定する部材の限界状態1及び限界状態3の制限値をそれぞれ超えない
場合には,2)を満足するとみなしてよい。
4) プレストレストコンクリート箱桁が限界状態3に至るまで,外ケー
ブルが必要な軸力を保持する。
5) 外ケーブルが,5.5 に規定するケーブル部材の限界状態1及び限界
状態3の制限値を超えない場合には,3)を満足するとみなしてよい。
528
本頁文字(可複製、可搜尋)
11 章 床 版 ・ 床 組
11.1 一 般
(1) Ⅰ編2.4.2 に規定する床版・床組は,自動車等が安全円滑に通行でき
る路面を保持する機能を担うとともに,上部構造に作用する荷重等の影
響を主桁・主構機能を構成する部材等に伝達する機能を有していなけれ
ばならない。
(2) 床版・床組が,(1)の機能を担うには,少なくとも以下の1)から4)を
満足しなければならない。
1) 直接支持する荷重等の影響に対して,自動車等が安全円滑な通行が
できる路面を保持するために必要な床版・床組としての耐荷性能を満
足しなければならない。
2) 直接支持する荷重等の影響を,自動車等が安全円滑な通行ができる
路面を保持するために疲労耐久性を損なう有害な変形を生じさせな
い。
3) 直接支持する荷重等の影響に対して,床版・床組から主桁・主構機
能系統を構成する部材等に伝達させなければならない。
4) 床版・床組として複数の部材等を用いる場合には,部材等を適切に
組み合わせ,1)から3)の規定を満足しなければならない。
(3) (4)による場合は,(1)を満足するとみなしてよい。
(4) 11.2 に規定する床版を適切に組み合わせることによって,自動車等が
安全円滑に通行できる路面を保持し,上部構造に作用する荷重等の影響
を主桁・主構機能を構成する部材等に伝達しなければならない。
11.2 床 版
11.2.1 一 般
11.2.1.1 適用の範囲
この節は,コンクリート桁で支持された鉄筋コンクリート床版及びプレス
トレストコンクリート床版の設計に適用する。
529
本頁文字(可複製、可搜尋)
11.2.1.2 設計の基本
(1) 床版の設計においては,直接支持する活荷重等の影響に対して耐荷性
能を満足するようにしなければならない。
(2) 床版は,活荷重等に対して疲労耐久性を損なう有害な変形を生じさせ
ないようにしなければならない。
(3) 鉄筋コンクリート床版及びプレストレストコンクリート床版が,(4)及
び11.2.2 から11.2.6 の規定による場合には,(1)及び(2)を満足すると
みなしてよい。
(4) 床版に立体的構造保持機能を担わせる場合は,Ⅰ編2.4.2 の関連規定
によるほか,次の1)から3)を満足しなければならない。
1) 床版に主桁間の荷重分配作用を考慮した設計を行う場合において
は,その影響を適切に評価し,その作用に対して安全となるようにす
る。
2) 地震の影響,風荷重等の横荷重に対して床版が抵抗する設計を行う
場合においては,その影響を適切に評価し,それらに対して安全とな
るようにする。
3) 必要に応じて関連するⅡ編12 章の規定により設計する。
(5) 床版は,鉄筋コンクリート部材又はプレストレストコンクリート部材
としての耐荷機構を満足するようにしなければならない。
11.2.2 鉄筋コンクリート床版及びプレストレストコンクリート床版
11.2.2.1 一 般
この項は,床版支間と橋軸方向の辺長比が1:2以上の一方向版としてモ
デル化できる,床版コンクリートの設計基準強度が24N/mm2 以上の鉄筋コン
クリート床版,床版コンクリートの設計基準強度が30N/mm2 以上のプレスト
レストコンクリート床版の設計に適用する。
11.2.2.2 床版の支間
(1) 単純版及び連続版のT荷重及び死荷重による曲げモーメントを算出す
る場合の支間は,床版から支持桁への応力伝達と輪荷重の載荷位置を考
慮して,かつ,床版の材料及び構造に応じて適切に設定する。
(2) (3)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) コンクリート桁で支持された鉄筋コンクリート床版及びプレストレス
530
本頁文字(可複製、可搜尋)
トコンクリート床版における床版の支間は,以下の1)から3)のとおり
とする。
1) 床版の支間の方向は,図-11.2.1 による。
図-11.2.1 床版の支間の方向
2) 単純版,連続版の支間は,図-11.2.2 に示すとおりとする。
図-11.2.2 単純版及び連続版の支間
531
本頁文字(可複製、可搜尋)
3) 片持版の支間は,図-11.2.3 に示すとおりとする。
図-11.2.3 片持版の支間
11.2.2.3 床版の設計曲げモーメント
(1) B 活荷重で設計する橋においては,Ⅰ編8.2 に規定されるT荷重(衝
撃の影響を含む)により生じる床版の単位幅(1m)あたりの曲げモーメン
トは,表-11.2.1 に示す式で算出する。ただし,床版の支間が車両進行
方向に直角の場合の単純版,連続版及び片持版の床版の支間方向の曲げ
モーメントは,表-11.2.1 により算出した曲げモーメントに,Ⅱ編
12.2.2.3 の表-12.2.2 又は表-12.2.3 の割増係数を乗じた値とする。
532