¶ 道路橋示方書(15/16)
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ここに,
𝑎:杭の根入れ比L/D から決まる補正係数で,式(15.2.7)により算
定する。
A:杭の断面積(mm2)
E:杭のヤング係数(kN/mm2)
ただし,SC 杭の場合には式(15.2.4),鋼管ソイルセメント杭の場合
には式(15.2.5)により𝐴𝐸を求める
打込み杭工法 𝑎= 0.014(𝐿𝐷⁄ ) + 0.72
場所打ち杭工法 𝑎= 0.031(𝐿𝐷⁄ ) −0.15 ··· (15.2.7)
鋼管ソイルセメント杭工法 𝑎= 0.040(𝐿𝐷⁄ ) + 0.15
ここに,
D:杭径(m)で,鋼管ソイルセメント杭の場合にはソイルセメント柱径
(m)とする。
L:杭長(m)
15.2.5 群杭の影響
(1) 基礎構造の耐荷性能の評価にあたっては,杭の配置に応じて,杭と杭
間の地盤が一体として挙動することによる杭反力や変位,杭体断面力並
びに支持力への影響を適切に考慮しなければならない。
(2) 杭の中心間隔が2.5 倍未満の場合に,1)及び2)による場合は,(1)を
満足するとみなしてよい。
1) 杭反力,変位,杭体断面力の算出には,式(15.2.8)による補正係数
を乗じた水平方向の地盤反力係数を用いる。
𝜇= 1 −0.2 ቀ2.5 − ቁ [𝐿<2.5𝐷] ··················· (15.2.8)
ここに,
𝐿:杭中心間隔(m)
𝐷:杭径(m)で,鋼管ソイルセメント杭の場合は,ソイルセメント柱
径とする。
なお,基礎地盤の非線形性を考慮する場合で,15.2.12 の規定による場
合には,式(15.2.8)による補正は考慮しない。
2) 群杭としての押込み支持力の制限値を,杭基礎を仮想のケーソン基礎
とした場合の鉛直支持力の制限値を超えない範囲で設定する。
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15.2.6 圧密沈下の影響
圧密沈下が生じると考えられる地盤中の杭基礎は,負の周面摩擦力等が杭
の支持力,杭体応力度及び杭頭部の沈下量に及ぼす影響を考慮して,必要な
耐荷性能を有していなければならない。
15.2.7 斜面の影響
斜面上に杭基礎を設置する場合には,斜面の影響,表層の地盤特性等を考
慮し,設計上の地盤面より浅い領域の背面土による荷重効果及び設計上の地
盤面より下の杭前面の基礎地盤の水平抵抗を適切に考慮しなければならな
い。
15.2.8 杭の継手
(1) 杭の継手は,断面の余裕,地盤の剛性変化及び腐食の影響の受けやす
さの程度等を考慮し,その影響が少ないところに設けなければならない。
(2) 杭の継手は,杭頭部や地中部の曲げモーメントが最大となる箇所など
設計上断面力が大きくなる箇所,深さ方向に地盤の剛性が著しく異なる
箇所をできるだけ避けて設けなければならない。
(3) 杭の継手は,所要の剛性を有するとともに,設計にあたって施工時及
び完成後に作用する荷重に対して安全でなければならない。
15.2.9 フーチング
(1) フーチングは,この節によるほか,14.3 の規定により,部材として必
要な厚さを確保しなければならない。
(2) 以下の式を満足する場合は,杭基礎のフーチングは剛体であるとみな
してよい。
𝛽𝜆≦1.0 ······································· (15.2.9)
ここに,
𝛽= రටଷ (𝑚ିଵ) ································ (15.2.10) ாయ
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𝑘= 𝑘
𝑘 :換算地盤反力係数(kN/m3)
𝑘= 𝐾 ····························· (15.2.11)
𝐾: 杭の軸方向ばね定数(kN/m)
𝐷: フーチングの幅(m)
𝐵: フーチングの奥行き(m)
𝑛: 杭の列数
𝑚: 杭の行数
𝐸: フーチングのヤング係数(kN/m2)
ℎ: フーチングの厚さ(m)
𝜆: フーチングの換算突出長(m)で,フーチ
ングの形式に応じて以下により定める。
① 単独フーチングの場合
𝜆= max (𝑙, 𝑏)
ただし,
𝑙 ≧ 𝐷/2ならば 𝑙 = 𝐷/2
𝑏 ≧ 𝐵/2ならば 𝑏 = 𝐵/2
図-15.2.1 単独フーチング
② 連続フーチングの場合
ఈ(ఒᇲమାమ)
𝜆= ఒᇲା
ここで,
𝜆ᇱ= max (𝑙, 𝑏)
𝛼=1.3
図-15.2.2 連続フーチング
(3) 曲げモーメントに対する杭基礎のフーチングの設計にあたっては,柱
又は壁前面のフーチング全面積に作用する荷重を考慮して,照査断面に
生じる曲げモーメントを計算する。ただし,永続作用支配状況及び変動
作用支配状況に対する状態の評価においては,杭頭水平反力及び杭頭曲
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げモーメントを除いて計算することを原則とする。
(4) せん断力に対する杭基礎のフーチングの設計にあたっては,1)から4)
を満足しなければならない。
1) せん断力に対する耐荷性能の評価は,図-15.2.3 (a),(b)に示すよう
に,部材断面A-A に加えて,杭中心位置においても行う。
せん断力を照査する断面せん断力を照査する断面
(a) 下面側が引張りになる場合 (b) 上面側が引張りになる場合
図-15.2.3 杭基礎フーチングのせん断力を照査する断面
2) せん断スパンは,フーチング下面側が引張りになる場合には,最外
縁の杭中心位置から柱又は壁前面までの距離としてよい。フーチング上
面側が引張りになる場合には,式(15.2.12)により算出してよい。
𝑎= 𝐿+ 𝐿ᇱ ···································· (15.2.12)
ここに,
𝑎 : せん断スパン(mm)
𝐿 : 柱又は壁前面から最外縁の杭中心位置までの距離
(mm)
𝐿ᇱ : せん断スパンの補正長さで,𝐿ᇱ= min (𝑡/2, 𝑑) (mm)
𝑡 : 照査断面直角方向の柱又は壁の幅 (mm) で,図-
15.2.3 に示す。
𝑑 : 柱又は壁前面位置におけるフーチング有効高 (mm)
3) せん断力に対するフーチングの有効幅は全幅とすることを原則とす
る。ただし,杭間隔が著しく大きい場合には,14.3.3 の規定に準じる。
4) レベル2地震動を考慮する設計状況において,必要に応じて版として
のせん断力に対する耐荷性能の評価を行う。
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15.2.10 杭とフーチングの接合部
(1) 杭とフーチングの接合部は,Ⅱ編6章,Ⅲ編6章の規定を満足させる
とともに,杭が限界状態3に達したときの作用力を確実に伝達できるよ
うにしなければならない。
(2) 杭とフーチングの接合部は剛結とみなせる構造としなければならな
い。
(3) 1)から3)に従う場合には,(1)及び(2)を満足するとみなしてよい。
1) フーチングの厚さは,15.2.9 を満足する。
2) 最外縁の杭の中心とフーチング縁端との距離は杭径以上とする。
3) 杭とフーチングの接合部は,鉄筋により十分に結合する。
15.2.11 杭の耐荷性能の評価の前提
(1) 鋼管杭及び鋼管ソイルセメント杭は,部材等の耐荷性能の評価の前提
として,13.2.1(6)の規定する作用の組合せにおいて鋼管に生じる応力
が,表-15.2.3 に示す制限値を超えないようにしなければならない。
表-15.2.3 部材等の耐荷性能の評価の前提となる応力度の制限値(N/mm2)
鋼材の種類
応力度
SKK400 SKK490
引張応力度及び圧縮応力度の制限値 140 185
せん断応力度の制限値 80 105
(2) PHC 杭は,部材等の耐荷性能の評価にあたって1)及び2)として扱う。
1) PHC 杭のコンクリートの設計基準強度は80 N/mm2 とし,ヤング係数は
4.0×104 N/mm2 とする。
2) PHC 杭のPC 鋼材としてJIS G 3137 細径異形PC 鋼棒D 種を用いる場
合の材料強度の特性値は,表-15.2.4 に示す値とする。
表-15.2.4 細径異形PC 鋼棒D 種の材料強度の特性値 (N/mm2)
降伏強度 引張強度
1,275 1,420
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(3) SC 杭は1)から3)を満足するものを用いることを前提とする。
1) SC 杭のコンクリートの設計基準強度は80 N/mm2 とし,ヤング係数は
4.0×104 N/mm2 として扱う。
2) SC 杭は部材等の耐荷性能の前提として,(1)を満足しなければならな
い。
3) SC 杭に生じる応力度の算出にあたっては,鋼管とコンクリートの剛
性比や荷重分担を適切に考慮しなければならない。
(4) 場所打ち杭は1)及び2)を満足するものを用いることを前提とする。
1) 水中で施工する場所打ち杭の呼び強度と設計基準強度の関係は,表-
15.2.5 に従って定める。
2) Ⅲ編式(5.2.1)により重ね継手長を算出する際に用いるコンクリート
の付着応力度は,Ⅲ編表-5.2.4 によらず,表-15.2.5 による。
表-15.2.5 水中で施工する場所打ち杭のコンクリートの呼び強度と
設計基準強度の関係及び付着応力度(N/mm2)
コンクリートの呼び強度 30 36 40
コンクリート設計基準強度 24 27 30
付着応力度 1.2 1.3 1.4
15.2.12 応答算出
(1) 基礎構造の塑性変形能を考慮しない場合における杭基礎の杭反力,変
位及び杭体の断面力は,荷重分担,地盤条件,構造条件及び施工方法等
を適切に考慮して算出しなければならない。
(2) 1)及び2)による場合は,(1)を満足するとみなしてよい。
1) 基礎部は,フーチングを剛体,杭を弾性体とし,フーチングと杭が剛
結されたラーメン構造としてモデル化する。
2) 地盤抵抗は,15.2.3 に規定する地盤反力係数及び15.2.4 に規定する
杭の軸方向ばね定数を用いて評価する。
(3) 基礎構造の塑性変形能を考慮する場合において杭基礎の杭反力,変位
及び杭体の断面力を算出するにあたっては,(1)に加えて,杭体及び基礎
地盤の非線形性を適切に考慮しなければならない。
(4) 1)から3)による場合には,(3)を満足するとみなしてよい。
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1) 杭の軸方向の抵抗特性は,ⅰ) の初期勾配並びにⅱ)及びⅲ)の上限値
から構成されるバイリニア型のモデルとする。
ⅰ) 初期勾配は,15.2.4 に規定する杭の軸方向ばね定数とする。
ⅱ) 押込みの場合の上限値は,式(15.2.13)により求められる杭の押込
み支持力の上限値とする。
𝑃ே= min(𝑅௨, 𝑅) ··························· (15.2.13)
ここに,
𝑃ே :杭の押込み支持力の上限値 (kN)
𝑅௨ :地盤から決まる杭の極限支持力の特性値(kN)で,
15.4.1(4)により求める。
𝑅 :杭体から決まる押込み支持力の特性値(kN)で,式
(15.2.14)により求める。
𝑅= 0.85𝜎𝐴+ 𝜎௬𝐴௦ ················· (15.2.14)
ここに,
𝜎 :コンクリートの設計基準強度 (kN/m2)
𝐴 :コンクリートの断面積 (m2)
𝜎௬ :鋼材の降伏強度の特性値 (kN/m2)
𝐴௦ :鋼材の断面積 (m2)
ⅲ) 引抜きの場合の上限値は,式(15.2.15)により求められる杭の引抜
き抵抗力の上限値とする。
𝑃்= min(𝑃௨+ 𝑊, 𝑃) ························ (15.2.15)
ここに,
𝑃் :杭の引抜き抵抗力の上限値 (kN)
𝑃௨ :地盤から決まる杭の極限引抜き抵抗力の特性値
(kN)で,15.4.2(4)により求める。
𝑊 :杭及び杭内部の土の有効重量 (kN)
𝑃 :杭体から決まる引抜き抵抗力の特性値(kN)で,式
(15.2.16)により求める。
𝑃= 𝜎௬𝐴௦ ··································· (15.2.16)
2) 杭の水平方向の地盤抵抗特性は,ⅰ) の初期勾配及びⅱ)の上限値か
ら構成されるバイリニア型のモデルとする。
ⅰ) 初期勾配は,式(15.2.17)により求められるレベル2地震動を考慮
する設計状況における水平方向地盤反力係数とする。
𝑘ுா= 𝜂𝛼𝑘ு ································ (15.2.17)
ここに,
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𝑘ுா :杭前面の水平方向地盤反力係数 (kN/m3)
𝑘ு :15.2.3(3)1)により求められる杭前面の水平方向地盤反
力係数 (kN/m3)
𝛼 :単杭における水平方向地盤反力係数の補正係数で,表-
15.2.6 に示す値とする。
𝜂 :群杭効果を考慮した水平方向地盤反力係数の補正係数
で,2/3 とする。
ⅱ) 上限値は,式(15.2.18)により求められる杭前面の水平地盤反力度
の上限値とする。
𝑝ு= 𝜂𝛼𝑝 ································ (15.2.18)
ここに,
𝑝ு :杭前面の水平地盤反力度の上限値 (kN/m2)
𝑝 :地震が発生した時の受働土圧強度(kN/m2) で,式
(15.2.19)により求められる受働土圧係数KEP を用いて
求める。
cos 2φ
Κ ΕP = 2
sin ( φ− δ Ε ) sin (φ+ α )
cos δ Ε 1 − cosδ Ε cos α
········ (15.2.19)
ここに,
KEP:地震が発生した時の受働土圧係数
φ :せん断抵抗角(°)
δE :地震が発生した時の杭と土の摩擦角(°)で,
− φ/6 とする。
α :地表面と水平面のなす角度(°)
𝛼:単杭における水平地盤反力度の上限値の補正
係数で,表- 15.2.6 に示す値とする。
𝜂:群杭効果を考慮した水平地盤反力度の上限値
の補正係数で,式(15.2.20)により求める。
粘性土地盤の場合
𝜂 =1.0
(15.2.20)
砂質土地盤の場合
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𝜂𝛼 =杭の中心間隔/杭径(≦𝛼)
表-15.2.6 補正係数
地盤の種類 𝛼 𝛼
粘性土 1.5 1.5
砂質土 1.5 3.0
注)N≦2 の粘性土地盤では,𝛼= 1.0とする。
3) 杭体の曲げモーメント―曲率関係は,杭体の塑性化後の特性を適切に
考慮して定める。
15.3 構造細目
15.3.1 鋼管杭
(1) 鋼管杭はJIS A 5525 の規格に適合するものを標準とする。
(2) 鋼管杭の板厚は,少なくとも以下の1)及び2)をいずれも満足する。
1) 板厚の最小値は9mm とする。
2) 板厚と鋼管外径の比が1%以上とする。
(3) 杭頭を打撃することによって,安全性を損なうような損傷が生じるお
それのある場合には,必要に応じて補強を行わなければならない。
(4) 杭先端が,障害物等により安全性を損なうような損傷を受けるおそれ
のある場合,又は硬質地盤への打込みを容易にする場合には,必要に応
じて補強を行わなければならない。
(5) 鋼管杭の継手は,所要の強度,剛性及び形状を有し,施工性を考慮し
た構造としなければならない。
15.3.2 PHC 杭
(1) PHC 杭は,JIS A 5373 附属書E の規格に適合するものを標準とする。
(2) PHC 杭の先端は,開口型を標準とし,打込みに対して十分安全である
とともに地盤に適合した構造としなければならない。
(3) PHC 杭の杭頭部は,打撃に対して十分な強度を有しなければならない。
(4) PHC 杭の継手は,所要の強度,剛性及び形状を有し,施工性を考慮した
構造としなければならない。
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(5) PHC 杭の杭頭部を切断する場合には,必要に応じてあらかじめ杭頭部
に杭体内補強鉄筋を配置しなければならない。
(6) PHC 杭において杭体が塑性化すると考えられる範囲には,式(15.3.1)
を満足する量のスパイラル鉄筋を中心間隔100 mm 以下で配置しなけれ
ばならない。
𝜌௦𝜎௬≧2.45 ·································· (15.3.1)
ここに,
𝜌௦ :スパイラル鉄筋の体積比で,充実断面としてⅢ編式(5.3.6)により
算出する。
𝜎௬ :スパイラル鉄筋の降伏強度の特性値 (N/mm2)
15.3.3 SC 杭
(1) SC 杭に用いる鋼管は,JIS A 5525 の規格に適合するものを標準とす
る。
(2) SC 杭に用いるコンクリートの材料特性はPHC 杭に使用するコンクリー
トに準じる。
(3) SC 杭の杭頭部は,打撃に対して十分な強度を有しなければならない。
(4) SC 杭の継手は,所要の強度,剛性及び形状を有し,施工性を考慮した
構造としなければならない。
(5) SC 杭の杭頭部を切断する場合には,必要に応じてあらかじめ杭頭部に
杭体内補強鉄筋を配置しなければならない。
15.3.4 鋼管ソイルセメント杭
(1) 鋼管ソイルセメント杭に用いる鋼管はJIS A 5525 の規格に適合する
とともに,ソイルセメントとの付着を確保するための外面突起がJIS A
5525 附属書A に適合するものを標準とする。
(2) 鋼管ソイルセメント杭に用いる鋼管の最小板厚は9mm とする。
(3) 鋼管ソイルセメント杭に用いるソイルセメントは,所要の強度及び剛
性を有しなければならない。
(4) 鋼管ソイルセメント杭に用いる鋼管の継手は,所要の強度,剛性及び
形状を有し,施工性を考慮した構造としなければならない。
692
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15.3.5 場所打ち杭
(1) 場所打ち杭の設計径は原則として公称径を用い,0.8m 以上とする。ま
た,設計径は,0.1m 刻みとすることを標準とする。ただし,アースドリ
ル工法において安定液を使用する場合には,設計径は公称径から0.05m
減じた値とする。
(2) 軸方向鉄筋及び帯鉄筋は,施工性に配慮したうえで有効に機能するよ
う,1)から3)により配置することを標準とする。
1) 軸方向鉄筋の鉄筋量,寸法及び間隔は表-15.3.1 による。なお,軸方
向鉄筋は一重配筋としフックを設けなくてよい。
表-15.3.1 軸方向鉄筋
項 目 最 大 最 小
鉄筋量 6% 0.4%
直 径 - 22mm
純間隔 - 鉄筋径の2倍又は粗骨材最大寸法
の2倍の大きい方
本 数 - 6本
2) 帯鉄筋の直径は13mm 以上,中心間隔は300mm 以下とする。ただし,
フーチング底面より杭径の2倍の範囲内では,帯鉄筋の中心間隔を
150mm 以下,かつ,鉄筋量を側断面積の0.2%以上とする。なお,帯鉄
筋を重ね継手により継ぐ場合には,帯鉄筋の直径の40 倍以上帯鉄筋を
重ね合わせ,半円形フック又は鋭角フックを設ける。
3) 軸方向鉄筋の継手は原則として重ね継手とする。
(3) 鉄筋のかぶりは,地山の凹凸,鉄筋かごの建込み等を考慮して決定し
なければならない。
(4) かぶりを80mm 以上とする場合,(3)を満足するとみなしてよい。
15.4 基礎部の安定に関する限界状態
15.4.1 基礎部の支持の限界状態1
(1) 杭基礎が(2)を満足する場合には,鉛直荷重に対する支持の限界状態1
を超えないとみなしてよい。
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(2)1) 全ての杭において,杭頭部に作用する軸方向押込み力が,式(15.4.1)
により算出される杭の軸方向押込み力の制限値を超えない。
𝑅ௗ= ξଵΦ𝜆𝜆൫𝑅௬−𝑊௦൯+ 𝑊௦−𝑊 ················ (15.4.1)
ここに,
𝑅ௗ :杭の軸方向押込み力の制限値 (kN)
ξ1 :調査・解析係数で,表-15.4.1 に示す値とする。
Φ𝑌:抵抗係数で,表-15.4.1 に示す値とする。
𝜆𝑓 :支持形式の違いを考慮する係数で,2)に従って設定する。
𝜆𝑛:杭本数に応じた抵抗特性の差を考慮する係数で,1.00 を標準とす
る。
𝑅௬ :地盤から決まる杭の降伏支持力の特性値 (kN) で,(3)に従って
設定する。
𝑊௦:杭で置き換えられる部分の土の有効重量 (kN)
𝑊 :杭及び杭内部の土の有効重量 (kN)
表-15.4.1 調査・解析係数及び抵抗係数
Φ𝑌
地盤から決まる降伏支 打込み杭工法, プレボーリング杭工
持力の特性値の推定方 ξଵ 場所打ち杭工 法,鋼管ソイルセメ
法 法,中掘り杭工 ント杭工法,回転杭
法 工法
推定式から求める場合 0.90 0.80 0.90*
載荷試験から求める場
0.95 1.00
合
*ただし,摩擦杭基礎の場合には0.80 とする。
2) 支持形式の違いを考慮する係数は,支持杭基礎の場合は1.00 とする。
打込み杭工法,場所打ち杭工法又は鋼管ソイルセメント杭工法を摩擦杭
基礎として適用する場合は0.70 とすることを標準とする。ただし,支
持杭基礎と同等の安全性を有する打込み杭工法,場所打ち杭工法又は鋼
管ソイルセメント杭工法の摩擦杭基礎の場合には1.00 としてよい。
(3)1) 地盤から決まる杭の降伏支持力の特性値は,地盤条件,構造条件,
施工方法及び杭頭部の沈下量等を考慮して,杭の応答が可逆性を有する
範囲で設定しなければならない。
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2) 地盤から決まる杭の降伏支持力の特性値を(4)に従って設定した地盤
から決まる杭の極限支持力の特性値の0.65 倍とする場合には,1)を満
足するとみなしてよい。
(4)1) 地盤から決まる杭の極限支持力の特性値は,地盤条件,構造条件,
施工方法及び杭頭部の沈下量等を考慮して設定しなければならない。
2) 地盤から決まる杭の極限支持力の特性値をi)又はⅱ)により設定す
る場合には,1)を満足するとみなしてよい。
ⅰ) 杭の鉛直載荷試験で得られた杭頭部の荷重と沈下量の関係におい
て,沈下量の軸に平行とみなせるときの荷重とする。ただし,杭頭部
の沈下量が杭径の10%を超えても荷重と沈下量の関係が沈下量の軸に
平行とみなせない場合には,杭頭部の沈下量が杭径の10%に達したと
きの荷重とする。
ⅱ) 式(15.4.2)により算出される値とする。
𝑅௨ = 𝑞ௗ𝐴+ 𝑈∑𝐿𝑓 ····························· (15.4.2)
ここに,
𝑅௨ : 地盤から決まる杭の極限支持力の特性値 (kN)
𝑞ௗ : 杭先端の極限支持力度の特性値 (kN/m2) で,表-15.4.2
による。
𝐴 : 杭先端面積 (m2)
𝑈 : 杭の周長 (m)。ただし,鋼管ソイルセメント杭の場合には
ソイルセメント柱の周長とする。
𝐿 : 周面摩擦力を考慮するi 層の層厚 (m)
𝑓 : 周面摩擦力を考慮するi 層の最大周面摩擦力度の特性値
(kN/m2) で,表-15.4.3 による。
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表-15.4.2 杭先端の極限支持力度の特性値(kN/m2)
地盤の 杭先端の極限支持力度の
杭工法
種類 特性値qd
粘性土 90 N (≦ 4,500)
打込み杭工法 砂 130 N (≦ 6,500)
砂れき 130 N (≦ 6,500)
粘性土 110 N (≦ 3,300)
場所打ち杭工法 砂 110 N (≦ 3,300)
砂れき 160 N (≦ 8,000)
砂 220 N (≦11,000)
中掘り杭工法*
砂れき 250 N (≦12,500)
砂 240 N (≦12,000)
プレボーリング杭工法
砂れき 300 N (≦15,000)
鋼管ソイルセメント杭 砂 190 N (≦ 9,500)
工法 砂れき 240 N (≦12,000)
回転杭工法 砂 120 N (≦ 6,000)
(1.5 倍径) 砂れき 130 N (≦ 6,500)
回転杭工法 砂 100 N (≦ 5,000)
(2.0 倍径) 砂れき 115 N (≦ 5,750)
ここに,N:標準貫入試験のN値
*:セメントミルク噴出攪伴方式における特性値である。なお,最終
打撃方式では打込み杭工法の特性値を適用する。
表-15.4.3 最大周面摩擦力度の特性値(kN/m2)
地盤の 最大周面摩擦力度の
杭工法
種類 特性値 fi
粘性土 c 又は 6 N(≦ 70)
打込み杭工法
砂質土 5 N(≦100)
粘性土 c 又は 5 N(≦100)
場所打ち杭工法
砂質土 5 N(≦120)
粘性土 0.8c 又は 4 N(≦ 70)
中掘り杭工法
砂質土 2 N(≦100)
粘性土 c 又は 7 N(≦100)
プレボーリング杭工法
砂質土 5 N(≦120)
鋼管ソイルセメント杭 粘性土 c 又は10 N(≦200)
工法 砂質土 9 N(≦300)
粘性土 c 又は10 N(≦100)
回転杭工法
砂質土 3 N(≦150)
696
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ここに,c:粘着力 (kN/m2),N:標準貫入試験のN 値
15.4.2 杭の軸方向引抜き力に対する抵抗の限界状態1
(1) 杭基礎が(2)を満足する場合には,杭の軸方向引抜き力に対する抵抗の
限界状態1を超えないとみなしてよい。
(2) 全ての杭において,杭頭部に作用する軸方向引抜き力が,式(15.4.3)
により算出される杭の軸方向引抜き力の制限値を超えない。
𝑃ௗ= ξଵΦ𝜆𝑃௬+ 𝑊 ····························· (15.4.3)
ここに,
𝑃ௗ:杭の軸方向引抜き力の制限値 (kN)
ξଵ:調査・解析係数で,表-15.4.4 に示す値とする。
Φ:抵抗係数で,表-15.4.4 に示す値とする。
𝜆 :杭本数に応じた抵抗特性の差を考慮する係数で,1.00 を標準と
する。
𝑃௬:地盤から決まる杭の降伏引抜き抵抗力の特性値 (kN) で,(3)に
従って設定する。
𝑊:杭の有効重量 (kN)
表-15.4.4 調査・解析係数及び抵抗係数
地盤から決まる降伏引抜き抵抗力の特性値の推定方法 ξଵ Φ
推定式から求める場合 0.90 0.55
載荷試験から求める場合 0.95 0.65
(3)1) 地盤から決まる杭の降伏引抜き抵抗力の特性値は,地盤条件,構造
条件,施工方法及び杭頭部の変位等を考慮して,杭の応答が可逆性を有
する範囲で設定しなければならない。
2) 地盤から決まる杭の降伏引抜き抵抗力の特性値を(4)に従って設定し
た地盤から決まる杭の極限引抜き抵抗力の特性値の0.65 倍とする場合
には,1)を満足するとみなしてよい。
(4)1) 地盤から決まる杭の極限引抜き抵抗力の特性値は,地盤条件,構造
条件,施工方法及び杭頭部の変位等を考慮して設定しなければならな
い。
2) 打込み杭工法,場所打ち杭工法,中掘り杭工法,プレボーリング杭工
法又は鋼管ソイルセメント杭工法における地盤から決まる杭の極限引
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抜き抵抗力の特性値をi)からⅲ)のいずれかにより設定する場合には,
1)を満足するとみなしてよい。また,回転杭工法における地盤から決
まる杭の極限引抜き抵抗力の特性値をi)又はⅳ)により設定する場合
には,1)を満足するとみなしてよい。
ⅰ) 杭の引抜き載荷試験で得られた杭頭部の荷重と変位の関係におい
て,最大となる荷重を上限とし,杭頭部の変位を考慮して設定する。
ⅱ) 15.4.1(4)2)i) により求められる地盤から決まる杭の極限支持力
のうちの最大周面摩擦力の特性値とする。
ⅲ) 式(15.4.4)により算出される値とする。
𝑃௨= 𝑈∑𝐿𝑓 ····································· (15.4.4)
ここに,
𝑃௨ :地盤から決まる杭の極限引抜き抵抗力の特性値 (kN)
𝑈 :杭の周長 (m)。ただし,鋼管ソイルセメント杭の場合には
ソイルセメント柱の周長とする。
𝐿 :周面摩擦力を考慮する𝑖層の層厚 (m)
𝑓 :周面摩擦力を考慮する𝑖層の最大周面摩擦力度の特性値
(kN/m2)で,表-15.4.3 による。
ⅳ) 式(15.4.5)により算出される値とする。
ு ଷே
𝑃௨= 𝑈∑𝐿𝑓+ 𝜋𝐷௪ቀ𝛴𝛾𝐿+ 𝛾 ଶቁ𝐻 ⁄ ············· (15.4.5)
ଷே
ただし, ≦5.0 とする。 ⁄
ここに,
𝐷௪ :羽根外径(m)
𝛾 :周面摩擦力を考慮する𝑖層の土の有効単位体積重量 (kN/m3)
𝛾 :支持層の土の有効単位体積重量 (kN/m3)
𝐻 :支持層への根入れ長 (m)。ただし,H ≦ 2.5Dw とする。
𝑁 :支持層のN値
𝐿 :杭長 (m)
𝐷 :杭径 (m)
15.4.3 水平荷重に対する抵抗の限界状態1
(1) 杭基礎が(2)を満足する場合には,水平荷重に対する抵抗の限界状態1
を超えないとみなしてよい。
698
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(2) 全ての杭において,杭の水平変位が1)又は2)の制限値を超えない。
1) 橋脚基礎構造の場合には,杭の水平変位の制限値は式(15.4.6)によ
り算出する。
𝑑ௗ= ξଵΦ𝑑௬ ··································· (15.4.6)
ここに,
𝑑ௗ:橋脚基礎構造の杭の水平変位の制限値 (mm) で,15 ≦𝑑ௗ≦50
とする。
𝜉ଵ:調査・解析係数で,表-15.4.5 に示す値とする。
Φ:抵抗係数で,表-15.4.5 に示す値とする。
𝑑௬:地盤から決まる杭の降伏水平変位の特性値 (mm) で,3)により
求める。
表-15.4.5 調査・解析係数及び抵抗係数
(a) 調査・解析係数及び抵抗係数
ξଵ Φ
表-15.4.5 (b)に示す値 0.80
(b) 調査・解析係数
地盤の変形係数の推定方法 ξଵ
杭の水平載荷試験により求める場合 0.95
標準貫入試験に加えて室内試験又は孔内水平載荷試験を
0.90
行って求める場合
標準貫入試験のみから Ν値が5以上の砂質土 0.85
求める場合 Ν値が5以上の粘性土 0.80
Ν値が5未満 0.75
2) 橋台基礎構造の場合には,杭の水平変位の制限値dd (mm)は杭径の1%
で,15 ≦ dd ≦ 50 とする。ただし,鋼管ソイルセメント杭におけるdd
(mm)はソイルセメント柱径の1%で,15 ≦ dd ≦ 50 とする。
3) 地盤から決まる杭の降伏水平変位の特性値は,構造条件及び施工方法
等を考慮したうえで,杭の応答の可逆性が担保される範囲で設定しなけ
ればならない。
4) 打込み杭工法,場所打ち杭工法,中掘り杭工法,プレボーリング杭工
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法又は回転杭工法において杭径の5%とする場合,また,鋼管ソイルセメ
ント杭工法においてソイルセメント柱径の5%とする場合には,3)を満
足するとみなしてよい。
(3) (2)における杭の水平変位の照査位置は,設計上の地盤面がフーチング
下面以下の場合には設計上の地盤面,設計上の地盤面がフーチング下面
より上の場合にはフーチング下面すなわち杭頭位置とする。
15.4.4 基礎部の支持の限界状態3
杭基礎が,地盤から決まる杭の降伏支持力の特性値を15.4.1(3)2)に従っ
て設定したうえで15.4.1 の規定を満足する場合には,鉛直荷重に対する支
持の限界状態3を超えないとみなしてよい。
15.4.5 杭の軸方向引抜き力に対する抵抗の限界状態3
杭基礎が,地盤から決まる杭の降伏引抜き抵抗力の特性値を15.4.2(3)2)
に従って設定したうえで15.4.2 の規定を満足する場合には,杭の軸方向引
抜き力に対する抵抗の限界状態3を超えないとみなしてよい。
15.4.6 水平荷重に対する抵抗の限界状態3
杭基礎が,15.4.3 の規定を満足する場合には,水平荷重に対する抵抗の
限界状態3を超えないとみなしてよい。
15.5 基礎部の強度に関する限界状態
15.5.1 一般
(1) 基礎部を構成する全ての部材が3.6.2 に規定する限界状態1を超えな
い場合は,基礎部の強度の限界状態1を超えないとみなしてよい。
(2) 基礎部を構成する全ての部材が3.6.2 に規定する限界状態3を超えな
い場合は,基礎部の強度の限界状態3を超えないとみなしてよい。
15.5.2 杭の限界状態
15.5.2.1 鋼管杭及び鋼管ソイルセメント杭
(1) 鋼管杭及び鋼管ソイルセメント杭の鋼管に生じる引張応力度及び圧縮
700
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応力度が,式(15.5.1)により求められる引張応力度及び圧縮応力度の制
限値を超えない場合には,軸力及び曲げモーメントに対する部材等の限
界状態1を超えないものとみなしてよい。
𝜎ௗ= ξଵΦ𝜎௬ ···································· (15.5.1)
ここに,
𝜎ௗ :引張応力度及び圧縮応力度の制限値(N/mm2)
ξଵ :調査・解析係数で,表-15.5.1 に示す値とする。
Φ:抵抗係数で,表-15.5.1 に示す値とする。
𝜎௬:鋼管の降伏強度の特性値 (N/mm2) で,表-15.5.2 に示す値とす
る。
表-15.5.1 調査・解析係数及び抵抗係数
(a) 調査・解析係数及び抵抗係数
ξଵ Φ
ⅰ) ⅱ)の作用の組合せ及びⅠ編3.3(2) 0.85
表-15.5.1(b)に
で⑪を考慮する場合以外
示す値
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)で⑩を考慮する場合 1.00
(b) 調査・解析係数ξ1
地盤の変形係数の推定方法 正曲げ 負曲げ
杭の水平載荷試験により求める場合 0.95
標準貫入試験に加えて室内試験又は孔内水
0.90 平載荷試験を行って求める場合
0.90
標準貫入試験 Ν値が5以上の砂質土 0.85
のみから求め Ν値が5以上の粘性土 0.80
る場合
Ν値が5未満 0.75
表-15.5.2 鋼管の降伏強度の特性値 (N/mm2)
SKK400 SKK490
235 315
(2) 鋼管杭及び鋼管ソイルセメント杭が(4)を満足する場合には,せん断力
に対する部材等の限界状態1を超えないとみなしてよい。
(3) 鋼管杭及び鋼管ソイルセメント杭が(1)を満足する場合には,軸力及び
701
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曲げモーメントに対する部材等の限界状態3を超えないとみなしてよい。
(4) 鋼管杭及び鋼管ソイルセメント杭の鋼管に生じるせん断応力度が,表
-15.5.3 に示すせん断応力度の制限値を超えない場合には,せん断力に
対する部材等の限界状態3を超えないとみなしてよい。
表-15.5.3 せん断応力度の制限値 (N/mm2)
SKK400 SKK490
120 160
(5) 杭が設計上の地盤面より上に突出する場合には,突出の影響を適切に
考慮して限界状態を設定する。
15.5.2.2 PHC 杭
(1) PHC 杭がⅢ編5.10.2 の規定を満足する場合には,軸力及び曲げモーメ
ントに対する部材等の限界状態1を超えないとみなしてよい。ただし,
曲げ引張応力度の制限値は,Ⅲ編表-5.10.2 によらず,表-15.5.4 に示す
値とする。
表-15.5.4 PHC 杭に対する曲げ引張応力度の制限値 (N/mm2)
有効プレストレス𝜎 3.9 ≦𝜎< 7.8 7.8 ≦𝜎
曲げ引張応力度の制限値 3.0 5.0
(2) PHC 杭がⅢ編5.11.2 の規定を満足する場合には,軸力及び曲げモーメ
ントに対する部材等の限界状態3を超えないとみなしてよい。ただし,
Ⅲ編式(5.11.1)における調査・解析係数は,Ⅲ編表-5.11.1 によらず,
表-15.5.1 (b)に示す値とする。
(3) PHC 杭に生じるせん断力が,式(15.5.2)により算出するせん断力の制
限値を超えない場合には,せん断力に対する部材等の限界状態3を超え
ないとみなしてよい。
𝑆ௗ= ξଵξଶΦ௨(𝜏ଵ+ 𝜏ଶ+ 𝜏ଷ)𝑏𝑗 ····················· (15.5.2)
ここに,
𝑆ௗ:PHC 杭におけるせん断力の制限値(N)
ξଵ:調査・解析係数で,表-15.5.5 に示す値とする。
ξଶ:部材・構造係数で,表-15.5.5 に示す値とする。
702
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Φ௨:抵抗係数で,表-15.5.5 に示す値とする。
𝑏:部材断面の有効幅(mm)で,𝛼𝐴/𝐷として求める。
𝛼 :杭の壁厚がせん断力に与える影響を考慮する係数で,−1.24(𝑡/𝐷) +
1.19として求める。
𝐴:杭の断面積(mm2)
𝐷:杭の外径(mm)
𝑡:杭の壁厚(mm)
𝑗:応力中心間距離(mm)で, (7/8)𝑑として求める。
𝑑:部材断面の有効高(mm)で,𝐷−𝑡/2として求める。
𝜏ଵ:コンクリートが負担できるせん断応力度の特性値 (N/mm2)で,式
(15.5.3)により求める。
.ଵଵହೠ(ఙೖାଵ.)
𝜏ଵ= ···························· (15.5.3) ௗൗା.ଵଵହ
𝑘௨:断面寸法の影響を考慮する係数で,(160/𝑑)ଵ/ଷとして求める。
𝑘:引張鋼材の面積比の影響を考慮する係数で,0.82(100𝑝௧).ଶଷとして
求める。
𝑝௧:引張鋼材の面積比で,𝑝/4として求める。
𝑝:軸方向鋼材の面積比で,𝐴/(𝑏𝑗)として求める。
𝐴:軸方向鋼材の全断面積 (mm2)
𝜎:杭のコンクリートの設計基準強度 (N/mm2)
𝑎 :せん断スパン(mm)
𝜏ଶ:せん断補強鉄筋が負担できるせん断応力度の特性値 (N/mm2) で,
0.516𝑝௪𝜎௬として求める。ただし,𝜏ଶ≦4.87とする。
𝑝௪:せん断補強鉄筋の面積比で,𝐴௪/(𝑏𝑠)として求める
𝐴௪:せん断補強鉄筋の断面積 (mm2)
𝑠:せん断補強鉄筋の配置間隔 (mm)
𝜎௬:PHC 杭のせん断力の制限値の算出に用いるせん断補強鉄筋の降伏強
度の特性値 (N/mm2) で,Ⅲ編表-4.1.1 による。
𝜏ଷ:軸力によって増加するせん断応力度の特性値 (N/mm2) で,
0.102൛𝜎𝑐𝑒+ 𝑁/(𝑏𝑒𝑗)ൟとして求める。ただし, 𝜏ଷ≦2.79とする。
𝜎:有効プレストレス(N/mm2)
𝑁:部材断面に作用する軸力 (N)
703
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表-15.5.5 調査・解析係数,部材・構造係数及び抵抗係数
ξଵ ξଶ Φ𝑢
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外の作用の組合せを考慮 0.80
する場合 0.90
0.85
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)で⑩を考慮する場合
1.00
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)で⑪を考慮する場合 1.00
15.5.2.3 SC 杭
(1) SC 杭が1)及び2)を満足する場合には,軸力及び曲げモーメントに対
する部材等の限界状態1を超えないとみなしてよい。
1) SC 杭の鋼管に生じる引張応力度及び圧縮応力度が,式(15.5.1)によ
り求められる引張応力度及び圧縮応力度の制限値を超えない。
2) 軸力及び曲げモーメントによってコンクリートに生じる圧縮応力度
が,表-15.5.6 に示す制限値を超えない。
表-15.5.6 SC 杭のコンクリート部分の圧縮応力度の制限値(N/mm2)
コンクリートの設計基準強度
80
応力度の種類
曲げ圧縮応力度の制限値 40
軸圧縮応力度の制限値 33
(2) SC 杭が(4)を満足する場合には,せん断力に対する部材等の限界状態
1を超えないとみなしてよい。
(3) SC 杭が(1)を満足する場合には,軸力及び曲げモーメントに対する部
材等の限界状態3を超えないとみなしてよい。
(4) SC 杭の鋼管に生じるせん断応力度が,表-15.5.3 に示すせん断応力度
の制限値を超えない場合には,せん断力に対する部材等の限界状態3を
超えないとみなしてよい。
15.5.2.4 場所打ち杭
(1) 場所打ち杭がⅢ編5.7.2 の規定を満足する場合には,軸力及び曲げモ
ーメントに対する部材等の限界状態1を超えないとみなしてよい。ただ
704
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し,Ⅲ編式(5.7.1)における調査・解析係数は,Ⅲ編表-5.7.1 によらず,
表-15.5.1 (b)に示す値とする。
(2) 場所打ち杭がⅢ編5.9.2 の規定を満足する場合には,軸力及び曲げモ
ーメントに対する部材等の限界状態3を超えないとみなしてよい。ただ
し,Ⅲ編式(5.11.1)における調査・解析係数は,Ⅲ編表-5.11.1 によら
ず,表-15.5.1 (b)に示す値とする。
15.6 基礎地盤の強度に関する限界状態
15.6.1 基礎地盤の強度の限界状態1
杭基礎が,15.4.1 から15.4.3 の規定を満足する場合には,基礎地盤の強
度の限界状態1を超えないとみなしてよい。
15.6.2 基礎地盤の強度の限界状態3
杭基礎が,15.4.4 から15.4.6 の規定を満足する場合には,基礎地盤の強
度の限界状態3を超えないとみなしてよい。
15.7 塑性変形能を考慮する場合の杭基礎の限界状態
15.7.1 杭基礎の限界状態1
塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の杭基礎が15.2.12
の規定に従って算出される杭基礎の応答変位が,式(15.7.1)により算出す
る降伏変位の制限値を超えない場合は,杭基礎の限界状態1を超えないとみ
なしてよい。
𝛿௬= 𝛿௬𝜆 ····································· (15.7.1)
ここに,
𝛿௬:杭基礎の降伏変位の制限値(m)
𝛿௬:15.7.4 に規定する杭基礎の降伏に達するときの変位(m)
𝜆:杭本数に応じた抵抗特性の差を考慮する係数で,1.00 を標準とする。
15.7.2 杭基礎の限界状態2
塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の杭基礎が15.2.12
の規定に従って算出される杭基礎の応答塑性率及び応答変位が15.7.5 に規
定する塑性率の制限値及び変位の制限値を超えない場合は,杭基礎の限界状
705
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態2を超えないとみなしてよい。
15.7.3 杭基礎の限界状態3
塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の杭基礎は,15.7.1
又は15.7.2 を満足する場合は,杭基礎の限界状態3を超えないとみなして
よい。
15.7.4 杭基礎の降伏
杭基礎の降伏は,杭体の塑性化又は杭頭反力が上限値に達することによ
り,上部構造の慣性力の影響を考慮する位置での水平変位が急増し始めると
きとする。
15.7.5 杭基礎の塑性率及び変位の制限
(1) 杭基礎の塑性率の制限値及び変位の制限値は,杭基礎として耐荷力や
変形能が安定して得られるとともに,支点反力支持機能系統及び支点位
置保持機能系統としての機能を満たす範囲で定める。
(2) 橋脚基礎構造において,Ⅰ編8.19.14 に規定する流動化の影響を考慮
する場合の変位の制限値は,杭基礎の降伏に達するときの基礎部天端に
おける水平変位の2倍とする。このとき,橋脚基礎構造の状態の評価に
あたっては,地盤の流動力を考慮する必要がある範囲内の土層の水平抵
抗を考慮してはならない。
15.8 基礎の変位の制限
(1) 基礎部及び基礎地盤は,以下の作用の組合せに対して(2)から(4)を満
足しなければならない。
1) 1.00(D+L+PS+CR+SH+E+HP+(U))
2) Ⅰ編3.3 に規定する①の作用の組合せ
(2) 全ての杭において,杭頭部に作用する軸方向押込み力が式(15.8.1)に
より算出される杭の軸方向押込み力の制限値を超えない。
𝑅ௗ= 𝜆௦𝜆൫𝑅௬−𝑊௦൯+ 𝑊௦−𝑊 ··················· (15.8.1)
ここに,
𝑅ௗ :基礎の変位を抑制するための杭の軸方向押込み力の制限
値 (kN)
706
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𝜆௦ :沈下量を抑制するための係数で,0.55 とする。
𝜆 :支持形式の違いを考慮する係数で,15.4.1(2)2)に従って
設定する。
𝑅௬ :地盤から決まる杭の降伏支持力の特性値 (kN) で,
15.4.1(3)に従って設定する。
𝑊௦ :杭で置き換えられる部分の土の有効重量 (kN)
𝑊 :杭及び杭内部の土の有効重量 (kN)
(3) 全ての杭において,杭頭部に作用する軸方向引抜き力が,式(15.8.2)
により算出される杭の軸方向引抜き力の制限値を超えない。
𝑃ௗ= 𝜆𝑃௬+ 𝑊 ································· (15.8.2)
ここに,
𝑃ௗ :基礎の変位を抑制するための杭の軸方向引抜き力の制限
値 (kN)
𝜆 :引抜き変位を抑制するための係数で,0.25 とする。
𝑃௬ :地盤から決まる杭の降伏引抜き抵抗力の特性値 (kN)で,
15.4.2(3)に従って設定する。
𝑊 :杭の有効重量 (kN)
(4) 全ての杭において,杭の水平変位が1)又は2)の制限値を超えない。
1) 橋脚基礎構造の場合には,杭の水平変位の制限値は杭径の1%に相当
する値とする。ただし,最小値は15mm,最大値は50mm とする。
2) 橋台基礎構造の場合には,杭の水平変位の制限値は15mm とする。
3) 1)及び2)における杭の水平変位の照査位置は,設計上の地盤面がフ
ーチング下面以下の場合には設計上の地盤面,設計上の地盤面がフーチ
ング下面より上の場合にはフーチング下面すなわち杭頭位置とする。
15.9 杭基礎の耐久性能
15.9.1 一般
杭基礎の耐久性能は22 章の規定によるほか,15.9.2 及び15.9.3 によら
なければならない。
15.9.2 防食
(1) 鋼管杭は,1)及び2)による場合には,腐食に対して部材の耐久性能
を満足するとみなしてよい。
707
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1) 鋼管杭の各部の厚さは,設計上必要な厚さに腐食による減厚を加えた
ものとする。
2) 鋼管杭の腐食減厚は,杭が土又は水に接する外面について考慮するこ
とを標準とする。
(2) PHC 杭は,鋼材の最小かぶりを設計径の外周から15 mm とする場合に
は,内部鋼材の腐食に対して部材の耐久性能を満足するとみなしてよい。
(3) SC 杭は,鋼管の厚さを設計上必要な厚さに腐食による減厚を加えたも
のとする場合には,腐食に対して部材の耐久性能を満足するとみなして
よい。
(4) 鋼管ソイルセメント杭は,1)及び2)による場合には,腐食に対して
部材の耐久性能を満足するとみなしてよい。
1) 鋼管ソイルセメント杭に用いる鋼管各部の厚さは,設計上必要な厚さ
に腐食による減厚を加えたものとする。
2) 鋼管ソイルセメント杭に用いる鋼管の腐食減厚は,鋼管がソイルセメ
ントに接する面について考慮することを標準とする。
(5) 場所打ち杭は,設計径の外周から,15.3.5 に規定する鉄筋のかぶりに
40mm を加えたかぶりを確保する場合は,腐食に対して部材の耐久性能を
満足するとみなしてよい。
帯 鉄 筋
d
軸方向鉄筋
図-15.9.1 鉄筋のかぶりd
15.9.3 疲労
(1) 鋼管杭及び鋼管ソイルセメント杭が,15.2.11(1),15.3.1 及び
15.5.2.1 の規定を満足する場合には,疲労に対して部材の耐久性能を満
足するとみなしてよい。
(2) PHC 杭が,Ⅲ編 14.3.2(3)を満足する場合には,疲労に対して部材の
耐久性能を満足するとみなしてよい。ただし,耐久性に配慮した場合の
コンクリートの曲げ引張応力度の制限値は,Ⅲ編表-14.3.6 によらず
0.0N/mm2 とする。
(3) SC 杭が,以下の1)及び2)を満足する場合は,疲労に対して部材の耐
久性能を満足するとみなしてよい。
708
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1)15.2.11(3),15.3.3 及び15.5.2.3 の規定を満足する。
2)コンクリート部分についてはⅢ編 14.3.2(2)を満足する。ただし,耐
久性に配慮した場合のコンクリートの圧縮応力度の制限値は,Ⅲ編表-
14.3.2 によらず,表-15.9.1 に示す値とする。
表-15.9.1 SC 杭の耐久性に配慮した場合のコンクリートの
圧縮応力度の制限値(N/mm2)
コンクリート設計基準強度
80
応力度の種類
曲げ圧縮応力度の制限値 27
軸圧縮応力度の制限値 22
15.10 施工時の荷重
(1) 杭基礎の部材及び接合部は,完成後に橋脚躯体部又は橋台躯体部から作
用する荷重を確実に地盤に伝達できる構造とするほか,施工時に作用する
荷重に対しても安全であるようにしなければならない。
(2) 杭基礎の部材及び接合部の設計にあたっては,沈設時,打込み時等の施
工時に作用する荷重を適切に考慮して,必要な耐荷性能を確保しなければ
ならない。
16 章 ケーソン基礎
16.1 適用の範囲
この章は,以下の1)から3)を満足する基礎構造(以下「ケーソン基礎」
という。)の設計に適用する。
1) 基礎部が,基礎地盤に接する中空断面を有する基礎部材(以下「ケ
ーソン」という。)とその頂部に設けられた剛な頂版で構成され,支持
層に支持される構造
2) ケーソンと頂版が剛結される構造
3) 以下による荷重伝達のみを基礎部の耐荷性能において考慮する。
ⅰ) 躯体構造からの鉛直荷重に対しては,基礎部底面の鉛直地盤反力
ⅱ) 躯体構造からの水平荷重に対しては,基礎部底面の鉛直地盤反力
709
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とせん断地盤反力,基礎部前面の水平地盤反力,側面の水平せん断
地盤反力及び周面の鉛直せん断地盤反力
16.2 設計の基本
16.2.1 一 般
(1) ケーソン基礎が,以下の(2)から(6)を満足する場合は,13.1.2 を満足
するとみなしてよい。
(2) 6.1(3)1)又は7.1(3)1)の支点反力支持機能及び支点位置保持機能の
評価点が以下を満足する。
1) 評価点の変位が,橋の機能に影響を与えない範囲にとどまる。
2) 評価点が,頂版と躯体部がその一部を共有する剛な部位,又は頂版
と躯体部の接合部近傍の剛な部位にある。
(3) 基礎構造を構成する部材等の状態が以下を満足する。
1) 基礎部を構成する部材等の状態は,16.2.3,16.2.4,16.2.5 の規定
を満足したうえで16.5 の規定を満足する。
2) 基礎地盤部を構成する基礎地盤の状態は,16.2.3,16.2.4,16.2.5
の規定を満足したうえで,16.6 の規定を満足する。
3) 基礎部の安定の状態は,鉛直荷重及び水平荷重に対する状態を考慮
するものとし,16.2.3,16.2.4,16.2.5 の規定を満足したうえで16.4
の規定を満足する。このとき,鉛直荷重の作用位置が基礎部軸線から
偏心する影響も適切に考慮する。
(4) 塑性変形能を考慮する場合の基礎構造の状態は,16.7 の規定を満足する。
(5) ケーソン基礎の耐荷性能の評価の前提として,施工時に作用する荷重
に対して16.10 の規定を満足する。
(6) 基礎構造を構成する部材等が以下の1)から5)を満足する。
1) ケーソン基礎の形状寸法については,16.2.2 の規定による。
2) ケーソン及び頂版については,16.2.6 から16.2.12 の規定による。
3) ケーソン基礎の応答算出にあたっては,16.2.13 の規定による。
4) 構造細目は,16.3 の規定による。
5) 耐久性能については,16.9 の規定による。
(7) 16.8 の規定による場合は,(2)1)を満足するとみなしてよい。
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16.2.2 形状寸法
基礎部の形状寸法は,躯体部の形状及び寸法,基礎部の安定並びに各部に
発生する応力のほか,施工も考慮した上で安全かつ確実にできる範囲のもの
でなければならない。
16.2.3 地盤反力係数
(1) ケーソン基礎の耐荷性能の評価にあたって考慮する地盤反力係数は,
基礎部底面の鉛直方向地盤反力係数及び水平方向せん断地盤反力係数,
前背面の鉛直方向せん断地盤反力係数,前面の水平方向地盤反力係数並
びに側面の鉛直方向せん断地盤反力係数及び水平方向せん断地盤反力
係数とする。
(2) ケーソン基礎の耐荷性能の評価にあたって考慮する地盤反力係数を
推定式により求める場合には1)から6)による。
1) 基礎部底面の鉛直方向地盤反力係数は,式(13.4.2)により求める。
ここで,基礎の施工方法の影響を考慮する係数は表-16.2.1 による。ま
た,換算載荷幅は√𝐴とする。ここに,A は基礎部の底面積(㎡)である。
2) 基礎部底面の水平方向せん断地盤反力係数は,式(16.2.1)により求
める。
𝑘௦= 0.3𝑘 ·········································· (16.2.1)
ここに,
𝑘௦:基礎部底面の水平方向せん断地盤反力係数 (kN/m3)
𝑘:基礎部底面の鉛直方向地盤反力係数 (kN/m3)
3) 基礎部前背面の鉛直方向せん断地盤反力係数は,式(16.2.2)により
求める。
𝑘ௌ= 0.3𝑘ு ········································ (16.2.2)
ここに,
𝑘ௌ:基礎部前背面の鉛直方向せん断地盤反力係数 (kN/m3)
𝑘ு :基礎部前面の水平方向地盤反力係数 (kN/m3)
4) 基礎部前面の水平方向地盤反力係数は,式(13.4.2)により求める。
ここで,基礎の施工方法の影響を考慮する係数は表-16.2.1 による。ま
た,換算載荷幅は表-16.2.2 及び図-16.2.1 に示す基礎部前面の有効載
荷幅とする。
5) 基礎部側面の鉛直方向せん断地盤反力係数は,式(16.2.3)により求
711
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める。
𝑘ௌ= 0.3𝑘ு ······································· (16.2.3)
ここに,
𝑘ௌ:基礎部側面の鉛直方向せん断地盤反力係数 (kN/m3)
𝑘ு :基礎部側面の水平方向地盤反力係数 (kN/m3)で,式(13.4.2)
により求める。ここで,基礎の施工方法の影響を考慮する係
数λは表-16.2.1 による。また,換算載荷幅は表-16.2.2 及
び図-16.2.1 に示す基礎部側面の有効載荷幅とする。
6) 基礎部側面の水平方向せん断地盤反力係数は,式(16.2.4)により求
める。
𝑘ௌு= 0.3𝑘ு ······································· (16.2.4)
ここに,𝑘ௌு:基礎部側面の水平方向せん断地盤反力係数 (kN/m3)
表-16.2.1 ケーソン基礎の施工方法の影響を考慮する係数 𝜆
地盤反力係数の種類
基礎部底面の 基礎部前面の水平方向地盤反力係
基礎の施工方法
鉛直方向地盤 数𝑘ு及び基礎側面の水平方向地盤
反力係数𝑘 反力係数𝑘ு
コンタクトグラウト
1.0 1.5
を施す場合
上記以外 1.0 1.0
表-16.2.2 有効載荷幅
地盤反力係数の種類
𝑘ு 𝑘ு
換算載荷幅 𝐵ᇱ 基礎部前面の換算載荷幅 基礎部側面の換算載荷幅
𝐵ᇱ= 𝐵(≦ඥ𝐵𝐿) 𝐵ᇱ= 𝐷(≦ඥ𝐷𝐿)
有効 長方形断面 𝐵= 𝐵 𝐷= 𝐷
載荷 円形断面 𝐵= 0.8𝐵 𝐷= 0.8𝐷
幅𝐵, 小判形(1) 𝐵= 0.8𝐵 𝐷= 𝐷−0.2𝐵
𝐷 小判形(2) 𝐵= 𝐵−0.2𝐷 𝐷= 0.8𝐷
ここに,𝐵, 𝐷:基礎部の幅(m)
𝐿 :基礎の有効根入れ深さ(m)
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図-16.2.1 基礎部の断面形状と有効載荷幅
16.2.4 地盤反力度の上限値
(1) ケーソン基礎の耐荷性能の評価にあたって考慮する地盤反力度の上
限値は,基礎部底面の水平方向せん断地盤反力度,前背面の鉛直方向せ
ん断地盤反力度,前面の水平地盤反力度並びに側面の鉛直方向せん断地
盤反力度及び水平方向せん断地盤反力度とする。
(2)1) 基礎部底面の水平方向せん断地盤反力度の上限値は,式(16.2.5)に
より求める。
𝑝௦௨= 𝐻௨𝐴⁄ ······································· (16.2.5)
ここに,
𝑝௦௨:基礎部底面の水平方向せん断地盤反力度の上限値 (kN/m2)
𝐻௨ :基礎部底面と地盤との間に働くせん断抵抗力の特性値 (kN)
で,14.4.5(2)2)により求める。
𝐴 :基礎部底面の有効載荷面積 (m2)
2) 基礎部前背面の鉛直方向せん断地盤反力度の上限値並びに側面の鉛
直方向せん断地盤反力度及び水平方向せん断地盤反力度の上限値は,
式(16.2.6)により求める。ただし,コンタクトグラウトによって地中
連続壁基礎と同程度の上限値が期待できる場合には,式(18.2.2)によ
り求めてよい。
砂質土地盤の場合 𝑓= min[𝑁, 0.5(𝑐+ 𝑝tan 𝜙)] ≦100 (16.2.6)
粘性土地盤の場合 𝑓= 0.5(𝑐+ 𝑝tan 𝜙) ≦70
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ここに,
𝑓 :基礎部前背面の鉛直方向せん断地盤反力度の上限値並びに側面
の鉛直方向せん断地盤反力度及び水平方向せん断地盤反力度
の上限値 (kN/m2)
𝑁 :標準貫入試験のN値
𝑐 :粘着力 (kN/m2)
𝑝:壁面に作用する静止土圧強度 (kN/m2)
𝜙 :せん断抵抗角 (°)
3) 基礎部前面の水平地盤反力度の上限値は,式(16.2.7)により求める。
𝑝௨= 𝛼𝑝ா ········································· (16.2.7)
ここに,
𝑝௨:基礎部前面の水平地盤反力度の上限値 (kN/m2)
𝛼 :水平地盤反力度の上限値の割増係数で,式(16.2.8)により求
める。ただし,N値2以下の軟弱な粘性土地盤では,𝛼=1.0
とする。
砂質土地盤の場合 𝛼= 1.0 + 0.5(𝑧𝐵⁄ ) ≦3.0
···· (16.2.8)
粘性土地盤の場合 𝛼= 1.0 + 0.5(𝑧𝐵⁄ ) ≦1.5
ここに,
𝑧 :設計上の地盤面からの深さ(m)
𝐵 :基礎部前面の有効載荷幅(m)
𝑝ா:基礎部前面の地盤の受働土圧強度(kN/m2)
16.2.5 圧密沈下の影響
圧密沈下が生じると考えられる地盤中のケーソン基礎は,負の周面摩擦
力等がケーソンの支持力,側壁及び隔壁の応力度に及ぼす影響を考慮して,
必要な耐荷性能を有していなければならない。
16.2.6 側壁及び隔壁
(1) ケーソン基礎の側壁及び隔壁は,ケーソンが地盤反力を受ける中空断
面部材として必要な耐荷性能を有しなければならない。
(2) ケーソン基礎の側壁及び隔壁は,施工時に作用する荷重及び支持条件
を適切に考慮して,必要な耐荷性能を有していなければならない。
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16.2.7 頂版
(1) ケーソン基礎の頂版は,橋脚躯体部又は橋台躯体部から作用する荷重
を確実に側壁及び隔壁に伝達できる構造としなければならない。
(2) ケーソン基礎の頂版は,側壁及び隔壁との接合状態を適切に考慮した
条件で安全なものでなければならない。
16.2.8 頂版支持部
(1) 頂版支持部は,頂版の浮上り,支持部の支圧及び滑動に対して抵抗で
きる構造としなければならない。
(2) (1)を満足するにあたっては,(3)から(5)によらなければならない。
(3) 頂版支持部の断面力は,頂版支持部を単純支持として,頂版下面から
作用する力により算出することを標準とする。
(4) 浮上りに対する頂版と頂版支持部の最小定着鉄筋量は,頂版支持面積
の0.2%とし,直径16 mm 以上の鉄筋を配置することを標準とする。
(5) 滑動に対し,支持面は摩擦で抵抗させることを標準とする。
16.2.9 オープンケーソンの底版
(1) オープンケーソンの底版は,側壁からの荷重を確実に地盤に伝達でき
る構造としなければならない。
(2) 1)及び2)による場合は,(1)を満足するとみなしてよい。
1) 側壁から作用する鉛直力を全て圧縮応力により基礎部底面の基礎地
盤に伝えることができる厚さを確保する。
2) 最小底版厚さは2m とする。
16.2.10 刃口
刃口は,ケーソンの沈下が容易にできるような形状とし,刃口内外の圧力
差等によって生じる施工時の荷重に対して破損しないように強度と剛性を
有する構造としなければならない。
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16.2.11 ニューマチックケーソン作業室天井スラブ及び天井スラブ吊桁
ニューマチックケーソン作業室天井スラブは,完成後の荷重のほか,沈下
荷重や作業気圧の変化等によって生じる施工時の荷重に対して安全な構造
でなければならない。
16.2.12 パラペット
ケーソン基礎のパラペットは,この上部に設けられる止水壁の構造やこ
れに作用する荷重の影響も考慮して,施工時に作用する荷重に対して安全
となる構造でなければならない。
16.2.13 応答算出
(1) 基礎構造の塑性変形能を考慮しない場合におけるケーソン基礎の地盤
反力度,変位及び断面力は,荷重分担,地盤条件,構造条件及び施工方
法等を適切に考慮して算出しなければならない。
(2) 1)及び2)による場合は,(1)を満足するとみなしてよい。
1) 基礎部は,頂版を剛体,ケーソンを弾性体として扱う。
2) 地盤抵抗は,16.2.3 に規定する地盤反力係数及び16.2.4 に規定す
る地盤反力度の上限値を用いて評価する。
(3) 基礎構造の塑性変形能を考慮する場合において,ケーソン基礎の地盤
反力度,変位及び断面力を算出するにあたっては,(1)に加えて,ケーソ
ン及び基礎地盤の非線形性を適切に考慮しなければならない。
(4) 1)及び2)による場合には,(3)を満足するとみなしてよい。
1) 基礎部底面の地盤抵抗特性を,初期勾配は,16.2.3(2)1)に従って設
定する基礎部底面の鉛直方向地盤反力係数,上限値は16.4.1(2)2)に
従って設定する基礎部底面での基礎地盤の極限鉛直支持力度の特性値
とするバイリニア型のモデルとする。
2) ケーソンの曲げモーメント-曲率関係は,塑性化後の特性を適切に
考慮して定める。
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16.3 構造細目
16.3.1 打継目
(1) ケーソンが沈下中に中吊り状態となることが考えられる場合には,各
リフト間及び吊桁と作業室天井スラブの打継目部分は断面内の応力分
布及び荷重分配を適切に考慮し,それに対して安全となるように鉄筋の
量,配置を適切に定めなければならない。
(2) (1)を満足するために,少なくともケーソンの沈設中の最も厳しい状
況を想定して,各リフト間並びに吊桁と作業室天井スラブの打継目には
側壁鉛直方向の補強鉄筋を配置しなければならない。
16.3.2 ニューマチックケーソンのシャフト孔周辺
(1) シャフト孔により作業室天井スラブの主鉄筋が不連続となる場合に
は,部材断面内の応力分布及び荷重分配を適切に考慮し,それに対して
安全となるように部材の形状や鉄筋の量,配置を適切に定めなければな
らない。
(2) (1)を満足するために,少なくとも環状鉄筋や斜鉄筋によってシャフ
ト孔周辺を補強しなければならない。
16.3.3 側壁の配筋
(1) 側壁のぜい性的な破壊を防ぐために,側壁には十分な横拘束鉄筋を配
置しなければならない。
(2) 側壁に,9.1.4.3 及び9.4.3 の規定に準じて横拘束鉄筋を配筋した場
合は,(1)を満足するとみなしてよい。
16.4 基礎部の安定に関する限界状態
16.4.1 基礎部の支持の限界状態1
(1) 砂地盤,砂れき地盤又は粘性土地盤を支持層とするケーソン基礎が
(2)を満足する場合,岩盤を支持層とするケーソン基礎が(3)を満足する
場合には,鉛直荷重に対する支持の限界状態1を超えないとみなしてよ
い。
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(2)1) ケーソンの底面での鉛直地盤反力度が式(16.4.1)により算出され
る基礎部底面での基礎地盤の鉛直支持力度の制限値を超えない。
𝑞௬ௗ= ξଵΦ𝑞௬ ······································· (16.4.1)
ここに,
𝑞௬ௗ:基礎部底面での基礎地盤の鉛直支持力度の制限値 (kN/m2)
ξଵ :調査・解析係数で,表-16.4.1 に示す値とする。
Φ :抵抗係数で,表-16.4.1 に示す値とする。
𝑞௬ :基礎部底面での基礎地盤の降伏鉛直支持力度の特性値
(kN/m2)で,極限鉛直支持力度の特性値に0.65 を乗じた値
とする。
表-16.4.1 調査・解析係数及び抵抗係数
ξଵ Φ
0.90 0.90
2) ケーソンの底面での基礎地盤の極限鉛直支持力度の特性値は,地盤
条件,構造条件,根入れ深さ及び沈下量等を考慮して設定しなければ
ならない。
3) ケーソンの底面での基礎地盤の極限鉛直支持力度の特性値を式
(16.4.2)により算出する場合には,2)を満足するとみなしてよい。
ଵ
𝑞ௗ= 𝛼𝑐𝑁𝜁+ ଶ𝛽𝛾ଵ𝐵𝑁ఊ+ 𝛾ଶ𝐷𝑁 ······················ (16.4.2)
ここに,
𝑞ௗ :基礎部底面での基礎地盤の極限鉛直支持力度の特性値
(kN/m2)
𝜁 :地盤の種類の違いを考慮する係数で,支持層が砂地盤又は砂
れき地盤の場合には1.00,粘性土地盤の場合には0.55 とす
る。
𝑐 :基礎部底面より下にある基礎地盤の粘着力 (kN/m2)
𝛾ଵ :基礎部底面より下にある基礎地盤の単位体積重量 (kN/m3)。
ただし,地下水位以下では水中単位体積重量とする。
𝛾ଶ :基礎部底面より上にある基礎地盤の単位体積重量 (kN/m3)。
ただし,地下水位以下では水中単位体積重量とする。
𝛼, 𝛽:基礎部底面の形状係数で,表-14.4.2 による。
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𝐵 :基礎部の幅 (m)
𝐷 :基礎の有効根入れ深さ (m)
𝑁, 𝑁ఊ, 𝑁:支持力係数で図-16.4.1 による。
図-16.4.1 支持力係数
4) ケーソンの底面での基礎地盤の極限鉛直支持力度の特性値を平板載
荷試験により求める場合には,載荷試験の結果により確認した地盤の
粘着力c 及びせん断抵抗角𝜙を用いて式(16.4.2)により算出する。
(3) ケーソンの底面での鉛直地盤反力度が表-16.4.2 に示す制限値を超え
ない。
表-16.4.2 基礎部底面での鉛直地盤反力度の制限値(kN/m2)(支持層が岩盤の場合)
岩盤の種類 鉛直地盤反力度の制限値
軟岩 3,000
硬岩 3,750
16.4.2 水平荷重に対する抵抗の限界状態1
(1) ケーソン基礎が,(2)を満足する場合には,水平荷重に対する抵抗の限
界状態1を超えないとみなしてよい。
(2) 設計上の地盤面位置におけるケーソン基礎の水平変位が1)又は2)の
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制限値を超えない。
1) 橋脚基礎構造の場合には,水平変位の制限値は式(16.4.3)により算
出する。
𝑑ௗ= ξଵΦ𝑑௬ ······································· (16.4.3)
ここに,
𝑑ௗ :橋脚基礎構造の水平変位の制限値 (mm)で,15 ≦𝑑ௗ≦ 50 と
する。
ξଵ :調査・解析係数で,表-16.4.3 に示す値とする。
Φ:抵抗係数で,表-16.4.3 に示す値とする。
𝑑௬ :基礎構造の降伏水平変位の特性値 (mm)で,3)により設定する。
表-16.4.3 調査・解析係数及び抵抗係数
(a) 調査・解析係数及び抵抗係数
ξଵ Φ
表-16.4.3(b)に示す値 0.80
(b) 調査・解析係数
地盤の変形係数の推定方法 ξଵ
載荷試験により求める場合 0.95
標準貫入試験に加えて室内試験又は孔内水平載荷試験を行
0.90
って求める場合
N値が5以上の砂質土 0.85
標準貫入試験のみから求め
N値が5以上の粘性土 0.80
る場合
N値が5未満 0.75
2) 橋台基礎構造の場合には,水平変位の制限値dd (mm)は基礎部の幅の
1%で,15 ≦ dd ≦ 50 とする。
3) 基礎構造の降伏水平変位の特性値は,構造条件及び施工方法等を考
慮したうえで,基礎構造の可逆性が担保される範囲で設定しなければ
ならない。
4) 基礎構造の降伏水平変位の特性値を基礎部の載荷方向幅の5%とする
場合には,3)を満足するとみなしてよい。
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16.4.3 基礎部の支持の限界状態3
ケーソン基礎が,16.4.1 の規定を満足する場合には,鉛直荷重に対する
支持の限界状態3を超えないとみなしてよい。
16.4.4 水平荷重に対する抵抗の限界状態3
ケーソン基礎が,16.4.2 の規定を満足する場合には,水平荷重に対する
抵抗の限界状態3を超えないとみなしてよい。
16.5 基礎部の強度に関する限界状態
16.5.1 基礎部の強度の限界状態1
基礎部を構成する全ての部材が3.6.2 に規定する限界状態1を超えない
場合は,基礎部の強度の限界状態1を超えないとみなしてよい。
16.5.2 基礎部の強度の限界状態3
基礎部を構成する全ての部材が3.6.2 に規定する限界状態3を超えない
場合は,基礎部の強度の限界状態3を超えないとみなしてよい。
16.6 基礎地盤の強度に関する限界状態
16.6.1 基礎地盤の強度の限界状態1
ケーソン基礎が,16.4.1 及び16.4.2 の規定を満足する場合には,基礎地
盤の強度の限界状態1を超えないとみなしてよい。
16.6.2 基礎地盤の強度の限界状態3
ケーソン基礎が,16.4.3 及び16.4.4 の規定を満足する場合には,基礎地
盤の強度の限界状態3を超えないとみなしてよい。
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16.7 塑性変形能を考慮する場合のケーソン基礎の限界状態
16.7.1 ケーソン基礎の限界状態1
(1) 塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合のケーソン基礎
は,16.2.13 の規定に従って算出される基礎構造の応答変位が,ケーソ
ン基礎の降伏変位の制限値を超えない場合には,ケーソン基礎の限界状
態1を超えないとみなしてよい。
(2) ケーソン基礎の降伏変位の制限値は,(3)に規定するケーソン基礎の
降伏に達するときの変位としてよい。
(3) ケーソン基礎の降伏は,基礎部材の塑性化,基礎地盤の塑性化又は基
礎部の浮上りにより,上部構造の慣性力の影響を考慮する位置での水平
変位が急増し始めるときとする。
16.7.2 ケーソン基礎の限界状態2
(1) 塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合のケーソン基礎
は,基礎部の応答塑性率及び応答変位が,(2)及び(3)に規定する塑性率
の制限値及び変位の制限値を超えない場合には,ケーソン基礎の限界状
態2を超えないとみなしてよい。
(2) ケーソン基礎の塑性率の制限値及び変位の制限値は,ケーソン基礎と
しての耐荷力や変形能が安定して得られるとともに,支点反力支持機能
系統及び支点位置保持機能系統としての機能を満たす範囲で定める。
(3) 橋脚基礎部において,Ⅰ編8.19.14 に規定する流動化の影響を考慮す
る場合の変位の制限値は,基礎の降伏に達するときの基礎部天端におけ
る水平変位の2倍とする。このとき,橋脚基礎部の状態の評価にあたっ
ては,地盤の流動力を考慮する必要がある範囲内の土層の水平抵抗を考
慮してはならない。
16.7.3 ケーソン基礎の限界状態3
塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合のケーソン基礎は,
16.7.1 又は16.7.2 を満足する場合は,ケーソン基礎の限界状態3を超えな
いとみなしてよい。
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16.8 基礎の変位の制限
(1) 基礎部及び基礎地盤は,以下の作用の組合せに対して(2)及び(3)を満
足しなければならない。
1) 1.00(D+L+PS+CR+SH+E+HP+(U))
2) I 編3.3 に規定する①の作用の組合せ
(2) 1),2)又は3)を満足する。
1) 支持層が砂地盤又は砂れき地盤の場合には,基礎部底面での鉛直地
盤反力度が,表-16.8.1 に示す鉛直地盤反力度の制限値を超えない。
表-16.8.1 基礎の変位を抑制するための基礎部底面での鉛直地盤反力度の制限値(kN/m2)
(支持層が砂地盤又は砂れき地盤の場合)
施工法 地盤の種類 鉛直地盤反力度の制限値
オープンケーソン 砂 48𝐷 (≦1,000)
工法 砂れき 48𝐷+ 300 (≦1,500)
ニューマチックケ 砂 48𝐷+ 400 (≦2,000)
ーソン工法 砂れき 48𝐷+ 700 (≦2,500)
ここに,Df:有効根入れ深さ (m)
2) 支持層が粘性土の場合には,圧密の影響等を考慮して適切に定めた
制限値を超えない。
3) 支持層が岩盤の場合には,基礎部底面での鉛直地盤反力度が表-
16.8.2 に示す鉛直地盤反力度の制限値を超えない。
表-16.8.2 基礎の変位を抑制するための基礎部底面での鉛直地盤反力度の制限値(kN/m2)
(支持層が岩盤の場合)
岩盤の種類 鉛直地盤反力度の制限値
軟岩 2,000
硬岩 2,500
(3) 設計上の地盤面位置における水平変位が1)又は2)の制限値を超えな
い。
1) 橋脚基礎部の場合には,水平変位の制限値は基礎部の載荷方向幅の1%
に相当する値とする。ただし,最小値は15mm,最大値は50mm とする。
2) 橋台基礎部の場合には,水平変位の制限値は15mm とする。
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16.9 ケーソン基礎の耐久性能
16.9.1 一般
ケーソン基礎の耐久性能は22 章の規定によるほか,16.9.2 によらなけれ
ばならない。
16.9.2 防食
(1) ケーソン基礎の側壁は,鉄筋のかぶりを設計側壁厚の外側から70 mm
以上とする場合には,内部鋼材の腐食に対して部材の耐久性能を確保し
ているとみなしてよい。
(2) 頂版の耐久性能の評価に用いる鉄筋の応力度は式(16.9.1)により算
出してよい。
𝜎= 𝑇𝐴௦⁄ ············································· (16.9.1)
ここに,
𝜎 :頂版の耐久性能の評価に用いる鉄筋の引張応力度(N/mm2)
𝑇 :引張応力の合力(N/m)
𝐴௦:単位幅あたりの引張鉄筋の断面積(mm2/m)
16.10 施工時の荷重
(1) ケーソン基礎の部材及び接合部は,完成後に橋脚躯体部又は橋台躯体
部から作用する荷重を確実に地盤に伝達できる構造とするほか,施工時
に作用する荷重に対しても安全であるようにしなければならない。
(2) ケーソン基礎の部材及び接合部の設計にあたっては,沈設時,打込み
時等の施工時に作用する荷重を適切に考慮して,必要な耐荷性能を確保
しなければならない。
724
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17 章 鋼管矢板基礎
17.1 適用の範囲
この章は,以下の1)から3)を満足する基礎構造(以下「鋼管矢板基礎」
という。)の設計に適用する。
1) 基礎部が,剛な頂版と閉鎖形状に設置された基礎部材(以下「鋼管
矢板」という。)で構成され,支持層に支持される構造
2) 鋼管矢板と頂版が剛結される構造
3) 基礎部の耐荷性能の評価においては,以下のみを基礎地盤部への荷
重伝達として考慮する。
ⅰ) 躯体構造からの鉛直荷重に対しては,基礎部底面の鉛直地盤反
力,基礎部外周面及び内周面の鉛直せん断地盤反力
ⅱ) 躯体構造からの水平荷重に対しては,基礎部底面の鉛直地盤反力
及びせん断地盤反力,基礎部前面の水平地盤反力,基礎部側面の水
平せん断地盤反力並びに外周面及び内周面の鉛直せん断地盤反力
17.2 設計の基本
17.2.1 一般
(1) 鋼管矢板基礎が,以下の(2)から(6)を満足する場合は,13.1.2 を満足
するとみなしてよい。
(2) 6.1(3)1)又は7.1(3)1)の支点反力支持機能及び支点位置保持機能の
評価点が以下を満足する。
1) 評価点の変位が,橋の機能に影響を与えない範囲にとどまる。
2) 評価点が,頂版と躯体部がその一部を共有する剛な部位,又は頂版
と躯体部の接合部近傍の剛な部位にある。
(3) 基礎構造を構成する部材等の状態が以下を満足する。
1) 基礎部を構成する部材等の状態は,17.2.3,17.2.4,17.2.5 の規定を
満足したうえで,17.5 の規定を満足する。
2) 基礎地盤部を構成する基礎地盤の状態は,17.2.3,17.2.4,17.2.5
を満足したうえで,17.6 の規定を満足する。
3) 基礎部の安定の状態は,鉛直荷重及び水平荷重に対する状態を考慮
725
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するものとし,17.2.3,17.2.4,17.2.5 の規定を満足したうえで,17.4
の規定を満足する。このとき,鉛直荷重の作用位置が基礎部軸線から
偏心する影響も適切に考慮する。
(4) 塑性変形能を考慮する場合の基礎構造の状態は,17.7 の規定を満足す
る。
(5) 鋼管矢板基礎の耐荷性能の評価の前提として,以下の1)及び2)を満
足する。
1) 施工時に作用する荷重に対して17.10 の規定を満足する。
2) 仮締切兼用方式の鋼管矢板基礎の場合,17.2.11 の規定を満足する。
(6) 基礎構造を構成する部材等は,以下の1)から6)を満足する。
1) 鋼管矢板基礎の形状寸法については,17.2.2 の規定による。
2) 鋼管矢板及び頂版については,17.2.6 から17.2.9 の規定による。
3) 頂版と鋼管矢板の接合部については,17.2.10 の規定による。
4) 鋼管矢板基礎の応答算出にあたっては,17.2.12 の規定による。
5) 構造細目は,17.3 の規定による。
6) 耐久性能については,17.9 の規定による。
(7) 17.8 の規定による場合は,(2)1)を満足するとみなしてよい。
17.2.2 形状寸法
基礎部の形状寸法は,躯体部の形状及び寸法,基礎部の安定並びに各部に
発生する応力のほか,施工も考慮した上で安全かつ確実にできる範囲のもの
でなければならない。
17.2.3 地盤反力係数
(1) 鋼管矢板基礎の状態の評価に用いる地盤反力係数は,基礎部底面の鉛
直方向地盤反力係数及び水平方向せん断地盤反力係数,前背面の鉛直方
向せん断地盤反力係数,前面の水平方向地盤反力係数並びに側面の鉛直
方向せん断地盤反力係数及び水平方向せん断地盤反力係数とする。
(2) 鋼管矢板基礎の耐荷性能の評価にあたって考慮する地盤反力係数を
推定式により求める場合には,1)から6)による。
1) 基礎部底面の鉛直方向地盤反力係数は,式(13.4.2)により求める。
ここで,基礎の施工方法の影響を考慮する係数𝜆は表-17.2.1 による。
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また,換算載荷幅は鋼管矢板1本の外径(m)とする。
2) 基礎部底面の水平方向せん断地盤反力係数は,式(16.2.1)により求
める。
3) 基礎部前背面の鉛直方向せん断地盤反力係数は,式(16.2.2)により
求める。
4) 基礎部前面の水平方向地盤反力係数は,式(13.4.2)により求める。
ここで,基礎の施工方法の影響を考慮する係数𝜆は表-17.2.1 による。
また,換算載荷幅は表-16.2.2 及び図-16.2.1 に示す基礎部前面の有効
載荷幅とする。
5) 基礎部側面の鉛直方向せん断地盤反力係数は,式(16.2.3)により求
める。ただし,基礎部側面の水平方向地盤反力係数を式(13.4.2) によ
り求める際の基礎の施工方法の影響を考慮する係数𝜆は表-17.2.1 によ
る。
6) 基礎部側面の水平方向せん断地盤反力係数は,式(16.2.4)により求
める。ただし,基礎部側面の水平方向地盤反力係数を式(13.4.2) によ
り求める際の基礎の施工方法の影響を考慮する係数𝜆は表-17.2.1 によ
る。
表-17.2.1 鋼管矢板基礎の施工方法の影響を考慮する係数𝜆
鉛直方向地盤反力係数𝑘 1.0
水平方向地盤反力係数𝑘ு, 𝑘ு 1.5
17.2.4 地盤反力度の上限値
(1) 鋼管矢板基礎の耐荷性能の評価にあたって考慮する地盤反力度の上限
値は,基礎部前背面の鉛直方向せん断地盤反力度,前面の水平地盤反力
度並びに側面の鉛直方向せん断地盤反力度及び水平方向せん断地盤反力
度とする。
(2)1) 基礎部前背面及び側面の鉛直方向せん断地盤反力度の上限値は式
(17.2.1)により,また,基礎部側面の水平方向せん断地盤反力度の上
限値は式(17.2.2)により求める。
ここに,
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砂質土地盤の場合
𝑓= min[5𝑁𝛾ଵ, (𝑐+ 𝑝tan 𝜙)] ≦100𝛾ଵ (打込み工法)
𝑓= min[2𝑁𝛾ଵ, (𝑐+ 𝑝tan 𝜙)] ≦100𝛾ଵ (中掘り工法)
粘性土地盤の場合 · (17.2.1)
𝑓= 𝑐+ 𝑝tan 𝜙≦70𝛾ଵ (打込み工法)
𝑓= 𝑐+ 𝑝tan 𝜙≦70𝛾ଵ (中掘り工法)
砂質土地盤の場合
𝑓= 𝑐+ 𝑝tan 𝜙≦200
粘性土地盤の場合 ························· (17.2.2)
𝑓= 𝑐+ 𝑝tan 𝜙≦150
ここに,𝑓 :基礎部前背面の鉛直方向せん断地盤反力度の上限値並
びに側面の鉛直方向せん断地盤反力度及び水平方向せ
ん断地盤反力度の上限値 (kN/m2)
𝑁 :標準貫入試験のN値
𝑐 :粘着力 (kN/m2)
𝑝:壁面に作用する静止土圧強度 (kN/m2)
𝜙 :せん断抵抗角(°)
𝛾ଵ:外壁鋼管矢板に沿った周長と外周包絡線長の比で,1.5
を標準とする。
2) 基礎部前面の水平地盤反力度の上限値は,式(16.2.7)により求める。
17.2.5 圧密沈下の影響
圧密沈下が生じると考えられる地盤中の鋼管矢板基礎は,負の周面摩擦力
等が鋼管矢板の支持力,鋼管矢板の応力度及び沈下に及ぼす影響を考慮し
て,必要な耐荷性能を有していなければならない。
17.2.6 鋼管矢板
鋼管矢板は,完成後に作用する荷重のほか,仮締切など施工時の荷重に対
して抵抗できる構造でなければならない。
728
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17.2.7 頂版
(1) 鋼管矢板基礎の頂版は,橋脚躯体部又は橋台躯体部から作用する荷重
を確実に鋼管矢板に伝達できる構造でなければならない。
(2) 鋼管矢板基礎の頂版は,鋼管矢板との接合状態を適切に考慮した条件
で安全なものでなければならない。
17.2.8 鋼管矢板の継手
鋼管矢板の継手は,断面の余裕,地盤の剛性変化及び腐食等の影響の受け
やすさの程度,施工時及び完成後に作用する荷重等を考慮して,所要の剛性
を有し,局所的な変形が生じにくい位置に設けられなければならない。
17.2.9 継手管部
継手管部は,施工時及び完成後に作用する荷重等を考慮したうえで,せん
断ずれに対する所要の抵抗特性を発揮できる強度,剛性及び形状を有するも
のでなければならない。
17.2.10 頂版と鋼管矢板の接合部
頂版と鋼管矢板の接合部は,鋼管矢板が限界状態3に達したときの作用力
を確実に伝達できるものでなければならない。
17.2.11 仮締切
(1) 仮締切兼用方式の鋼管矢板基礎における仮締切壁は,仮設時に作用す
る荷重に対して抵抗できる構造でなければならない。
(2) 仮締切兼用方式の鋼管矢板基礎は,仮締切時の残留応力等を考慮した
うえで必要な耐荷性能を有するものでなければならない。
17.2.12 応答算出
(1) 基礎構造の塑性変形能を考慮しない場合における鋼管矢板基礎の地盤
反力度,変位及び断面力は,荷重分担,地盤条件,構造条件及び施工方
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法等を適切に考慮して算出しなければならない。
(2) 1)及び2)による場合は,(1)を満足するとみなしてよい。
1) 基礎部は,頂版を剛体,鋼管矢板を弾性体とし,頂版と鋼管矢板を
剛結とし,かつ,鋼管矢板相互のせん断ずれに対する継手管部の剛性
を考慮してモデル化する。
2) 地盤抵抗は,17.2.3 に規定する地盤反力係数及び17.2.4 に規定す
る地盤反力度の上限値を用いて評価する。
(3) 基礎構造の塑性変形能を考慮する場合において,鋼管矢板基礎の地盤
反力度,変位及び断面力を算出するにあたっては,(1)に加えて,鋼管矢
板及び基礎地盤の非線形性を適切に考慮しなければならない。
(4) 1)及び2)による場合には,(3)を満足するとみなしてよい。
1) 鋼管矢板の継手管部のせん断ずれ特性は,継手管部の塑性化後の特
性を考慮してモデル化する。
2) 基礎部底面の鉛直方向の地盤抵抗特性は,ⅰ)の初期勾配及びⅱ)の
上限値からなるバイリニア型のモデルとする。
ⅰ) 初期勾配は,17.2.3(2)1)に従って設定する鋼管矢板底面の鉛直
方向地盤反力係数とする。
ⅱ) 上限値は,押込みに対しては式(17.4.1)における鋼管矢板先端の
極限支持力の特性値𝑞ௗ𝐴ଵ(kN)とする。また,引抜きに対しては零と
する。
17.3 構造細目
(1) 鋼管矢板は,JIS A 5530 の規格に適合するものを標準とする。
(2) 鋼管矢板の最小板厚は9mm とする。
(3) 鋼管矢板の現場継手は,所要の強度,剛性及び形状を有し,施工性を
考慮した構造としなければならない。
(4) 鋼管矢板の打設時に鋼管矢板に変形を生じるおそれがあると判断さ
れる場合には,補強を行わなければならない。
(5)1) 仮締切兼用方式の鋼管矢板基礎における鋼管矢板と頂版の接合部
は,局部的な変形が生じないような構造にしなければならない。
2) 頂版との接合部付近の鋼管矢板内に中詰めコンクリートを打設し補
強を行う場合には,1)を満足するとみなしてよい。
(6) 鋼管矢板基礎の継手管部は,基礎部の剛性を高めるために継手管の内
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部の土砂を排土した後,モルタルを充てんすることを原則とする。
(7) 鋼管矢板をスタッド方式で頂版に連結する場合には,スタッド溶接さ
れる部分の鋼管矢板にSKY490 を用いることを原則とする。
17.4 基礎部の安定に関する限界状態
17.4.1 基礎部の支持の限界状態1
鋼管矢板基礎が15.4.1(2)を満足する場合には,鉛直荷重に対する支持の
限界状態1を超えないとみなしてよい。ただし,地盤から決まる鋼管矢板の
極限支持力の特性値を推定式から算出する場合には,式(17.4.1)による。
ଵ
𝑅௨= 𝑞ௗ𝐴ଵ+ భାమାయ൫𝑈ଵ∑𝐿𝑓+ 𝑈ଶ∑𝐿𝑓൯ ···················· (17.4.1)
ここに,𝑅௨:地盤から決まる鋼管矢板又は中打ち単独杭1本あたりの極限
支持力の特性値(kN/本)
𝑞ௗ :鋼管矢板又は中打ち単独杭先端の極限支持力度の特性値
(kN/m2)で,表-15.4.2 による。
𝐴ଵ :鋼管矢板又は中打ち単独杭1本の先端面積 (m2)
𝑛ଵ :外壁鋼管矢板の本数(本)
𝑛ଶ :隔壁鋼管矢板の本数(本)
𝑛ଷ :中打ち単独杭の本数(本)
𝑈ଵ :外周を包絡する線の周長 (m)
𝑈ଶ :内周を包絡する線の周長及び中打ち単独杭の周長の総計 (m)
𝐿 :井筒部外周面の周面摩擦力を考慮する𝑖層の層厚 (m)
𝐿 :井筒部内周面の周面摩擦力を考慮する𝑗層の層厚 (m)で,底面
から内部土短辺長L0の範囲を考慮する。
𝑓 :井筒部外周面の周面摩擦力を考慮する𝑖層の最大周面摩擦力
度の特性値 (kN/m2)
𝑓 :井筒部内周面の周面摩擦力を考慮する𝑗層の最大周面摩擦力
度の特性値 (kN/m2)
17.4.2 鋼管矢板の軸方向引抜き力に対する抵抗の限界状態1
鋼管矢板基礎が,15.4.2(2)を満足する場合には,鋼管矢板の軸方向引抜
き力に対する抵抗の限界状態1を超えないとみなしてよい。ただし,地盤か
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ら決まる鋼管矢板の極限引抜き抵抗力の特性値を推定式から算出する場合
には,式(17.4.2)による。
ଵ
𝑃௨= భାమାయ൫𝑈ଵ∑𝐿𝑓+ 𝑈ଶ∑𝐿𝑓൯ ·························· (17.4.2)
ここに,𝑃௨ :基礎地盤から決まる鋼管矢板又は中打ち単独杭1本あたりの
極限引抜き抵抗力の特性値(kN/本)
𝑛ଵ:外壁鋼管矢板の本数(本)
𝑛ଶ:隔壁鋼管矢板の本数(本)
𝑛ଷ:中打ち単独杭の本数(本)
𝑈ଵ:外周を包絡する線の周長 (m)
𝑈ଶ:内周を包絡する線の周長及び中打ち単独杭の周長の総計 (m)
𝐿 :井筒部外周面の周面摩擦力を考慮する𝑖層の層厚 (m)
𝐿 :井筒部内周面の周面摩擦力を考慮する𝑗層の層厚 (m)で,底面
から内部土短辺長𝐿の範囲を考慮する。
𝑓 :井筒部外周面の周面摩擦力を考慮する𝑖層の最大周面摩擦力
度の特性値 (kN/m2)
𝑓 :井筒部内周面の周面摩擦力を考慮する𝑗層の最大周面摩擦力度
の特性値(kN/m2)
17.4.3 水平荷重に対する抵抗の限界状態1
鋼管矢板基礎が,16.4.2(2)を満足する場合には,水平荷重に対する抵抗
の限界状態1を超えないとみなしてよい。
17.4.4 基礎部の支持の限界状態3
鋼管矢板基礎が,地盤から決まる鋼管矢板の降伏支持力を15.4.1(3)2)に
従って設定したうえで17.4.1 の規定を満足する場合には,鉛直荷重に対す
る支持の限界状態3を超えないとみなしてよい。
17.4.5 鋼管矢板の軸方向引抜き力に対する抵抗の限界状態3
鋼管矢板基礎が,地盤から決まる鋼管矢板の降伏引抜き抵抗力の特性値を
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15.4.2(3)2)に従って設定したうえで17.4.2 の規定を満足する場合には,鋼
管矢板の軸方向引抜き力に対する抵抗の限界状態3を超えないとみなして
よい。
17.4.6 水平荷重に対する抵抗の限界状態3
鋼管矢板基礎が,17.4.3 を満足する場合には,水平荷重に対する抵抗の
限界状態3を超えないとみなしてよい。
17.5 基礎部の強度に関する限界状態
17.5.1 基礎部の強度の限界状態1
基礎部を構成する全ての部材が3.6.2 に規定する限界状態1を超えない
場合は,基礎部の限界状態1を超えないとみなしてよい。
17.5.2 基礎部の強度の限界状態3
基礎部を構成する全ての部材が3.6.2 に規定する限界状態3を超えない
場合は,基礎部の限界状態3を超えないとみなしてよい。
17.5.3 鋼管矢板の限界状態
(1) 鋼管矢板の限界状態は,15.5.2.1 の規定に準じる。ただし,鋼管矢板
の引張応力度及び圧縮応力度の制限値は(2),せん断応力度の制限値は
(3)による。
(2) 鋼管矢板の引張応力度及び圧縮応力度の制限値は,式(15.5.1)によ
り求める。ただし,以下の1)及び2)による。
1) 調査・解析係数は,表-15.5.1 によらず0.90 とする。
2) 鋼管矢板の降伏強度の特性値は,SKY400 の場合は235N/mm2,SKY490
の場合は315N/mm2 とする。
(3) 鋼管矢板のせん断応力度の制限値は,SKY400の場合は120N/mm2,SKY490
の場合は160N/mm2 とする。
733
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17.6 基礎地盤の強度に関する限界状態
17.6.1 基礎地盤の強度の限界状態1
鋼管矢板基礎が,17.4.1 から17.4.3 の規定を満足する場合には,基礎地
盤の強度の限界状態1を超えないとみなしてよい。
17.6.2 基礎地盤の強度の限界状態3
鋼管矢板基礎が,17.4.4 から17.4.6 の規定を満足する場合には,基礎地
盤の強度の限界状態3を超えないとみなしてよい。
17.7 塑性変形能を考慮する場合の鋼管矢板基礎の限界状態
17.7.1 鋼管矢板基礎の限界状態1
(1) 塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の鋼管矢板基礎
は,17.2.12 の規定に従って算出される基礎部の応答変位が,鋼管矢板
基礎の降伏変位の制限値を超えない場合には,鋼管矢板基礎の限界状態
1を超えないとみなしてよい。
(2) 鋼管矢板基礎の降伏変位の制限値は,(3)に規定する鋼管矢板基礎の降
伏に達するときの変位としてよい。
(3) 鋼管矢板基礎の降伏は,基礎部材の塑性化,基礎地盤の塑性化又は基
礎部の浮上りにより,上部構造の慣性力の影響を考慮する位置での水平
変位が急増し始めるときとする。
17.7.2 鋼管矢板基礎の限界状態2
(1) 塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の鋼管矢板基礎
は,基礎部の応答塑性率及び応答変位が,(2)及び(3)に規定する塑性率
の制限値及び変位の制限値を超えない場合には,鋼管矢板基礎の限界状
態2を超えないとみなしてよい。
(2) 鋼管矢板基礎の塑性率の制限値及び変位の制限値は,鋼管矢板基礎と
しての耐荷力や変形能が安定して得られるとともに,支点反力支持機能
系統及び支点位置保持機能系統としての機能を満たす範囲で定める。
(3) 橋脚基礎部において,Ⅰ編8.19.14 に規定する流動化の影響を考慮す
る場合の変位の制限値は,基礎の降伏に達するときの基礎部天端におけ
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る水平変位の2倍とする。このとき,橋脚基礎部の状態の評価にあたっ
ては,地盤の流動力を考慮する必要がある範囲内の土層の水平抵抗を考
慮してはならない。
17.7.3 鋼管矢板基礎の限界状態3
塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の鋼管矢板基礎は,
17.7.1 又は17.7.2 を満足する場合は,鋼管矢板基礎の限界状態3を超えな
いとみなしてよい。
17.8 基礎の変位の制限
鋼管矢板基礎は,15.8(2)及び(3)並びに16.8(3)の規定を満足しなければ
ならない。ただし,地盤から決まる鋼管矢板の極限支持力の特性値を推定式
から算出する場合には,式(17.4.1)により求める。
17.9 鋼管矢板基礎の耐久性能
17.9.1 一般
鋼管矢板基礎の耐久性能は22 章の規定によるほか,17.9.2 及び17.9.3
によらなければならない。
17.9.2 防食
鋼管矢板は,1)及び2)による場合には,腐食に対して部材の耐久性能を
有しているとみなしてよい。
1) 鋼管矢板各部の厚さは,設計上必要な厚さに腐食による減厚を加え
たものとする。
2) 鋼管矢板の腐食減厚は,鋼管矢板が土又は水に接する鋼管外面につ
いて考慮することを標準とする。
17.9.3 疲労
鋼管矢板が,17.2.6,17.3 及び17.5 の規定を満足する場合には,疲労に
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対して部材の耐久性能を満足するとみなしてよい。
17.10 施工時の荷重
鋼管矢板基礎の部材及び接合部の設計にあたっては,完成時に所要の性能
が得られるだけでなく,施工時の安全性が確保できるよう,仮締切時等,施
工時に作用する荷重を適切に考慮しなければならない。
18 章 地中連続壁基礎
18.1 適用の範囲
この章は,以下の1)から3)を満足する基礎構造(以下「地中連続壁基礎」
という。)の設計に適用する。
1) 基礎部が,剛な頂版と継手を用いて連結された連壁材(以下「エレ
メント」という。)による閉断面となる地中連続壁で構成され,支持層
に支持される構造
2) 地中連続壁と頂版が剛結される構造
3) 基礎部の耐荷性能の評価においては,以下のみを基礎地盤部への荷
重伝達として考慮する。
ⅰ) 躯体構造からの鉛直荷重に対しては,基礎部底面の鉛直地盤反
力,基礎部外周面及び内周面の鉛直地盤反力
ⅱ) 躯体構造からの水平荷重に対しては,基礎部底面の鉛直地盤反力
とせん断地盤反力,基礎部前面の水平地盤反力,基礎部側面の水平
せん断地盤反力,基礎部外周面と内周面の鉛直せん断地盤反力
18.2 設計の基本
18.2.1 一般
(1) 地中連続壁基礎が,以下の(2)から(5)を満足する場合,13.1.2 を満足
するとみなしてよい。
(2) 6.1(3)1)又は7.1(3)1)の支点反力支持機能及び支点位置保持機能の
評価点が以下を満足する。
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1) 評価点の変位が,橋の機能に影響を与えない範囲にとどまる。
2) 評価点が,頂版と躯体部がその一部を共有する剛な部位,又は頂版と
躯体部の接合部近傍の剛な部位にある。
(3) 基礎構造を構成する部材等の状態が以下を満足する。
1) 基礎部を構成する部材等の状態は,18.2.3,18.2.4,18.2.5 の規定
を満足したうえで18.5 の規定を満足する。
2) 基礎地盤部を構成する基礎地盤の状態は,18.2.3,18.2.4,18.2.5
の規定を満足したうえで18.6 の規定を満足する。
3) 基礎部の安定の状態は,鉛直荷重及び水平荷重に対する状態を考慮
するものとし,18.2.3,18.2.4,18.2.5 の規定を満足したうえで18.4
の規定を満足する。このとき,鉛直荷重の作用位置が基礎部軸線から
偏心する影響も適切に考慮する。
(4) 塑性変形能を考慮する場合の基礎構造の限界状態は,18.7 の規定を満
足する。
(5) 基礎構造を構成する部材等は,以下の1)から6)を満足する。
1) 地中連続壁基礎の形状寸法及び継手については,18.2.2 の規定によ
る。
2) 地中連続壁及び頂版については,18.2.6 及び18.2.7 の規定による。
3) 地中連続壁と頂版の接合部については,18.2.8 の規定による。
4) 地中連続壁基礎の応答算出にあたっては,18.2.9 の規定による。
5) 構造細目は,18.3 の規定による。
6) 耐久性能については,18.9 の規定による。
(6) 18.8 の規定による場合は,(2)1)を満足するとみなしてよい。
18.2.2 形状寸法及び継手
基礎部の形状寸法及び継手は,躯体部の形状及び寸法,基礎部の安定並び
に各部に発生する応力のほか,施工も考慮した上で安全かつ確実にできる
範囲のものでなければならない。
18.2.3 地盤反力係数
(1) 地中連続壁基礎の耐荷性能の評価にあたって考慮する地盤反力係数
は,基礎部底面の鉛直方向地盤反力係数及び水平方向せん断地盤反力係
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数,前背面の鉛直方向せん断地盤反力係数,前面の水平方向地盤反力係
数並びに側面の鉛直方向せん断地盤反力係数及び水平方向せん断地盤
反力係数とする。
(2) 地中連続壁基礎の耐荷性能の評価にあたって考慮する地盤反力係数
を推定式により求める場合には1)から6)による。
1) 基礎部底面の鉛直方向地盤反力係数は,式(13.4.2)により求める。
ここで,基礎の施工方法の影響を考慮する係数 は1.0,換算載荷幅は
√𝐴とする。ここに,𝐴は基礎部の底面積(m2)で,内部土は含まないもの
とする。
2) 基礎部底面の水平方向せん断地盤反力係数は,式(16.2.1)により求
める。
3) 基礎部前背面の鉛直方向せん断地盤反力係数は,式(16.2.2)により
求める。
4) 基礎部前面の水平方向地盤反力係数は,式(13.4.2)により求める。
ここで,基礎の施工方法の影響を考慮する係数は1.5,換算載荷幅は
表-16.2.2 及び図-16.2.1 に示す基礎部前面の有効載荷幅とする。
5) 基礎部側面の鉛直方向せん断地盤反力係数は,式(16.2.3)により求
める。ただし,基礎部側面の水平方向地盤反力係数を式(13.4.2)によ
り求める際の基礎の施工方法の影響を考慮する係数は1.5 とする。
6) 基礎部側面の水平方向せん断地盤反力係数は,式(16.2.4)により求
める。ただし,基礎部側面の水平方向地盤反力係数を式(13.4.2)によ
り求める際の基礎の施工方法の影響を考慮する係数は1.5 とする。
18.2.4 地盤反力度の上限値
(1) 地中連続壁基礎の耐荷性能の評価にあたって考慮する地盤反力度の
上限値は,基礎部底面の水平方向せん断地盤反力度,前背面の鉛直方向
せん断地盤反力度,前面の水平地盤反力度並びに側面の鉛直方向せん断
地盤反力度及び水平方向せん断地盤反力度とする。
(2)1) 基礎部底面の水平方向せん断地盤反力度の上限値は,式(18.2.1)に
より求める。
ଵ
𝑝௦௨= 𝑐+ 𝑝tan 𝜙+ (𝐴ூ𝑐+ 𝑊௦ᇱtan 𝜙) ······················ (18.2.1)
ここに,𝑝௦௨:基礎部底面の水平方向せん断地盤反力度の上限値
738
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(kN/m2)
𝑐:基礎部底面と基礎地盤との間の付着力 (kN/m2)
𝑝:基礎部底面の鉛直地盤反力度 (kN/m2)
𝜙:基礎部底面と基礎地盤との間の摩擦角 (°)
𝐴:基礎部底面の有効載荷面積 (m2)で,内部土は含まな
い。
𝐴ூ:基礎部の内部土の底面積 (m2)
𝑐:基礎部底面の基礎地盤の粘着力 (kN/m2)
𝑊௦ᇱ:基礎部底面から上の内部土の有効重量 (kN)
𝜙:基礎部底面の基礎地盤のせん断抵抗角 (°)
2) 基礎部前背面の鉛直方向せん断地盤反力度の上限値並びに側面の鉛
直方向せん断地盤反力度及び水平方向せん断地盤反力度の上限値は,
式(18.2.2)により求める。ただし,鋼製のエレメント間の継手部の位
置における鉛直方向せん断地盤反力度及び水平方向せん断地盤反力度
の上限値は式(18.2.2)により算出される値の1/2 とする。
砂質土地盤の場合 𝑓= min [5𝑁, (𝑐+ 𝑝tan 𝜙)] ≦120 (18.2.2)
粘性土地盤の場合 𝑓= 𝑐+ 𝑝tan 𝜙≦100
ここに,
𝑓: 基礎部前背面の鉛直方向せん断地盤反力度の上限値並
びに側面の鉛直方向せん断地盤反力度及び水平方向せ
ん断地盤反力度の上限値(kN/m2)
𝑁: 標準貫入試験のN値
𝑐: 粘着力 (kN/m2)
𝑝: 壁面に作用する静止土圧強度 (kN/m2)
𝜙: せん断抵抗角 (°)
3) 基礎部前面の水平地盤反力度の上限値は,式(16.2.7)により求める。
18.2.5 圧密沈下の影響
圧密沈下が生じると考えられる地盤中の地中連続壁基礎は,負の周面摩
擦力等が地中連続壁の支持力,地中連続壁の応力度及び沈下に及ぼす影響
を考慮して,必要な耐荷性能を有していなければならない。
739
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18.2.6 地中連続壁
(1) 地中連続壁は,エレメント間の継手の構造上の特性を適切に考慮した
うえで,完成後の荷重に対して抵抗できる構造としなければならない。
(2) 水中で施工する地中連続壁の呼び強度と設計基準強度の関係は,表-
15.2.5 に従って定める。
(3) Ⅲ編式(5.2.1)により重ね継手長を算出する際に用いるコンクリート
の付着応力度は,Ⅲ編表-5.2.4 によらず,表-15.2.5 による。
18.2.7 頂版
(1) 地中連続壁基礎の頂版は,橋脚躯体部又は橋台躯体部から作用する荷
重を確実に地中連続壁に伝達できる構造でなければならない。
(2) 地中連続壁基礎の頂版は,地中連続壁との接合状態を適切に考慮した
条件で安全なものでなければならない。
18.2.8 地中連続壁と頂版の接合部
(1) 地中連続壁と頂版の接合部は,地中連続壁が限界状態3に達したとき
の作用力を確実に伝達できるものでなければならない。
(2) 18.3.2 の規定に従う場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
18.2.9 応答算出
(1) 基礎構造の塑性変形能を考慮しない場合における地中連続壁基礎の地
盤反力度,変位及び断面力は,荷重分担,地盤条件,構造条件及び施工
方法等を適切に考慮して算出しなければならない。
(2) 1)及び2)による場合は,(1)を満足するとみなしてよい。
1) 基礎部は,頂版を剛体,地中連続壁を弾性体として扱う。
2) 地盤抵抗は,18.2.3 に規定する地盤反力係数及び18.2.4 に規定す
る地盤反力度の上限値を用いて評価する。
(3) 基礎構造の塑性変形能を考慮する場合において,地中連続壁基礎の地
盤反力度,変位及び断面力を算出するにあたっては,(1)に加えて,地中
連続壁及び基礎地盤の非線形性を適切に考慮しなければならない。
(4) 基礎部底面の地盤抵抗特性は,1)の初期勾配及び2)の上限値からなるバ
740
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イリニア型のモデルとするとする場合は,(3)を満足するとみなしてよい。
1) 初期勾配は,18.2.3 に従って設定する基礎部底面の鉛直方向地盤反
力係数とする。
2) 上限値は,18.4.1(2)2)に従って設定する基礎部底面での基礎地盤の
極限鉛直支持力度の特性値とする。
18.3 構造細目
18.3.1 エレメント間の継手
(1) エレメント間の継手は,曲げモーメント,せん断力及び軸力を伝達で
きる構造でなければならない。
(2) 1)から5)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
1) エレメント間の継手は,剛結継手とする。
2) 剛結継手の水平鉄筋を重ね継手により継ぐ場合には,重ね継手長は
鉄筋直径の40 倍以上とする。
3) 水平鉄筋は接合鋼板を貫通して定着させる。
4) エレメント間のコンクリートは,接合鋼板を介して打継ぐ。
5) 継手部には,シアコネクタを配置する。
18.3.2 地中連続壁と頂版の接合部
地中連続壁の鉛直鉄筋の端部は,頂版コンクリート中に十分埋込んで定
着されていなければならない。
18.3.3 壁厚
(1) 地中連続壁の設計壁厚は,施工方法及び条件,地盤条件,継手構造及
び位置等を考慮して適切に設定しなければならない。
(2) 設計壁厚の設定にあたっては,少なくとも以下の1)及び2)を考慮し
なければならない。
1) 地中連続壁基礎の安定計算は,設計壁厚を用いる。
2) 地中連続壁の断面計算は,安定液の混入による影響を考慮して,設
計壁厚の外縁から片側20mm ずつ減じた有効壁厚を用いる。
741
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18.3.4 鉄筋の配置
(1) 地中連続壁の鉄筋のかぶりは,溝壁の凹凸,鉄筋かごの建込み,水中
又は土中で施工する場合においてのコンクリートの締固めの困難さや
施工精度等を考慮して,耐荷性能の前提として必要な厚さでなければな
らない。
(2) 地中連続壁の鉄筋のかぶりを有効壁厚の外縁から130mm 以上とする場
合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 側壁のぜい性的な破壊を防ぐために,側壁には十分な横拘束鉄筋を配
置しなければならない。
18.3.5 鉛直鉄筋の継手
(1) 鉛直鉄筋の継手方法は,施工性を考慮して選定しなければならない。
(2) 鉛直鉄筋の継手位置は,設計上の断面力分布,地盤の剛性変化,施工
時及び完成後に作用する荷重,施工性等を考慮して,所要の剛性を有し,
局所的な変形が生じにくい位置に設けなければならない。
18.4 基礎部の安定に関する限界状態
18.4.1 基礎部の支持の限界状態1
(1) 地中連続壁基礎が(2)を満足する場合には,鉛直荷重に対する支持の
限界状態1を超えないとみなしてよい。
(2)1) 地中連続壁の底面での鉛直地盤反力度が式(18.4.1)により算出さ
れる地中連続壁の底面での基礎地盤の鉛直支持力度の制限値を超え
ない。
𝑞௬ௗ= ξଵΦ(𝑞௬−𝑊௦/𝐴) + 𝑊௦/𝐴 ······················· (18.4.1)
ここに,
𝑞௬ௗ:地中連続壁の底面での基礎地盤の鉛直支持力度の制限値
(kN/m2)
ξଵ:調査・解析係数で,表-18.4.1 に示す値とする。
Φ:抵抗係数で,表-18.4.1 に示す値とする。
𝑞௬:地中連続壁の底面での基礎地盤の降伏鉛直支持力度の特性値
(kN/m2)で,極限鉛直支持力度の特性値に0.65 を乗じた値とする。
742
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𝑊௦:地中連続壁で置換えられる部分の土の有効重量 (kN)
𝐴:基礎部の底面積(m2)で,内部土は含まないものとする。
表-18.4.1 調査・解析係数及び抵抗係数
ξଵ Φ
0.90 0.90
2) 地中連続壁の底面での基礎地盤の極限鉛直支持力度の特性値は,地
盤条件,構造条件及び沈下量等を考慮して設定しなければならない。
3) 地中連続壁の底面での基礎地盤の極限鉛直支持力度の特性値を表-
18.4.2 により求める場合には,2)を満足するとみなしてよい。
表-18.4.2 地中連続壁の底面での基礎地盤の極限鉛直支持力度の特性値(kN/m2)
地盤の種類 極限鉛直支持力度の特性値
粘性土 110 N (≦ 3,300)
砂 110 N (≦ 3,300)
砂れき 200 N (≦10,000)
ここに,N:標準貫入試験のN値
18.4.2 水平荷重に対する抵抗の限界状態1
地中連続壁基礎が,16.4.2(2)を満足する場合には,水平荷重に対する抵
抗の限界状態1を超えないとみなしてよい。
18.4.3 基礎部の支持の限界状態3
地中連続壁基礎が,18.4.1 の規定を満足する場合には,鉛直荷重に対す
る支持の限界状態3を超えないとみなしてよい。
18.4.4 水平荷重に対する抵抗の限界状態3
地中連続壁基礎が,18.4.2 の規定を満足する場合には,水平荷重に対す
る抵抗の限界状態3を超えないとみなしてよい。
743
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18.5 基礎部の強度に関する限界状態
18.5.1 基礎部の強度の限界状態1
基礎部を構成する全ての部材が3.6.2 に規定する限界状態1を超えない
場合は,基礎部の限界状態1を超えないとみなしてよい。
18.5.2 基礎部の強度の限界状態3
基礎部を構成する全ての部材が3.6.2 に規定する限界状態3を超えない
場合は,基礎部の限界状態3を超えないとみなしてよい。
18.6 基礎地盤の強度に関する限界状態
18.6.1 基礎地盤の強度の限界状態1
地中連続壁基礎が,18.4.1 及び18.4.2 の規定を満足する場合には,基礎
地盤の強度の限界状態1を超えないとみなしてよい。
18.6.2 基礎地盤の強度の限界状態3
地中連続壁基礎が,18.4.3 及び18.4.4 の規定を満足する場合には,基礎
地盤の強度の限界状態3を超えないとみなしてよい。
18.7 塑性変形能を考慮する場合の地中連続壁基礎の限界状態
18.7.1 地中連続壁基礎の限界状態1
(1) 塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の地中連続壁基
礎は,18.2.9 の規定に従って算出される基礎構造の応答変位が,地中連
続壁の降伏変位の制限値を超えない場合には,地中連続壁基礎の限界状
態1を超えないとみなしてよい。
(2) 地中連続壁基礎の降伏変位の制限値は,(3)に規定する地中連続壁基
礎の降伏に達するときの変位としてよい。
(3) 地中連続壁基礎の降伏は,基礎部材の塑性化,基礎地盤の塑性化又は
基礎部の浮上りにより,上部構造の慣性力の影響を考慮する位置での水
平変位が急増し始めるときとする。
744
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18.7.2 地中連続壁基礎の限界状態2
(1) 塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の地中連続壁基
礎は,基礎構造の応答塑性率及び応答変位が,(2)及び(3)に規定する塑
性率の制限値及び変位の制限値を超えない場合には,地中連続壁基礎の
限界状態2を超えないとみなしてよい。
(2) 地中連続壁基礎の塑性率の制限値及び変位の制限値は,地中連続壁基
礎としての耐荷力や変形能が安定して得られるとともに,支点反力支持
機能系統及び支点位置保持機能系統としての機能を満たす範囲で定め
る。
(3) 橋脚基礎部において,Ⅰ編8.19.14 に規定する流動化の影響を考慮す
る場合の限界状態2に対する変位の制限値は,基礎の降伏に達するとき
の基礎部天端における水平変位の2倍とする。このとき,限界状態に対
応する橋脚基礎構造の状態の評価にあたっては,地盤の流動力を考慮す
る必要がある範囲内の土層の水平抵抗を考慮してはならない。
18.7.3 地中連続壁基礎の限界状態3
塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の地中連続壁基礎
は,18.7.1 又は18.7.2 を満足する場合は,地中連続壁基礎の限界状態3を
超えないとみなしてよい。
18.8 基礎の変位の制限
(1) 基礎部及び基礎地盤は,以下の作用の組合せに対して(2)及び(3)を満
足しなければならない。
1) 1.00(D+L+PS+CR+SH+E+HP+(U))
2) I 編3.3 に規定する①の作用の組合せ
(2) 基礎部底面での鉛直地盤反力度が式(18.8.1)により算出される鉛直
地盤反力度の制限値を超えない。
𝑞𝑑𝑝= 𝜆𝑠(𝑞௬−𝑊௦/𝐴) + 𝑊௦/𝐴 ····························· (18.8.1)
ここに,
𝑞𝑑𝑝:基礎の変位を抑制するための基礎部底面での鉛直地盤反力度の
制限値(kN/m2)
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𝜆𝑠:沈下量を抑制するための係数で,0.55 とする。
𝑞𝑦:基礎部底面での基礎地盤の降伏鉛直支持力度の特性値(kN/m2)
で,18.4.1 に規定する極限鉛直支持力度の特性値に0.65 を乗
じた値とする。
𝑊௦:地中連続壁で置換えられる部分の土の有効重量 (kN)
𝐴 :基礎部の底面積(m2)で,内部土は含まないものとする。
(3) 設計上の地盤面位置における地中連続壁基礎の水平変位について
16.8(3)を満足する。
18.9 地中連続壁基礎の耐久性能
18.9.1 一般
地中連続壁基礎の耐久性能は22 章の規定によるほか,18.9.2 によらなけ
ればならない。
18.9.2 防食
地中連続壁の鉄筋のかぶりを18.3.4(2)による場合は,内部鋼材の腐食に
対する部材の耐久性能を確保しているとみなしてよい。
19 章 深礎基礎
19.1 適用の範囲
この章は,以下の1)から5)を満足する基礎構造(以下「深礎基礎」とい
う。)の設計に適用する。
1) 以下のi)又はⅱ)のいずれかの基礎部を有する。
ⅰ) 基礎部が,剛なフーチングと複数の深礎杭で構成され,支持層に
支持される構造(以下「組杭深礎基礎」という。)
ⅱ) 基礎部が,1本の深礎杭及び深礎杭の頂部に剛な部位を設け,支
持層に支持される構造(以下「柱状体深礎基礎」という。)
2) 組杭深礎基礎の場合,フーチングと深礎杭は剛結される構造
3) 基礎部の耐荷性能の評価においては,以下のみを基礎地盤部への荷
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重伝達として考慮する。
ⅰ) 躯体構造からの鉛直荷重に対しては,原則として深礎杭底面の鉛
直地盤反力
ⅱ) 躯体構造からの水平荷重に対しては,深礎杭底面の鉛直地盤反力
とせん断地盤反力,深礎杭前面の水平地盤反力
ⅲ) 自立性の高い地山で基礎部周面のせん断地盤抵抗を期待できる
土留め構造を用いる場合には,ⅰ)又はⅱ)に加えて基礎側面の水平
せん断地盤反力及び周面の鉛直せん断地盤反力を考慮してよい。
4) 深礎杭前面の水平地盤反力には斜面の影響を考慮する。
5) 施工時の仮設材は,基礎部材として考慮しない。
19.2 設計の基本
19.2.1 一般
(1) 深礎基礎が,以下の(2)から(5)を満足する場合は,13.1.2 を満足する
とみなしてよい。
(2) 6.1(3)1)又は7.1(3)1)の支点反力支持機能及び支点位置保持機能の
評価点が以下を満足する。
1) 評価点の変位が,橋の機能に影響を与えない範囲にとどまる。
2) 評価点が,フーチング若しくは柱状体深礎基礎の頂部と躯体部がそ
の一部を共有する剛な部位,又はフーチング若しくは柱状体深礎基礎
の頂部と躯体部の接合部近傍の剛な部位にある。
(3) 基礎構造を構成する部材等の状態が以下を満足する。
1) 基礎部を構成する部材等の状態は,19.2.3,19.2.4 の規定を満足し
たうえで19.5 の規定を満足する。
2) 基礎地盤部を構成する基礎地盤の状態は,19.2.3,19.2.4 の規定を
満足したうえで19.6 の規定を満足する。
3) 基礎部の安定の状態は,鉛直荷重及び水平荷重に対する状態を考慮
するものとし,19.2.3,19.2.4 の規定を満足したうえで19.4 の規定
を満足する。このとき,鉛直荷重の作用位置が基礎部軸線から偏心す
る影響も適切に考慮する。
(4) 塑性変形能を考慮する場合の基礎構造の状態は,19.7 の規定を満足す
る。
(5) 深礎基礎の耐荷性能の評価の前提として,深礎基礎の土留め構造は,
747
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19.2.7 の規定を満足する。
(6) 基礎構造を構成する部材等が,以下の1)から6)を満足する。
1) 深礎基礎の形状寸法及び配列については,19.2.2 の規定による。
2) 組杭深礎基礎の杭とフーチングの接合部については,19.2.5 の規定
による。
3) 柱状体深礎基礎の躯体部と基礎部の接合部については,19.2.6 の規
定による。
4) 深礎基礎の応答算出にあたっては,19.2.8 の規定による。
5) 構造細目は,19.3 の規定による。
6) 耐久性能については,19.9 の規定による。
(7) 19.8 の規定による場合は,(2)1)を満足するとみなしてよい。
19.2.2 形状寸法及び配列
(1) 深礎基礎の形状寸法は,橋脚躯体部又は橋台躯体部の形状及び寸法の
ほか,斜面の影響,施工条件も考慮したうえで,基礎構造の安定及び部
材の耐荷性能を確保できるものでなければならない。
(2) 組杭深礎基礎の配列は,深礎杭の寸法や本数,斜面の影響及び施工条
件等を考慮し,少なくとも永続作用支配状況において過度に特定の深礎
杭に荷重が集中せず,できる限り均等に荷重を受けることができるもの
でなければならない。
19.2.3 地盤反力係数
(1) 深礎基礎の耐荷性能の評価にあたって考慮する地盤反力係数は,基礎
部底面の鉛直方向地盤反力係数及び水平方向せん断地盤反力係数並び
に前面の水平方向地盤反力係数とする。ただし,19.1 3)ⅲ)に規定する
土留め構造を用いる場合には,基礎部前背面の鉛直方向せん断地盤反力
係数並びに基礎部側面の鉛直方向せん断地盤反力係数及び水平方向せ
ん断地盤反力係数も用いる。
(2) 深礎基礎の耐荷性能の評価にあたって考慮する地盤反力係数を推定
式により求める場合には1)から6)による。
1) 基礎部底面の鉛直方向地盤反力係数は,式(13.4.2)により求める。
ここで,基礎の施工方法の影響を考慮する係数 は1.0,換算載荷幅は
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√𝐴とする。ここに,𝐴は基礎部の底面積 (m2)である。
2) 基礎部底面の水平方向せん断地盤反力係数は,式(16.2.1)により求
める。
3)ⅰ) 柱状体深礎基礎の基礎部前面の水平方向地盤反力係数は,式
(19.2.1)により求める。
𝑘ுఏఓ= 𝛼ுఏ𝑘ு ···································· (19.2.1)
ここに,
𝑘ுఏఓ:斜面及び隣接杭の影響を考慮した基礎部前面の水平方向
地盤反力係数 (kN/m3)
𝑘ு :水平方向地盤反力係数(kN/m3)で,式(13.4.2)により求め
る。ここで,基礎の施工方法の影響を考慮する係数は1.5,
換算載荷幅は表-16.2.2 及び図-16.2.1 に示す基礎部前面
の有効載荷幅とする。
𝛼ுఏ :斜面の影響による水平方向地盤反力係数に関する補正係
数で,式(19.2.2)により求める。
𝛼ுఏ= 0 (0 ≦𝛼ு< 0.5)
𝛼ுఏ= 0.3 logଵ𝛼ு+ 0.7 (0.5 ≦𝛼ு< 10) ········ (19.2.2)
𝛼ுఏ= 1.0 (10 ≦𝛼ு)
ここに,
𝛼ு:斜面までの水平土かぶり(m)と基礎径D(m)の比
ⅱ) 組杭深礎基礎の基礎部前面の水平方向地盤反力係数は,式
(19.2.1)に,式(19.2.3)により算出される隣接杭の影響による補正
係数を乗じて求める。
𝜇= ଵටቀభ+ 1ቁቀమ+ 1ቁ (𝑃ଵ𝐷≦5⁄ かつ𝑃ଶ𝐷≦5⁄ ) ··· (19.2.3)
ここに,
𝜇 :隣接杭の影響による補正係数
𝑃ଵ:荷重直角方向に隣接する深礎杭の中心間隔 (m)
𝑃ଶ:荷重方向に隣接する深礎杭の中心間隔 (m)
𝐷 :基礎径 (m)
4) 基礎部前背面の鉛直方向せん断地盤反力係数は,式(19.2.4)により
求める。
𝑘ௌ= 0.3𝑘ுఏఓ ······································· (19.2.4)
ここに,
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𝑘ௌ:基礎部前背面の鉛直方向せん断地盤反力係数 (kN/m3)
5) 基礎部側面の鉛直方向せん断地盤反力係数は,式(19.2.5)により求
める。
𝑘ௌ= 0.3𝑘ுఏఓ ······································· (19.2.5)
ここに,
𝑘ௌ:基礎部側面の鉛直方向せん断地盤反力係数 (kN/m3)
6) 基礎部側面の水平方向せん断地盤反力係数は,式(19.2.6)により求
める。
𝑘ௌு= 0.3𝑘ுఏఓ ······································· (19.2.6)
ここに,
𝑘ௌு:基礎部側面の水平方向せん断地盤反力係数 (kN/m3)
19.2.4 地盤反力度の上限値
(1) 深礎基礎の耐荷性能の評価にあたって考慮する地盤反力度の上限値
は,基礎部底面の水平方向せん断地盤反力度及び前面の水平地盤反力度
とする。ただし19.1 3)ⅲ)に規定する土留め構造を用いる場合には,基
礎部前背面の鉛直方向せん断地盤反力度並びに側面の鉛直方向せん断
地盤反力度及び水平方向せん断地盤反力度についても用いる。
(2)1) 基礎部底面の水平方向せん断地盤反力度の上限値は,式(16.2.5)に
より求める。
2) 基礎部前面の水平地盤反力度の上限値は,式(19.2.7)により求める。
డோ ଵ
𝑝௨= ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(19.2.7) డ௭
ここに,
𝑝௨ :深度𝑧の位置の基礎部前面の水平地盤反力度の上限値
(kN/m2)
𝑅 :深度𝑧の位置までの土塊のすべりに基づく極限水平支持力の
特性値 (kN)
𝑧 :着目するすべり面の深度(m)
𝐷 :基礎径 (m)
3) 基礎部前背面の鉛直方向せん断地盤反力度の上限値並びに側面の鉛
直方向せん断地盤反力度及び水平方向せん断地盤反力度の上限値は,
式(19.2.8)により求める。
750
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砂質土地盤の場合 𝑓= min [5𝑁, (𝑐+ 𝑝tan 𝜙)] ≦120
粘性土地盤の場合 𝑓= 𝑐+ 𝑝tan 𝜙≦100
軟岩の場合 𝑓= 𝑐+ 𝑝tan 𝜙≦300 (19.2.8)
硬岩の場合 弾性域:𝑓= 𝑐+ 𝑝tan 𝜙≦1,500
塑性域:𝑓= 𝑐௦+ 𝑝tan 𝜙௦≦150
ただし,0 ≦𝑐௦≦𝑐3⁄ ,𝜙௦= 2𝜙3⁄
ここに,
𝑓 :砂質土地盤,粘性土地盤及び軟岩並びに硬岩の弾性域での基
礎部前背面の鉛直方向せん断地盤反力度の上限値並びに側
面の鉛直方向せん断地盤反力度及び水平方向せん断地盤反
力度の上限値 (kN/m2)
𝑓 :硬岩の塑性域での基礎部前背面の鉛直方向せん断地盤反力
度の上限値並びに側面の鉛直方向せん断地盤反力度及び水
平方向せん断地盤反力度の上限値 (kN/m2)
𝑁 :標準貫入試験のN値
𝑐 :粘着力 (kN/m2)
𝑝 :壁面に作用する静止土圧強度 (kN/m2)
𝜙 :せん断抵抗角 (°)
𝑐௦ :岩の残留粘着力 (kN/m2)
𝜙௦ :岩の残留せん断抵抗角 (°)
19.2.5 組杭深礎基礎の杭とフーチングの接合部
(1) 深礎杭とフーチングの接合部は,一方の部材が限界状態3に達したと
きの作用力を確実に伝達できるものでなければならない。
(2) 深礎杭とフーチングの接合部は,剛結とみなせる構造でなければなら
ない。
19.2.6 柱状体深礎基礎の躯体部と基礎部の接合部
柱状体深礎基礎と橋脚躯体部又は橋台躯体部の接合部は,橋脚躯体部又
は橋台躯体部から作用する荷重を確実に基礎部材に伝達できる構造でなけ
ればならない。
751
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19.2.7 土留め構造
(1) 深礎基礎の土留め構造は,基礎地盤の条件に対して,安全かつ確実に
施工が行えるものでなければならない。
(2) 深礎基礎の土留め構造の設計にあたっては,施工時の荷重を適切に考
慮するとともに,完成後には深礎基礎の支持機構が確実に発揮できるよ
うにしなければならない。
19.2.8 応答算出
(1) 基礎構造の塑性変形能を考慮しない場合における深礎基礎の地盤反
力度,変位及び断面力は,荷重分担,地盤条件,構造条件及び施工方法
等を適切に考慮して算出しなければならない。
(2) 1)及び2)による場合は,(1)を満足するとみなしてよい。
1) 基礎部は,深礎杭を弾性体として扱う。また,組杭深礎基礎の場合
には,深礎杭とフーチングが剛結されたラーメン構造としてモデル化
する。
2) 地盤抵抗は,19.2.3 に規定する地盤反力係数及び19.2.4 に規定す
る地盤反力度の上限値を用いて評価する。
(3) 基礎構造の塑性変形能を考慮する場合において,深礎基礎の地盤反力
度,変位及び断面力を算出するにあたっては,(1)に加えて,深礎杭及び
基礎地盤の非線形性を適切に考慮しなければならない。
(4) 基礎部底面の地盤抵抗特性は,1)の初期勾配及び2)の上限値からなる
バイリニア型のモデルとするとする場合は,(3)を満足するとみなして
よい。
1) 初期勾配は,19.2.3 に従って設定する基礎部底面の鉛直方向地盤反
力係数とする。
2) 上限値は,19.4.1 に従って設定する基礎部底面での基礎地盤の極限
鉛直支持力度の特性値とする。
19.3 構造細目
(1)1) 深礎基礎の鉄筋のかぶりは,土留め構造,地山の凹凸,鉄筋の組立
て等を考慮して決定しなければならない。
752
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2) 深礎基礎の鉄筋のかぶりを設計径の外周から70mm 以上とする場合
には,1)を満足するとみなしてよい。
補強リング
軸方向鉄筋
ライナープレート
地山
帯鉄筋
d
図-19.3.1 鉄筋のかぶりd
(2)1) 軸方向鉄筋及びせん断補強鉄筋は,施工性に配慮したうえで有効に
機能するように配置しなければならない。
2) ⅰ)からⅳ)に従う場合には,1)を満足するとみなしてよい。
ⅰ) 軸方向鉄筋は,15.3.5(2)1)に準じて配置する。
ⅱ) 軸方向鉄筋の継手は原則として機械式継手とする。
ⅲ) 柱状体深礎基礎の帯鉄筋は,軸方向鉄筋の1/4 以上を基礎全長に
わたり配置する。
ⅳ) 組杭深礎基礎の帯鉄筋は,15.3.5(2)2)に準じて配置する。
19.4 基礎部の安定の限界状態
19.4.1 基礎部の支持の限界状態1
(1) 砂地盤又は砂れき地盤を支持層とする深礎基礎が(2)を満足する場
合,岩盤を支持層とする深礎基礎が(3)を満足する場合には,鉛直荷重に
対する支持の限界状態1を超えないとみなしてよい。
(2)1) 深礎杭の底面での鉛直地盤反力度が式(16.4.1)により算出される
深礎杭の底面地盤の鉛直支持力度の制限値を超えない。
2) 深礎杭の底面での基礎地盤の極限鉛直支持力度の特性値は,地盤条
件,構造条件,根入れ深さ,沈下量及び斜面の影響等を考慮して設定
しなければならない。
3) 深礎杭の底面での基礎地盤の極限鉛直支持力度の特性値として,式
753
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(19.4.1)により算出する斜面の影響を考慮した深礎杭の底面での基礎
地盤の極限鉛直支持力度の特性値を用いる場合には,2)を満足すると
みなしてよい。
𝑞௦ௗ= 𝛼𝑞ௗ ············································ (19.4.1)
ここに,
𝑞௦ௗ:斜面の影響を考慮した深礎杭の底面での基礎地盤の極限鉛直
支持力度の特性値 (kN/m2)
𝑞ௗ :深礎杭の底面での基礎地盤の極限鉛直支持力度の特性値で,
式(16.4.2)による。
𝛼 :深礎杭の底面以深の基礎部前面斜面の影響を考慮した深礎杭
の底面での基礎地盤の極限鉛直支持力度の低減係数で,図-
19.4.1 による。
図-19.4.1 深礎杭の底面での基礎地盤の極限鉛直支持力度の低減係数𝛼
(3) 深礎杭の底面での鉛直地盤反力度が表-16.4.2 に示す制限値を超えな
い。
19.4.2 水平荷重に対する抵抗の限界状態1
深礎基礎が,16.4.2(2)の規定を満足する場合は,水平荷重に対する抵抗
の限界状態1を超えないとみなしてよい。
754
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19.4.3 基礎部の支持の限界状態3
深礎基礎が,19.4.1 の規定を満足する場合には,鉛直荷重に対する支持
の限界状態3を超えないとみなしてよい。
19.4.4 水平荷重に対する抵抗の限界状態3
深礎基礎が,19.4.2 の規定を満足する場合には,水平荷重に対する抵抗
の限界状態3を超えないとみなしてよい。
19.5 基礎部の強度に関する限界状態
19.5.1 基礎部の強度の限界状態1
基礎部を構成する全ての部材が3.6.2 に規定する限界状態1を超えない
場合は,基礎部の限界状態1を超えないとみなしてよい。
19.5.2 基礎部の強度の限界状態3
基礎部を構成する全ての部材が3.6.2 に規定する限界状態3を超えない
場合は,基礎部の限界状態3を超えないとみなしてよい。
19.6 基礎地盤の強度に関する限界状態
19.6.1 基礎地盤の強度の限界状態1
深礎基礎が,19.4.1 及び19.4.2 の規定を満足する場合には,基礎地盤の
強度の限界状態1を超えないとみなしてよい。
19.6.2 基礎地盤の強度の限界状態3
深礎基礎が,19.4.3 及び19.4.4 の規定を満足する場合には,基礎地盤の
強度の限界状態3を超えないとみなしてよい。
755
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19.7 塑性変形能を考慮する場合の深礎基礎の限界状態
19.7.1 深礎基礎の限界状態1
(1) 塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の深礎基礎は,
19.2.8 の規定に従って算出される基礎構造の応答変位が,深礎基礎の降
伏変位の制限値を超えない場合には,深礎基礎の限界状態1を超えない
とみなしてよい。
(2) 深礎基礎の降伏変位の制限値は,(3)に規定する深礎基礎の降伏に達
するときの変位としてよい。
(3) 深礎基礎の降伏は,基礎部材の塑性化,基礎地盤の塑性化又は基礎部
の浮上りにより,上部構造の慣性力の影響を考慮する位置での水平変位
が急増し始めるときとする。
19.7.2 深礎基礎の限界状態3
塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の深礎基礎は,19.7.1
を満足する場合は,深礎基礎の限界状態3を超えないとみなしてよい。
19.8 基礎の変位の制限
(1) 深礎基礎が,以下の作用の組合せに対して(2)及び(3)を満足しなけれ
ばならない。
1) 1.00(D+L+PS+CR+SH+E+HP+(U))
2) I 編3.3 に規定する①の作用の組合せ
(2)1) 支持層が砂地盤又は砂れき地盤の場合には,深礎杭の底面での鉛直
地盤反力度が表-16.8.1 に示すニューマチックケーソン基礎底面での
鉛直地盤反力度の制限値を超えない。
2) 支持層が岩盤の場合には,表-16.8.2 に示すケーソン基礎底面での
鉛直地盤反力度の制限値を超えない。
(3) 設計上の地盤面位置における深礎基礎の水平変位について16.8(3)を
満足する。
756
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19.9 深礎基礎の耐久性能
19.9.1 一般
深礎基礎の耐久性能は22 章の規定によるほか,19.9.2 によらなければな
らない。
19.9.2 防食
深礎基礎の鉄筋のかぶりを19.3(1)2)による場合は,内部鋼材の腐食に対
して部材の耐久性能を確保しているとみなしてよい。
20 章 橋台部ジョイントレス構造
20.1 適用の範囲
この章は,上部構造と下部構造とを剛結合し,上下部接続部に支承部及び
伸縮装置を設けない単径間の橋の橋台に適用する。
なお,上部構造はⅡ編及びⅢ編の関連する規定による。
20.2 設計の基本
20.2.1 一般
(1) 橋台部ジョイントレス構造の橋台は,3章から13 章の規定を満足し
なければならない。
(2) 橋台部ジョイントレス構造の橋台のうち,上下部接続部の機能を担う
部材及び部位はⅤ編の規定を満足しなければならない。
(3) 橋台部ジョイントレス構造の橋台及び上部構造との接合部の設計に
あたっては,橋台背面から作用する荷重や不静定構造であることに伴う
内的な応力による影響等を適切に考慮しなければならない。
(4) 1)から6)に従う場合には,(3)を満足するとみなしてよい。
1) 施工時に作用する荷重及び構造系の変化並びに供用中に生じる不静
定力及び変位を適切に考慮する。
2) 橋台背面に作用する土圧は,施工時及び供用中に生じる最も不利な
757
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条件を考慮する。
3) 断面力は,不静定構造であることによる影響や地盤抵抗の影響を適
切に評価できる解析モデルを用いて算出する。
4) 橋台躯体背面部の地盤抵抗を考慮する場合には,橋台躯体背面部の
材料及び施工時の品質を考慮したうえで適切に地盤反力係数等を設定
する。
5) 上部構造と橋台躯体部の接合部は,部材の接合部でない箇所が限界
状態3に達したときの作用力を確実に伝達できるようにする。
6) 9.3.2(4)に従って橋台たて壁の鉄筋を配置する。
(5) 橋台躯体背面に作用する土圧について,1)及び2)に従う場合には
(4)2)を満足するとみなしてよい。
1) 両側の橋台躯体背面部に載荷する場合,片側の橋台躯体背面部に載
荷する場合,及びいずれにも載荷しない場合を考慮する。
2) Ⅰ編8.7 に規定する土圧が作用した場合,及びその1/2 が作用した
場合を考慮する。
(6) (8)の規定に従う場合には,(4)3)を満足するとみなしてよい。
(7) 1)又は2)に従う場合には,(4)5)を満足するとみなしてよい。
1) 上部構造がコンクリート桁の場合には,Ⅲ編8.2.5 の規定に従い設
計する。
2) 上部構造がI 型断面の鋼桁の場合には,鋼桁端部を橋台躯体部に埋
込み,20.2.2 の規定に従いスタッド及び補強鉄筋を配置する。
(8) 橋台部ジョイントレス構造の断面力,応力及び変位等は,1)から4)に
従って算出することを標準とする。
1) 上部構造と橋台躯体部が剛結されたラーメン構造としてモデル化す
る。
2) 橋台躯体背面部の地盤抵抗を期待する場合には,これを考慮してモ
デル化する。
3) ウィングによる橋台たて壁の剛性増加の影響について適切に考慮す
る。
4) 上部構造が斜角や曲率を有する場合には,モデル化並びに断面力,
応力及び変位等の算出にあたって,斜角や曲率による影響を適切に考
慮する。
(9) 上部構造と橋台躯体部の接合部は,背面が地中に埋設される影響に対
する構造的な配慮を行う等,耐久性上の弱点とならないよう配慮する。
758
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20.2.2 スタッドによる鋼桁と橋台の連結
(1) スタッドにより連結される橋台躯体部とI 型断面の鋼桁の接合部が
(2)を満足する場合には,限界状態1を超えないとみなしてよい。
(2) スタッドにより連結される橋台躯体部とI 型断面の鋼桁の接合部が1)
から5)を満足する場合には,限界状態3を超えないとみなしてよい。
1) 鋼桁から伝達される曲げモーメントに対しては,式(20.2.1)で算出
される本数以上のスタッドを上フランジ上側及び下フランジ下側にそ
れぞれ配置する。
𝑛= 𝑀/(𝑄ℎ) ···································· (20.2.1)
ここに,
𝑛 : 曲げモーメントに対して片側のフランジ外側に配置する
スタッドの必要本数(本)
𝑀 : 接合部鋼桁1本あたりの曲げモーメント(N・mm)
ℎ : 鋼桁高さ(mm)
𝑄 : 1本のスタッドのせん断力の制限値(N/本)で,
式(20.2.2)により算出する。
𝑄= 20.3𝑑ଶඥ𝜎 (𝐻/𝑑≧5.5) ····················· (20.2.2)
ここに,
𝐻 : スタッドの全高(mm)
𝑑 : スタッドの軸径(mm)
𝜎 : コンクリートの設計基準強度(N/mm2)
2) 鋼桁から伝達される軸力に対しては,下フランジ下側に設置したス
タッドのみで伝達するものとし,1本のスタッドに生じるせん断力は,
式(20.2.2)により算出する1本のスタッドのせん断力の制限値を超え
ない。なお,軸力に対するスタッドは1)に従って配置するスタッドと
は別に設ける。
3) 鋼桁から伝達されるせん断力に対しては,ウェブ両側に対称に設置
したスタッドのみで伝達するものとし,1本のスタッドに生じるせん
断力は,式(20.2.2)により算出する1本のスタッドのせん断力の制限
値を超えない。
4) スタッドの間隔は,Ⅱ編11.7.5.3 及び11.7.5.4 の規定による。
5) 鋼桁から伝達される曲げモーメントによる上フランジ上側コンクリ
ートへの押抜き力に対して,式(20.2.3)により算出される本数以上の
補強鉄筋を鋼桁埋込み長さの全長にわたり均等に配置する。
759
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𝑛௦= 2𝑃/(𝐴௦𝜎௦௬) ·································· (20.2.3)
ここに,
𝑛௦ : 鋼桁1本あたりに配置する補強鉄筋の必要本数(本)
𝐴௦ : 補強鉄筋の断面積 (mm2)
𝜎௦௬ : 補強鉄筋の降伏強度の特性値 (N/mm2)
𝑃 : 鋼桁から伝達される曲げモーメントによる押抜き力 (N)
で,式(20.2.4)により算出する。
𝑃= 0.3𝑀/(𝐿/2) ································ (20.2.4)
ここに,
𝑀 : 接合部の鋼桁1本あたりの曲げモーメント(N・mm)
𝐿 : 鋼桁埋込み長さ(mm)
21 章 橋梁接続区間
21.1 一般
(1) 橋梁接続区間は,Ⅰ編7.1(3)に規定する橋が含まれる道路の区間が
目標とする通行機能を確保するために,必要な路面性状や路面の荷重支
持能力等の道路機能に関わる条件を定め,必要な配慮を行う範囲として
適切に設定しなければならない。
(2) (1)の橋梁接続区間の範囲を設定するにあたっては,橋台躯体背面部の
境界条件を形成する範囲が含まれるようにしなければならない。境界条
件を形成する範囲は,少なくとも橋台躯体背面部とこれに隣接する道路
区間の構造条件,地形・地質条件,設計の前提とする施工の条件等を考
慮して設定しなければならない。
(3) (1)の橋梁接続区間の範囲を設定するにあたっては,橋の前提とする維
持管理の条件との整合性を考慮しなければならない。
(4) 道路機能に関わる条件について,少なくともⅠ編7.1(4)1)から6)を
考慮して定めたうえで,その道路機能を確保するための橋梁接続区間を
構成する構造物の状態を満足できるよう必要な配慮を行わなければなら
ない。
(5) (4)の配慮を行うにあたっては,土で構成する橋梁接続区間の構造で
は,Ⅰ編7.1(4)に加えて,少なくとも盛土内の排水が速やかにできる
ことの配慮をしなければならない。
760
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(6) 橋梁接続区間の設計における(1)から(5)の検討事項及び施工並びに維
持管理の際に必要となる事項として,少なくとも1)から8)の事項は記
録を残さなければならない。
1) 目標とする通行機能
2) 橋梁接続区間の構造
3) 設計概要
4) 地形,地質及び地盤の条件
5) 材料の条件
6) 製作及び施工の条件
7) 維持管理の条件
8) その他必要な事項
22 章 下部構造及び下部構造を構成する部材等の耐久性能
の評価
22.1 一般
(1) 下部構造を構成する鋼部材及びコンクリート部材の耐久性能の評価
にあたっては,Ⅰ編6.1 に従い経年の影響として,少なくとも鋼材の腐
食及び疲労を考慮しなければならない。
(2) 下部構造を構成する部材等の耐久性能の評価にあたっては,3.10.2 の
規定に従い構造設計上の配慮を行うとともに,Ⅰ編6.1(4)から(7)の規
定に従い部材の耐荷性能を保持するための部材等の設計耐久期間を定
めたうえで,Ⅰ編6.1 の(8),(9),6.2 及び6.3 の規定に従わなければ
ならない。このとき,橋台躯体背面部,橋脚基礎地盤部,橋台基礎地盤
部の設計耐久期間は,橋の設計耐久期間とすることを標準とする。
(3) 下部構造を構成する部材等の鋼材の腐食に対する耐久性能の評価に
ついてはⅡ編15 章,Ⅲ編14.2 及びこの編の22.2 の規定による。下部
構造を構成する部材等の疲労に対する耐久性能についてはⅡ編16 章,
Ⅲ編14.3 及びこの編の22.3 の規定による。
(4) 下部構造を構成する橋台躯体背面部,橋脚基礎地盤部,橋台基礎地盤部
の耐久性能の評価にあたっては,以下について考慮しなければならない。
1) 降雨の影響
761
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2) 地下水位の影響
3) 地盤の圧密沈下
4) その他の経年による影響
(5) 下部構造を構成する橋台躯体背面部の耐久性能を満足させるにあた
っては,以下について考慮しなければならない。
1) 路面水の導排水処理機能及びその維持管理の条件
2) 内部への雨水の侵入の可能性及びその排水条件
3) 2)にかかる排水機能の維持管理の条件
4) 橋梁接続区間の施工及び維持管理の条件との整合性
5) 地震の影響等による変状発生の可能性とその場合の措置方法
22.2 鋼材の腐食に対する耐久性能の評価
(1) Ⅰ編6.1(8)に規定する下部構造を構成する部材等の耐久性能を満足
させるにあたっては,当該部材に定めた設計耐久期間内において,経年
の影響として鋼材の腐食を考慮し,耐久性能を評価しなければならない。
(2) 鋼材の腐食に対する耐久性能の確保の方法を選定するにあたっては,
Ⅰ編6.3 の規定によるほか,少なくとも架橋地点の環境,橋の部位,規
模及び部材の形状を考慮しなければならない。
(3) 鋼材の腐食に対する耐久性能の確保の方法を設計するにあたっては,
補修,更新等,想定される維持管理の条件に配慮しなければならない。
(4) 鋼管杭,鋼管ソイルセメント杭及びSC 杭の腐食に対する耐久性能の
評価については15.9.2 の規定,また,鋼管矢板の腐食に対する耐久性能
の評価については17.9.2 の規定による。
(5) 下部構造を構成するコンクリート部材の内部鋼材の腐食に対するかぶ
りによる耐久性能の評価については1)又は2)による。また,コンクリー
ト部材の接合部の内部鋼材の腐食に対する耐久性能の評価についてはⅢ
編6.3 の規定による。
1) 気中にある下部構造を構成する部材の内部鋼材の腐食に対する耐久
性能の評価についてはⅢ編14.2 の規定による。ただし,Ⅲ編表-14.2.3
及びⅢ編図-14.2.1 に示す塩害を受ける地域における鋼材の腐食を生
じさせないための最小かぶりは,Ⅲ編表-14.2.2 によらず,表-22.2.1
に示す値とする。また,地域によらず,表-22.2.2 に規定するかぶりの
最小値以上の値とする。
762
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表-22.2.1 鋼材の腐食を生じさせないための最小かぶり(mm)
塩害の影響度合 対策区分 かぶり
影響が激しい S 90※
Ⅰ 90
影響を受ける Ⅱ 70
Ⅲ 50
※塗装鉄筋又はコンクリート塗装等かぶりによる方法以外の方法を併用する
表-22.2.2 鉄筋の最小かぶり(mm)
部材の種類
はり 柱,壁
供用時の環境条件
大気中の場合 35 40
2) 水中又は土中にある部材の内部鋼材の腐食に対する耐久性能の評価
についてはⅰ)又はⅱ)による。
ⅰ) 橋脚躯体部,橋台躯体部及び橋台土留め部を構成する部材並びに
フーチング部材については5.2.3 に規定されるかぶりを確保する。
ⅱ) PHC 杭,場所打ち杭については15.9.2 の規定,ケーソン基礎の側
壁については16.9.2 の規定,地中連続壁については18.9.2 の規
定,また,深礎基礎については19.9.2 の規定による。
22.3 疲労に対する耐久性能の評価
(1) Ⅰ編6.1(8)に規定する下部構造を構成する部材等の耐久性能を満足
させるにあたっては,当該部材に定めた設計耐久期間内において,経年
の影響として応力の繰返しによる影響を考慮し,耐久性能を評価しなけ
ればならない。
(2) 鋼管杭,鋼管ソイルセメント杭及びSC 杭の疲労に対する耐久性能の
評価については15.9.3 の規定による。また,鋼管矢板の疲労に対する耐
久性能の評価については,17.9.3 の規定による。
(3) 下部構造を構成するコンクリート部材の疲労に対する耐久性能の確
保についてはⅢ編14.3 の規定,コンクリート部材の接合部の疲労に対
763
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する耐久性能の確保についてはⅢ編6.3 の規定による。ただし,水中又
は地下水位以下に設ける鉄筋コンクリート部材の鉄筋の引張応力度の
制限値については,Ⅲ編表-14.3.1 によらず,表-22.3.1 による。また,
PHC 杭及びSC 杭については15.9.3 の規定による。
表-22.3.1 水中又は地下水位以下に設ける鉄筋コンクリート部材の
疲労の影響を考慮した場合の鉄筋の引張応力度の制限値(N/mm2)
鉄筋の種類 SD345 SD390 SD490
部材の種類
水中又は地下水位以下に設ける鉄
160
筋コンクリート部材
23 章 施 工
23.1 適用の範囲
この章は,22 章までの規定に基づいて設計された下部構造の施工に適用
する。なお,この章に規定されていない,鋼部材及び鋼構造の施工に関する
事項はⅡ編17 章,コンクリート部材及びコンクリート構造の施工に関する
事項はⅢ編15 章による。
23.2 一 般
(1) 施工は,設計の前提条件及び設計段階で定めた事項等を満足するよう
に行わなければならない。ただし,施工条件等により,設計の前提条件
及び設計段階で定めた事項等が満足しない場合には,適用しようとする
施工方法で橋の性能が確保されることを検証し,必要に応じて設計を見
直したうえで施工方法を定める。
(2) 施工にあたっては,施工管理上必要な調査等を行わなければならな
い。
(3) 施工にあたっては,環境に及ぼす影響に配慮しなければならない。
764
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23.3 施工要領書
施工にあたっては,設計の前提条件及び設計段階で定めた事項等を満足す
る施工が行われることを確認できるよう,施工の方法及び手順,検査の方法
等に関する要領を定めなければならない。
23.4 検 査
(1) 施工においては,設計の前提条件及び設計段階で定めた事項等を満足
することを適切な方法で確認しなければならない。
(2) (1)を満足するためには,施工の難易,材料の種類等を勘案して適切に
検査項目を設定して検査を実施するとともに,あらかじめ所要の施工品
質が確保できることが確認された材料を用いて,所定の方法で施工が進
められていることを確認しなければならない。
23.5 施工に関する記録
施工に関する記録は,設計の前提条件及び設計段階で定めた事項等を満
足する施工が確実に行われたことの確認及び維持管理に用いることができ
るようにするため,1)から8)の事項について取得及び作成するとともに,
保存しなければならない。
1) 完成時の諸元,配置図,構造図,地盤の概要
2) 仮設備の配置とその能力,施工方法,使用した機械器具
3) 施工管理方法
4) 環境対策及び安全対策
5) 施工中に変更を伴った事項とその対応
6) 各工程の施工記録
7) 施工に際して実施された調査や試験の記録
8) その他関連する施工及び維持管理に引き継ぐべき事項
23.6 橋脚躯体部,橋台躯体部,フーチング及び橋台躯体背面部の施工
23.6.1 橋脚躯体部及び橋台躯体部の施工
(1) 橋脚躯体部及び橋台躯体部は,所要の性能を確保するために必要とな
る強度,剛性及び変形能を確保できるように,適切な材料及び施工方法
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により施工しなければならない。
(2) 橋脚躯体部及び橋台躯体部は,同時期に施工する橋台躯体背面部や近
接構造物の施工の方法及び順序等に応じて生じる影響にも配慮して施工
しなければならない。
23.6.2 フーチングの施工
(1) フーチング本体は,所要の性能を確保するために必要となる強度,剛
性及び変形能を確保できるように,適切な材料及び施工方法により施工
しなければならない。
(2) 直接基礎のフーチング底面は,支持層に密着し,十分なせん断抵抗を
有するように,適切に処理しなければならない。
(3) フーチングの根入れ部分に水平荷重を分担させる場合には,フーチン
グ周辺の地盤と同等以上の水平地盤抵抗を有することができるように,
適切な埋戻し材料の選定及び施工を行わなければならない。
23.6.3 橋台躯体背面部の施工
橋台躯体背面部は,以下の1)から3)を確保できるように,使用する材料
及び構造特性に応じて適切な施工の方法及び順序等に基づいて施工しなけ
ればならない。
1) 基礎地盤の安定性
2) 橋台躯体背面部の安定性
3) 降雨等に対する排水性
23.7 既製杭基礎の施工
23.7.1 適用の範囲
23.7 の規定は,打込み杭工法,中掘り杭工法,プレボーリング杭工法,鋼
管ソイルセメント杭工法又は回転杭工法により既製杭基礎の施工を行う場
合に適用する。
23.7.2 施工機械器具の選定
施工機械器具は,杭の諸元,作業地点の環境,地盤の状態及び施工管理方
法等を考慮して選定しなければならない。
766
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23.7.3 試験杭
杭の施工に際しては,施工性の確認及び施工管理方法を定めるために,そ
れぞれの基礎においてあらかじめ試験杭の施工を行わなければならない。
23.7.4 施工準備
既製杭基礎の施工に先立ち,確実に施工が行えるように作業基盤の整備等
を行わなければならない。
23.7.5 既製杭の運搬,保管及び検査
(1) 既製コンクリート杭の運搬,積卸し及び現場保管は,JIS A 7201 によ
り行わなければならない。また,現場搬入時には,杭の外観,形状及び寸
法等について,JIS A 5372 及びJIS A 5373 に準じて検査しなければな
らない。
(2) 鋼管杭の運搬,積卸し及び現場保管にあたっては,損傷防止に留意し
なければならない。また,現場搬入時には,杭の外観,形状及び寸法等に
ついて,JIS A 5525 に準じて検査しなければならない。
23.7.6 杭の建込み
既製杭は,杭の性能を損なわないように,正確に建て込まなければならな
い。
23.7.7 杭の継手
(1) 既製杭どうしを上下に連結する継手は,上下杭の円滑な応力の伝達が
できるようにするため,必要な強度及び剛性を確保し,かつ,杭どうしの
軸線が同一直線上になるように施工しなければならない。
(2) 既製杭を現場溶接により継ぐ場合の施工は,(1)を満足するために,(3)
から(8)により行わなければならない。
(3) 既製杭の現場溶接継手は,アーク溶接継手を原則とする。
(4) 現場溶接に際しては,知識経験のある溶接施工管理技術者を常置させ
る。溶接施工管理技術者は溶接工の選定並びに溶接の管理,指導,検査及
び記録を行う。
(5) 溶接工は,JIS Z 3801 及び JIS Z 3841 に定められた試験の種類のう
767
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ち,既製杭の現場溶接に必要な検定試験又はこれと同等以上の検定試験
に合格した者のうち,6か月以上溶接工事に従事した者とする。
(6) 既製コンクリート杭の現場溶接は,JIS A 7201 により行う。また,鋼
管杭の現場溶接についても,これに準じて行う。
(7) 既製杭の現場溶接にあたっては,良好な溶接環境の確保及び適切な溶
接管理を行うとともに,溶接条件,溶接作業及び検査結果等を記録する。
(8) 溶接部の検査は,あらかじめ定めた方法,個数及び箇所について行う。
検査の結果発見された欠陥のうち,補修を必要とするものについては,
適切な方法により補修するとともに,補修した状況を記録する。
23.7.8 杭頭部の施工
(1) 杭頭部の施工は,フーチングを介して作用する荷重が杭に円滑に伝達
されるように行わなければならない。
(2) 杭頭部の施工は,(1)を満足するために,少なくとも(3)から(5)により
行わなければならない。
(3) 杭打設後の杭頭の仕上げ後は,性能に影響を及ぼす傷及び変形がない
ことを外観検査する。
(4) 杭頭部の杭体内部には,所定の範囲にフーチングと同等の強度を有す
るコンクリートを隙間なく充てんする。
(5) 鋼管杭の場合には,鋼管内部へのずれ止めは,その上面を全周すみ肉
溶接により取り付けることを標準とする。
23.7.9 打込み杭工法の打込み及び打止め
(1) 打込み杭工法における杭の打込み及び打止めは,支持力等が適切に発
揮されるように行わなければならない。
(2) 打込み杭工法における杭の打込み及び打止めは,(1)を満足するため
に,(3)から(8)により行わなければならない。
(3) 杭の打込み手順は,杭の配置,周辺部への影響及び施工機械の影響等
を考慮して定める。
(4) 打込み中は,地質性状の変化及び打込み抵抗に注意し,杭心のずれや
傾斜がないことを確認するとともに杭体に損傷が生じないようにする。
(5) 1本の杭の打込みは,連続して行うことを原則とする。
(6) 支持杭基礎における杭の打止めは,試験杭の施工により定めた方法に
従い,支持層への所要の根入れ等が確保されるように行う。
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(7) 摩擦杭基礎における杭の打止めは,設計により定めた深度で行うこと
を原則とする。
(8) 打込み及び打止めに際しては,支持層への到達等を適切に確認できる
方法により管理する。
23.7.10 中掘り杭工法の掘削,沈設,先端処理及び保持
(1) 中掘り杭工法における掘削,杭の沈設,先端処理及び保持は,支持力等
が適切に発揮されるように行わなければならない。
(2) 中掘り杭工法における掘削,杭の沈設,先端処理及び保持は,(1)を満
足するために,(3)から(11)により行わなければならない。
(3) 掘削及び沈設の手順は,杭の配置,周辺部への影響及び施工機械の影
響等を考慮して定める。
(4) 掘削及び沈設は,地質性状及び杭の沈設状況に注意し,杭周辺及び先
端地盤の乱れを最小限にとどめるように行う。
(5) (4)を満足するため,掘削は試験杭の施工で確認した適切な速度等で行
うとともに,少なくとも1)及び2)により行う。
1) 掘削中の先掘りは,杭先端から1m 以内にとどめる。
2) 杭本体の外周に取り付けるフリクションカッター厚さは,表-
23.7.1 に示す値以下とすることを標準とする。
表-23.7.1 フリクションカッター厚さtの最大値
杭径D フリクションカッター厚さt(mm)
800mm 未満 9
800mm~1,000mm 12
(6) 掘削及び沈設中は,杭心のずれ,傾斜及び曲がりがないことを確認す
るとともに,杭体に損傷が生じないようにする。
(7) 掘削及び沈設は,試験杭の施工により定めた方法に従い,支持層への
所要の根入れ等が確保されるように行う。
(8) 杭体の先端が所定の深さに達した後,杭先端を最終打撃方式により処
理する場合は,23.7.9 の規定により行う。
(9) 杭体の先端が所定の深さに達した後,杭先端をセメントミルク噴出攪
拌方式により処理する場合は,1)及び2)により行う。
769
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1) 根固部の造成は,あらかじめ所定の強度が発現されることが確認さ
れたセメントミルクの配合及び攪拌混合方法により行う。
2) 根固部は,必要に応じて掘削径を拡大したうえで,所定の形状となる
ように造成する。
(10) 掘削,沈設及び先端処理に際しては,支持層への到達及び根固部の造
成等を適切に確認できる方法により管理する。
(11) セメントミルク噴出攪拌方式の場合には,杭の沈設後,試験杭の施工
により定めた方法に従い所定の位置に杭を保持する。
23.7.11 プレボーリング杭工法の掘削,沈設,ソイルセメント柱の造成及び保
持
(1) プレボーリング杭工法による掘削,杭の沈設,ソイルセメント柱の造成
及び杭の保持は,支持力等が適切に発揮されるように行わなければなら
ない。
(2) プレボーリング杭工法における掘削,杭の沈設,ソイルセメント柱の
造成及び杭の保持は,(1)を満足するために,(3)から(11)により行わな
ければならない。
(3) 掘削及び沈設の手順は,杭の配置,周辺部への影響及び施工機械の影
響等を考慮して定める。
(4) 掘削は,杭周辺及び先端地盤の乱れを最小限にとどめるため,試験杭
の施工で確認した適切な速度等で行う。
(5) 掘削中は,地質性状の変化及び掘削抵抗に注意し,掘削孔の傾斜,曲が
り及び崩壊が生じないようにする。
(6) 沈設中は,杭心のずれ及び傾斜並びに杭体の損傷が生じないようにす
る。
(7) 掘削及び沈設は,試験杭の施工により定めた方法に従い,支持層への
所要の根入れ等が確保されるように行う。
(8) 根固部及び杭周固定部のソイルセメント柱の造成は,あらかじめ所定
の強度が発現されることが確認されたセメントミルクの配合及び攪拌混
合方法により行う。
(9) ソイルセメント柱は,根固部及び杭周固定部がそれぞれ所定の形状と
なるよう造成する。
(10) 掘削,沈設及びソイルセメント柱の造成に際しては,支持層への到達
及び根固部の造成等を適切に確認できる方法により管理する。
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(11) 杭の沈設後,試験杭の施工により定めた方法に従い所定の位置に杭を
保持する。
23.7.12 鋼管ソイルセメント杭工法の掘削,沈設,ソイルセメント柱の造成及
び保持
(1) 鋼管ソイルセメント杭工法による掘削, 鋼管の沈設,ソイルセメント
柱の造成及び鋼管の保持は,支持力等が適切に発揮されるように行わな
ければならない。
(2) 鋼管ソイルセメント杭工法における掘削,鋼管の沈設,ソイルセメン
ト柱の造成及び鋼管の保持は,(1)を満足するために,(3)から(12)によ
り行わなければならない。
(3) 掘削及び沈設の手順は,杭の配置,周辺部への影響及び施工機械の影
響等を考慮して定める。
(4) 掘削は,杭周辺及び先端地盤の乱れを最小限にとどめるため,試験杭
の施工で確認した適切な速度等で行う。
(5) 掘削中は,地質性状の変化及び掘削抵抗に注意し,杭心のずれ,傾斜及
び曲がりが生じないようにする。
(6) 沈設中は,杭心のずれ及び傾斜並びに鋼管の損傷が生じないようにす
る。
(7) 支持杭基礎における掘削及び鋼管の沈設は,試験杭の施工により定め
た方法に従い,支持層への所要の根入れ等が確保されるように行う。
(8) 摩擦杭基礎における掘削及び鋼管の沈設は,設計により定めた深度ま
で行うことを原則とする。
(9) 杭先端固化部及び杭一般固化部のソイルセメント柱の造成は,あらか
じめ所定の強度が発現されることが確認されたセメントミルクの配合及
び攪拌混合方法により行う。
(10) ソイルセメント柱は,杭先端固化部及び杭一般固化部がそれぞれ所定
の形状となるよう造成する。
(11) 掘削,沈設及びソイルセメント柱の造成に際しては,支持層への到達
及び杭先端固化部の造成等を適切に確認できる方法により管理する。
(12) 鋼管の沈設後,試験杭の施工で定めた方法に従い所定の位置に鋼管を
保持する。
771
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23.7.13 回転杭工法の貫入
(1) 回転杭工法における杭の貫入は,支持力等が適切に発揮されるように
行わなければならない。
(2) 回転杭工法における杭の貫入は,(1)を満足するために,(3)から(7)に
より行わなければならない。
(3) 貫入の手順は,杭の配置,周辺部への影響及び施工機械の影響等を考
慮して定める。
(4) 貫入は,杭周辺及び先端地盤の乱れを最小限にとどめるため,試験杭
の施工で確認した適切な速度等で行う。
(5) 貫入中は,地質性状の変化及び貫入抵抗に注意し,杭心のずれ及び傾
斜並びに杭体の損傷が生じないようにする。
(6) 貫入は,試験杭の施工により定めた方法に従い,支持層への所要の根
入れ等が確保されるように行う。
(7) 貫入に際しては,支持層への到達等を適切に確認できる方法により管
理する。
23.8 場所打ち杭基礎の施工
23.8.1 適用の範囲
23.8 の規定は,オールケーシング工法,リバース工法又はアースドリル工
法により場所打ち杭基礎の施工を行う場合に適用する。
23.8.2 施工機械器具の選定
施工機械器具は,杭の諸元,作業地点の環境,地盤の状態及び施工管理方
法等を考慮して選定しなければならない。
23.8.3 試験杭
杭の施工に際しては,施工性の確認及び施工管理方法を定めるために,そ
れぞれの基礎においてあらかじめ試験杭の施工を行わなければならない。
23.8.4 施工準備
場所打ち杭基礎の施工に先立ち,確実に施工が行えるように作業基盤の整
備等を行わなければならない。
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23.8.5 掘削
(1) 掘削は,支持力等が適切に発揮されるように行わなければならない。
(2) 掘削は,(1)を満足するために,(3)から(8)により行わなければならな
い。
(3) 掘削の手順は,杭の配置,周辺部への影響及び施工機械の影響等を考
慮して定める。
(4) 掘削は,杭周辺及び先端地盤の乱れを最小限にとどめるため,試験杭
の施工で確認した適切な速度等で行う。
(5) 掘削中は,地質性状の変化や掘削抵抗に注意し,掘削孔の傾斜,曲がり
及び崩壊が生じないようにする。
(6) 支持杭基礎における掘削は,試験杭の施工により定めた方法に従い,
支持層への所要の根入れ等が確保されるように行う。
(7) 摩擦杭基礎における掘削は,設計により定めた深度まで行うことを原
則とする。
(8) 掘削に際しては,支持層への到達等を適切に確認できる方法により管
理する。
23.8.6 孔底処理
掘削孔の孔底は,コンクリートの品質を確保し,設計で考慮した荷重を地
盤に確実に伝達するため,適切に処理しなければならない。
23.8.7 鉄筋かごの製作及び建込み
(1) 鉄筋の加工及び組立ては,鉄筋かごが必要な精度を確保し,堅固とな
るように行わなければならない。ただし,鉄筋の組立てにおいては,組立
て上の形状保持等のための溶接を構造設計上考慮する鉄筋に対して行っ
てはならない。
(2) 鉄筋かごの建込み中は,鉛直度と位置を正確に保ち,孔壁に接触して
土砂の崩壊を生じさせないよう施工しなければならない。
(3) 鉄筋かごは,建込み前に変形していないことを確認するとともに,建
込み中及び建込み後に,ねじれ,曲がり,座屈及び脱落等により変形しな
いように施工しなければならない。
(4) 鉄筋かごには,所定のかぶりが確保できるように,所要の強度及び剛
性を有するスペーサーを適切に配置しなければならない。
773
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23.8.8 コンクリート工
(1) コンクリートは,所要の品質が確保されるよう施工しなければならな
い。
(2) コンクリートの施工は,(1)を満足するため,(3)から(9)により行わな
ければならない。
(3) 水中コンクリートを用いる場合の配合は,単位セメント量350kg/m3 以
上,水セメント比55%以下,スランプ18cm から21cm を原則とする。
(4) コンクリートの打込みの際は,打込み量及び打込み高を常に計測する。
(5) コンクリートの打込みは,トレミーを用いることを標準とし,連続的
に行う。
(6) トレミー下端は,打ち込んだコンクリート中に常に貫入しておく。
(7) 打込み中にケーシングチューブの引抜きを行う場合には,鉄筋かごの
共上りを防止するとともに,孔壁土砂を混入しないように,ケーシング
チューブ下端は,打ち込んだコンクリート上面より常に下にしておく。
(8) 打ち込んだコンクリートは,温度変化及び乾燥等による有害な影響を
受けないように養生を行う。
(9) 杭頭部付近は,劣化したコンクリートが残らないように適切に処理す
る。この際,処理する部分以外のコンクリート及び鉄筋には損傷が生じ
ないようにしなければならない。
23.9 ケーソン基礎の施工
23.9.1 適用の範囲
23.9 の規定は,オープンケーソン工法又はニューマチックケーソン工法
によりケーソン基礎の施工を行う場合に適用する。
23.9.2 施工機械器具の選定
施工機械器具は,ケーソンの諸元,作業地点の環境,地盤の状態及び施工
管理方法等を考慮して選定しなければならない。
23.9.3 刃口
ケーソンの刃口は,掘削及びケーソン沈設時に損傷が生じず,かつ正確に
ケーソンを据え付けられるように施工しなければならない。
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23.9.4 ケーソン据付け
ケーソンの据付けは,本体,型枠及びセントル用材料等の重量を十分に支
持できるとともに,正確に初期の沈設ができる地盤で行わなければならな
い。
23.9.5 本 体
ケーソン本体は,施工条件及び施工時の状態を考慮して施工しなければな
らない。
23.9.6 掘削及び沈設
(1) 掘削及び沈設は,支持力等が適切に発揮されるように行わなければな
らない。
(2) 掘削及び沈設は,(1)を満足するために,(3)から(6)により行わなけれ
ばならない。
(3) 掘削及び沈設の手順は,周辺部への影響及び施工機械の影響等を考慮
して定める。
(4) 掘削は,ケーソンの傾斜,移動,回転及び急激な沈下が生じないよう
に,施工条件,地質の状態等を考慮して行う。
(5) 沈設は,ケーソン周辺及び底面地盤を乱さないように注意しながら,
原則としてケーソン自重,載荷荷重及び摩擦抵抗の低減により行う。
(6) 掘削及び沈設中は,ケーソンの傾斜等が生じていないか確認する。
23.9.7 支持層の確認
支持層の確認は,ケーソンの沈設深さ,地質及びケーソン底面位置におけ
る地盤の支持力の確認等により総合的に判断して行わなければならない。
23.9.8 頂版及び頂版支持部
ケーソンの頂版及び頂版支持部は,作用する荷重がケーソン本体に確実に
伝達されるよう施工しなければならない。
23.9.9 止水壁又は土留め仮壁
止水壁又は土留め仮壁は,所要の止水性を有し,ケーソン沈設中における
775
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土圧,水圧等の外力に対して耐えうるとともに,工事完了後には撤去できる
構造としなければならない。
23.9.10 セントル
(1) セントルは,刃口及び作業室天井スラブを構築するに際しての全荷重
を支持できるように十分堅固な構造としなければならない。
(2) セントルを築造する地盤は,セントル及び作業室等の全重量を安全に
支持できるようにしなければならない。
(3) セントルの解体は,打設後のコンクリート強度を確認し,構造物に悪
影響を与えないように行わなければならない。
23.9.11 ケーソン底面の処理
(1) ケーソン底面は,ケーソン本体に作用する荷重を確実に底面地盤に伝達
できるように閉塞しなければならない。
(2) ケーソン底面は,(1)を満足するために,(3)又は(4)により施工しなけ
ればならない。
(3) ニューマチックケーソン工法においては,底面地盤を整正し,作業室内
を清掃したうえで,作業室内の気圧を管理しながら作業に適するワーカビ
リティーのコンクリートを用いて,配管の閉塞等が生じないよう配慮して
室内を適切に充てんする。
(4) オープンケーソン工法においては,以下の1)から5)により施工する。
1) ケーソン底面の掘削土等を除去したうえでコンクリートを打ち込む。
2) 打込み量及び打込み高は,常に計測する。
3) 水中コンクリートは,ケーソン内の水位の変動がないことを確認した
うえで,トレミー又はコンクリートポンプを用いて連続的に打ち込む。
4) トレミー下端は,打ち込んだコンクリート中に常に貫入する。
5) 底版コンクリート打設後,ケーソン内の湛水を排除する場合には,底
版及びケーソン本体の損傷が生じないようにしなければならない。
23.10 鋼管矢板基礎の施工
23.10.1 適用の範囲
23.10 の規定は,打込み工法又は中掘り工法により鋼管矢板基礎の施工を
行う場合に適用する。
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23.10.2 施工機械器具の選定
施工機械器具は,鋼管矢板の諸元,作業地点の環境,地盤の状態及び施工
管理方法等を考慮して選定しなければならない。
23.10.3 試験杭
鋼管矢板の施工に際しては,施工性の確認や施工管理方法を定めるため
に,それぞれの基礎においてあらかじめ試験杭の施工を行わなければならな
い。
23.10.4 施工準備
鋼管矢板基礎の施工に先立ち,確実に施工が行えるように作業基盤の整備
等を行わなければならない。
23.10.5 鋼管矢板の運搬,保管及び検査
鋼管矢板の運搬,積卸し及び現場保管にあたっては,損傷防止に留意しな
ければならない。また,鋼管矢板の現場搬入時には,鋼管矢板の外観,形状
及び寸法等について,JIS A 5530 に準じて検査しなければならない。
23.10.6 鋼管矢板の建込み
鋼管矢板の建込みは,23.7.6 の規定による。ただし,鋼管矢板の建込みに
際しては,導材を設置して行わなければならない。
23.10.7 鋼管矢板の継手
鋼管矢板どうしを上下に連結する継手の施工は,23.7.7 の規定による。
23.10.8 打込み工法による打込み及び打止め
打込み工法による鋼管矢板の打込み及び打止めは,23.7.9 の規定による。
23.10.9 中掘り工法による掘削,沈設,先端処理及び保持
中掘り工法による掘削,鋼管矢板の沈設,先端処理及び保持は,23.7.10
の規定による。
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23.10.10 中詰めコンクリート及び継手管処理
(1) 仮締切兼用方式の場合には,頂版と鋼管矢板の接合部を補強するため
に,鋼管矢板内に中詰めコンクリートを適切な施工の方法及び順序で打
設することを原則とする。
(2) 鋼管矢板の継手管内には,剛性の確保等のため,土砂を排除した後,モ
ルタルを充てんすることを原則とする。
23.10.11 仮締切部
仮締切兼用方式における仮締切部の施工においては,所定の施工の方法及
び順序に従って,仮締切内の掘削,底版コンクリートの打設及び支保工の設
置並びに支保工及び仮締切部鋼管矢板の撤去を行わなければならない。
23.10.12 頂版及び鋼管矢板との接合部
頂版及び鋼管矢板との接合部は,頂版に作用する荷重が鋼管矢板に確実に
伝達されるように施工しなければならない。
23.11 地中連続壁基礎の施工
23.11.1 適用の範囲
23.11 の規定は,場所打ち鉄筋コンクリート壁式工法により地中連続壁基
礎の施工を行う場合に適用する。
23.11.2 施工機械器具の選定
施工機械器具は,地中連続壁の諸元,作業地点の環境,地盤の状態及び施
工管理方法等を考慮して選定しなければならない。
23.11.3 試験掘り
地中連続壁の施工に際しては,施工性の確認や施工管理方法を定めるため
に,それぞれの基礎においてあらかじめ試験掘りを行わなければならない。
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23.11.4 施工準備
地中連続壁基礎の施工に先立ち,確実に施工が行えるように作業基盤の整
備等を行わなければならない。
23.11.5 掘削
掘削は,23.8.5 の規定による。ただし,エレメントの割付けは継手の位置,
溝壁の安定,掘削機械,掘削方法,鉄筋かご建込み及びコンクリート打設の
施工性を考慮して決定する。
23.11.6 溝底処理
(1) 掘削溝の溝底は,コンクリートの品質を確保し,設計で考慮した荷重
を地盤に確実に伝達するため,適切に処理しなければならない。
(2) 溝底処理は,掘削完了後に加え,鉄筋かごの建込み前にも行わなけれ
ばならない。
23.11.7 鉄筋かごの製作及び建込み
鉄筋かごの製作及び建込みは,23.8.7 の規定による。
23.11.8 エレメント間の継手
(1) 地中連続壁基礎のエレメント間の継手は,必要な強度や剛性を確保で
きるように施工しなければならない。
(2) 継手鋼材は,現場搬入時に,傷及び変形がないこと並びに所定の寸法
及び形状を有することを確認しなければならない。
23.11.9 コンクリート工
コンクリート工は,23.8.8 の規定による。
23.12 深礎基礎の施工
23.12.1 適用の範囲
23.12 の規定は,深礎工法により深礎基礎の施工を行う場合に適用する。
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23.12.2 施工機械器具の選定
施工機械器具は,深礎基礎の諸元,作業地点の環境,地盤の状態及び施工
管理方法等を考慮して選定しなければならない。
23.12.3 施工準備
深礎基礎の施工に先立ち,確実に施工が行えるように作業基盤の整備等を
行わなければならない。
23.12.4 掘削
(1) 掘削は,支持力等が適切に発揮されるよう行わなければならない。
(2) 掘削は,(1)を満足するために,(3)から(8)により行わなければならな
い。
(3) 掘削は,掘削孔の傾斜及び曲がりが生じていないことを確認しながら
行う。
(4) 余掘りは適切に行う。
(5) 孔内は常に排水を行う。
(6) 掘削は,所定の深さまで行うとともに,連続して行うことを標準とす
る。
(7) 深礎杭の間隔が狭い場合は,掘削順序に注意して掘削する。
(8) 発破作業は原則として避ける。やむを得ず発破を用いる場合は,安全性
及び地山への影響を考慮して,適切に計画及び施工を行う。
23.12.5 支持層の確認
支持層の確認は,地質及び基礎部の底面位置における地盤の支持力の確認
等により総合的に判断して行わなければならない。
23.12.6 土留め構造
(1) 土留めは,掘削孔の全長にわたって行い,撤去しないことを原則とする。
(2) 土留め材は脱落,変形及び緩みのないように組み立てなければならない。
(3) 土留め材を撤去しない場合は,土留め材と地山との間に生じる空隙に
全長にわたって適切に裏込注入を行わなければならない。
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23.12.7 孔底処理
深礎基礎の孔底は,基礎部に作用する荷重を地盤に確実に伝達できるよう
適切に処理しなければならない。
23.12.8 鉄筋工
鉄筋は設計図等に従って加工し,適切な仮設計画のもと,必要な精度を確
保し,所定の位置に堅固に組み立てなければならない。ただし,鉄筋の組立
てにおいては,組立て上の形状保持等のための溶接を構造設計上考慮する鉄
筋に対して行ってはならない。
23.12.9 コンクリート工
(1) コンクリートは,所要の品質が確保されるよう施工しなければならない。
(2) コンクリートの施工は, (1)を満足するために,打込みは材料の分離
を生じないように適切な方法で行う。また,打継目の処理は適切に行わ
なければならない。
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Ⅴ 上 下 部 接 続 部 編
1章 総 則
1.1 適用の範囲
この編は,主として上下部接続部に適用する。
1.2 用語の定義
この編で用いる用語の定義は次のとおりとする。
(1) 制限値
橋及び部材等の限界状態を超えないとみなせるための適当な安全余裕
を考慮した値
(2) 塑性変形能
部材が作用の繰返しを受けた場合に,荷重を支持する能力の低下があ
らかじめ想定した範囲でかつ限定的な範囲にとどまる状態を保持したま
ま,あらかじめ想定した範囲の塑性変形を安定的に繰り返すことができ
る能力
(3) 支承部
上部構造及び下部構造とは独立した構造を有する上下部接続部。支承
本体及び支承本体と上部構造及び下部構造との取付部からなる。
(4) 支承部群
支承部の集合
(5) 支承本体
支承部のうち,主に変位追随機能と荷重伝達機能を担う構造部分
(6) 支承上部取付部
支承部のうち,主に支承本体と上部構造との接続を担う部分。その一
部又は全部が上部構造の一部を兼ねる。
(7) 支承下部取付部
支承部のうち,主に支承本体と下部構造との接続を担う部分。その一
部又は全部は下部構造の一部を兼ねる。
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