¶ 道路橋示方書(9/16)
本頁文字(可複製、可搜尋)
(2) コンクリート部材等の限界状態は,3.6.2 の規定による。
(3) コンクリート部材等及びコンクリート上部構造の限界状態は,工学的
指標を用いて適切に設定しなければならない。
(4) 限界状態に関連付ける工学的指標の設定にあたっては,1),2)及び3)
を満足しなければならない。又は,4)を満足しなければならない。
1) 限界状態を適切に評価できる理論的な妥当性を有する手法,実験等
により検証のなされた手法等の適切な知見に基づいた方法により,限
界状態に対応する特性値を設定する。
2) 塑性化した状態を耐荷性能の評価に考慮する部材等の限界状態2又
は限界状態3の特性値については,作用の繰返しが部材の状態に及ぼ
す影響について,適切な知見に基づいた方法により,限界状態に対応
する特性値を設定する。
3) 限界状態に対応する制限値の設定にあたっては,その特性値の根拠
に応じて適切に部分係数を設定する。
4) 1)から3)によらない場合は,1)から3)による場合と同等の信頼性で
耐荷性能の評価が行える適切な方法により制限値を設定する。
(5) コンクリート部材等及びコンクリート上部構造について,5章から13
章の規定に従い工学的指標の特性値又は制限値を定める場合には,(3)及
び(4)を満足するとみなしてよい。
(6) 施工時の限界状態は,施工途中の各段階における材料強度,構造等の
条件及び完成形で想定する状態を満足できることを考慮して適切に設定
しなければならない。
3.6.2 コンクリート部材等の限界状態
(1) Ⅰ編4.3 に規定する部材等の限界状態1は,1)から3)とする。
1) 部材等の挙動が可逆性を有する限界の状態
2) 部材等の能力を低下させる変位及び振動に部材等が至らない限界の
状態
3) 部材等の設計で前提とする耐荷機構が成立している限界の状態
(2) Ⅰ編4.3 に規定する部材等の限界状態2は,1)かつ2),又は,1)かつ
3)とする。
1) 部材等の挙動が可逆性を失うものの,作用の繰返しに対して耐荷力
を安定して発揮できる限界の状態
2) 部材等としての最大強度点を超えず,部材等の能力を低下させる残
402
本頁文字(可複製、可搜尋)
留変位の急増や剛性の急変に部材等が至らない限界の状態
3) 部材等に十分な塑性変形能が残存する限界の状態
(3) Ⅰ編4.3 に規定する部材等の限界状態3は,部材等の挙動が可逆性を
失うものの,耐荷力を完全には失わない限界の状態とする。
3.7 耐荷性能の評価
3.7.1 上部構造の耐荷性能の評価
(1) 上部構造は,それを構成する部材等の耐荷性能の組合せによって上部
構造として求められる耐荷性能を有するようにしなければならない。
(2) 上部構造の耐荷性能を,それを構成する部材等の耐荷性能の組合せに
よって実現させる場合の部材等の耐荷性能の評価は,3.7.2 から3.7.4
の規定による。
3.7.2 主桁・主構機能系統を構成する部材等の耐荷性能の評価
(1) 主桁・主構機能系統を構成する部材等は,部材等の耐荷性能の組合せ
によって主桁・主構機能系統を構成する部材等として求められる耐荷性
能を有するようにしなければならない。
(2) 主桁・主構機能系統を構成する部材等の耐荷性能を,部材等の耐荷性
能の組合せによって実現させる場合の部材等の耐荷性能の評価は,3.7.5
の規定による。
3.7.3 床版・床組機能系統を構成する部材等の耐荷性能の評価
(1) 床版・床組機能系統を構成する部材等は,部材等の耐荷性能の組合せ
によって床版・床組機能系統を構成する部材等として求められる耐荷性
能を有するようにしなければならない。
(2) 床版・床組機能系統を構成する部材等の耐荷性能を,部材等の耐荷性
能の組合せによって実現させる場合の部材等の耐荷性能の評価は,3.7.5
の規定による。
3.7.4 立体的構造保持機能系統を構成する部材等の耐荷性能の評価
(1) 立体的構造保持機能系統を構成する部材等は,部材等の耐荷性能の組
合せによって立体的構造保持機能系統を構成する部材等として求められ
403
本頁文字(可複製、可搜尋)
る耐荷性能を有するようにしなければならない。
(2) 立体的構造保持機能系統を構成する部材等の耐荷性能を,部材等の耐
荷性能の組合せによって実現させる場合の部材等の耐荷性能の評価は,
3.7.5 の規定による。
3.7.5 部材等の耐荷性能の評価
(1) Ⅰ編5章の規定に従い,上部構造を構成するコンクリート部材等及び
コンクリート上部構造の耐荷性能の評価は,1)及び2)に従い行うことを
標準とする。
1) 3.5(1)に規定する作用の組合せに対して,部材等の耐荷性能に応じ
て定める3.6.2 に規定する部材等の限界状態を,各々に必要な信頼性
をもって超えないことを式(3.7.1)及び式(3.7.2)を満足することによ
り確認する。
𝛴𝑆൫𝛾𝛾𝑃൯≦ξ1Φோௌ𝑅ௌ ··············································· (3.7.1)
𝛴𝑆൫𝛾𝛾𝑃൯≦ξଵξଶΦோ𝑅 ··········································· (3.7.2)
ここに, 𝑃 : 作用の特性値
𝑆 : 作用効果であり,作用の特性値に対して算出される
部材等の応答値
𝑅ௌ : 部材等の限界状態1又は限界状態2に対応する部材
等の抵抗に係る特性値
𝑅 : 部材等の限界状態3に対応する部材等の抵抗に係る
特性値
𝛾 : 荷重組合せ係数
𝛾 : 荷重係数
ξଵ : 調査・解析係数
ξଶ : 部材・構造係数
Φோௌ : 部材等の限界状態1又は限界状態2に対応する部材
等の抵抗に係る抵抗係数
Φோ : 部材等の限界状態3に対応する部材等の抵抗に係る
抵抗係数
2) 部材等の限界状態を代表させる事象を,部材等の限界状態1又は限
界状態2と限界状態3のいずれかに区別し難い場合には,当該事象を
部材等の限界状態3として代表させ,3.5(1)に規定する作用の組合せ
に対して,部材等の限界状態3を必要な信頼性をもって超えないこと
404
本頁文字(可複製、可搜尋)
を式(3.7.2)で満足することにより確認する。
(2) 式(3.7.1)及び式(3.7.2)の作用効果は,3.9 に規定する構造解析,5
章から13 章の規定に従い算出する。このとき,着目する機能系統及び構
成する部材ごとに対して,最も不利な状態が生じるように作用を考慮し
なければならない。
(3) 式(3.7.1)及び式(3.7.2)の作用の特性値,荷重組合せ係数及び荷重係
数は,3.5 の規定に従い設定する。
(4) 式(3.7.1)及び式(3.7.2)の抵抗係数及び抵抗の特性値は,5章から13
章の規定に従い設定する。
(5) 式(3.7.1)及び式(3.7.2)の調査・解析係数及び部材・構造係数は,5
章,6章,8章及び10 章の規定による。
(6) 衝突荷重を含む作用の組合せを考慮して工学的指標と限界状態を関連
付ける場合には,(4)によらず,適切に工学的指標の特性値又は制限値を
設定する。
(7) Ⅰ編5.2.1(13)の規定に従い,(1)の評価を行うにあたって,作用効果
が適切に評価されるように必要な条件を明らかにし,その条件を満足さ
せなければならない。
(8) 特定の条件に対して安全性の検討を行う場合には,Ⅰ編5.2.1(15)の
規定に準じて耐荷性能を評価する。
3.8 コンクリート部材等及びコンクリート上部構造の耐久性能の評価
コンクリート部材等及びコンクリート上部構造の耐久性能の評価は,少な
くとも14 章の規定によるほか,Ⅱ編からⅤ編の関連する規定によらなけれ
ばならない。
3.9 構造解析
(1) 橋軸方向及び橋軸直角方向を構成する部材等の断面力,応力及び変位
の算出にあたっては,荷重状態に応じた部材の材料特性,破壊過程,構
造形式に応じた幾何学的特性,応力状態の複雑さ,支持条件等を適切に
評価できる解析理論及び解析モデルを用いなければならない。
(2) 橋軸方向及び橋軸直角方向を構成する部材の断面力の算出にあたって
は,鉛直又は水平方向の腹圧力,ねじりモーメントによる付加応力,及
び部材相互の作用等の影響を適切に考慮しなければならない。
(3) 1)から4)を満足する場合には,部材等の耐荷性能や耐久性能の評価に
405
本頁文字(可複製、可搜尋)
おいて5章以降に規定する制限値を用いてよい。
1) 部材をはり理論,版理論等に従い棒部材又は版部材としてモデル化
する。
2) 橋及びそれを構成する部材等を骨組,格子及び版としてモデル化す
る。
3) 線形解析により部材の断面力,変位及びその断面力に基づく応力を
算出することを基本とする。部材の断面力,変位及びその断面力に基
づく応力の算出について,別途の規定がある場合には,その規定によ
る。
4) コンクリート部材等の断面力は,コンクリートの全断面を有効とし
た弾性体として,鉄筋及びPC 鋼材を無視して算出された部材の曲げ剛
性,せん断剛性及びねじり剛性の値を用いて算出してよい。
3.10 その他の必要事項
3.10.1 一 般
(1) コンクリート部材等及びコンクリート上部構造の設計においては,3.7
及び3.8 に規定する耐荷性能及び耐久性能の評価のほか,耐荷性能及び
耐久性能の評価の前提となる事項,上部構造又は下部構造に求められる
変位の制限値等,橋の性能を満足するために必要な事項を検討し,適切
に設計に反映させなければならない。
(2) 風の影響については,Ⅰ編8.17 により適切に考慮しなければならな
い。
なお,コンクリート部材等及びコンクリート上部構造では,風の影響
による有害な振動が生じないようにすることを原則とし,部材等に振動
を発現させるおそれのある現象について設計において適切に考慮しなけ
ればならない。
3.10.2 構造設計上の配慮事項
設計では,経済性,地域の防災計画及び関連する道路網の計画との整合性
も考慮したうえで,少なくとも1)から7)の観点について構造設計上実施で
きる範囲を検討し,必要に応じて構造設計に反映させなければならない。
1) 設計で前提とする施工品質の確認方法の観点。
2) 橋の一部の部材及び接続部の損傷,地盤変動等の可能性に対する構
406
本頁文字(可複製、可搜尋)
造上の補完性又は代替性の観点。
3) 塑性変形能を有しない部材を含む全ての部材に対するぜい性的な破
壊が生じることを回避することへの配慮。
4) 部材に生じるねじりの影響をできるだけ少なくする観点。
5) 点検及び修繕が困難となる箇所をできるだけ少なくすることの観
点。少なくとも部材の端部等の狭隘な空間となる箇所については,検
討すべき箇所とすることを標準とする。
6) 設計供用期間中の更新及び修繕の実施方法について検討しておくこ
とが望ましい部材の選定とそれを確実に行える橋の構造とすることの
観点。少なくとも床版及びケーブル部材については検討すべき部材と
することを標準とする。また,支点部についても,支承等の更新及び
修繕が確実に行える構造であるよう,検討すべき箇所とすることを標
準とする。
7) 局所的な応力集中,複雑な挙動,滞水等が生じにくい細部構造とす
ることの観点。少なくとも,支点部付近及びケーブル定着構造につい
ては検討すべき箇所とすることを標準とする。
4章 材料の特性値
4.1 材料の強度の特性値
4.1.1 一 般
(1) 材料の強度の特性値は,適切に定められた材料強度試験法による試験
値のばらつきを考慮したうえで,試験値がそれを下回る確率がある一定
の値以下となることが保証された強度の値としなければならない。
(2) 4.1.2 の規定による場合には,鋼材の強度は(1)を満足するとみなして
よい。
(3) コンクリートの圧縮強度は4.1.3 の規定による。
4.1.2 鋼材の強度の特性値
鉄筋コンクリート用棒鋼,PC 鋼線,PC 鋼より線,PC 鋼棒及びアンカーボ
ルトの強度の特性値は,表-4.1.1 から表-4.1.4 に示す値とする。
407
本頁文字(可複製、可搜尋)
表-4.1.1 鉄筋コンクリート用棒鋼の強度の特性値
降伏強度 引張強度
鉄筋の種類
(N/mm2) (N/mm2)
SD345 345 490
SD390 390 560
SD490 490 620
表-4.1.2 PC 鋼線及びPC 鋼より線の強度の特性値
降伏強度 引張強度
記号 呼び名
(N/mm2) (N/mm2)
SWPR1AN 5mm 1420 1620
SWPR1AL
7mm 1320 1510
SWPD1N
SWPD1L 8mm 1270 1470
9mm 1220 1410
SWPR1BN 5mm 1520 1720
SWPR1BL
7mm 1420 1610
8mm 1370 1560
SWPR2N
2.9mm,2本より 1710 1930
SWPR2L
SWPR7AN 9.3mm,7本より 1460 1720
SWPR7AL
10.8mm,7本より 1460 1720
12.4mm,7本より 1460 1720
15.2mm,7本より 1470 1730
SWPR7BN 9.5mm,7本より 1580 1850
SWPR7BL
11.1mm,7本より 1590 1860
12.7mm,7本より 1580 1850
15.2mm,7本より 1600 1880
SWPR19N 17.8mm,19 本より 1580 1850
SWPR19L
19.3mm,19 本より 1580 1850
20.3mm,19 本より 1550 1820
21.8mm,19 本より 1580 1830
28.6mm,19 本より 1510 1780
408
本頁文字(可複製、可搜尋)
表-4.1.3 PC 鋼棒の強度の特性値
降伏強度 引張強度
種類 記号
(N/mm2) (N/mm2)
丸鋼A 種 2号 SBPR785/1030 785 1030
丸鋼B 種 1号 SBPR930/1080 930 1080
2号 SBPR930/1180 930 1180
表-4.1.4 アンカーボルトの強度の特性値(N/mm2)
鋼材の種類
SD345 SS400 S35CN S45CN
強度の種類
引張降伏強度 345 235 305 345
せん断降伏強度 200 135 175 200
4.1.3 コンクリートの圧縮強度の特性値
(1) コンクリートの圧縮強度の特性値をもって設計基準強度とする。
(2) コンクリートの圧縮強度の特性値は,材齢28 日における試験強度に
基づき,試験値がその値を下回る確率が5%となるように定められた値
とする。
(3) JIS A 5308 に適合するレディーミクストコンクリートを用いる場合に
は,その呼び強度をコンクリートの圧縮強度の特性値としてよい。
4.2 設計に用いる定数
4.2.1 一 般
(1) 設計計算に用いる定数は,使用する材料の特性及び品質を考慮したう
えで適切に設定しなければならない。
(2) 4.2.2 及び4.2.3 の規定による場合には,(1)を満足するとみなしてよ
い。
4.2.2 鋼材に関する定数
(1) Ⅰ編9.1 に示す鋼材に関する定数は表-4.2.1 の値とする。
409
本頁文字(可複製、可搜尋)
表-4.2.1 鋼材に関する定数
鋼 種 定数
鋼及び鋳鋼のヤング係数 2.00×105N/mm2
PC鋼線のヤング係数 2.00×105N/mm2
PC鋼より線のヤング係数 1.95×105N/mm2
PC鋼棒のヤング係数 2.00×105N/mm2
鋳鉄のヤング係数 1.00×105N/mm2
鋼のせん断弾性係数 7.70×104N/mm2
鋼及び鋳鋼のポアソン比 0.30
鋳鉄のポアソン比 0.25
(2) プレストレスの減少量を算出する場合のPC 鋼材の見かけのリラクセ
ーション率は,コンクリートのクリープ,乾燥収縮等の影響を考慮して
適切に定める。ただし,PC 鋼材の見かけのリラクセーション率とは,PC
鋼材が一定のひずみを保持した状態で,PC 鋼材の応力が時間の経過とと
もに減少する影響と,コンクリートがクリープ,乾燥収縮等により収縮
する影響とを考慮して定めるPC 鋼材引張力の減少量を,最初に与えた
PC 鋼材引張力に対する百分率で表した値とする。
(3) PC 鋼材の見かけのリラクセーション率は,表-4.2.2 の値を標準とす
る。ここで,高温の影響を受ける場合とは,蒸気養生を行う場合又は部
材上縁に配置されたPC 鋼材の純かぶりが50mm 未満で加熱混合型アスフ
ァルト舗装を行う場合とする。
表-4.2.2 PC 鋼材の見かけのリラクセーション率(%)
規 格
PC 鋼材の種類 備 考
標準値 高温の影響を受ける場合
PC鋼線 5 7 通常品
PC鋼より線 1.5 2.5 低リラクセーション品
PC鋼棒 3 5 通常品
4.2.3 コンクリートに関する定数
(1) コンクリート部材の設計計算に用いるヤング係数は,表-4.2.3 に示す
値としてよい。
410
本頁文字(可複製、可搜尋)
表-4.2.3 コンクリートのヤング係数(N/mm2)
設計基準強度 21 24 27 30 40 50 60 70 80
2.35 2.50 2.65 2.80 3.10 3.30 3.50 3.70 3.80
ヤング係数
×104 ×104 ×104 ×104 ×104 ×104 ×104 ×104 ×104
(2) コンクリートのせん断弾性係数は式(4.2.1)により算出してよい。
𝐸
𝐺= ············································································(4.2.1) 2.3
ここに, 𝐺 : コンクリートのせん断弾性係数(N/mm2)
𝐸 : コンクリートのヤング係数(N/mm2)
(3) コンクリートのクリープひずみ及び乾燥収縮度を算出する場合には,
コンクリートに導入されるプレストレスの大きさ,コンクリートの材料,
材齢,周辺環境,部材形状・寸法及びこれらの影響のばらつき等を適切
に考慮しなければならない。
(4) コンクリートのクリープひずみ及び乾燥収縮度は,以下の1)及び2)
に従い算出することを標準とする。
1) コンクリートのクリープひずみを式(4.2.2)により定める。
𝜎
𝜀= 𝜑 ······································································(4.2.2)
𝐸
ここに, 𝜀 : コンクリートのクリープひずみ
𝜎 : 持続荷重による応力度(N/mm2)
𝐸 : コンクリートのヤング係数(N/mm2)
𝜑 : コンクリートのクリープ係数で表-4.2.4 の値とする。
表-4.2.4 コンクリートのクリープ係数
持続荷重を載荷するときの
4~7 14 28 90 365
コンクリートの材齢(日)
早強ポルトランド
2.6 2.3 2.0 1.7 1.2
クリープ セメント使用
係数 普通ポルトランド 2.8 2.5 2.2 1.9 1.4
セメント使用
2) コンクリートの乾燥収縮度を表-4.2.5 により定める。
411
本頁文字(可複製、可搜尋)
表-4.2.5 コンクリートの乾燥収縮度
プレストレスを導入するときの
4~7 28 90 365
コンクリートの材齢(日)
乾燥収縮度 20×10-5 18×10-5 16×10-5 12×10-5
5章 耐荷性能に関する部材の設計
5.1 一 般
5.1.1 設計の基本
(1) コンクリート部材の設計にあたっては,1)から12)を満足しなければ
ならない。
1) 部材軸方向の耐荷性能の評価及び部材軸直角方向の耐荷性能の評価
は,着目する方向の断面内に生じる曲げモーメント,軸方向力,せん
断力,ねじりモーメント及びそれらの組合せ並びに支圧力に対して行
うことを原則とする。
2) 部材の耐荷性能は,永続作用支配状況及び変動作用支配状況に該当
する全ての設計で考慮する状況が,設計供用期間にわたって繰り返し,
順不同に生じることに対して,対応する全ての種類及び方向の断面力
が繰り返し,順不同に生じることに対して実現されなければならない。
3) 部材の耐荷性能は,偶発作用支配状況のうち地震の影響を含む設計
状況において,地震の影響として考慮する地震動が複数回生じること
を前提に実現されなければならない。
4) 集中荷重を受ける部材では,集中荷重による局所的な影響を適切に
考慮する。
5) 部材の応答及び限界状態の特性値は,耐荷性能の評価に用いる指標
の算出や抵抗係数の前提条件に適合した方法で算出する。
6) 部材への作用力及び作用力に対する部材の耐荷機構を明確にし,適
切に部材の限界状態,評価項目,制限値,構造解析法及び施工方法を
定める。
7) 6)を満足させるにあたっては,コンクリートのクリープ及び乾燥収
縮を適切に考慮する。
8) コンクリート部材は,耐荷機構の前提として考慮された鉄筋,PC 鋼
412
本頁文字(可複製、可搜尋)
材及びコンクリートのみにより作用力に対して抵抗させる。ただし,
コンクリートに引張力を負担させないことを原則とする。
9) コンクリート部材は,作用の伝達や抵抗が一方向とみなせる棒部材
又は作用の伝達や抵抗が二方向とみなせる版部材として扱い,応答値
を算出することを原則とする。
10) 設計で想定されない,部材の偏心,断面の急変,桁のたわみ差,部
材の長さの変化に伴う変形,死荷重による部材のたわみの影響等によ
り生じる二次応力ができる限り小さくなるように形状を定める。
11) 部材の耐荷力を計算するうえで考慮しない鋼材を部材に存置する
場合等,設計で想定しない材料が耐荷力に影響を及ぼすおそれがある
場合には,その材料の周囲に局所的な応力集中等を生じさせず,部材
に残留する応力をできる限り小さくする等,部材の限界状態に影響が
生じない構造とする。
12) 施工中の各段階において生じる残留応力が,部材の限界状態に対す
る部材の状態の評価に用いる発生応力の算出に及ぼす影響をできるだ
け小さくする。
(2) 集中荷重を受ける部材において1)から3)を満足する場合には,(1)4)
を満足するとみなしてよい。
1) 集中荷重の作用点付近においては,コンクリートの引張抵抗を無視
し,鉄筋の引張抵抗とコンクリートの圧縮抵抗により,発生する応力
に抵抗させる。
2) 集中荷重の作用点付近における応力状態を3.9 の規定に従い適切な
解析手法によって評価する。
3) 実験等により確認した方法を用いて,集中荷重による局所的な影響
が部材に生じにくくなるように,鉄筋の配置及び集中荷重の作用点付
近の形状を定める。
(3) この示方書で規定される,鉄筋及びPC 鋼材における直径は,日本産業
規格(JIS)に示される鉄筋コンクリート用棒鋼,PC 鋼棒,PC 鋼線及び
PC 鋼より線の呼び名で表される直径とする。
(4) 60N/mm2 を超える設計基準強度を有するコンクリートを用いた部材に
対する制限値は,製造設備の整った工場又はこれと同等の施工条件が備
わった場所で製作するプレキャスト部材に適用することを原則とする。
413
本頁文字(可複製、可搜尋)
5.1.2 コンクリート部材の種別
(1) 鉄筋コンクリート部材は,部材断面に発生する引張応力に対してコン
クリートの引張抵抗を見込まず,鉄筋により抵抗する耐荷機構を満足す
るコンクリート部材とする。
(2) プレストレストコンクリート部材は,プレストレスの存在を前提とし
て,コンクリートが全断面で抵抗するとみなせる耐荷機構を満足するコ
ンクリート部材とする。
(3) 鉄筋コンクリート部材は,5.1.1(1)の6)から8)を満足するよう,5.2
の規定に従い鉄筋を配置しなければならない。
(4) プレストレスを導入するコンクリート部材は,5.1.1(1)の6)から8)
を満足するよう,プレストレスを導入し,5.2 及び5.4 の規定に従い鉄
筋及びPC 鋼材を配置しなければならない。
(5) ディープビームは,単純ばり又は連続ばりとなる部材において,はり
の支間と高さの比率が次の値未満となるコンクリート部材とする。
単純ばり 𝑙/ℎ= 2.0
2径間連続ばり 𝑙/ℎ= 2.5
3径間以上の連続ばり 𝑙/ℎ= 3.0
ここに, 𝑙 : はりの支間長(mm)
ℎ : はりの高さ(mm)
(6) コーベルは,片持ちばりとなる部材において,張出し長さ𝑙とはりの高
さℎの比ሺ𝑙ℎ⁄ ሻが1.0 未満となるコンクリート部材とする。ただし,図-
5.1.1 に示すような作用荷重が主として集中荷重𝑃となる場合には,張出
し部固定端から荷重作用位置までの距離𝑎を張出長さ𝑙とする。
図-5.1.1 先端付近に荷重を受けるコーベル
(7) ディープビーム及びコーベルは,引張弦材に相当する鉄筋の引張応力
414
本頁文字(可複製、可搜尋)
及びアーチリブに相当するコンクリートの圧縮力によるタイドアーチ的
な耐荷機構となるよう,それぞれ5.2.11 及び5.2.12 の規定に従い鉄筋
を配置し,形状を定めなければならない。
5.1.3 相反応力部材
(1) 相反応力を生じる部材については,活荷重の増大に対して安全となる
よう配慮しなければならない。
(2) (3)及び(4)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 相反応力を生じる部材は,Ⅰ編3.2 の設計状況によらず,式(5.1.1)に
示す荷重組合せを考慮した応答値が,限界状態1,限界状態2及び限界
状態3の制限値を超えないことを照査する。
1.0ሺD + PS + CR + SH + TFሻ+ 1.3L ····································· (5.1.1)
ここに, D : 死荷重
PS : プレストレス力
CR : コンクリートのクリープの影響
SH : コンクリートの乾燥収縮の影響
TF : 温度差の影響。床版と桁の温度差の影響とし,応答値が
不利となる方向に考慮する。
L : 活荷重(衝撃を含む)
(4) 相反応力を生じる部材のうち死荷重による応力が活荷重による応力の
30%より小さい場合には,Ⅰ編3.2 の設計状況及び(3)によらず,式
(5.1.2)に示す荷重組合せを考慮した応答値が,限界状態1,限界状態2
及び限界状態3の制限値を超えないことを照査する。
1.0ሺL + PS + CR + SH + TFሻ ·········································(5.1.2)
ここに, L : 活荷重(衝撃を含む)
PS : プレストレス力
CR : コンクリートのクリープの影響
SH : コンクリートの乾燥収縮の影響
TF : 温度差の影響。床版と桁の温度差の影響とし,応答値が
不利となる方向に考慮する。
5.1.4 長期的なたわみに対する検討
(1) コンクリート部材については,橋の設計供用期間中に長期的なたわみ
が生じる影響に対して安全であるよう配慮しなければならない。
415
本頁文字(可複製、可搜尋)
(2) コンクリートのクリープ及び乾燥収縮の影響を評価したうえで,5.7
以降の規定により限界状態を定めた場合には,(1)を満足するとみなして
よい。
5.1.5 設計計算におけるその他の前提条件の検討
(1) プレストレストコンクリート部材の設計計算においては,5.1.1 の規
定を満足するほか,(2)及び(3)の規定を満足しなければならない。
(2) 4.2 の規定に従いPC 鋼材のリラクセーションの影響を評価する場合に
は,プレストレッシング直後のPC 鋼材の引張応力度が表-5.1.1 の制限
値を超えない。
表-5.1.1 PC 鋼材の引張応力度の制限値(N/mm2)
応力度の状態 応力度の制限値 備 考
プレストレッ 0.70𝜎௨又は0.85𝜎௬ 𝜎௨:PC 鋼材の引張強度の特性値(N/mm2)
シング直後 のうち小さい方の値 𝜎௬:PC 鋼材の降伏強度の特性値(N/mm2)
(3) 4.2 の規定及びⅠ編8章の規定に従いコンクリートのクリープひずみ
及び乾燥収縮度を算出する場合には,永続作用の影響が支配的な状況に
対し,5.6 の規定により算出されるコンクリートの応力度が1)及び2)を
満足する。
1) コンクリートの圧縮応力度が表-5.1.2 の制限値を超えない。
2) コンクリートの引張応力度が表-5.1.3 の制限値を超えない。
表-5.1.2 コンクリートの圧縮応力度の制限値(N/mm2)
コンクリート設計
基準強度 30 40 50 60 70 80
応力度の種類
曲げ圧縮 1)長方形断面の場合 12.0 15.0 17.0 19.0 23.0 27.0
応力度の 2)T形及び箱形断面
11.0 14.0 16.0 18.0 22.0 26.0
制限値 の場合
3)軸圧縮応力度の制限値 8.5 11.0 13.5 15.0 18.5 22.0
416
本頁文字(可複製、可搜尋)
表-5.1.3 コンクリートの引張応力度の制限値(N/mm2)
コンクリート設計
基準強度 30 40 50 60 70 80
応力度の種類
1)曲げ引張応力度の制限値 0.0
2)軸引張応力度の制限値 0.0
3)せん断力のみ又はねじり
斜引張応力度 モーメントのみを考慮す 0.8 1.0 1.2 1.3 1.3 1.3
の制限値 る場合
4)せん断力とねじりモーメ
ントをともに考慮する場 1.1 1.3 1.5 1.6 1.6 1.6
合
5.2 部材設計における一般事項
5.2.1 最小部材厚
(1) コンクリート上部構造に用いる棒部材及び版部材の部材の厚さは,鉄
筋,PC 鋼材(シースを含む)及びPC 鋼材の定着具が機械的性質を低下
させるほどの変形を生じさせないよう配置でき,コンクリートの打込み
が困難とはならず,所定のかぶりが確保できるものでなければならない。
(2) 部材の最小厚さが表-5.2.1 の値以上の場合には,(1)を満足するとみ
なしてよい。
表-5.2.1 部材の最小厚さ(mm)
部材の種類 最小厚さ
場所打ちの鉄筋コンクリート部材のウェブ 250
場所打ちのプレストレストコンクリート部材のウェブ 140
プレキャスト部材のウェブ 130
横桁及び隔壁 200
5.2.2 鉄筋の配置
(1) 鉄筋の直径と配置は,施工品質が確保できるよう定めなければならな
い。
(2) (1)を満足するために,1)及び2)を標準とする。
1) 主鉄筋の直径は13mm 以上とする。
2) 主鉄筋は2段以下に配置する。
(3) 乾燥収縮,温度勾配等により生じる可能性のあるひび割れが,部材設
計における耐荷性能及び耐久性能の前提に与える影響をできるだけ小さ
417
本頁文字(可複製、可搜尋)
くするよう,適切に鉄筋を配置しなければならない。
(4) (3)を満足するために,1)及び2)を標準とする。
1) コンクリート部材表面に沿う鉄筋を300mm 以下の間隔で配置する。
2) 上部構造においては,部材断面積の0.15%以上の鉄筋を配置する。
(5) 作用力によってひび割れが発生した場合でも,ひび割れが集中するこ
となく分散するように,適切に鉄筋径を定めなければならない。
(6) (5)を満足するために,主鉄筋の直径は32mm 以下とすることを標準と
する。
(7) 打継目付近には,新旧コンクリート間の温度差,乾燥収縮等により生
じる引張応力に対して用心鉄筋を配置する。
5.2.3 鉄筋,PC 鋼材及びシースのかぶり
(1) コンクリートと鉄筋,PC 鋼材又は鋼製シースとの付着を確保するため
に,必要なかぶりを確保しなければならない。
(2) 鉄筋,PC 鋼材及び鋼製シースにおいて,それぞれの直径以上のかぶり
を確保する場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
図-5.2.1 鉄筋等のかぶり
5.2.4 鉄筋,PC 鋼材及びシースのあき
(1) 鉄筋,PC 鋼材及びシースのあきは,以下の1)及び2)を満足するよう
にしなければならない。
1) 鉄筋,PC 鋼材及びシースの周囲にコンクリートが十分に行きわたり,
かつ,確実にコンクリートの締固めが行える。
2) コンクリートと鉄筋及びPC 鋼材とが十分に付着し,両者が一体とな
418
本頁文字(可複製、可搜尋)
って働く。
(2) 以下を満足する場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
1) プレキャスト部材以外の部材において,主鉄筋,PC 鋼材及びシース
のそれぞれのあき,並びに主鉄筋とPC 鋼材やシースとのあきは,それ
ぞれ40mm 以上,かつ,粗骨材の最大寸法の4/3 倍以上とする。
2) 1)によるほか,コンクリート打込み及び締固め用のあきを確保する。
3) プレキャスト部材において,主鉄筋,PC 鋼材及びシースのそれぞれ
のあき,並びに主鉄筋とPC 鋼材やシースとのあきは,それぞれ20mm
以上,かつ,粗骨材の最大寸法の4/3 倍以上とする。
4) プレテンション方式のプレストレストコンクリート部材の端部にお
けるPC 鋼材のあきは,水平方向及び鉛直方向ともにPC 鋼材の直径の
3倍以上とし,かつ,水平方向のあきは粗骨材の最大寸法の4/3 倍以
上とする。
5) 4)によらず,プレストレス導入時のPC 鋼材の定着長及び最大耐力に
悪影響が出ないことを試験で確認できた場合には,水平方向及び鉛直
方向ともにPC 鋼材のあきをその直径の2.5 倍以上とし,かつ,水平方
向のあきは粗骨材の最大寸法の4/3 倍以上とする。
6) 主鉄筋のあきは,1)から3)の規定によるほか,鉄筋の直径の1.5 倍
以上とする。
図-5.2.2 鉄筋等のあき
5.2.5 鉄筋の定着
(1) 鉄筋の端部は,鉄筋とコンクリートが一体となって働くよう定着しな
ければならない。
(2) (3)から(11)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 鉄筋の端部は,次のいずれかの方法によりコンクリートに定着する。
419
本頁文字(可複製、可搜尋)
1) コンクリート中に埋込み,鉄筋とコンクリートとの付着により定着
する。
2) コンクリート中に埋込み,フックを設けて定着する。
3) 定着板等を取り付けて機械的に定着する。
(4) 鉄筋とコンクリートとの付着により定着する場合の定着長を,
5.2.7(4)2)及び5.2.7(4)3)に規定する鉄筋の重ね継手長に等しい長さ
以上とする。
(5) フックを設けて引張鉄筋を定着する場合の定着長を,(4)に規定する定
着長の2/3 以上とする。また,フックを設けて圧縮鉄筋を定着する場合
の定着長は(4)の規定によるものとし,フックの効果を考慮しない。なお,
フックの形状は,5.2.6 の規定による。
(6) 定着板等の定着体を取り付けて機械的に定着する場合には,その定着
長を,定着体の定着効果が確認された範囲において適切に確保する。
(7) 正鉄筋は,計算上必要なくなる点から部材の有効高に等しい長さだけ
のばして曲上げるか,又は,そのままのばして,圧縮部のコンクリート
に定着することを原則とする。ただし,正鉄筋の本数の1/3 以上は,曲
上げずに支点を超えて圧縮部のコンクリートに定着する。
(8) 負鉄筋は,計算上必要なくなる点から部材の有効高に等しい長さだけ
のばして曲下げるか,又はそのままのばして,圧縮部のコンクリートに
定着することを原則とする。ただし,負鉄筋の本数の1/3 以上は,曲下
げずに反曲点を超えて,支間の1/16 以上で,かつ部材の有効高に等しい
長さ以上のばして定着する。
(9) 折曲げ鉄筋の端部は,所定のかぶりを確保したうえで,部材の上面又
は下面にできる限り接近させ,更にそれに平行に折り曲げ,圧縮部のコ
ンクリートに定着することを原則とする。この場合,フックをつけた異
形棒鋼及びフックをつけない異形棒鋼の定着長は,それぞれ鉄筋の直径
の10 倍及び15 倍以上としなければならない。
(10) スターラップは,引張鉄筋を取囲み,フックを設けて圧縮部のコンク
リートに定着する。また,圧縮鉄筋がある場合においては,引張鉄筋及
び圧縮鉄筋を取囲み,原則としてフックを設けて圧縮部のコンクリート
に定着する。なお,大きなねじりモーメントが発生する部材では,軸方
向鉄筋全体を取囲み,原則としてフックを設けて圧縮部のコンクリート
に定着する。
(11) JIS に適合する材料以外の棒鋼を使用する場合には,(3)から(10)を
満足するとともに,その機械的性質等の材料の品質を踏まえて定着長を
420
本頁文字(可複製、可搜尋)
設定する。
5.2.6 鉄筋のフック及び曲げ形状
(1) 鉄筋のフック及び曲げ形状は,鉄筋に生じる引張力によって鉄筋の端
部が滑らず,コンクリートに大きな支圧応力を発生させない形状としな
ければならない。
(2) 鉄筋のフック及び曲げ形状は,加工が容易にでき,かつ,加工により
鉄筋の材質が傷まない形状としなければならない。
(3) 次による場合には,(1)及び(2)を満足するとみなしてよい。
1) 異形棒鋼のフックに,半円形フック,直角フック,又は鋭角フック
のいずれかを用いる。ただし,SD490 では直角フック以外用いてはなら
ない。
2) 鉄筋のフックは,曲げ加工する部分の端部から次の値以上直線状に
確保する。
(a) 半円形フック:鉄筋の直径の4倍又は60mm のうち大きい値
(b) 直角フック :鉄筋の直径の12 倍
(c) 鋭角フック :鉄筋の直径の6倍又は60mm のうち大きい値
(a)半円形フック (b)直角フック (c)鋭角フック
ここに, 𝜙 : 鉄筋の直径(mm)
𝑟 : 鉄筋の曲げ内半径(mm)
図-5.2.3 鉄筋のフックの曲げ形状
3) 鉄筋の曲げ内半径は次による。なお,曲げ内半径は曲げ加工される
鉄筋の内側の半径とする。
ⅰ) 鉄筋のフックの曲げ内半径は,表-5.2.2 の値以上とする。
ⅱ) スターラップの曲げ内半径は,表-5.2.2 の値以上とする。
ⅲ) 折曲げ鉄筋の曲げ内半径は,鉄筋の直径の5倍以上とする。ただ
し,コンクリート部材の側面から,鉄筋の直径の2倍に20mm を加
421
本頁文字(可複製、可搜尋)
えた距離以内の鉄筋を折曲げ鉄筋として用いる場合においては,そ
の曲げ内半径は,鉄筋の直径の7.5 倍以上とする。
ⅳ) ラーメン構造の端節点部の外側に沿う鉄筋の曲げ内半径は,鉄筋
の直径の10 倍以上とする。
4) JIS に適合する材料以外の棒鋼を使用する場合は,1)から3)による
だけでなく,その機械的性質等の材料の品質を踏まえて曲げ内半径を
設定しなければならない。
表-5.2.2 鉄筋の曲げ内半径(mm)
曲げ内半径
種 類 記 号
フック スターラップ
SD345 2.5𝜙 2.0𝜙
異形棒鋼 SD390 3.0𝜙 2.5𝜙
SD490 3.5𝜙 3.0𝜙
ここに,𝜙:鉄筋の直径(mm)
表-5.2.2
の値以上
(a)スターラップ (b)折曲げ鉄筋 (c)ラーメン構造の端節点
部の外側に沿う鉄筋
ここに, 𝜙 : 鉄筋の直径(mm)
𝑟 : 鉄筋の曲げ内半径(mm)
図-5.2.4 鉄筋の曲げ形状
5.2.7 鉄筋の継手
(1) 鉄筋の継手は,継手の存在により部材の耐荷性能が低下しないよう配
置しなければならない。
(2) 鉄筋の継手は,継手周辺のコンクリートと鉄筋の荷重伝達機構が明確
であり,継いだ鉄筋どうしで応力を確実に伝達でき,かつ,継手方向の
剛性,伸び能力等が母材と著しく異ならず,施工品質が確保できる方法
によらなければならない。
422
本頁文字(可複製、可搜尋)
(3) (2)を満足させるにあたって,鉄筋の継手及び継手周辺のコンクリート
と鉄筋による荷重伝達機構について,少なくとも以下の1)から6)を満
足しなければならない。
1) 継手の荷重伝達機構が明らかであること。
2) 継手が所要の性能を発揮できるための適用条件が明らかであるこ
と。
3) 継手が所要の性能を発揮できるための継手部の構造各部位の形状・
寸法・強度等が明らかであること。
4) 継手が所要の性能を発揮できるための継手部周辺のコンクリートの
強度・補強方法等が明らかであること。
5) 継手部を介して伝達可能な力の大きさが明らかであること。
6) 継手部の構造に応じて鉄筋のかぶりやあきが適切に確保できるこ
と。
(4) 引張鉄筋に重ね継手を用いる場合において,次の1)から3)による場
合には,(1)から(3)を満足するとみなしてよい。
1) 鉄筋の継手位置は,一断面に集中しないように,鉄筋の継手位置を
互いに鉄筋直径の25 倍以上ずらすことを標準とする。
2) 式(5.2.1)により算出する重ね継手長以上,かつ,鉄筋の直径の20
倍以上重ね合わせる。また,重ね継手部は,合計の断面積が継ぐ鉄筋
1本の断面積の0.3 倍以上となる鉄筋を継手に直角に配置して補強す
る。
𝜎௦
𝑙= ∙𝜙 ···································································(5.2.1)
4𝜏
ここに, 𝑙 : 付着応力度より算出する重ね継手長(mm)
𝜎௦: 鉄筋の引張応力度の基本値(N/mm2)で,表-5.2.3 によ
る。
𝜏: コンクリートの付着応力度の基本値(N/mm2)で,表-
5.2.4 による。
𝜙 : 鉄筋の直径(mm)
423
本頁文字(可複製、可搜尋)
表-5.2.3 鉄筋の引張応力度の基本値(N/mm2)
作用・部材の条件 鉄筋の種類
SD345 SD390 SD490
重ね継手長又は定着長を算出する
200 230 290
場合の鉄筋の引張応力度
表-5.2.4 コンクリートの付着応力度の基本値(N/mm2)
コンクリート設計
基準強度 21 24 27 30 40 50 60 70 80
応力度の種類
付着応力度 1.40 1.60 1.70 1.80 2.00 2.00 2.00 2.00 2.00
3) 圧縮鉄筋においては,式(5.2.1)により算出する長さの80%以上,か
つ鉄筋の直径の20 倍以上重ね合わせる。
(5) 鉄筋の継手は,大きな引張応力を受ける位置に設けないことを標準と
する。
5.2.8 軸方向力又は曲げモーメントに対する軸方向鉄筋及びPC 鋼材の配置
(1) 棒部材及び版部材の断面に発生する軸方向力又は曲げモーメントに対
し,引張側の軸方向鉄筋及びPC 鋼材並びに圧縮側のコンクリートによ
る耐荷機構により抵抗できるものでなければならない。
(2) 部材には,急激な破壊を防ぐために鉄筋又はPC 鋼材を配置しなけれ
ばならない。
(3) 鉄筋コンクリート部材は,(2)を満足するよう1)及び2)を原則とする。
1) 式(5.2.2)で求められる断面積以上となるように軸方向鉄筋が配置
されている,又は必要断面積の4/3 以上の軸方向鉄筋が配置されてい
る。
𝐴௦௧≧0.005𝑏௪∙𝑑 ······················································· (5.2.2)
ここに, 𝐴௦௧ : 軸方向引張主鉄筋の断面積(mm2)
𝑏௪ : ウェブ厚(mm)
𝑑 : 有効高(mm)
2) 引張側の軸方向鉄筋量が釣合い鋼材量以下となる。
5.2.9 せん断力に対する鉄筋の配置
(1) 棒部材は,せん断補強鉄筋を引張材,コンクリートを圧縮斜材とする
424
本頁文字(可複製、可搜尋)
トラス理論に基づく耐荷機構によりせん断力に抵抗できる構造としなけ
ればならない。
(2) 次による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
1) 棒部材には,部材有効高の3/4 以下の間隔で部材全長にわたってス
ターラップを配置する。
2) スターラップが必要な場合において,スターラップの間隔は,棒部
材の有効高の1/2 以下とする。
3) スターラップが必要な場合の配置区間は,計算上必要な区間の両端
に,それぞれ部材断面の有効高に等しい長さを加えた区間に配置する。
4) 折曲げ鉄筋をせん断補強鉄筋として用いる場合において,その間隔
は,式(5.2.3)により算出する値以下とする。
1 + cot 𝜃
𝑎= 𝑑 ·································································(5.2.3)
2
ここに, 𝑎 : せん断補強鉄筋の部材軸方向の間隔(mm)
𝜃 : 折曲げ鉄筋が部材軸となす角度
𝑑 : 有効高(mm)
5) 棒部材に異形棒鋼のせん断補強鉄筋を配置するときには,式(5.2.4)
で求められる断面積以上になるよう配置する。
𝐴௪≧0.002𝑏௪∙𝑎∙sin 𝜃 ················································ (5.2.4)
ここに, 𝐴௪ : 間隔𝑎及び角度𝜃で配置されるせん断補強鉄筋の断面
積(mm2)
𝑏௪ : 部材のウェブ幅(mm)
𝑎 : せん断補強鉄筋の部材軸方向の間隔(mm)
𝜃 : せん断補強鉄筋が部材軸となす角度
(3) 版部材においてせん断補強鉄筋を配置しない場合は,以下を満足しな
ければならない。
1) コンクリートのみでせん断力に抵抗する。
2) 軸方向の引張主鉄筋をその面積がせん断に対する有効断面積の1%
以上となるように配置する。
3) 床版については11 章の規定に従い設計する。
(4) ポストテンション方式のプレストレスを導入するコンクリート部材に
おいて,スターラップがPC 鋼材の保持材を兼ねる場合は,PC 鋼材の影
響がスターラップに生じないようスターラップを配置しなければならな
い。
425
本頁文字(可複製、可搜尋)
5.2.10 ねじりモーメントに対する鉄筋の配置
(1) 棒部材は,コンクリートを圧縮斜材,軸方向の鉄筋及び横方向鉄筋を
引張斜材又は引張弦材とした立体的なトラス機構によってねじりモーメ
ントに抵抗できる構造としなければならない。
(2) 次による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
1) 図-5.2.5 に示すように,ねじりモーメントに対する鉄筋は,軸方向
の鉄筋とそれに直交する閉合した横方向鉄筋による構成とする。
2) ねじりモーメントに対する鉄筋は,計算上必要な区間の両端にそれ
ぞれ部材断面の長辺(桁の場合においては桁高)に等しい長さを加え
た区間に配置する。
3) 横方向鉄筋の間隔は,部材断面の長辺(桁の場合においては桁高)
の0.4 倍以下とする。
4) 軸方向鉄筋は少なくとも横方向鉄筋の各隅部に各1本配置する。
5) ねじりモーメントに対する軸方向の鉄筋は,原則として部材断面の
上下左右に対称に配置する。
図-5.2.5 ねじりモーメントに対する鉄筋の配置
(3) 版部材は,ねじりモーメントの発生する位置を考慮し,適切に鉄筋を
配置することによってねじりモーメントに抵抗する構造としなければな
らない。
(4) 版部材に発生するねじりモーメントと等価な曲げモーメント及びせん
断力に抵抗できるよう鉄筋を配置し,かつ,端部において卓越するねじ
りモーメントに抵抗できるよう鉄筋を配置した場合には,(3)を満足する
とみなしてよい。
426
本頁文字(可複製、可搜尋)
5.2.11 ディープビームの形状及び鉄筋の配置
(1) 上載荷重を受けるディープビームにおいては,引張弦材に相当する鉄
筋の引張力及びアーチリブに相当するコンクリートの圧縮力によるタイ
ドアーチ的な耐荷機構が成立するよう適切に鉄筋を配置し形状を定めな
ければならない。
(2) ディープビームが1)から5)を満足する場合には,(1)を満足するとみ
なしてよい。
1) 面外へのねじれが少なくなる荷重作用位置となるように形状を定め
る。
2) 引張主鉄筋が,はり全長にわたり配置され,支点を超えて定着され
ている。
3) 主鉄筋は,断面引張縁から,はり高の1/5 の範囲内に配置されてい
る。
4) 両側面において,鉛直方向及び水平方向それぞれに,片面あたりコ
ンクリートの断面積の0.08%以上の鉄筋が,はり幅の2倍以下の間隔
で配置されている。
5) 最小厚さ250mm 以上の部材厚が確保されている。
6) PC 鋼材を引張主鉄筋とみなす場合には,5.4.3(2)2)の規定を満足す
る。
5.2.12 コーベルの形状及び鉄筋の配置
(1) 先端付近に荷重を受けるコーベルにおいては,引張弦材に相当する鉄
筋の引張力及びアーチリブに相当するコンクリートの圧縮力によるタイ
ドアーチ的な耐荷機構が成立するよう適切に鉄筋を配置し形状を定めな
ければならない。
(2) コーベルが1)から7)を満足する場合には,(1)を満足するとみなして
よい。
1) 面外へのねじれが少なくなる荷重作用位置となるように形状を定め
る。
2) 荷重作用点直下の有効高が,支持端での有効高の1/2 以上確保され
ている。
3) 引張主鉄筋が,断面引張縁から有効高の1/4 の範囲内に配置されて
いる。
427
本頁文字(可複製、可搜尋)
4) 引張主鉄筋が,支持端を超えて前方までのばして配置されている。
5) 引張主鉄筋が,定着具を用いて定着するか,先端部で折り曲げて支
持部材に定着されている。
6) 両側面において,引張主鉄筋の40%以上の用心鉄筋が300mm 以下の
間隔で配置されている。
7) 最小厚さ250mm 以上の部材厚さが確保されている。
8) PC 鋼材を引張主鉄筋とみなす場合には,5.4.3(2)2)の規定を満足す
る。
5.3 塑性変形能を有する鉄筋コンクリート部材の設計における一般事
項
5.3.1 一 般
(1) 鉄筋コンクリート部材の耐荷性能の評価に,塑性変形能が発揮されて
いる状態を考慮する場合には,安定して塑性変形能を確保するために必
要な構造細目を満足したうえで,塑性化の影響を考慮して特性値が評価
された,所定の限界状態に対応する制限値を超えないようにしなければ
ならない。
(2) 曲げモーメント及び軸方向力を受ける鉄筋コンクリート部材が5.3.2
から5.3.6 の規定を満足する場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 塑性変形能を有する鉄筋コンクリート部材のうち,鉄筋コンクリート
橋脚については,Ⅳ編9章による。
5.3.2 曲げモーメント及び軸方向力を受ける部材
(1) 作用力に応じた各部材に生じる断面力及び応力並びに変位,曲率,塑
性率等の応答を,部材の材料特性を考慮して鉄筋コンクリート部材の塑
性化の影響を適切に評価できる構造解析モデルにより算出し,それを状
態の評価に用いる。
(2) 塑性変形能を有する鉄筋コンクリート部材の曲げモーメント-曲率関
係を5.3.3 の規定により設定し,限界状態2又は限界状態3に対応する
特性値及び制限値を設定する。
428
本頁文字(可複製、可搜尋)
5.3.3 塑性変形能を有する鉄筋コンクリート部材の曲げモーメント-曲率関係
塑性変形能を有する鉄筋コンクリート部材の耐荷性能の評価にあたって
は,曲げモーメント-曲率関係を,以下の1)から4)に基づき算出する。
1) 維ひずみは中立軸からの距離に比例する。
2) コンクリートの応力度-ひずみ曲線及び鉄筋の応力度-ひずみ曲線
は,5.3.4 の規定による。
3) 限界状態2又は限界状態3に相当する曲げモーメントの特性値の設
定では,コンクリートの圧縮抵抗に必要な強度を期待できなくなると
き又は軸方向引張鉄筋の引張抵抗に必要な強度を期待できなくなると
きに生じるコンクリートのひずみ又は軸方向鉄筋のひずみを,コンク
リートの圧縮ひずみの限界又は軸方向引張鉄筋の引張ひずみの限界と
し,限界状態2又は限界状態3に相当するひずみの特性値として,
3.6.2 の規定に基づき適切に設定する。
4) 初降伏曲げモーメント及び限界状態2又は限界状態3に相当する曲
げモーメントの大きさが,ひび割れ曲げモーメントの大きさ以上とな
る場合で,かつ,限界状態2又は限界状態3に相当する曲げモーメン
トの大きさが初降伏曲げモーメントの大きさ以上となる場合は,図-
5.3.1 に示すトリリニア型とする。ここで,初降伏曲げモーメントは,
最外縁にある軸方向引張鉄筋位置において,軸方向引張鉄筋が降伏強
度に達するときの曲げモーメント,ひび割れ曲げモーメントは最外縁
のコンクリートが曲げ引張強度に達するときの曲げモーメントとす
る。
Y0
MY0
C :ひび割れ
Y0 :初降伏
LS:限界状態2又は限界状態3
図-5.3.1 塑性変形能を有する鉄筋コンクリート部材の曲げモーメント-曲率関係
429
本頁文字(可複製、可搜尋)
5.3.4 コンクリートの応力度-ひずみ曲線及び鉄筋の応力度-ひずみ曲線
(1) コンクリートの応力度-ひずみ曲線は,図-5.3.2 に基づき式(5.3.1)
によって算出する。
ିଵ
ቑ ···················(5.3.1) 𝜎= 𝐸𝜀ቊ1 −1𝑛൬𝜀𝜀 ൰ ቋ ሺ0 ≦𝜀≦𝜀ሻ
𝜎= 𝜎−𝐸ௗ௦ሺ𝜀−𝜀ሻ ሺ𝜀< 𝜀≦𝜀ሻ
𝐸𝜀 𝑛= ··································································(5.3.2)
𝐸𝜀−𝜎
𝜎= 𝜎+ 3.8𝛼𝜌௦𝜎௦௬ ··························································(5.3.3)
𝜀= 0.002 + 0.033𝛽𝜌௦𝜎௦௬ ··················································(5.3.4)
𝜎
𝜎ଶ
𝐸ௗ௦= 11.2 ································································(5.3.5)
𝜌௦𝜎௦௬
4𝐴
𝜌௦= 𝑠𝑑≦0.018 ································································(5.3.6)
ここに,
𝜎 : コンクリートの応力度(N/mm2)
𝜎 : 横拘束鉄筋で拘束されたコンクリートの最大圧縮応力度
(N/mm2)
𝜎 : コンクリートの設計基準強度(N/mm2)
𝜎௧ : コンクリートの曲げ引張強度(N/mm2)で式(5.3.7)により算
出する。
ଶ/ଷ
𝜎௧= 0.23𝜎 ·························································· (5.3.7)
𝜀 : コンクリートのひずみ
𝜀 : コンクリートが最大圧縮応力度に達するときのひずみ
𝜀 : コンクリートの圧縮ひずみの限界
𝐸 : コンクリートのヤング係数(N/mm2)で,表-4.2.3 による。
𝐸ௗ௦ : 下降勾配(N/mm2)
𝜌௦ : 横拘束鉄筋の体積比で,慣性力の影響を考慮する方向と平
行な方向に配置された横拘束鉄筋によって分割されたコン
クリート部分の中で最も小さい値とする。
𝐴 : 横拘束鉄筋1本あたりの断面積(mm2)
𝑠 : 横拘束鉄筋の間隔(mm)
𝑑 : コンクリートの横拘束効果を考慮するための横拘束鉄筋の
430
本頁文字(可複製、可搜尋)
有効長(mm)
𝜎௦௬ : 横拘束鉄筋の降伏応力度(N/mm2)で,上限を345N/mm2 とす
る。
𝛼,𝛽 : 断面補正係数で,円形断面の場合には𝛼= 1.0,𝛽= 1.0,ま
た,矩形断面の場合においては𝛼= 0.2,𝛽= 0.4とする。
𝑛 : 式(5.3.2)で定義する定数
図-5.3.2 コンクリートの応力度-ひずみ曲線
(2) 軸方向鉄筋の応力度-ひずみ曲線は図-5.3.3 に基づき,式(5.3.8)に
よって算出する。
𝜎௦= −𝜎௦௬ ሺ𝜀௦< −𝜀௦௬ሻ
𝜎௦= 𝐸௦𝜀௦ ሺ−𝜀௦௬≦𝜀௦≦𝜀௦௬ሻ ········································· (5.3.8)
𝜎௦= 𝜎௦௬ ሺ𝜀௦௬< 𝜀௦≦𝜀௦௧ሻ
ここに,
𝜎௦ : 軸方向鉄筋の応力度(N/mm2)
𝜎௦௬ : 軸方向鉄筋の降伏強度(N/mm2)
𝐸௦ : 軸方向鉄筋のヤング係数(N/mm2)
𝜀௦ : 軸方向鉄筋のひずみ
𝜀௦௬ : 軸方向鉄筋の降伏ひずみで,式(5.3.9)により算出する。
𝜎௦௬
𝜀௦௬= ········································································(5.3.9)
𝐸௦
𝜀௦௧ : 軸方向鉄筋の引張ひずみの限界
431
本頁文字(可複製、可搜尋)
図-5.3.3 軸方向鉄筋の応力度-ひずみ曲線
5.3.5 せん断力を受ける部材
(1) せん断力を受ける塑性変形能を有する鉄筋コンクリート部材が,(2)を
満足する場合には,限界状態2及び限界状態3を超えないとみなしてよ
い。
(2) 部材に生じるせん断力が5.11.4(2)(3)に規定するせん断力の制限値
を超えない。ただし,コンクリート部材のせん断力の特性値及び制限値
は,部材の構造条件及び塑性化の程度に応じて適切に設定しなければな
らない。
(3) 以下の1)から3)による場合は,(2)を満足するとみなしてよい。ただ
し,コンクリートの設計基準強度が30N/mm2 以下の場合とする。
1) コンクリートが負担できる平均せん断応力度𝜏の算出に用いる補正
係数は,以下のⅰ)からⅳ)とする。
ⅰ) 有効高𝑑に関する補正係数𝑐は表-5.3.1 による。
表-5.3.1 有効高𝑑に関する補正係数𝑐
有効高(mm) 1,000 以下 3,000 5,000 10,000 以上
𝑐 1.0 0.7 0.6 0.5
432
本頁文字(可複製、可搜尋)
ⅱ) 軸方向に配置された引張側の鉄筋比𝑝௧に関する補正係数𝑐௧は表-
5.3.2 による。
表-5.3.2 軸方向引張鉄筋比𝑝௧に関する補正係数𝑐௧
軸方向引張鉄筋比(%) 0.2 0.3 0.5 1.0 以上
𝑐௧ 0.9 1.0 1.2 1.5
ⅲ) せん断スパン比によるコンクリートの負担するせん断力の割増
係数𝑐ௗは1.0 とする。
ⅳ) 荷重の正負交番繰返し作用の影響に関する補正係数𝑐は,表-
5.3.3 による。
表-5.3.3 荷重の正負交番繰返し作用の影響に関する補正係数𝑐
レベル2地震動 タイプⅠ タイプⅡ
𝑐 0.6 0.8
2) せん断スパン比によるせん断補強鉄筋が負担するせん断力の低減係
数𝑐ௗ௦は1.0 とする。
3) コンクリートが負担できるせん断力の特性値𝑆には,軸方向圧縮力
によりコンクリートの負担するせん断力が増加する効果は考慮しない
ものとする。
5.3.6 塑性変形能を有する鉄筋コンクリート部材の構造細目
(1) 塑性変形能を有する鉄筋コンクリート部材の耐荷性能の評価にあたっ
ては,ぜい性的な破壊を防ぎ,必要な塑性変形能を確保するために,軸
方向鉄筋のはらみ出しを抑制する効果と横拘束鉄筋で囲まれるコンクリ
ートを拘束する効果が確実に発揮できるような形式及び間隔で横拘束鉄
筋を配置しなければならない。
(2) 以下の1)から5)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
1) 横拘束鉄筋のうちの帯鉄筋は,次の事項を満足しなければならない。
ⅰ) 帯鉄筋は,異形棒鋼を用い,その直径は13mm 以上,かつ,軸方
向鉄筋の直径よりも小さくする。
ⅱ) 帯鉄筋間隔は300mm 以下とする。
2) 帯鉄筋は,軸方向鉄筋を取り囲むように配置し,端部は以下のⅰ),
433
本頁文字(可複製、可搜尋)
ⅱ)又はⅲ)のいずれかの形状のフックを設けて帯鉄筋で囲まれるコン
クリートに定着する。ただし,帯鉄筋の端部にフックとしてⅲ)直角フ
ックを用いる場合には,かぶりコンクリートが剥離してもフックがは
ずれないような構造とする。
ⅰ) 半円形フック:帯鉄筋の直径の8倍又は120mm のうち大きい値
ⅱ) 鋭角フック :帯鉄筋の直径の10 倍
ⅲ) 直角フック :帯鉄筋の直径の12 倍
3) 矩形断面の隅角部以外で帯鉄筋を継ぐ場合には,帯鉄筋の直径の40
倍以上帯鉄筋を重ね合わせ,さらに,2)に規定するフックを設けるこ
とを標準とする。
4) 横拘束鉄筋のうちの中間帯鉄筋は,次の事項を満足しなければなら
ない。
ⅰ) 帯鉄筋と同材質,同径の鉄筋を用いる。
ⅱ) 断面内配置間隔は1m 以内とする。
ⅲ) 帯鉄筋の配置される全ての断面で配筋する。
ⅳ) 断面周長方向に配筋される帯鉄筋に,2)に規定する半円形フック
又は鋭角フックをかけて内部のコンクリートに定着することを標
準とする。
ⅴ) 1本の連続した鉄筋又は部材断面内部に継手を有する2本の鉄
筋により部材断面を貫通させることを標準とする。ただし,部材断
面内部において継手を設ける場合には,中間帯鉄筋の強度に相当す
る継手強度が確保できるように適切な継手構造とする。
5) 中空断面を有する鉄筋コンクリート部材においては,橋脚躯体部の
柱部材と同様に塑性ヒンジ領域とその近傍で塑性ヒンジの影響を受け
る領域は充実断面とすることとし,充実断面から中空断面へと変化す
る部位についてテーパーを設けることを標準とする。
5.4 プレストレスを導入するコンクリート部材の設計における一般事
項
5.4.1 PC 鋼材の配置
(1) プレストレスを導入するコンクリート部材のPC 鋼材は,摩擦による
損失が少なくなるように配置するとともに,部材全長にわたってPC 鋼
材の軸力をコンクリートに円滑に伝達できるよう配置しなければならな
い。
434
本頁文字(可複製、可搜尋)
(2) PC 鋼材が1)から3)を満足するよう配置される場合には,(1)を満足す
るとみなしてよい。
1) PC 鋼材を必要以上に偏向させない等,PC 鋼材の角変化による摩擦損
失がなるべく小さくなるよう配置する。
2) 1本のPC 鋼材の配置で多くのS字曲線を含まないように,部材の途
中で定着する。ただし,途中定着する箇所は集中荷重の影響がないよ
う適切に形状及び鉄筋の配置を行うとともに,多数の定着具を一断面
に集中させることは避ける。
3) 部材全長にわたってPC 鋼材の断面積に急激な増減がない。
(3) プレストレスを導入するコンクリート部材のPC 鋼材により,コンク
リートに局部的な応力が生じたり,鋼材自体に付加応力が生じたりしな
いようにしなければならない。
(4) PC 鋼材が1)から4)を満足するよう配置される場合には,(3)を満足す
るとみなしてよい。
1) コンクリート部材の内部にPC 鋼材を曲線状に配置する場合の鋼材
の曲げ半径は,次の値以上とする。
ⅰ) 鋼製シースを用いる場合:シースの直径の100 倍
ⅱ) シースを用いない場合:PC 鋼材の直径の40 倍
ⅲ) PC 鋼棒を加工しないで配置する場合:PC 鋼棒の直径の700 倍
2) PC 鋼材は,定着具の支圧面から400mm 以上を直線状に配置する。た
だし,PC 鋼材に軸方向以外の力が作用しないことが実験等により十分
検証されている場合には,安全性が確認された範囲において直線状に
配置する長さを400mm 以下としてもよい。
3) 作用の組合せにより曲げモーメントの符号が異なる断面付近におい
ては,PC 鋼材を断面の図心位置に集中させずに,部材断面の上下縁近
くに分散するように配置する。
4) PC 鋼材は,コンクリートに生じる腹圧力が少なくなるよう考慮して
配置する。
(5) 桁の端支点においては,付着のあるPC 鋼材又は鉄筋の一部は下面に
沿ってのばし,端部下縁部近くに定着することを標準とする。
(6) PC 鋼材を5.2.2(4)を満足する鉄筋とみなす場合には,PC 鋼材を付着
のあるPC 鋼材としなければならない。
435
本頁文字(可複製、可搜尋)
5.4.2 PC 鋼材の定着具の配置と定着具付近の補強
(1) プレストレスを導入するコンクリート部材は,部材の各部に所定のプ
レストレスが導入されるようにPC 鋼材の定着具が配置されなければな
らない。
(2) PC 鋼材の定着具が1)及び2)を満足するよう配置される場合には,(1)
を満足するとみなしてよい。
1) 部材の中間に定着具を設ける場合においては,活荷重による応力変
動の大きな点から十分離れた断面の断面図心に近い位置か,圧縮部の
コンクリートに定着することを標準とする。
2) 定着具を上フランジ下面,下フランジ上面,ウェブ側面又は横桁に
設ける場合には,定着具付近のコンクリートに生じる局所的な応力が
部材に与える影響を小さくするよう定着具付近の部材形状を適切に定
めるとともに,コンクリートに生じる引張力に対して抵抗できるよう
鉄筋を配置する。
(3) プレストレスを導入するコンクリート部材においては,持続的に作用
する作用力に対して定着具付近のコンクリートに設計で考慮しないひび
割れを生じさせないようにPC 鋼材定着具を配置しなければならない。
(4) 数多くの定着具を同一面内に配置する場合には,最小定着具間隔並び
に定着具の最小かぶり及びへりあき等を,個別の条件に応じた実験によ
り適切に定めるか,事前に安全が確認された方法により定めなければな
らない。
(5) PC 鋼材の定着具からの作用力により定着具背面に生じる引張応力に
対して十分抵抗できる構造としなければならない。
(6) 1)から3)を満足する場合には,(5)を満足するとみなしてよい。
1) PC 鋼材と直角な方向に生じる引張応力に対して,コンクリートが安
全となるよう,スターラップ,格子状の鉄筋又はらせん鉄筋を配置す
る。
2) 部材中間に定着具を設ける場合においては,定着具付近のコンクリ
ートが引張応力に対して安全となるよう鉄筋を配置する。
3) 定着具背面に生じる引張応力に対して配置される鉄筋及び定着具付
近の部材形状は,事前に安全が確認された形状とする。
5.4.3 引張鉄筋の配置
(1) プレストレスを導入するコンクリート部材において断面に引張応力が
436
本頁文字(可複製、可搜尋)
発生する状態を見込む場合には,引張応力に抵抗するための鉄筋を適切
に配置しなければならない。
(2) (1)の状態の評価にあたって,コンクリートが全断面で抵抗するとみな
せる耐荷機構とする場合には,1)から3)を満足するよう鉄筋を配置する
ことを原則とする。
1) 引張応力が生じる部材断面に引張鉄筋を配置し,その引張鉄筋の断
面積は以下のⅰ)及びⅱ)で求められる値のいずれか大きい方以上とす
る。ただし,コンクリートの引張応力度が3.5N/mm2 を超えない場合に
適用し,3.5N/mm2 を超える場合には,鉄筋コンクリート部材と同様に
コンクリートの引張応力を受ける部分を無視して引張鉄筋量を定め
る。
𝑇
ⅰ) 𝐴௦= ·································································(5.4.1)
𝜎௦௫
ここに, 𝐴௦ : 引張鉄筋の断面積(mm2)
𝑇 : コンクリートに生じる引張応力の合力(N)
𝜎௦௫ : 引張鉄筋に負担させる引張応力度の最大値で
210N/mm2 とする。
ⅱ) 引張応力が生じる部分のコンクリート断面積の0.5%
2) 以下に示すⅰ)及びⅱ)の条件をともに満足する場合には,PC 鋼材を
引張鉄筋とみなしてよい。
ⅰ) PC 鋼材とコンクリートの付着がある。
ⅱ) コンクリートに生じる引張応力の合力をその部分に配置するPC
鋼材の断面積で除した応力度とPC 鋼材に生じる引張応力度との和
が,表-5.4.1 に規定されるPC 鋼材の引張応力度の制限値を超えな
い。
表-5.4.1 PC 鋼材の引張応力度の制限値(N/mm2)
応力度の制限値 備 考
0.65𝜎௨又は0.85𝜎௬ 𝜎௨:PC 鋼材の引張強度の特性値(N/mm2)
のうち小さい方の値 𝜎௬:PC 鋼材の降伏強度の特性値(N/mm2)
3) PC 鋼材とコンクリートの付着がない場合には,曲げモーメント等に
よるひび割れが集中することがないよう,1)を満足したうえで,必要
に応じて適切な措置を講じる。
437
本頁文字(可複製、可搜尋)
5.5 ケーブル部材の設計における一般事項
(1) ケーブル部材の設計はⅡ編5.6.1 から5.6.4 の規定に従う。
(2) ケーブル部材の限界状態はⅡ編5.6.5 及び5.6.6 の規定に従う。
(3) ケーブル部材を単独部材として使用する場合のケーブル構造及び主
桁・主構にケーブル構造を用いる橋(ケーブル系橋)については9章,
ケーブル部材を用いたプレストレストコンクリート箱桁については10.6
の規定に従う。
5.6 部材の評価に用いる応力度の算出
5.6.1 鉄筋コンクリート部材
(1) 鉄筋コンクリート部材の耐荷性能で考慮する状態の評価において,応
力度の算出は,コンクリートのクリープ及び乾燥収縮の影響を適切に考
慮したうえで,前提とする耐荷機構に応じた抵抗断面に基づいて行わな
ければならない。
(2) (3)から(6)を満足する場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 曲げモーメント又は軸方向力を受ける鉄筋コンクリート棒部材におい
て,部材断面のコンクリートに生じる軸方向圧縮応力度及び軸方向鉄筋
に生じる応力度の算出は,1)から3)に従い行わなければならない。
1) 維ひずみは中立軸からの距離に比例する。
2) コンクリートの引張強度は無視する。
3) 鉄筋とコンクリートのヤング係数比は,4.2.2 及び4.2.3 の規定に
従い適切に定める。
(4) コンクリートのクリープの影響を応力度算出における鉄筋とコンクリ
ートのヤング係数比により考慮する場合には,(3)3)における鉄筋とコン
クリートのヤング係数比を15 とする。ただし,コンクリートのクリープ
の影響を応力度算出における鉄筋とコンクリートのヤング係数比により
考慮しない場合には,適切な方法によりコンクリートのクリープの影響
を考慮する。
(5) せん断力を受ける鉄筋コンクリート棒部材において,せん断補強鉄筋
に生じる応力度の算出は,次により行わなければならない。なお,支点
等により直接支持された断面近傍(図-5.11.4 の斜線部)に配置される
せん断補強鉄筋のせん断応力度は,図-5.11.4 に示す照査断面における
応力度とする。
438
本頁文字(可複製、可搜尋)
𝑎
𝜎௦= 1.15𝑆௦Σ ········································(5.6.1) 𝐴௪∙𝑑ሺsin 𝜃+ cos 𝜃ሻ
𝑆௦= 𝑆−𝑆ௗ ·····································································(5.6.2)
ここに, 𝜎௦ : せん断補強鉄筋に生じる応力度(N/mm2)
𝑆௦ : せん断補強鉄筋が負担するせん断力の合計(N)であ
り,0を下回るときには0とする。
𝑆 : 部材の有効高の変化の影響を考慮した設計せん断力
(N)で,式(5.11.9)により算出する。
𝑆ௗ : コンクリートが負担できるせん断力(N)で,式(5.6.3)
により算出する。
𝑆ௗ= Φ௨𝜏𝑏௪𝑑 ·············································· (5.6.3)
𝜏 : コンクリートが負担できる平均せん断応力(N/mm2)で,
式(5.11.4)による。
Φ௨ : コンクリートが負担できるせん断力に関する抵抗係数
で表-5.11.3 に示す値とする。
𝑏௪ : 部材断面のウェブ厚(mm)
𝑑 : 部材断面の有効高(mm)
𝐴௪ : 間隔𝑎及び角度𝜃で配筋されるせん断補強鉄筋の断面
積(mm2)
𝑎 : せん断補強鉄筋の部材軸方向の間隔(mm)
𝜃 : せん断補強鉄筋が部材軸となす角度
(6) ねじりモーメントを受ける鉄筋コンクリート部材において,横方向鉄
筋又は軸方向鉄筋に生じる応力度の算出は,次により行わなければなら
ない。なお,支点等により直接支持された断面近傍(図-5.11.4 の斜線部)
に配置される鉄筋に生じる応力度は,図-5.11.4 に示す照査断面におけ
る応力度とする。
𝑀௧∙𝑎
𝜎௦௧=
1.6𝑏௧∙ℎ௧∙𝐴௪௧
·············································· (5.6.4)
𝑀௧∙(𝑏௧+ ℎ௧)
𝜎௦=
0.8𝑏௧∙ℎ௧∙𝐴௧
ここに, 𝜎௦௧ : ねじりモーメントに対する横方向鉄筋の応力度
(N/mm2)
𝜎௦ : ねじりモーメントに対する軸方向鉄筋の応力度
(N/mm2)
𝑀௧ : 部材断面に発生するねじりモーメント(N・mm)
439
本頁文字(可複製、可搜尋)
𝐴௪௧ : 間隔𝑎で配置されるねじりモーメントに対する横方
向鉄筋1本の断面積(mm2)
𝐴௧ : 部材断面に配置されるねじりモーメントに対する軸
方向鉄筋の全断面積(mm2)
𝑎 : 横方向鉄筋の間隔(mm)
𝑏௧,ℎ௧ : 図-5.6.1 に示す幅及び高さ(mm)
図-5.6.1 式(5.6.4)に用いる𝑏௧及びℎ௧
5.6.2 プレストレスを導入するコンクリート部材
(1) プレストレスを導入するコンクリート部材の耐荷性能で考慮する状態
の評価において,応力度の算出は,1)及び2)に従い行わなければならな
い。
1) コンクリートのクリープ及び乾燥収縮の影響並びに鋼材のリラクセ
ーションの影響を適切に考慮し,かつ,鉄筋がプレストレス,クリー
プ及び乾燥収縮を拘束する影響を適切に考慮して,プレストレス力を
断面に作用させる。
2) 前提とする耐荷機構に応じたコンクリートの抵抗断面及び鋼材に生
じる応力度を算出する。
(2) コンクリートが全断面で抵抗するとみなせる耐荷機構が成立するよう
適切にプレストレスを導入するとともに,引張鉄筋を配置したうえで,
コンクリート,PC 鋼材及び鉄筋の軸方向圧縮応力度を1)から4)の仮定
に従い算出した場合には,(1)2)を満足するとみなしてよい。ただし,外
ケーブル構造では,平面保持の仮定が成立しないこと,部材の変形に伴
い外ケーブルの偏心が変化すること等,外ケーブル構造の特性を考慮し
て応力度を算出する。
1) 軸方向力と曲げモーメントに対して算出する。
440
本頁文字(可複製、可搜尋)
2) 維ひずみは中立軸からの距離に比例する。
3) プレストレストコンクリート部材では,コンクリートの引張抵抗を
考慮する。
4) PC 鋼材又は鉄筋とコンクリートのヤング係数比は,4.2.2 及び4.2.3
の規定に従い適切に定める。
(3) コンクリートが全断面で抵抗するとみなせる耐荷機構が成立するよう
適切にプレストレスを導入するとともに,引張鉄筋を配置したうえで,
コンクリートに生じる斜引張応力度を式(5.6.5)に従い算出した場合に
は,(1)2)を満足するとみなしてよい。支点等により直接支持された断面
近傍(図-5.11.4 の斜線部)のコンクリートのせん断応力度は,図-5.11.4
に示す照査断面における応力度としてよい。
1
𝜎ூௗ= ൜൫𝜎௫+ 𝜎௬൯−ට(𝜎௫−𝜎௬)ଶ+ 4(𝜏௧ௗ+ 𝜏)ଶൠ ····················(5.6.5) 2
ここに, 𝜎ூௗ : 部材断面に生じるコンクリートの斜引張応力度(N/mm2)
𝜏 : 部材断面に生じるコンクリートのせん断応力度(N/mm2)
で,式(5.6.6)による。
൫𝑆ௗ−𝑆൯∙𝑄 𝜏= ···················································(5.6.6)
𝑏௪∙𝐼
𝜎௫ : 部材軸方向圧縮応力度(N/mm2)
𝜎௬ : 部材軸直角方向圧縮応力度(N/mm2)
𝑆ௗ : 部材断面に発生するせん断力(N)
𝑆 : PC 鋼材の引張力のせん断力作用方向の分力(N)
𝑆= 𝐴𝜎sin 𝛼 ·············································· (5.6.7)
ただし,せん断力の作用する方向の厚さが薄い部材では,
𝑆= 0とする。
𝑄 : せん断応力度を算出する位置より外側部分の,図心軸
に関する断面一次モーメント(mm3)
𝑏௪ : 部材断面のウェブ厚(mm)
𝐼 : 部材断面の図心軸に関する断面二次モーメント(mm4)
𝐴 : 部材断面におけるPC 鋼材の断面積(mm2)
𝜎 : 部材断面におけるPC 鋼材の有効引張応力度(N/mm2)
𝛼 : PC 鋼材が部材軸となす角度
𝜏௧ௗ : ねじりモーメントにより部材断面に生じるコンクリー
トのせん断応力度(N/mm2)
441
本頁文字(可複製、可搜尋)
𝑀௧
𝜏௧ௗ= ·······························································(5.6.8)
𝐾௧
𝑀௧ : 部材断面に発生するねじりモーメント(N・mm)
𝐾௧ : ねじりモーメントによるせん断応力に関する係数(mm3)
(4) コンクリートが全断面で抵抗しない耐荷機構とする場合において,
4.2.2 及び4.2.3 の規定に従いコンクリートと鋼材のヤング係数を適切
に設定したうえで,コンクリートのクリープの影響を適切に考慮し,想
定した有効断面に応じて応力度を算出した場合には,(1)2)を満足すると
みなしてよい。
5.7 鉄筋コンクリート部材の限界状態1
5.7.1 一 般
この節は,着目する断面力に対する鉄筋コンクリート部材の限界状態1の
評価に適用する。
5.7.2 曲げモーメント又は軸方向力を受ける棒部材
(1) 曲げモーメント又は軸方向力を受ける鉄筋コンクリート棒部材が,(2)
から(5)の規定を満足する場合には,限界状態1を超えないとみなしてよ
い。
(2) 部材断面に生じる曲げモーメントが,軸方向力を考慮した式(5.7.1)に
定める制限値を超えない。
𝑀௬ௗ= ξଵΦ௬𝑀௬ ···························································· (5.7.1)
ここに, 𝑀௬ௗ : 部材降伏に対する曲げモーメントの制限値(N・mm)
ξଵ : 調査・解析係数で表-5.7.1 に示す値とする。
Φ௬ : 抵抗係数で表-5.7.1 に示す値とする。
𝑀௬ : 降伏曲げモーメントの特性値(N・mm)
表-5.7.1 調査・解析係数,抵抗係数
ξ1 Φy
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外の作用の組合せを
0.85
考慮する場合 0.90
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)2)で⑩を考慮する場合
1.00
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)3)で⑪を考慮する場合 1.00
442
本頁文字(可複製、可搜尋)
(3) 部材断面の降伏曲げモーメントの特性値は,部材の最外縁の引張側鉄
筋が降伏強度に達するときの抵抗曲げモーメントとする。ここで,抵抗
曲げモーメントは,1)から5)の規定に基づき算出する。
1) 維ひずみは中立軸からの距離に比例すると仮定する。
2) コンクリートの引張強度は無視する。
3) コンクリートの応力度-ひずみ曲線は,圧縮応力度がコンクリート
の設計基準強度の2/3 以下となる範囲で,図-5.7.1 に示したものを用
いる。
4) 鉄筋の応力度-ひずみ曲線は,図-5.7.2 に示したものを用いる。
5) 直交する二方向の曲げモーメントを受ける部材断面の耐荷性能の評
価においては,二方向の曲げモーメントの影響を考慮する。
図-5.7.1 コンクリートの応力度-ひずみ曲線
図-5.7.2 鉄筋の応力度-ひずみ曲線
(4) ディープビームの降伏曲げモーメントの特性値の算出にあたっては,
断面引張縁からはり高の1/5 の範囲に配置された主鉄筋を有効とする。
(5) コーベルが,(2)及び(3)によらず5.9.2 の(2)及び(5)の規定を満足す
る。
443
本頁文字(可複製、可搜尋)
5.7.3 曲げモーメント又は軸方向力を受ける版部材
(1) 曲げモーメント又は軸方向力を受ける鉄筋コンクリート版部材が,(2)
及び5.7.2 の(2)から(5)の規定を満足する場合には,限界状態1を超え
ないとみなしてよい。
(2) 版部材の二方向のそれぞれに対し適切に有効幅を設定し,版部材の二
方向のそれぞれを曲げモーメント又は軸方向力を受ける棒部材として抵
抗させる。
5.7.4 せん断力を受ける棒部材
せん断力を受ける鉄筋コンクリート棒部材が,5.9.4 の(2)から(6)の規定
を満足する場合には,限界状態1を超えないとみなしてよい。
5.7.5 せん断力を受ける版部材
せん断力を受ける鉄筋コンクリート版部材が,5.9.5 の(2)から(4)の規定
を満足する場合には,限界状態1を超えないとみなしてよい。
5.7.6 ねじりモーメントを受ける棒部材
ねじりモーメントを受ける鉄筋コンクリート棒部材が,5.9.6 の(2)から
(4)の規定を満足する場合には,限界状態1を超えないとみなしてよい。
5.7.7 ねじりモーメントを受ける版部材
(1) ねじりモーメントを受ける鉄筋コンクリート版部材が,(2)の規定を満
足する場合には,限界状態1を超えないとみなしてよい。
(2) 版部材の断面に生じるねじりモーメントに対しては,部材端部におい
てはねじりモーメントと等価なせん断力に対し5.7.4 及び5.7.5 の規定
を満足し,部材端以外ではねじりモーメントと等価な曲げモーメントに
対して5.7.2 及び5.7.3 の規定を満足する。
5.7.8 曲げモーメント,軸方向力,せん断力及びねじりモーメントを受ける棒
部材
(1) 曲げモーメント,軸方向力,せん断力及びねじりモーメントを受ける
444
本頁文字(可複製、可搜尋)
鉄筋コンクリート棒部材が,(2)から(5)の規定を満足する場合には,限
界状態1を超えないとみなしてよい。
(2) 部材断面に生じる曲げモーメント及び軸方向力に対して,5.7.2 の規
定を満足する。
(3) 部材断面に生じるせん断力に対して,5.7.4 の規定を満足する。
(4) 部材断面に生じるねじりモーメントに対して,5.7.6 の規定を満足す
る。
(5) 部材断面に生じるせん断力とねじりモーメントが,5.9.8(5)の規定を
満足する。
5.7.9 曲げモーメント,軸方向力,せん断力及びねじりモーメントを受ける版
部材
(1) 曲げモーメント,軸方向力,せん断力及びねじりモーメントを受ける
鉄筋コンクリート版部材が,(2)から(5)の規定を満足する場合には,限
界状態1を超えないとみなしてよい。
(2) 部材断面に生じる曲げモーメント及び軸方向力に対して,5.7.3 の規
定を満足する。
(3) 部材断面に生じるせん断力に対して,5.7.5 の規定を満足する。
(4) 部材断面に生じるねじりモーメントに対して,5.7.7 の規定を満足す
る。
(5) 部材断面に生じるせん断力とねじりモーメントが,5.9.9(5)の規定を
満足する。
5.7.10 支圧力を受ける部材
支圧力を受ける部材が5.9.10(2)の規定を満足する場合には,限界状態1
を超えないとみなしてよい。
5.8 鉄筋コンクリート部材の限界状態2
5.8.1 一 般
この節は,着目する断面力に対する鉄筋コンクリート部材の限界状態2の
評価に適用する。
445
本頁文字(可複製、可搜尋)
5.8.2 曲げモーメント又は軸方向力を受ける棒部材
(1) 曲げモーメント又は軸方向力を受ける鉄筋コンクリート棒部材が,(2)
及び(3)の規定を満足する場合には,限界状態2を超えないとみなしてよ
い。
(2) 部材断面に生じる曲げモーメントが,軸方向力を考慮した式(5.8.1)に
定める制限値を超えない。
𝑀௬ௗ′= ξଵΦ௬𝑀௬′ ······················································ (5.8.1)
ここに, 𝑀௬ௗ′: 部材の全降伏に対する曲げモーメントの制限値(N・mm)
ξଵ : 調査・解析係数で表-5.8.1 に示す値とする。
Φ௬ : 抵抗係数で表-5.8.1 に示す値とする。
𝑀௬′: 引張側鉄筋が全降伏したときの曲げモーメントの特性
値(N・mm)
表-5.8.1 調査・解析係数,抵抗係数
ξ1 Φy
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外の作用の組合せを
0.85
考慮する場合 0.90
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)2)で⑩を考慮する場合
1.00
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)3)で⑪を考慮する場合 1.00
(3) 部材断面の全降伏曲げモーメントの特性値は,部材の全ての引張側鉄
筋が降伏強度に達するときの抵抗曲げモーメントとする。ここで,抵抗
曲げモーメントは,1)から5)の規定に基づき算出する。
1) 維ひずみは中立軸からの距離に比例すると仮定する。
2) コンクリートの引張強度は無視する。
3) コンクリートの応力度-ひずみ曲線は,圧縮応力度がコンクリート
の設計基準強度の2/3 以下となる範囲で,図-5.8.1 に示したものを用
いる。
4) 鉄筋の応力度-ひずみ曲線は,図-5.8.2 に示したものを用いる。
5) 直交する二方向の曲げモーメントを受ける部材断面の耐荷性能の評
価においては,二方向の曲げモーメントの影響を考慮する。
446
本頁文字(可複製、可搜尋)
図-5.8.1 コンクリートの応力度-ひずみ曲線
図-5.8.2 鉄筋の応力度-ひずみ曲線
5.8.3 曲げモーメント又は軸方向力を受ける版部材
(1) 曲げモーメント又は軸方向力を受ける鉄筋コンクリート版部材が,(2)
及び5.8.2 の(2)から(3)の規定を満足する場合には,限界状態2を超え
ないとみなしてよい。
(2) 版部材の二方向のそれぞれに対し適切に有効幅を設定し,版部材の二
方向のそれぞれを曲げモーメント又は軸方向力を受ける棒部材として抵
抗させる。
5.8.4 せん断力を受ける棒部材
せん断力を受ける鉄筋コンクリート棒部材が,5.9.4 の(2)から(6)の規定
を満足する場合には,限界状態2を超えないとみなしてよい。
5.8.5 せん断力を受ける版部材
せん断力を受ける鉄筋コンクリート版部材が,5.9.5 の(2)から(4)の規定
を満足する場合には,限界状態2を超えないとみなしてよい。
447
本頁文字(可複製、可搜尋)
5.8.6 ねじりモーメントを受ける棒部材
ねじりモーメントを受ける鉄筋コンクリート棒部材が,5.9.6 の(2)から
(4)の規定を満足する場合には,限界状態2を超えないとみなしてよい。
5.8.7 ねじりモーメントを受ける版部材
(1) ねじりモーメントを受ける鉄筋コンクリート版部材が,(2)の規定を満
足する場合には,限界状態2を超えないとみなしてよい。
(2) 版部材の断面に生じるねじりモーメントに対しては,部材端部におい
てはねじりモーメントと等価なせん断力に対し,5.8.4 及び5.8.5 の規
定を満足し,部材端以外ではねじりモーメントと等価な曲げモーメント
に対して5.8.2 及び5.8.3 の規定を満足する。
5.8.8 曲げモーメント,軸方向力,せん断力及びねじりモーメントを受ける棒
部材
(1) 曲げモーメント,軸方向力,せん断力及びねじりモーメントを受ける
コンクリート棒部材が,(2)から(5)の規定を満足する場合には,限界状
態2を超えないとみなしてよい。
(2) 部材断面に生じる曲げモーメント及び軸方向力に対して,5.8.2 の規
定を満足する。
(3) 部材断面に生じるせん断力に対して,5.8.4 の規定を満足する。
(4) 部材断面に生じるねじりモーメントに対して,5.8.6 の規定を満足す
る。
(5) 部材断面に生じるせん断力とねじりモーメントが,5.9.8(5)の規定を
満足する。
5.8.9 曲げモーメント,軸方向力,せん断力及びねじりモーメントを受ける版
部材
(1) 曲げモーメント,軸方向力,せん断力及びねじりモーメントを受ける
コンクリート版部材が,(2)から(5)の規定を満足する場合には,限界状
態2を超えないとみなしてよい。
(2) 部材断面に生じる曲げモーメント及び軸方向力に対して,5.8.3 の規
定を満足する。
(3) 部材断面に生じるせん断力に対して,5.8.5 の規定を満足する。
448
本頁文字(可複製、可搜尋)
(4) 部材断面に生じるねじりモーメントに対して,5.8.7 の規定を満足す
る。
(5) 部材断面に生じるせん断力とねじりモーメントが,5.9.9(5)の規定を
満足する。
5.8.10 支圧力を受ける部材
支圧力を受ける部材が5.9.10(2)の規定を満足する場合には,限界状態2
を超えないとみなしてよい。
5.9 鉄筋コンクリート部材の限界状態3
5.9.1 一 般
この節は,着目する断面力に対する鉄筋コンクリート部材の限界状態3の
評価に適用する。
5.9.2 曲げモーメント又は軸方向力を受ける棒部材
(1) 曲げモーメント又は軸方向力を受ける鉄筋コンクリート棒部材が,(2)
から(5)の規定を満足する場合には,限界状態3を超えないとみなしてよ
い。
(2) 部材断面に生じる曲げモーメントが,軸方向力を考慮した式(5.11.1)
に定める制限値を超えない。
(3) 部材断面の破壊抵抗曲げモーメントの特性値は,部材の最外縁の圧縮
コンクリートが終局ひずみに達するときの抵抗曲げモーメントとする。
ここで,抵抗曲げモーメントは,5.11.2(3)の1)から5)の規定に基づき
算出する。
(4) ディープビームの破壊抵抗曲げモーメントの特性値の算出にあたって
は,断面引張縁からはり高の1/5 の範囲に配置された主鉄筋を有効とす
る。
(5) コーベルでは,5.11.4(3)の規定を満足したうえで,引張主鉄筋を引張
弦材,コンクリートを圧縮斜材としたトラスを仮定し,主鉄筋の引張応
力度が降伏強度に達したときの曲げモーメントを破壊抵抗曲げモーメン
トの特性値とする。ただし,引張主鉄筋は断面引張縁からコーベルの有
効高の1/4 の範囲に配置された主鉄筋を有効とする。
449
本頁文字(可複製、可搜尋)
5.9.3 曲げモーメント又は軸方向力を受ける版部材
(1) 曲げモーメント又は軸方向力を受ける鉄筋コンクリート版部材が,(2)
及び5.9.2 の(2)から(5)の規定を満足する場合には,限界状態3を超え
ないとみなしてよい。
(2) 版部材の二方向のそれぞれに対し適切に有効幅を設定し,版部材の二
方向のそれぞれを曲げモーメント又は軸方向力を受ける棒部材として抵
抗させる。
5.9.4 せん断力を受ける棒部材
(1) せん断力を受ける鉄筋コンクリート棒部材が,(2)から(6)の規定を満
足する場合には,限界状態3を超えないとみなしてよい。
(2) 部材断面に生じるせん断力が,式(5.11.2)に定める制限値を超えない。
ただし,せん断力によって生じる付加曲げ応力を考慮し,せん断に対す
る有効高さを適切に定めるとともに,必要な軸方向引張鉄筋を配置しな
ければならない。
(3) 部材断面に生じるせん断力が,式(5.11.7)に定める制限値を超えない。
(4) (2)及び(3)を適用するにあたっては,斜めひび割れが生じたときの部
材の有効高を考慮し,式(5.11.9)により補正したせん断力𝑆を算出した
値を耐荷性能の評価に用いなければならない。
(5) 棒部材の支点付近及びラーメン接合部付近では,支点反力によりウェ
ブに作用する圧縮力を考慮して,以下を満足するようせん断補強鉄筋を
配置する。
1) ウェブに圧縮力が作用しない場合,及び支点に負反力が作用する場
合には,支点位置のせん断力に対して必要となるせん断補強鉄筋を配
置する。
2) 1)以外の場合には,図-5.11.4 に斜線で示す区間には,支点等前面か
ら部材の全高さℎの半分だけ離れた位置の断面で必要となる以上のせ
ん断補強鉄筋を配置する。
(6) ディープビーム及びコーベルでは,せん断補強鉄筋が負担するせん断
力を実験等により確認された範囲内において考慮してもよい。なお,上
部構造における部材においては,コンクリートが負担するせん断力のみ
考慮することを標準とする。
450