¶ 道路橋示方書(13/16)
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図-13.2.6 コンクリート主版を用いた斜橋のPC 鋼材の配置
13.2.4 支点部の補強
(1) 支点部は,支承部からの集中荷重の影響に対し安全となるようにしな
ければならない。
(2) 以下の1)から5)を満足する場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
1) 版端部等の支承部の支承線方向には,温度変化及びコンクリートの
乾燥収縮によって生じる引張応力に対して用心鉄筋を配置する,又は
PC 鋼材を配置してプレストレスを導入する(図-13.2.4,図-13.2.5,
図-13.2.6)。
2) 支承線より背後の版端部には,輪荷重による支間方向の負の曲げモ
ーメントに対して必要な鉄筋を配置する。
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図-13.2.7 版端部における支間方向の鉄筋の配置
3) コンクリート主版を用いた斜橋の鈍角部の版上側には,負の曲げモ
ーメントに対して,図-13.2.8 に示すように斜め支間方向及び支承線
方向に用心鉄筋を配置する。ただし,プレストレストコンクリート版
部材を主版とする場合においては,この部分に作用するプレストレス
の効果を考慮して鉄筋量を減じることができる。
ここに, 𝐴௦ : 支間中央の斜め単位幅(1m)あたりの正鉄筋の断面積(mm2)
𝐾∙𝐴௦ : 支承部の鈍角部に配置する斜め単位幅(1m)あたりの鉄筋量
で,係数𝐾の値は,図-13.2.9 のとおりとする(mm2)
𝐵 : 版全幅(m)
𝑙௦ : 斜め支間(m)
𝜑 : 斜角
図-13.2.8 支承部の鈍角部の負の曲げモーメントに対する用心鉄筋量及びその配置
範囲
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図-13.2.9 係数𝐾の値
4) コンクリート主版を用いた斜橋の鈍角部の主版の下側には,支承反
力に対し,直径13mm 以上の用心鉄筋を200mm 以下の中心間隔で配置す
る。
5) 支承交換時におけるジャッキアップ等では,集中荷重による影響や
新たに支点が生じることによる影響等を考慮して,コンクリート主版
の形状及び鉄筋配置を適切に定める必要がある。
14 章 コンクリート部材等及びコンクリート上部構造の
耐久性能の評価
14.1 一 般
(1) Ⅰ編6.1 に規定するコンクリート部材等の耐久性能の評価にあたって
は,経年の影響として,少なくとも鋼材の腐食及び疲労を考慮しなけれ
ばならない。
(2) コンクリート部材の耐久性能の評価にあたっては,3.10.2 の規定に従
い構造設計上の配慮を行うとともに,Ⅰ編6.1(4)から(7)の規定に従い
部材ごとに耐荷性能を保持するための部材等の設計耐久期間を定めたう
えで,Ⅰ編6.1(8)及び(9),6.2,6.3 の規定に従わなければならない。
(3) 内部鋼材の腐食に対する耐久性能の評価については14.2 の規定によ
るほか,Ⅱ編15 章による。また,コンクリート部材の疲労の影響は14.3
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の規定による。接合部の耐久性能の評価については,これらの規定のほ
か,この編の6.3 による。
(4) ケーブル構造の耐久性能の評価にあたっては,Ⅱ編15 章及びⅡ編16
章の規定によるほか,ケーブル部材の疲労を考慮しなければならない。
ケーブル部材の疲労に対する耐久性能の評価についてはⅡ編5.6 及びⅡ
編10 章の関連する規定による。
(5) 床版及び支間長が10m 以下のコンクリート主版を用いた上部構造の耐
久性能の評価については,床版の疲労と内部鋼材の腐食について考慮し
なければならない。床版の疲労に対する耐久性能の評価に関しては
11.2.5.1 による。
14.2 内部鋼材の腐食に対する耐久性能の評価
14.2.1 一 般
(1) Ⅰ編6.1(8)に規定するコンクリート部材等の耐久性能を満足させる
にあたっては,当該部材に定めた設計耐久期間内において,経年の影響
として内部鋼材の腐食を考慮し,耐久性能を評価しなければならない。
(2) 鋼材の腐食に対する耐久性能の確保の方法を選定するにあたっては,
Ⅰ編6.3 の規定によるほか,少なくとも架橋地点の環境,橋の部位,規
模及び部材の形状を考慮しなければならない。
(3) 鋼材の腐食に対する耐久性能の確保の方法を設計するにあたっては,
補修,更新等,想定される維持管理に配慮しなければならない。
14.2.2 内部鋼材の腐食に対するかぶりによる耐久性能の評価
部材等の設計耐久期間を100 年とした場合,鉄筋コンクリート部材にお
いては1)から3)を満足し,プレストレストコンクリート部材においては1),
2)及び4)を満足する場合には,14.2.1 の規定を満足するとみなしてよい。
1) 14.2.3 の規定に従いかぶりを確保する。
2) 部材が気中におかれている。
3) 永続作用の影響が支配的な状況において,曲げモーメント又は軸方
向力,せん断力及びねじりモーメントが作用する棒部材及び版部材に
対し,5.6.1 の規定に従い鉄筋の引張応力度を算出したときに,これが
表-14.2.1 に示す制限値を超えない。ただし,ラーメン構造の接合部に
ついては,8.2.5 の規定に従い鉄筋の引張応力度を算出する。また,直
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交する二方向の曲げモーメントを受ける部材断面は,二方向の曲げモ
ーメントの影響を考慮する。
4) 5.1.5(3)の規定を満足する。
表-14.2.1 鉄筋の引張応力度の制限値(N/mm2)
鉄筋の種類
SD345 SD390 SD490
応力度
鉄筋の引張応力度の制限値 100
14.2.3 かぶりの確保
(1) かぶりにより内部鋼材の防食を行う場合には,架橋地点の環境,橋の
部位及び規模,部材の形状を考慮し,少なくとも(2)及び(3)に規定する
最小かぶりを満足したうえで,適切なかぶりを確保する。
(2) 表-14.2.3 及び図-14.2.1 に示す塩害を受ける地域では,コンクリー
ト部材のかぶりの最小値を表-14.2.2 に示す値以上とする。ただし,対
策区分S 及び鉄筋コンクリート部材における対策区分Ⅰにおいては,塗
装鉄筋又はコンクリート塗装等かぶりによる方法以外の方法を併用しな
ければならない。
表-14.2.2 鋼材の腐食を生じさせないための最小かぶり(mm)
部材 (1)工場で製作され (2)(1)以外のプレス
(3)鉄筋コンクリー
るプレストレスト トレストコンクリ
ト部材
塩害の 対策 コンクリート部材 ート部材
影響度合 区分
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影響が激しい S 70※1
Ⅰ 50 70
影響を受ける Ⅱ 35 50 70
Ⅲ 25 35 50
※1) 塗装鉄筋又はコンクリート塗装等かぶりによる方法以外の方法を併用する
表-14.2.3 塩害の影響地域
塩害の影響度合と対策区分
地域区分 地域 海岸線からの距離
対策区分 影響度合
海上部及び海岸線から100mまで S 影響が激しい
A 沖縄県 100 m を超えて300mまで Ⅰ
影響を受ける
上記以外の範囲 Ⅱ
海上部及び海岸線から100mまで S 影響が激しい
図-14.2.1及
100 m を超えて300mまで Ⅰ
B び表-14.2.4
300 m を超えて500mまで Ⅱ 影響を受ける
に示す地域
500 m を超えて700mまで Ⅲ
海上部及び海岸線から20mまで S 影響が激しい
上記以外の 20mを超えて50mまで Ⅰ
C
地域 50mを超えて100mまで Ⅱ 影響を受ける
100 m を超えて200mまで Ⅲ
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図-14.2.1 塩害の影響の度合の地域区分
表-14.2.4 地域区分Bとする地域
北海道のうち,宗谷総合振興局支庁の稚内市・猿払村・豊富町・礼文町・利尻町・利
尻富士町・幌延町,留萌振興局,石狩振興局,後志総合振興局,檜山振興局,渡島
総合振興局の松前町・八雲町(旧熊石町の地区に限る。)
青森県のうち,今別町,外ヶ浜町(東津軽郡),北津軽郡,西津軽郡,五所川原市(旧
市浦村の地区に限る。),むつ市(旧脇野沢村の地区に限る。),つがる市,大間
町,佐井村
秋田県,山形県,新潟県,富山県,石川県,福井県
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(3) かぶりにより内部鋼材の防食を行う場合には,地域によらず,コンク
リート部材のかぶりの最小値を表-14.2.5 に示す値以上の値とする。
表-14.2.5 最小かぶり(mm)
版部材 棒部材
部材の その他
床版,地覆,高
種類 桁 (ディープビーム
欄,主版部材
及びコーベル)
30 35
最小
35(支間が10m を 25(工場で製作されるプレス 35
かぶり
超える主版部材) トレストコンクリート部材)
図-14.2.2 鉄筋等のかぶり
14.3 疲労に対する耐久性能の評価
14.3.1 一 般
Ⅰ編6.1(8)に規定するコンクリート部材等の耐久性能を満足させるにあ
たっては,当該部材に定めた設計耐久期間内において,経年の影響として応
力の繰返しによる影響を考慮し,耐久性能を評価しなければならない。
14.3.2 コンクリート部材の疲労に対する耐久性能の評価
(1) 部材等の設計耐久期間を100 年とした場合,5章及び6章の規定を満
足するコンクリート部材が(2)から(5)を満足する場合には,14.3.1 を満
足するとみなしてよい。
(2) 式(14.3.1)の作用の組合せ及び荷重係数等による曲げモーメント又は
軸方向力,せん断力及びねじりモーメントが作用する鉄筋コンクリート
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部材において,5.6.1 の規定により算出した鉄筋及びコンクリートの応
力度が以下の1)から3)を満足する。ただし,ラーメン構造の接合部につ
いては,8.2.5 の規定に従い鉄筋の引張応力度を算出する。
1.00(D + L + PS + CR + SH + E + HP + U) ························ (14.3.1)
1) 表-14.3.1 に示す鉄筋の引張応力度の制限値を超えない。
2) 表-14.3.2 に示すコンクリートの圧縮応力度の制限値を超えない。
3) 表-14.3.3 に示すコンクリートの押抜きせん断応力度の制限値を超
えない。
表-14.3.1 鉄筋コンクリート部材の耐久性に配慮した場合の鉄筋の引張応力度の制
限値(N/mm2)
鉄筋の種類
SD345 SD390 SD490
部材の種類
一般の部材 180
床版を兼用するフランジ 120
表-14.3.2 鉄筋コンクリート部材の耐久性に配慮した場合のコンクリートの圧縮応力
度の制限値(N/mm2)
コンクリート
設計基準強度 21 24 27 30
応力度の種類
1)曲げ圧縮応力度の制限値 7.0 8.0 9.0 10.0
2)軸圧縮応力度の制限値 5.5 6.5 7.5 8.5
表-14.3.3 耐久性に配慮した場合のコンクリート押抜きせん断応力度の制限値
(N/mm2)
コンクリート
設計基準
21 24 27 30 40 50 60 70 80
強度
応力度の種類
押抜きせん断応力度 0.85 0.90 0.95 1.00 1.20 1.40 1.50 1.50 1.50
(3) 式(14.3.1)による曲げモーメント又は軸方向力,せん断力及びねじり
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モーメントが作用するプレストレストコンクリート部材において,5.6.2
により算出した鋼材及びコンクリートの応力度が以下の1)から4)を満
足する。ただし,5.4.3 の規定において引張鉄筋に負担させる引張応力
度の最大値は180N/mm2 とする。
1) 表-14.3.4 に示すPC 鋼材の引張応力度の制限値を超えない。
2) 表-14.3.5 に示すコンクリートの圧縮応力度の制限値を超えない。
3) 表-14.3.6 に示すコンクリートの引張応力度の制限値を超えない。
ただし,床版を兼用するフランジにおいては,曲げ引張応力及び軸引
張応力が生じない。
4) 表-14.3.3 に示すコンクリートの押抜きせん断応力度の制限値を超
えない。
表-14.3.4 プレストレストコンクリート部材の耐久性に配慮した場合のPC鋼材の引張応
力度の制限値(N/mm2)
応力度の制限値 備 考
0.60𝜎௨又は0.75𝜎௬のうち小さい 𝜎௨:PC鋼材の引張強度の特性値(N/mm2)
方の値 𝜎௬:PC鋼材の降伏強度の特性値(N/mm2)
表-14.3.5 プレストレストコンクリート部材の耐久性に配慮した場合のコンクリート
圧縮応力度の制限値(N/mm2)
コンクリート設
計基準強度 30 40 50 60 70 80
応力度の種類
曲げ圧縮 1)長方形断面 12.0 15.0 17.0 19.0 23.0 27.0
応力度
2)T形及び箱形断面 11.0 14.0 16.0 18.0 22.0 26.0
3)軸圧縮応力度 8.5 11.0 13.5 15.0 18.5 22.0
560
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表-14.3.6 プレストレストコンクリート部材の耐久性に配慮した場合のコンクリート
引張応力度の制限値(N/mm2)
コンクリート設
30 40 50 60 70 80 計基準強度
応力度の種類
1)曲げ引張応力度の制限値 1.2 1.5 1.8 2.0 2.0 2.0
2)斜引張応力度の制限値
(せん断力のみ又はねじりモーメント 1.7 2.0 2.3 2.5 2.5 2.5
のみを考慮する場合)
3)斜引張応力度の制限値
(せん断力とねじりモーメントをと 2.2 2.5 2.8 3.0 3.0 3.0
もに考慮する場合)
4)軸引張応力度の制限値 0.0
(4) 式(14.3.1)による断面力が作用するプレストレストコンクリート部材
において,5.10.2(4)による場合には,5.6.2 により算出した鋼材及びコ
ンクリートの応力度が以下の1)から3)を満足する。ただし,鉄筋に負担
させる引張応力度の最大値は一般の部材で160N/mm2,床版と兼用するフ
ランジで120N/mm2 とする。
1) 表-14.3.4 に示すPC 鋼材の引張応力度の制限値を超えない。
2) 表-14.3.5 に示すコンクリートの圧縮応力度の制限値を超えない。
3) 表-14.3.3 に示すコンクリートの押抜きせん断応力度の制限値を超
えない。
(5) (2)から(4)において,直交する二方向の曲げモーメントを受ける部材
断面は,二方向の曲げモーメントの影響を考慮する。
15 章 施 工
15.1 適用の範囲
この章は,14 章までの規定に基づいて設計されたコンクリート部材及び
コンクリート上部構造の施工に適用する。なお,下部構造及び上下部接続部
を構成するコンクリート部材についても該当する規定は適用する。
561
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15.2 一 般
(1) 施工は,設計の前提条件及び設計段階で定めた事項等を満足するよう
に行わなければならない。ただし,施工条件等により,設計の前提条件
及び設計段階で定めた事項等を満足しない場合には,適用しようとする
施工方法で橋の性能が確保されることを検証し,必要に応じて設計を見
直したうえで施工方法を定める。
(2) 施工にあたっては,施工管理上必要な調査等を行わなければならない。
15.3 施工要領書
施工にあたっては,設計の前提条件及び設計段階で定めた事項等を満足す
る施工が行われることを確認できるよう,施工の方法,手順,検査の方法等
に関する要領を定めなければならない。
15.4 検 査
(1) 施工においては,設計の前提条件及び設計段階で定めた事項等を満足
することを適切な方法で確認しなければならない。
(2) (1)を満足するためには,1)から10)に示す項目の中から,施工の難易,
材料の種類等を勘案して適切に検査項目を設定して検査を実施するとと
もに,あらかじめ所要の施工品質が確保できることが確認された材料を
用いて,所定の方法で施工が進められていることを確認しなければなら
ない。
1) 材料(材料強度,コンクリート及びグラウト配合,貯蔵等)
2) 部材及び部品(プレキャスト部材,定着具及び接続具等)
3) 架設(架設設備,荷重支持点等)
4) 加工及び組立て(鋼材及びシース等の形状,寸法,加工,位置等)
5) コンクリート工(運搬,受入れ,打込み,表面仕上げ,養生,打継目
処理,脱型等)
6) PC 鋼材,プレグラウトされたPC 鋼材の緊張工(緊張時のコンクリ
ート強度,プレストレッシングの管理等)
7) グラウト(充てん,あと処理等)
8) 型枠及び支保工(形状,寸法,加工,組立て等)
9) 完成(完成部材等の表面状態,位置,形状寸法等)
562
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10) その他必要な事項
15.5 施工に関する記録
施工に関する記録は,設計の前提条件及び設計段階で定めた事項等を満足
する施工が確実に行われたことの確認及び維持管理に用いることができる
ようにするため,1)から7)の事項について,取得及び作成するとともに,
保存しなければならない。
1) 完成時の諸元,配置図,構造図
2) 仮設備の配置とその能力,施工方法,使用した機械器具
3) 検査記録
4) 環境対策及び安全対策
5) 施工中に変更を伴った事項とその対応
6) 施工に際して実施された調査の記録
7) その他関連する施工及び維持管理に引き継ぐべき事項
15.6 材 料
15.6.1 一 般
(1) 材料は,設計図等で指示されたものを使用しなければならない。
(2) 材料は,所定の特性及び品質を確保されたものでなければならない。
15.6.2 コンクリート
(1) コンクリートは,強度,耐久性,水密性,作業に適するワーカビリテ
ィー等の所要の特性が確保され,かつ品質のばらつきの少ないことが確
認されたものでなければならない。
(2) 使用材料は,Ⅰ編9.2 に示す材料を用いることを原則とする。
(3) コンクリートの配合強度は,供試体のどの試験値も設計基準強度の
85%以上,かつ,引き続き採取した供試体の試験値のどの3回の平均値
も設計基準強度以上となるように,品質のばらつきを考慮して定める。
なお,試験値は同一バッチからとった供試体3個の圧縮強度の平均値と
する。
(4) コンクリートの流動性は,所要の品質を確保し施工が確実に行える範
囲内で定める。
(5) コンクリートの配合は,以下の1)から7)によることを原則とする。
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1) 水セメント比は,(4)に規定するコンクリートの配合強度及び耐久性
を考慮して定める。
2) 単位水量は,所要の品質を確保し施工が確実に行える範囲内で,で
きるだけ小さくなるように定める。
3) 単位セメント量は,単位水量と水セメント比から定める。
4) 空気量は,4.5%とする。
5) 細骨材率は,作業が容易にできる範囲内で単位水量が最小となるよ
うに定める。
6) 粗骨材の最大寸法は,40mm 以下とし,部材最小寸法の1/5 以下,か
つ,鉄筋の最小あきの3/4 以下とする。
7) フレッシュコンクリート中の塩化物イオン量は,0.30kg/m3 以下とす
る。
(6) レディーミクストコンクリートを用いる場合は,1)及び2)によること
を原則とする。
1) 工場は,日本産業規格表示許可を受けた工場又はこれに準じる工場
から選定する。
2) 品質は,JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)に規定され
る事項により指定する。
15.6.3 鋼 材
(1) 鋼材は,強度,じん性等の所定の特性及び品質を有することが確認さ
れたものでなければならない。
(2) 鋼材は,原則としてⅠ編9.1 に示す材料で,耐久性を害する腐食,よ
ごれ,きず,変形等のないことが確認されたものを使用しなければなら
ない。
15.6.4 シ ー ス
(1) シースは,変形,耐久性,水密性等の所定の特性及び品質を有するこ
とが確認されたものでなければならない。
(2) 1)から3)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
1) シースは,コンクリートの打込みの際に変形しにくく,その合せ目,
継目等からセメントペーストが流入しないものを用いる。
2) シースは,施工上及び耐久性上有害な腐食,よごれ,きず,変形等
がないものを用いる。
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3) シースに用いる材料は所要の強度,変形能,耐久性を有しているも
のを用いる。
15.6.5 PC 鋼材の定着具及び接続具
PC 鋼材の定着具及び接続具は,PC 鋼材が設計図等に記載された引張強度
に到達する前に安全性上有害な変形を生じたり破壊することのないことが
確認されたものでなければならない。
15.6.6 グラウト
(1) グラウトは,ダクトの充てんを確実にし,PC 鋼材がさびないように保
護するものでなければならない。コンクリート部材と一体とする場合に
は,十分な付着を有することが確認されたものでなければならない。ま
た,グラウトに使用する材料は,所定の特性及び品質を有することが確
認されたものを使用しなければならない。
(2) 1)から6)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
1) ノンブリーディング型を使用する。
2) セメントは,JIS R 5210 に適合するポルトランドセメントを用いる。
3) 水セメント比が45%以下であり,材齢28 日における圧縮強度が
30N/mm2 以上のものを用いる。
4) 体積変化率は,±0.5%の範囲内のものを用いる。
5) ブリーディング率が,24 時間後0.0%のものを用いる。
6) グラウト中の塩化物イオン量が,普通ポルトランドセメントのセメ
ント質量の0.08%以下のものを用いる。
15.6.7 プレグラウトされたPC 鋼材
(1) プレグラウトされたPC 鋼材は,所定の特性及び品質を有しているこ
とが確認されたものでなければならない。
(2) 1)から3)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
1) PC 鋼材は,JIS G 3536 に適合するもの又はこれと同等以上の特性及
び品質を有するものを用いる。
2) 使用する樹脂又はグラウトは,所定の緊張可能期間を有し,PC 鋼材
を防食するとともに,コンクリート部材とPC 鋼材とを付着により一体
化するものを用いる。
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3) 被覆材は,所要の強度及び耐久性を有し,コンクリート部材と一体
化が図れるものを用いる。
15.6.8 貯 蔵
材料は,品質が変化しないように貯蔵しなければならない。
15.7 コンクリートの品質管理
(1) 15.6.2 に規定するコンクリートの品質を確保するために,各施工段階
でコンクリートの品質に異常が生じないように管理しなければならな
い。また,異常が生じた場合には,直ちに発見できるように管理しなけ
ればならない。
(2) 各施工段階をとおして,所定のコンクリートの品質が確保されている
ことを管理しなければならない。
(3) レディーミクストコンクリートを用いる場合の受入れ時の検査は,原
則としてJIS A 5308(レディーミクストコンクリート)による。
(4) レディーミクストコンクリートを用いる場合の強度の検査は,原則と
して150m3 ごとに1回,又は少なくとも打設日ごとに1回の割合で行う
ものとし,1回の試験結果は任意の1運搬車から採取した試料で作った
3個の供試体の試験結果の平均値で表す。
(5) 現場練りコンクリートを用いる場合の検査は,(3)(4)に準じて行う。
15.8 架 設
(1) 架設は,原則として設計で定めた施工方法及び施工順序によって施工
しなければならない。
(2) 設計時に考慮した施工方法又は施工順序と異なる方法を用いる場合に
は,改めて架設時及び完成時の応力及び変形について検討し,安全性,
耐久性及びそれらの設計の前提条件等との適合性を確かめなければなら
ない。
15.9 コンクリート工
15.9.1 一 般
コンクリートの施工にあたっては,所要の品質を確保できるように,コン
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クリートの運搬方法,運搬路,打込み場所,打込み方法,打込み順序,1回
の打込み量,養生方法,打継目の処理方法について,あらかじめ計画を立て
ておかなければならない。また,所要の品質が得られるように,施工時の環
境条件,構造条件に応じた適切な処置を行わなければならない。
15.9.2 運 搬
コンクリートの運搬は,少なくとも1)及び2)に示す事項について検討し
たうえで,適切に実施されなければならない。
1) コンクリートの現場までの運搬は,材料の分離を生じさせないよう
に適切な方法で実施する。
2) 現場内の運搬にコンクリートポンプを用いる場合には,コンクリー
トの打込み方法を考慮して,適切なコンクリートポンプの機種を選定
する。また,輸送管の配置にあたっては,鉄筋,型枠及び支保工に有
害な振動,変形を与えないようにする。
15.9.3 打 込 み
コンクリートの打込みは,少なくとも1)から5)に示す事項について検討
したうえで,適切に施工されなければならない。
1) コンクリートの打込みは,雨天又は強風時に行わない。
2) コンクリートの打込み前には,打込み設備及び型枠内を清掃して,
コンクリート中への雑物の混入を防ぐ。コンクリートの水分を吸水す
るおそれのある部分は,あらかじめ湿潤状態にしておく。
3) 所要の性能が確保されるよう,適切に打込み時のコンクリート温度
を定める。
4) 材料分離を生じさせないように適切な方法で打込む。
5) コンクリートを多層に分けて打込むときは,打重ね部において上層
のコンクリートと下層のコンクリートの一体性を確保するために適切
な措置を講じる。
15.9.4 締 固 め
コンクリートの締固めは,少なくとも1)及び2)に示す事項について検討
したうえで,適切に施工されなければならない。
1) コンクリートの締固めは,内部振動機を用いることを標準とし,薄
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い壁等で内部振動機の使用が困難な部分には,型枠振動機を併用する。
2) コンクリートの締固めにあたっては,コンクリートが鋼材の周囲及
び型枠のすみずみに行きわたるようにする。
15.9.5 養 生
コンクリートの養生は,少なくとも1)から5)に示す事項について検討し
たうえで,適切に施工されなければならない。
1) コンクリートは,打込み後に,乾燥,低温,急激な温度変化による
有害な影響を受けないように養生する。
2) コンクリートの硬化中は,有害な振動,衝撃等の影響を受けないよ
うに養生する。
3) 養生方法は,湿潤養生とすることを標準とする。普通ポルトランド
セメントを用いる場合には,少なくともコンクリートの打込み後5日
間,早強ポルトランドセメントを用いる場合には,少なくともコンク
リートの打込み後3日間養生する。高炉セメントを用いる場合にも適
切な養生期間を定め,コンクリートの打込み後,定めた期間以上養生
する。なお,養生水に海水を用いない。気温が低い時期に床版のコン
クリート等を施工する場合には,コンクリートの圧縮強度が15N/mm2程
度に達するまでは適切な保温設備のもとに養生を行う。
4) 寒中コンクリートの場合には,養生中にコンクリートが凍結しない
ようにする。
5) 蒸気養生を行う場合には,コンクリートの打込み後2時間以上経過
してから加熱を始める。養生室の温度上昇は,原則として1時間あた
り15 度以下とし,養生中の温度は,65℃以下とする。また,養生終了
後は急激に温度を降下させない。
15.9.6 打継ぎ及び打継目
コンクリートの打継ぎ及び打継目は,少なくとも1)から5)に示す事項につ
いて検討したうえで,適切に施工されなければならない。
1) 設計で定められた打継目の位置及び構造は変更しない。
2) 打継目は,せん断力の小さい位置に設け,PC 鋼材定着部背面等の常時
引張応力が作用する断面を避け,部材に圧縮力が作用する方向と直角に
設ける。
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3) 打継目については,温度応力及び乾燥収縮によるひび割れが発生しな
いように考慮する。
4) 打継目は,コンクリート表面のレイタンス,緩んだ骨材等を完全に取
り除き,十分吸水させてコンクリートを打継ぐ。
5) 塩害の影響を受けることが予想される構造物においては,打継目を少
なくし鉛直打継目はできるだけ避ける。
15.9.7 ひび割れ対策
コンクリートの収縮やセメントの水和熱に起因する温度応力によるひび
割れが懸念される場合には,設計で前提としている断面の状態が確保され,
また,残留応力等が供用期間中の設計の前提条件に悪影響を与えないよう
に,材料,打込み方法,養生方法等について検討を行い,設計で想定してい
ないひび割れ及び残留応力が発生しないようにしなければならない。
15.10 鉄筋の加工及び配筋
(1) 鉄筋は,所定の強度,耐久性を確保するように,設計図で示された形
状及び寸法に一致するとともに,材質を害さない方法で加工,配置され
なければならない。
(2) 鉄筋の加工及び配筋は,少なくとも1)から8)を満たすようにしなけ
ればならない。
1) 鉄筋は,コンクリート打込み中に動かないように,本体コンクリー
トに悪影響を及ぼさない材質及び寸法のスペーサを用いて堅固に組み
立てる。
2) 鉄筋は常温で加工し,曲げ加工は材質の変化を生じさせないように
曲げ機械を用いて行う。
3) 鉄筋の組立てにあたっては,浮きさび等,コンクリートの付着を害
するおそれのあるものを除く。
4) 重ね継手を用いる場合には,所要の長さを重ね合わせて,コンクリ
ート打込み中に動かないように固定する。
5) ガス圧接継手は,圧接工の資格を有する技術者が行い,適切な方法
で検査を行う。
6) 鉄筋の継手に重ね継手及びガス圧接継手以外の継手を用いる場合に
は,鉄筋の種類,直径,施工箇所等を考慮して適切な施工方法を選定
する。
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7) 継足しのために構造物から露出しておく鉄筋は,損傷,腐食等を受
けないように保護する。
8) 鉄筋は,コンクリート打込み前に,所定の位置に所要の施工精度の
範囲内で堅固に組立て及び加工されていること,浮きさび等のコンク
リートとの付着を害するおそれのあるものがないことを確認する。
(3) 設計図に示されていない鉄筋の継手は,原則として設けない。また,
施工上の理由により,やむを得ず継手を設けなければならない場合には,
5.2.7 の規定による。
15.11 PC 鋼材工及び緊張工
(1) PC 鋼材は,所要のプレストレスが得られるように,適切に加工,配置
し,正確にまた安全に緊張しなければならない。
(2) PC 鋼材工及び緊張工にあたっては,少なくとも1)から16)を満たすよ
うにしなければならない。
1) PC 鋼材及び緊張工は,材質を損なわないように加工し,組み立てる。
2) プレテンション方式の場合のPC 鋼材並びにポストテンション方式
の場合のシース及び定着具は,所要の施工精度を満足するように配置
し,コンクリートの打込み等によって動かないように堅固に保持する。
3) ポストテンション方式の場合には,PC 鋼材はもつれないようにダク
トへ配置する。
4) プレテンション方式の場合のPC 鋼材並びにポストテンション方式
の場合のシース及び定着具は,コンクリート打込み前に,所定の位置
に所要の施工精度の範囲内で堅固に組立て及び加工されていること,
コンクリートとの付着を害するおそれのあるものがないことを確認す
る。
5) プレストレッシング時のコンクリートの圧縮強度は,プレストレッ
シング直後にコンクリートに生じる最大圧縮応力度の1.7 倍以上とす
る。ただし,プレテンション方式の場合には30N/mm2 以上とする。な
お,圧縮強度の確認は,構造物と同様な養生条件におかれた供試体を
用いて行う。
6) プレストレッシング時の定着部付近のコンクリートは,定着により
生じる支圧応力に耐える強度以上とする。
7) PC 鋼材は,緊張後に生じる損失を考慮して初期の引張力を定める。
8) PC 鋼材を,順次に緊張する場合には,各段階において,コンクリー
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トに設計で想定しない応力を生じさせないようにする。
9) 型枠及び支保工は,プレストレッシングにより,設計で想定しない
変形,沈下等を生じさせないようにする。
10) 定着具及び部材端面は,プレストレッシング後,破損又は腐食しな
いように保護する。
11) プレストレッシング中の安全対策については,特に留意する。
12) プレストレッシング装置のキャリブレーションは,装置を使用する
前及び必要に応じて使用中に行う。
13) PC 鋼材のプレストレッシングの管理に用いる摩擦係数及びPC 鋼材
の見かけのヤング係数は,適切な方法で定める。
14) プレストレッシングの管理は,所要のプレストレスが得られるよう
に緊張するPC 鋼材全数について確認する。
15) プレストレッシングの管理は,荷重計の示度及びPC 鋼材の伸び量
により行う。
16) PC 鋼材定着部,施工用金具撤去跡等の後埋めを行う場合には,水密
性及び耐久性が確保されるとともに,橋の供用期間中に容易に落下等
することが無いように適切に行う。
15.12 プレキャスト部材を用いた構造物の施工
15.12.1 一 般
プレキャスト部材を用いた構造物の施工にあたっては,所要の品質,精度
を確保できるようプレキャスト部材の製作,運搬,保管,連結について,あ
らかじめ計画を立て,安全に施工されなければならない。
15.12.2 部材の製作
(1) プレキャスト部材は,所要の施工精度を満足するように製作されなけ
ればならない。
(2) プレキャスト部材どうしを部材軸方向に連結し一体化したプレストレ
ストコンクリート部材とする場合には,プレキャスト部材の形状寸法,
接合部におけるシース,接合キー等の位置と寸法は,プレキャスト部材
の連結が正確に行えるものでなければならない。
(3) プレキャスト部材は,製作にあたり製作に関わる資材,加工及び組立
てについて記された施工要領書が作成されなくてはならない。
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(4) プレキャスト部材は,加工及び組立て段階において所定の方法で施工
されていることが確認されなくてはならない。
15.12.3 運搬・保管
プレキャスト部材の運搬,保管にあたっては,部材に過大な応力を生じさ
せないように支持するとともに,衝撃及びねじりを与えないように行われな
ければならない。
15.12.4 連 結
(1) プレキャスト部材の連結は,使用する材料に適した施工方法を検討し,
強度,耐久性,水密性等所要の品質が得られるように入念に行われなけ
ればならない。
(2) 支保工は,部材の死荷重,架設機械の重量,据付け時の衝撃等の作業
中の荷重,プレストレッシングによる部材の弾性変形等の変位による影
響等に対して,十分な強度と安全性を有する構造でなければならない。
15.13 グラウトの施工
15.13.1 グラウト
(1) グラウトは,PC 鋼材の腐食及び付着に影響を及ぼさないよう,シース
内にグラウトが充てんされる方法で施工されなければならない。
(2) グラウトの施工にあたっては,少なくとも1)から13)を満たすように
しなければならない。
1) 材料は15.6.6 に規定するノンブリーディング型のグラウト又は
15.6.7に規定する現場でのグラウト作業がないプレグラウトされたPC
鋼材を使用する。プレグラウトされたPC 鋼材を使用する場合の施工は
15.13.2 の規定による。
2) グラウトの練混ぜにあたり,選定したグラウトの品質が実際の施工
条件において確保できることを事前に確認し,材料の投入順序及び練
混ぜ時間はあらかじめ設定した方法に従う。
3) グラウトの練混ぜはグラウトミキサで行う。グラウトミキサは,グ
ラウトを十分練り混ぜることができるものを使用する。
4) グラウトは,注入が終了するまで緩やかに攪拌できるアジテーター
等により攪拌する。
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5) グラウトの注入に用いるホースは,グラウトの注入に対して所要の
材質,内径のものを使用する。
6) グラウトをシース内に確実に充てんするため,ダクト形状,ダクト
長さ,グラウトの種類に応じた,注入,排気,排出口を設ける。
7) グラウト注入前には,ダクトの気密性と導通性を確認する。
8) グラウト注入は,練混ぜ直後に,グラウトポンプを用いて徐々に行
う。グラウトポンプは,空気が混入しないように注入できるものを使
用する。
9) グラウトは,グラウトポンプに入れる前に,適切なふるいに通す。
10) グラウト注入は,グラウト注入作業が完全に施工されたことを確認
するために,注入データが記録できる機能を備えた流量計を使用する
とともに,排出口から一様な品質のグラウトが流出するまで中断しな
い。
11) 寒中における施工の場合には,ダクト周辺の温度を,注入前に+
5℃以上にしておく。グラウト温度は,注入時には+10℃から+25℃
とし,注入後少なくとも3日間は+5℃以上に保つ。
12) 暑中における施工の場合は,注入時のグラウトの温度をなるべく低
く抑え,グラウトの急激な硬化等を生じさせないようにする。
13) グラウト硬化後のグラウトホースは,適切にあと処理を行う。
15.13.2 プレグラウトされたPC 鋼材
(1) プレグラウトされたPC 鋼材の施工は,所定の施工品質が確保できる
方法で行わなければならない。
(2) プレグラウトされたPC 鋼材の施工にあたっては,少なくとも1)から
7)を満たすようにしなければならない。
1) プレグラウトされたPC 鋼材の運搬にあたっては,被覆材内の樹脂又
はグラウトの漏れ及び被覆材の損傷を生じさせないようにする。
2) 緊張作業までの期間が使用期限を超えたプレグラウトされたPC 鋼
材は,使用しない。
3) プレグラウトされたPC 鋼材を現場にて保管する場合には,樹脂又は
グラウトの硬化,被覆材の損傷を生じさせないようにする。
4) 樹脂又はグラウトの硬化状態は,温度の影響を大きく受けるので,
運搬から緊張作業までの温度管理には配慮する。
5) プレグラウトされたPC 鋼材の配置及びコンクリートの打込み時に
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おいては,被覆材が損傷して樹脂又はグラウトが漏れることのないよ
う,適切に施工する。
6) 樹脂又はグラウトの漏れ止めキャップの撤去及び被覆材の切除は,
緊張を行う当日に行い,PC 鋼材をきずつけないようにする。
7) プレグラウトされたPC 鋼材の緊張は,樹脂又はグラウトの硬化によ
り作業に支障を生じさせないように,コンクリートが所定の強度に達
した段階で,速やかに行う。
15.14 型枠及び支保工
15.14.1 一 般
(1) 型枠及び支保工は,コンクリートの打込みから硬化にいたるまでの起
こり得る最も不利な組合せの荷重に対して,十分な強度と安全性を有す
るものでなければならない。
(2) 型枠及び支保工は,完成した構造物が所要の性能を確保できるように,
その形状及び位置を正確に保たなければならない。
(3) 型枠及び支保工は,コンクリートの耐久性及び表面の出来形を損なわ
ないように配慮しなければならない。
15.14.2 設計及び施工
(1) 型枠及び支保工の設計及び施工にあたっては,コンクリート打設に伴
う型枠及び支保工のたわみの影響について予測し,設計の前提条件の確
保及びに完成部材に悪影響を及ぼさないような措置を講じなければなら
ない。
(2) 型枠の設計にあたっては,鉛直方向荷重として,型枠,コンクリート,
鉄筋,作業員,施工機械器具,仮設備等の重量,衝撃等を考慮する。ま
た,水平方向荷重として,フレッシュコンクリートの側圧を考慮しなけ
ればならない。
(3) 支保工の設計にあたっては,鉛直方向荷重として,型枠,コンクリー
ト,鉄筋,支保工,作業員,施工機械器具,仮設備等の重量,衝撃,プ
レストレスの影響等を考慮する。また水平方向荷重として,施工中の衝
撃,振動,傾斜の影響,プレストレスの影響のほかに,必要に応じて風
圧,流水圧,地震の影響等を考慮しなければならない。
(4) 型枠は,モルタルの漏れない構造としなければならない。
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(5) 型枠内面には,はく離剤を塗布することを標準とする。
(6) 型枠を組み立てる場合の部材のかどは,面取りを行うことを標準とす
る。
(7) 型枠の締付け材は,型枠を取りはずした後,コンクリート表面に残ら
ないものを使用しなければならない。また,塩害の影響を受ける地域で
は,型枠,セパレータ及び型枠組立てに用いた補助鋼材は,かぶり内か
ら除去しなければならない。
(8) 支保工は,プレストレッシング時のプレストレスによるコンクリート
の変形及び反力の移動を阻害しないものを使用しなければならない。
(9) 型枠及び支保工は,コンクリートに設計で想定しない応力等を与えな
いように取りはずさなければならない。
(10) 型枠及び支保工は,部材等が所定の出来形を満足するように施工しな
ければならない。
(11) 型枠及び支保工は,コンクリート打込み前に,部材等が所定の出来形
を満足するような寸法で堅固に設置されていることを確認する。
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Ⅳ 下 部 構 造 編
1章 総 則
1.1 適用の範囲
この編は,主として下部構造及び橋の区間に接続する道路区間のうち,道
路機能の連続性の観点から橋の性能と一体的にその性能の評価を行う区間
に適用する。
1.2 用語の定義
この編で用いる用語の定義は次のとおりとする。
(1) 制限値
橋及び部材等の限界状態を超えないとみなせるための適当な安全余裕
を考慮した値
(2) 規格値
日本産業規格(JIS)等の公的規格に定められた,材料強度等の物性値
(3) 躯体構造
下部構造の一部で,上部構造等からの荷重を基礎構造に伝える構造部
材。橋脚躯体構造及び橋台躯体構造の総称。
(4) 基礎構造
下部構造の一部で,躯体構造からの荷重を地盤に伝える構造部材。橋
脚基礎構造及び橋台基礎構造の総称。
(5) フーチング
基礎構造の一部で,躯体構造を支え,地盤又は杭へ荷重を伝える版状
の構造部材
(6) 頂版
基礎構造の一部で,躯体構造を支え,ケーソンの側壁及び隔壁,鋼管
矢板又は地中連続壁へ荷重を伝える版状の構造部材
(7) 設計上の橋の区間
上部構造と橋台躯体構造の一部として扱う背面部からなる区間
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(8) 橋梁接続区間
橋の区間に接続する道路区間のうち,橋の使用目的との適合性の観点
から,路面の連続性などの道路機能に関し,橋の区間と一体的にその性
能を評価する区間
(9) 極限支持力
構造物を支持し得る地盤の最大抵抗力
(10) 設計上の地盤面
設計上,その面より下方にある地盤の水平抵抗を考慮する一方,その
面より上にある地盤の水平抵抗を無視することとする地盤の境界面
(11) 有効根入れ深さ
設計上の地盤面から基礎部の底面又は先端までの深さ
(12) 地震時保有水平耐力
柱状の部材やラーメン構造が,地震の影響による水平方向の繰返し載
荷に対し,同時に載荷される鉛直方向の荷重を支持する能力の低下があ
らかじめ想定した限定的な範囲にとどまる状態を保持したまま,水平方
向の塑性変形を繰り返すことができる塑性変形に対応する耐力
(13) 塑性変形能
部材が作用の繰り返しを受けた場合に,荷重を支持する能力の低下が
あらかじめ想定した範囲でかつ限定的な範囲にとどまる状態を保持した
まま,あらかじめ想定した範囲の塑性変形を安定的に繰り返すことがで
きる能力
1.3 設計計算の精度
(1) 設計計算の精度は,設計条件に応じて,適切に定めなければならない。
(2) 設計計算は,最終段階で有効数字3桁が得られるように行うことを標
準とする。
1.4 設計の前提となる材料の条件
(1) 使用する材料は,その材料がおかれる環境,施工,維持管理等の条件
との関係において,設計の前提として求められる機械的特性及び化学的
特性が明らかであるとともに,必要とされる品質が確保できるものでな
ければならない。
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(2) 使用する材料の特性は,測定可能な物理量により表されなければなら
ない。
(3) 下部構造に用いる材料については,この編によるほか,他編の関連す
る規定によらなければならない。
1.5 設計の前提となる施工の条件
(1) 設計にあたっては,設計の前提となる施工の条件を適切に考慮しなけ
ればならない。
(2) 22 章までの規定は,23 章の規定が満足されることを前提とする。した
がって,23 章の規定により難い場合には,施工の条件を適切に定めると
ともに,設計においてそれを考慮しなければならない。
1.6 設計の前提となる維持管理の条件
設計にあたっては,設計の前提となる維持管理の条件を適切に考慮しなけ
ればならない。
1.7 設計図等に記載すべき事項
(1) 設計図等には,施工及び維持管理の際に必要となる事項を記載しなけ
ればならない。
(2) 設計図等には,Ⅰ編1.9 に規定する事項のほか,少なくとも1)から8)
の項目を記載することを標準とする。
1) 使用材料に関する事項
2) 設計の前提とした施工方法及び手順
3) 設計の前提とした施工品質(施工精度,検査基準)
4) 設計の前提とした維持管理に関する事項
5) 設計において適用した技術基準等
6) 地盤に関する事項
7) 上下部接続部と下部構造の関係に関して特記すべき事項
8) 橋梁接続区間の土工部と下部構造の関係に関して特記すべき事項
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2章 調 査
2.1 一般
設計にあたっては,下部構造及び下部構造を構成する部材等の耐荷性能,
耐久性能及びその他の使用目的との適合性を満足するために必要な検討に
関わる事項について,適切な設計,施工,維持管理を行うために必要な調査
を行わなければならない。
このとき,設計において,その前提となる材料,施工及び維持管理の条件
を適切に考慮するために必要な事項については,必要な情報が得られるよ
うに特に計画的に調査を実施しなければならない。
2.2 調査の種類
設計にあたっては,少なくとも1)から4)の調査を行わなければならない。
1) 架橋環境条件の調査
2) 使用材料の特性及び製造に関する調査
3) 施工条件の調査
4) 維持管理条件の調査
2.3 架橋環境条件の調査
下部構造の設計のための架橋環境条件の調査として,地盤の調査を実施し
なければならない。加えて,1)から4)のうち,必要な事項について調査を
実施しなければならない。
1) 河相,利水状況等の調査
2) 近接施工の場合の調査
3) 腐食環境等の調査
4) 橋台周辺の河川堤防等や橋梁接続区間の調査
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2.4 地盤の調査
2.4.1 一般
(1) 地盤の調査は,現地の状況を系統的かつ効率的に知るために,設計の
進捗に合わせて計画的に実施しなければならない。
(2) 地盤の調査は,(1)を満足するために,予備調査と本調査に分けて行う
ことを標準とする。
(3) 予備調査は,架橋地点の地盤を構成する地層の性状の概要を把握し,
基礎地盤部の範囲の確定,基礎形式の選定,予備設計,本調査の計画等
に必要な資料を得るために行うものとし,2.4.2 の規定に従って実施す
る。
(4) 本調査は,下部構造の詳細設計を行うために必要な地層構成,地盤定
数,施工条件等を明らかにするために行うものとし,2.4.3 の規定に従
って実施する。
(5) 少なくとも,1)から4)に該当することが考えられる場合は,地盤変動
等に対する検討に必要な情報が十分に得られるように,特に留意して調
査を行わなければならない。
1) 軟弱地盤
2) 液状化が生じる地盤
3) 斜面崩壊,落石・岩盤崩壊,地すべり又は土石流(以下「斜面崩壊
等」という。)の発生が考えられる地形,地質
4) 活断層
2.4.2 予備調査
予備調査は,現地の状況等を踏まえ,1)から4)の事項について行わなけ
ればならない。
1) 資料調査
2) 現地踏査
3) ボーリング等による調査
4) その他必要となる調査
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2.4.3 本調査
(1) 本調査は,現地の状況等を踏まえ,1)から9)のうち必要な事項につ
いて行う。
1) ボーリング
2) サンプリング
3) サウンディング
4) 土質試験
5) 岩石試験
6) 地下水調査
7) 載荷試験
8) 物理探査及び物理検層
9) 有害ガス,酸素欠乏空気等の調査
(2) 本調査は,それぞれの橋脚及び橋台の位置において行うことを原則と
し,地盤条件及び構造条件に応じて適切に調査点数を設定したうえで行
う。
2.5 河相,利水状況等の調査
河相,利水状況等の調査は,河川の形態や将来計画,利水,舟運等につい
て行わなければならない。
2.6 施工条件の調査
施工条件の調査は,1)から3)のうち必要な事項について行う。
1) 既存資料の調査
2) 周辺環境の調査
3) 作業環境の調査
3章 設計の基本
3.1 総則
(1) 下部構造及び下部構造を構成する部材等の設計は,I 編1.8 に規定する
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橋の性能を満足するようにしなければならない。
(2) 下部構造は,少なくともI 編2.3 に規定する橋の耐荷性能を満足するた
めに必要な耐荷性能を有するほか,Ⅰ編7章に規定される橋の使用目的と
の適合性を満足するために必要なその他検討によって満足することが求め
られる要件や事項,及びこの編の3.10 に規定するその他の必要事項を満
足しなければならない。
(3) 偶発作用支配状況を考慮する橋の耐荷性能の評価にあたっては,地震の
影響として考慮する最大級の地震動が複数回生じることの影響を考慮しな
ければならない。
(4) 下部構造の耐荷性能を部材等の耐荷性能で代表させる場合の部材等は,
少なくともI 編2.3 に規定する橋の耐荷性能を満足するために必要な耐荷
性能を有するほか,橋の性能を満足するために必要なその他の事項を満足
しなければならない。
(5) 下部構造は,Ⅰ編2.4 に規定する機能系統に分類される部材等で構成し
なければならない。
(6) (5)の各機能系統に分類された部材等は,下部構造の耐荷性能を満足する
ために必要となる水準で各機能系統の機能が果たせるために求められる耐
荷性能を有しなければならない。
このとき,複数の機能系統を兼ねる部材等は,それらが兼ねる全ての機
能系統に対して所要の耐荷性能を有しなければならない。
(7) 下部構造は,橋の性能を満足する上で必要となる路面の連続性を以下の
1)から3)の観点から確保できるものでなければならない。
1) 上部構造の区間と3.7.2 に規定する橋台躯体構造の区間の路面の連続
性
2) 伸縮装置及びその前後の区間の路面の連続性
3) 橋台躯体構造の区間とⅠ編1.7.1 に規定する橋梁接続区間の路面の連
続性
(8) 下部構造の耐荷性能は,橋の設計供用期間中の任意の時点で満足しなけ
ればならない。このとき,耐荷性能の評価において考慮する下部構造の状
態が,橋の設計耐久期間中の補修,補強等の機能回復を行うことを前提と
してあらかじめ想定した状態を超えないようにする場合には,橋の設計耐
久期間において上下部接続部の耐荷性能で考慮した下部構造の状態は満足
されるとみなしてよい。
(9) 下部構造の耐荷性能を満足するための部材等の状態の設定にあたって
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は,少なくとも1)から6)による。
1) Ⅰ編3.3 に規定する永続作用支配状況及び変動作用支配状況に該当す
る全ての設計で考慮する状況が,設計供用期間にわたって繰り返し,順
不同に生じることを考慮し,それらに対応して,部材等に繰り返し,順
不同に生じる全ての種類及び方向の断面力を考慮して,所要の部材等の
状態となるようにする。
2) 永続作用支配状況において,部材等の状態が限界状態1,限界状態2,
限界状態3をそれぞれ超えない。
3) 変動作用支配状況において,部材等の状態が限界状態1,限界状態2,
限界状態3をそれぞれ超えないことを基本とする。変動作用支配状況に
おいて部材等が限界状態1を超える状態を見込む場合には,下部構造と
して所要の荷重を支持する能力が確保されている状態及び各機能系統が
有すべき機能を発揮できる状態となるように,各部材等がとどまるべき
状態を組み合わせる。このとき,設計供用期間中の点検や修繕等の維持
管理の確実性や容易さ,第三者に被害を及ぼす可能性等を考慮する。
4) 偶発作用支配状況において,下部構造として所要の荷重を支持する能
力が確保されている状態及び下部構造が有すべき機能系統の所要の機能
が確保されている状態となるように,各部材等がとどまるべき状態を組
み合わせる。このとき,緊急時の点検や修繕等の維持管理の確実性や容
易さ,第三者に被害を及ぼす可能性等を考慮する。
5) 偶発作用支配状況のうち地震の影響を含む設計状況において,地震の
影響として考慮する地震動が複数回生じることを考慮する。
6) 下部構造を構成する一部の部材及び接合部の損傷に対する,構造上の
補完性又は代替性の確保の必要性及び確保の程度を考慮し,それを,各
設計状況に対して満足させる部材等の状態の設定に反映する。
(10) 各橋脚及び橋台の設置位置,形式及び形状は,Ⅰ編2.3 の規定に基づき
設定された,下部構造の機能系統及び各橋脚及び橋台が担う機能系統を実
現できる設置位置,形式及び形状となるようにしなければならない。この
とき,1)から4)を満足しなければならない。
1) 全ての橋脚及び橋台によって橋全体として下部構造が所要の機能系統
を有するようにするにあたっては,地形,地質の条件や上下部接続部の
構造も考慮して,それぞれの橋脚及び橋台が支持する荷重や振動特性が
下部構造全体として所要の機能が発揮できるような抵抗特性を有する。
2) Ⅰ編1.7.1 に規定する橋梁接続区間と一体で達成する道路機能と整合
583
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する。
3) 設計の前提とする施工の条件及び維持管理の条件に対して合理的なも
のである。
4) 各橋脚及び橋台等の設置位置は,斜面崩壊等及び断層変位の影響を受
けない箇所を選定することを標準とする。
(11) 橋の下部構造の設計にあたっては,I 編1.8.2 によるほか,応答算出モ
デルと作用モデルが整合しており,かつ,部分係数を適用できる条件を満
足していなければならない。
(12) (2)から(11)を満足するにあたっては,Ⅰ編6章に規定する橋の耐久性
能に関する基本事項と評価を満足しなければならない。下部構造及び下部
構造を構成する部材等の耐久性能の評価については,3.8 の規定による。
3.2 下部構造が有すべき機能系統とそれらを構成する部材等
下部構造は,Ⅰ編2.4.3 に規定する機能系統を有しているようにしなけ
ればならない。
3.3 下部構造の耐荷性能の評価において考慮する状況
(1) 下部構造及び下部構造を構成する部材等の耐荷性能の評価には,Ⅰ編
3章の設計状況を考慮しなければならない。
(2) 下部構造及び下部構造を構成する部材等の耐荷性能の評価には,(1)に
よるほか,必要に応じて以下の1)及び2)を考慮しなければならない。
1) Ⅰ編3.2 において下部構造及び下部構造を構成する部材等の状態の
観点から最も不利となる作用の組合せ
2) Ⅰ編3.2 において下部構造の各機能系統が所要の機能を満足できる
かどうかの観点から下部構造及び下部構造を構成する部材等に最も不
利となる作用の組合せ
3.4 下部構造の耐荷性能
(1) 下部構造及び下部構造を構成する部材等は,Ⅰ編2.3 に規定する橋の
耐荷性能を満足するよう,3.3 で設定する耐荷性能の評価において考慮
する状況に対して,Ⅰ編2.5.2 で設定する耐荷性能の評価において考慮
する状態に,橋又は部材等の設計耐久期間を通じて所要の信頼性をもっ
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てとどまるようにしなければならない。
(2) 3.5 から3.7 による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
3.5 作用の組合せ及び荷重係数
(1) 下部構造,橋脚及び橋台並びに橋脚及び橋台を構成する部材等の耐荷
性能の評価にあたっては,3.3 に規定する耐荷性能の評価において考慮
する状況を,少なくともⅠ編3.2 により,作用の特性値,作用の組合せ,
荷重組合せ係数及び荷重係数を用いて設定するほか,必要に応じて,下
部構造及び下部構造を構成する部材等に最も不利な影響を与える作用の
組合せについても考慮しなければならない。
(2) 施工時の状況は,Ⅰ編3.2 によるほか,(1)によらず,施工期間,施工
方法等の施工条件を考慮して完成時に所要の耐荷性能及び耐久性能が得
られるよう,作用の特性値,作用の組合せ,荷重組合せ係数及び荷重係
数を用いて適切に設定する。
3.6 下部構造の限界状態
3.6.1 一般
(1) 下部構造及び下部構造を構成する部材等の耐荷性能の評価にあたって
は,Ⅰ編2.5.2 で設定する耐荷性能の評価において考慮する状態の限界
を,下部構造及び下部構造を構成する部材等の限界状態として適切に設
定しなければならない。
(2) 下部構造を構成する部材等の限界状態は,3.6.2 の規定による。
(3) 下部構造及び下部構造を構成する部材等の限界状態は,工学的指標を
用いて適切に設定しなければならない。
(4) 限界状態に関連付ける工学的指標の設定にあたっては,1),2)及び3)
を満足しなければならない。又は,4)を満足しなければならない。
1) 限界状態を適切に評価できる理論的な妥当性を有する手法,実験等
により検証のなされた手法等の適切な知見に基づいた方法により,限
界状態に対応する特性値を設定する。
2) 塑性化した状態を耐荷性能の評価に考慮する部材等の限界状態2又
は限界状態3の特性値については,作用の繰返しが部材の状態に及ぼ
す影響について,適切な知見に基づいた方法により,限界状態に対応
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する特性値を設定する。
3) 限界状態に対応する制限値の設定にあたっては,その特性値の根拠
に応じて適切に部分係数を設定する。
4) 1)から3)によらない場合は,1)から3)による場合と同等の信頼性で
耐荷性能の評価が行える適切な方法により制限値を設定する。
(5) 下部構造及び下部構造を構成する部材等について,Ⅱ編5章から13 章
の規定,Ⅲ編5章から13 章の規定並びにこの編の5章から20 章の規定
に従い工学的指標の特性値又は制限値を定める場合には,(3)及び(4)を
満足するとみなしてよい。
(6) 施工時の限界状態は,施工途中の各段階における材料強度,構造等の
条件及び完成形で想定する状態を満足できることを考慮して適切に設定
しなければならない。
3.6.2 下部構造の部材等の限界状態
(1) Ⅰ編4.3 に規定する部材等の限界状態1は,1)から3)とする。
1) 部材等の挙動が可逆性を有する限界の状態
2) 部材等の能力を低下させる変位及び振動に部材等が至らない限界の
状態
3) 部材等の設計で前提とする耐荷機構が成立している限界の状態
(2) Ⅰ編4.3 に規定する部材等の限界状態2は,1)かつ2),又は,1)かつ
3)とする。
1) 部材等の挙動が可逆性を失うものの,作用の繰返しに対して耐荷力
を安定して発揮できる限界の状態
2) 部材等としての最大強度点を超えず,部材等の能力を低下させる残
留変位の急増や剛性の急変に部材等が至らない限界の状態
3) 部材等に十分な塑性変形能が残存する限界の状態
(3) Ⅰ編4.3 に規定する部材等の限界状態3は,部材等の挙動が可逆性を
失うものの,耐荷力が完全には失われない限界の状態とする。
3.7 耐荷性能の評価
3.7.1 下部構造の耐荷性能の評価
(1) 下部構造は,橋脚及び橋台の耐荷性能の組合せによって下部構造とし
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て求められる耐荷性能を有するようにしなければならない。
(2) 下部構造の耐荷性能を,橋脚及び橋台の耐荷性能の組合せによって実
現させる場合の橋脚及び橋台の耐荷性能の評価は,3.7.2 の規定による。
3.7.2 橋脚及び橋台の耐荷性能の評価
(1) 橋脚は,橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造の耐荷性能の組合せによって
橋脚として求められる耐荷性能を有するようにしなければならない。橋
台は,橋台躯体構造及び橋台基礎構造の耐荷性能の組合せによって橋台
として求められる耐荷性能を有するようにしなければならない。
(2) 橋脚の耐荷性能を,橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造の耐荷性能の組合
せによって実現させる場合の橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造の耐荷性能
の評価は,3.7.3 の規定による。橋台の耐荷性能を,橋台躯体構造及び橋
台基礎構造の耐荷性能の組合せによって実現させる場合の橋台躯体構造
及び橋台基礎構造の耐荷性能の評価は,3.7.4 の規定による。
(3) 6.1 及び7.1 に従って橋脚を橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造に,橋台
を橋台躯体構造と橋台基礎構造にそれぞれ区分したうえで,各構造部分
において支点反力支持機能及び支点位置保持機能を所要の水準で有して
いることを評価しなければならない。
(4) (3)の評価にあたっては,それぞれの機能を有していることを評価する
ための評価点を橋脚及び橋台の適切な位置に設定しなければならない。
このとき,それぞれの機能を評価するための評価点は一致させなければ
ならない。
(5) 橋脚及び橋台の支点反力支持機能及び支点位置保持機能を評価するた
めの評価点を次の2か所に設定した場合には(4)を満足するとみなして
よい。
1) 橋脚躯体構造及び橋台躯体構造の上下部接続部との接合部
2) 橋脚躯体構造と橋脚基礎構造の接合部及び橋台躯体構造と橋台基礎
構造の接合部
3.7.3 橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造を構成する部材等の耐荷性能の評価
(1) 橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造は,それを構成する部材等の耐荷性能
の組合せによって橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造として求められる耐荷
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性能を有するようにしなければならない。
(2) 橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造の耐荷性能を,それを構成する部材等
の耐荷性能の組合せによって実現させる場合の部材等の耐荷性能の評価
は,3.7.5 の規定による。
3.7.4 橋台躯体構造及び橋台基礎構造を構成する部材等の耐荷性能の評価
(1) 橋台躯体構造及び橋台基礎構造は,それを構成する部材等の耐荷性能
の組合せによって橋台躯体構造及び橋台基礎構造として求められる耐荷
性能を有するようにしなければならない。
(2) 橋台躯体構造及び橋台基礎構造の耐荷性能を,それを構成する部材等
の耐荷性能の組合せによって実現させる場合の部材等の耐荷性能の評価
は,3.7.5 の規定による。
3.7.5 部材等の耐荷性能の評価
(1) Ⅰ編5章の規定に従い,下部構造及び下部構造を構成する部材等の耐
荷性能の評価は,1)及び2)に従い行うことを標準とする。
1) 3.5(1)に規定する作用の組合せに対して,部材等の耐荷性能に応じ
て定める3.6.2 に規定する部材等の限界状態を,各々に必要な信頼性
をもって超えないことを式(3.7.1)及び式(3.7.2)を満足することによ
り確認する。
∑𝑆൫𝛾୮𝛾୯𝑃൯≦ξଵΦோௌ𝑅ௌ ······························ (3.7.1)
∑𝑆൫𝛾୮𝛾୯𝑃൯≦ξଵξଶΦோ𝑅 ···························· (3.7.2)
ここに,
𝑃 :作用の特性値
𝑆 :作用効果であり,作用の特性値に対して算出される部材等
の応答値
𝑅ௌ :部材等の限界状態1又は限界状態2に対応する部材等の
抵抗に係る特性値
𝑅 :部材等の限界状態3に対応する部材等の抵抗に係る特性
値
𝛾୮ :荷重組合せ係数
𝛾୯ :荷重係数
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ξଵ :調査・解析係数
ξଶ :部材・構造係数
Φோௌ :部材等の限界状態1又は限界状態2に対応する部材等の
抵抗に係る抵抗係数
Φோ:部材等の限界状態3に対応する部材等の抵抗に係る抵抗
係数
2) 部材等の限界状態を代表させる事象を,部材等の限界状態1又は限
界状態2と限界状態3のいずれかに区別し難い場合には,当該事象を
部材等の限界状態3として代表させ,3.5(1)に規定する作用の組合せ
に対して,部材等の限界状態3を必要な信頼性をもって超えないこと
を式(3.7.2)で満足することにより確認する。
(2) 式(3.7.1)及び式(3.7.2)の作用効果は,3.9 に規定する構造解析,5
章並びに9章から20 章の規定に従い算出する。このとき,着目する機能
系統及び構成する部材ごとに対して,最も不利な状態が生じるように作
用を考慮しなければならない。
(3) 式(3.7.1)及び式(3.7.2)の作用の特性値,荷重組合せ係数及び荷重係
数は,3.5 の規定に従い設定する。
(4) 式(3.7.1)及び式(3.7.2)の抵抗係数及び抵抗の特性値は,5章並びに
9章から20 章の規定に従い設定する。
(5) 式(3.7.1)及び式(3.7.2)の調査・解析係数及び部材・構造係数は,5
章並びに9章から20 章の規定による。
(6) 衝突荷重を含む作用の組合せを考慮して工学的指標と限界状態を関連
付ける場合には,(4)によらず,適切に工学的指標の特性値又は制限値を
設定する。
(7) Ⅰ編5.2.1(13)の規定に従い,(1)の評価を行うにあたって,作用効果
が適切に評価されるように必要な条件を明らかにし,その条件を満足さ
せなければならない。
(8) 特定の条件に対して安全性の検討を行う場合には,Ⅰ編5.2.1(15)の
規定に準じて耐荷性能を評価する。
(9) 橋脚基礎構造及び橋台基礎構造の耐荷性能の評価に用いる評価点は,
13.3.2 に規定する設計上の地盤面以上の高さに設ける。
(10) 橋脚基礎構造及び橋台基礎構造の耐荷性能の評価にあたっては,(1)
によるほか,軟弱地盤における圧密沈下や地盤の側方流動の影響など,
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長期的な地盤変動の影響に対して(9)に規定する評価点の位置が所定の
範囲に保持され,荷重支持に対する安全性が損なわれないようにしなけ
ればならない。また,Ⅰ編8.13 に規定する地盤変動の影響に対しても,
(9)に規定する評価点の位置が所定の範囲に保持され,荷重支持に対する
安全性が損なわれないようにしなければならない。
(11) 橋の耐荷性能の評価にあたって,設計上の地盤面を橋台天端高さと
し,橋台躯体背面部の地盤の受働抵抗を考慮する場合は,橋台躯体背面
部が崩壊するなど,橋台躯体背面部としての耐荷性能を喪失した場合で
あっても,橋台が限界状態3を超えないことを確認しなければならない。
3.8 下部構造及び下部構造を構成する部材等の耐久性能の評価
下部構造及び下部構造を構成する部材等の耐久性能の評価は,少なくと
も22 章の規定のほか,Ⅱ編からⅤ編の関連する規定によらなければならな
い。
3.9 構造解析
(1) 下部構造及び下部構造を構成する部材等の断面力,応力,変位及び地
盤反力度の算出にあたっては,荷重状態に応じた部材の材料特性や破壊
過程,構造形式に応じた幾何学的特性,応力状態の複雑さ,支持条件及
び地盤の影響等を適切に評価できる解析理論及び解析モデルを用いなけ
ればならない。
(2) 解析モデルは以下の1)及び2)による。
1) 地盤抵抗は,13.3.2 に規定する設計上の地盤面より下面にある部材
に考慮できる。
2) 作用は13.3.2 に規定する設計上の地盤面以上の高さにある部分に
考慮する。ただし,Ⅰ編8.13 に規定する地盤変動の影響及びⅠ編8.19
に規定する地震の影響を考慮する場合は,(3)から(5)の規定による。
(3) Ⅰ編8.13 に規定する地盤変動の影響として,少なくとも以下の1)か
ら3)を考慮する。
1) 圧密沈下の影響
2) 橋台躯体背面部,橋梁接続区間を含む橋台背面にある盛土による軟
弱地盤の側方流動の影響
3) 盛土に基礎構造を構築する場合は,盛土の地盤変位の影響
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(4) Ⅰ編8.19 に規定する地震の影響として,少なくとも以下の1)及び2)
を考慮する。
1) Ⅰ編8.19.13 に規定する地盤振動変位の影響
2) Ⅰ編8.19.14 に規定する液状化に伴う地盤の流動化の影響
(5) 橋台躯体背面部に地盤を用いる場合,Ⅰ編8.19.5 に規定する地震動に
よる慣性力の影響による橋台躯体部の振動を拘束する効果を見込む場合
は,橋台躯体背面部が11 章の規定を満足しなければならない。また,橋
台土留め部及び橋台躯体部の土留め部分を用いる場合は12 章も満足し
なければならない。
(6) Ⅱ編3.9,Ⅲ編3.9 及びこの編の5章及び9章から20 章の規定に従っ
て断面力,応力,変位及び地盤反力度の算出を行う場合には,5章及び
9章から21 章に規定される制限値を用いてよい。
3.10 その他の必要事項
3.10.1 一般
下部構造及び下部構造を構成する部材等の設計においては,3.7 及び3.8
に規定する耐荷性能及び耐久性能の評価のほか,耐荷性能及び耐久性能の評
価の前提となる事項,上部構造又は下部構造に求められる変位の制限値等,
橋の性能を満足するために必要な事項を検討し,適切に設計に反映させなけ
ればならない。
3.10.2 構造設計上の配慮事項
設計では,経済性,地域の防災計画及び関連する道路網の計画との整合性
も考慮したうえで,少なくとも1)から7)の観点について構造設計上実施で
きる範囲を検討し,必要に応じて構造設計に反映させなければならない。
1) 設計で前提とする施工品質の確認方法の観点
2) 橋の一部の部材及び接続部の損傷,地盤変動等の可能性に対する構
造上の補完性又は代替性の観点。少なくとも,杭基礎又は組杭深礎基
礎については,杭の配列について検討することを標準とする。
3) 塑性変形能を有しない部材を含む全ての部材に対するぜい性的な破
壊が生じることを回避する観点
4) 部材に生じるねじりの影響をできるだけ少なくする観点
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5) 点検及び修繕が困難となる箇所をできるだけ少なくすることの観
点。少なくとも,上部構造の桁端部との間に遊間を有する橋台につい
ては,桁端部の点検ができるような構造について検討することを標準
とする。
6) 設計供用期間中の更新及び修繕の実施方法について検討しておくこ
とが望ましい部材の選定とそれを確実に行える橋の構造とすることの
観点
7) 局所的な応力集中,複雑な挙動,滞水等が生じにくい細部構造とす
ることの観点。少なくとも,全ての橋台及び橋脚の上面について,支
承部や変位抑制構造,落橋防止システムなどの存在によって,塵埃の
堆積や滞水が生じにくく,必要な維持管理が確実かつ容易に行えるこ
とに配慮した細部構造について検討することを標準とする。
4章 材料の特性値
4.1 一般
(1) 材料の強度の特性値及び設計定数は,所要の材料試験に基づいて明ら
かにされた機械的特性等を考慮し,その材料の特性を表現するのに適切
な値として設定しなければならない。
(2) 鋼材について,この編及びⅡ編4章による場合には,(1)を満足すると
みなしてよい。
(3) コンクリートについて,この編及びⅢ編4章による場合には,(1)を満
足するとみなしてよい。
(4) 地盤定数の特性値について,4.2 の規定に従って設定する場合には,
(1)を満足するとみなしてよい。
4.2 地盤定数の特性値
地盤定数の特性値は,地盤や盛土の調査の結果から各種試験法等の適用
性,精度,試験結果の信頼性,地盤特性の空間的なばらつき等を考慮したう
えで,設計計算において平均的な挙動が得られるような値をもって設定する
ことを基本とする。
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5章 耐荷性能に関する部材及び接合部の設計
5.1 一般
下部構造及び下部構造を構成する部材及び接合部の設計にあたっては,
Ⅱ編5.1 及び6.1,並びにⅢ編5.1 及び6.1 の該当する規定を満足しなけれ
ばならない。
5.2 鉄筋コンクリート部材の設計
5.2.1 一 般
下部構造を構成するコンクリート部材の設計は5.2.2 から5.2.7 及び9
章から20 章の規定に従ったうえで,Ⅲ編5章の規定による。
5.2.2 最小鉄筋量,最大鉄筋量
(1) 最小鉄筋量
1) 曲げを受ける部材では,コンクリートのひび割れとともに耐力が減
じて急激に破壊することを防ぐために必要な量の軸方向引張鉄筋を配
置しなければならない。
2) 部材の最大抵抗曲げモーメントがひび割れ曲げモーメント以上とな
るように軸方向引張鉄筋を配置する場合,1)を満足するとみなしてよ
い。
3) 柱や壁のように軸方向力が支配的な部材では,設計で想定した以上
の偏心荷重が作用した場合にも部材のぜい性的な破壊が生じないため
に必要な量の軸方向鉄筋を配置するとともに,コンクリートに局部的
な弱点があってもその部分の応力を分散できるために必要な量の軸方
向鉄筋を配置しなければならない。
4) 軸方向力に対して計算上必要なコンクリート断面積の0.8%以上の軸
方向鉄筋量の鉄筋を配置する場合,3)を満足するとみなしてよい。
5)ⅰ) 乾燥収縮や温度勾配等により,耐荷性能及び耐久性能の評価の前
提を満足しなくなるひび割れが生じないよう,必要な量の鉄筋を配
置しなければならない。
593
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ⅱ) Ⅲ編5.2.2(4)1)の規定に従い鉄筋を配置するとともに,部材表
面に沿った幅1m あたりの鉄筋の断面積の合計が500mm2 以上となる
ように鉄筋を配置する場合,ⅰ)の規定を満足するとみなしてよい。
(2) 最大鉄筋量
1) 曲げを受ける部材の軸方向鉄筋量は,コンクリートの破壊が鉄筋の
降伏に先行せず,かつ,コンクリートの施工時に充てん不足が生じな
い範囲に抑えなければならない。
2) ⅰ)及びⅱ)による場合には,1) を満足するとみなしてよい。
ⅰ) 軸方向引張鉄筋を釣合い鉄筋量以下となるように配置する。
ⅱ) 軸方向鉄筋量を部材の全断面積の6%以下とする。
5.2.3 鉄筋のかぶり
(1) 耐荷性能の評価で考慮する状態を満足させるにあたっては,コンクリ
ートと鉄筋との付着を確保するのに必要なかぶりを確保しなければなら
ない。なお,供用時に水中又は土中にある部材については,維持管理の
困難さも考慮して,必要なかぶりを確保しなければならない。
(2) (3)を満足する場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 鉄筋の直径以上のかぶりを確保する。ただし,供用時に水中又は土中
にある部材については,かぶりを70mm 以上確保する。
中間帯鉄筋
帯鉄筋
ここに,:かぶり
図-5.2.1 鉄筋のかぶり
5.2.4 軸方向鉄筋の配置
(1) 軸方向鉄筋は,軸力及び曲げモーメントに対して有効に機能するよう
に適切に配置しなければならない。
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(2) 1)及び2)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
1) 軸方向鉄筋の直径は,16mm 以上かつ51mm 以下とする。
2) 軸方向鉄筋は,2段以下に配置する。
5.2.5 せん断補強鉄筋の配置
(1) せん断補強鉄筋は,せん断力に対して有効に機能するように適切に配
置しなければならない。
(2) (3)から(5)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 直径13mm 以上の異形棒鋼を配置する。
(4) はりのせん断補強鉄筋は,1)から3)により配置する。
1) 部材全体にわたって配置する。
2) はりのせん断補強鉄筋は,引張鉄筋を取囲み,フックを設けて圧縮
部のコンクリートに定着する。また,圧縮鉄筋がある場合には,引張
鉄筋及び圧縮鉄筋を取囲み,フックを設けて圧縮部のコンクリートに
定着する。
3) 計算上せん断補強鉄筋を配置する必要がある場合,せん断補強鉄筋
の間隔は,はりの有効高の1/2 以下かつ300mm 以下とする。また,計
算上せん断補強鉄筋を必要としない場合でも,2)と同様の形状の鉄筋
をはりの有効高以下の間隔に配置する。
(5) 柱状の部材のせん断補強鉄筋は,1)及び2)により配置する。
1) 柱状の部材のせん断補強鉄筋のうち,帯鉄筋はⅰ)からⅳ)により配
置する。
ⅰ) 柱状の部材の全長にわたって配置し,その間隔は300mm 以下とす
る。
ⅱ) 軸方向鉄筋を取囲むように配置し,端部はフックを設けて断面内
部のコンクリートに定着するとし,フックのない重ね継手は用いて
はならない。なお,帯鉄筋を継いで配置する場合には,その継手部
は高さ方向に千鳥状に配置する。
ⅲ) 高さ方向に対して帯鉄筋の間隔を変化させる場合には,その間隔
は徐々に変化させるものとし,急変させてはならない。
ⅳ) 橋脚柱の軸方向鉄筋を段落しする場合,段落し位置においては,
これより上下それぞれに橋脚断面の短辺長又は直径の1.5 倍に相当
する断面領域では,帯鉄筋の間隔を150mm 以下とする。
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2) 柱状の部材のせん断補強鉄筋のうち,中間帯鉄筋はⅰ)からⅴ)によ
り配置する。
ⅰ) 帯鉄筋と共同してせん断力に抵抗させる場合には,帯鉄筋と同材
質,同径の鉄筋とする。
ⅱ) 計算上せん断補強が必要な区間に加えて,その区間の両端にそれ
ぞれ部材断面の有効高に等しい長さを加えた区間に配置する。ただ
し,この区間の一部又は全体がフーチング内部やはり内部に入る場
合には,フーチング内部やはり内部にはせん断補強のための中間帯
鉄筋を配置する必要はない。
ⅲ) 配置間隔は,鉛直方向は部材の有効高の1/2 以内,水平方向は1m
以内とする。
ⅳ) 原則として帯鉄筋にフック又は定着体をかけて定着する。なお,
軸方向鉄筋が2段配筋の場合には,最も外側に配置される帯鉄筋に
フック又は定着体をかけて定着する。
ⅴ) 1本の連続した鉄筋,又は部材断面内部に継手を有する2組の鉄
筋により部材断面を貫通させることとする。ただし,部材断面内部
において継手を設ける場合には,中間帯鉄筋の強度に相当する継手
強度が確保できるようにする。
5.2.6 鉄筋のフック及び鉄筋の曲げ形状
(1) 鉄筋のフック及び曲げ形状は,鉄筋に生じる引張力によって鉄筋の端
部が滑らず,コンクリートに大きな支圧応力を発生させない形状としな
ければならない。
(2) 鉄筋のフック及び曲げ形状は,加工が容易にでき,かつ,加工により
鉄筋の材質が傷まない形状としなければならない。
(3) (4)による場合には,(1)及び(2)を満足するとみなしてよい。
(4) 鉄筋のフック及び鉄筋の曲げ形状についてはⅢ編5.2.6 の規定によ
る。ただし,鉄筋のフックの曲げ加工する部分の端部から直線状に確保
する値は,Ⅲ編5.2.6 の規定によらず,図-5.2.2 に基づき,以下に示す
値以上とする。
(a)半円形フック:鉄筋の直径の8倍又は120mm のうちいずれか大きい値
(b)直角フック :鉄筋の直径の12 倍
(c)鋭角フック :鉄筋の直径の10 倍
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8 以上で120mm以上
12 以上
(a) 半円形フック (b) 直角フック (c) 鋭角フック
ここに, 𝜙:鉄筋の直径 (mm)
𝑟:鉄筋の曲げ内半径 (mm)
図-5.2.2 鉄筋のフックの曲げ形状
5.2.7 せん断力を受ける部材
せん断力を受ける下部構造の鉄筋コンクリート部材の限界状態1及び限
界状態3に対する耐荷性能の評価にあたっては,(1)から(3)を満足しなけ
ればならない。
(1) 斜引張破壊に対するせん断力の制限値の算出は,1)及び2)に従ったう
えで,Ⅲ編式(5.11.2)により行わなければならない。
1) コンクリートが負担できるせん断力の特性値は,ⅰ)及びⅱ)に従っ
たうえで,Ⅲ編式(5.11.3)により算出する。
ⅰ) コンクリートが負担できるせん断力の特性値をⅢ編式(5.11.3)
により算出する際の軸方向に配置された引張側の鉄筋等の鋼材比
𝑝௧に関する補正係数は,Ⅲ編表-5.11.8 によらず,表-5.2.1 に示す
値を用いる。
表-5.2.1 軸方向に配置された引張側の鉄筋等の鋼材比𝑝௧に関する補正係数𝑐௧
鋼材比𝑝௧ (%) 0.1 0.2 0.3 0.5 1.0 以上
𝑐௧ 0.7 0.9 1.0 1.2 1.5
ⅱ) せん断スパン比によるコンクリートの負担できるせん断力の割
増係数は,1.0 を標準とする。
2) せん断補強鉄筋が負担できるせん断力の合計の特性値は,Ⅲ編式
(5.11.5)により算出する。ただし,せん断スパン比によるせん断補強
鉄筋が負担するせん断力の低減係数は1.0 を標準とする。
(2) 部材の有効高の変化の影響を考慮した部材断面に生じるせん断力は,
597
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Ⅲ編式(5.11.9)により算出する。ただし,せん断スパン比によりコンク
リートが負担できる平均せん断応力度の割増しを行う場合や,地震の影
響を考慮する設計状況において交番繰返しの荷重を受ける橋脚柱等の場
合には,部材の有効高の変化の影響を考慮してはならない。
(3) せん断力を受ける鉄筋コンクリート部材のウェブコンクリートの圧壊
に対しては,Ⅲ編5.9.4(3)に加え,永続作用支配状況及び変動作用支配
状況において,式(5.2.1)により算出されるコンクリートの平均せん断応
力度が,表-5.2.2 に示すせん断応力度の制限値を超えないようにする。
表-5.2.2 永続作用支配状況及び変動作用支配状況におけるコンクリートの
せん断応力度の制限値 (N/mm2)
コンクリートの設計基準強度 21 24 27 30
永続作用支配状況 1.6 1.7 1.8 1.9
変動作用支配状況 2.4 2.6 2.7 2.9
𝜏= 𝑆𝑏𝑑⁄ ··········································· (5.2.1)
ここに,
𝜏 : 部材断面に生じるコンクリートの平均せん断応力度 (N/mm2)
𝑆 : 部材の有効高の変化の影響を考慮した部材断面に生じるせん
断力 (N)で,(2) による。
𝑏 : 部材断面幅 (mm)
𝑑 : 部材断面の有効高 (mm)
5.3 鉄筋コンクリート部材の接合部の設計
下部構造を構成するコンクリート部材の接合部の設計は9章から20 章の
規定に従ったうえで,Ⅲ編6章の規定による。
5.4 鋼部材の設計
下部構造を構成する鋼部材の設計は9章から20 章の規定に従ったうえ
で,Ⅱ編5章の規定による。
598
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5.5 鋼部材の接合部の設計
下部構造を構成する鋼部材の接合部の設計は9章から20 章の規定に従っ
たうえで,Ⅱ編6章の規定による。
6章 橋脚及び橋脚の構成
6.1 一般
(1) 3.4 に規定する下部構造の耐荷性能の評価にあたっては,橋脚を(2)の
橋脚躯体構造と(3)の橋脚基礎構造に適切に区分しなければならない。
(2) 橋脚躯体構造
上下部接続部を介して上部構造からの作用を橋脚基礎構造に伝達する
役割を担う部分で,以下の1)から4)を満足する。
1) 上下部接続部とその一部を共有し,その位置に橋脚が有すべき支点
反力支持機能及び支点位置保持機能の評価を行う点を有する。
2) 橋脚基礎構造とその一部を共有する場合には,その位置に橋脚が有
すべき支点反力支持機能及び支点位置保持機能の評価を行う点を有す
る。
3) 橋脚基礎構造と直接接合されている場合には,橋脚が有すべき支点
反力支持機能及び支点位置保持機能の評価を行うことができ,かつ,
剛な接合部を有し,接合部に支点反力支持機能及び支点位置保持機能
の評価を行う点を有する。
4) 地盤反力の影響を直接受けないとみなせる部分のみからなる。
(3) 橋脚基礎構造
橋脚躯体構造を介して伝達される作用を橋の耐荷性能の評価で考慮す
る部分の外部の地盤に伝達する役割を担う部分で,以下の1)の橋脚基礎
部と2)の橋脚基礎地盤部に適切に区分しなければならない。
1) 橋脚基礎部
(2)2)又は(2)3)の支点反力支持機能及び支点位置保持機能の評価点
を含む構造部分であり,以下のⅰ)及びⅱ)を満足する。
ⅰ) 橋脚躯体構造とその一部を共有する場合には,その位置に(2)2)
の評価点を含む剛な部位を有する。
ⅱ) 橋脚躯体構造と直接接合される場合には,接合部に剛な領域を有
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し,その領域に(2)3)の評価点との位置関係が明確な評価点を有す
る。
2) 橋脚基礎地盤部
橋脚躯体構造からの作用を橋脚基礎部を介して耐荷性能の評価で考
慮する部分の外部の地盤に伝達する役割を担う地盤材料からなる部
分。
6.2 橋脚躯体構造及び橋脚基礎構造の構成
6.2.1 橋脚躯体構造
(1) 6.1 の橋脚躯体構造は,以下の1)及び2)を満足しなければならない。
1) 上下部接続部から伝達される鉛直方向及び水平方向からの荷重を橋
脚基礎構造に伝達させるために必要な剛性や強度を有する。
2) 上下部接続部から伝達される鉛直方向及び水平方向からの荷重に対
して,6.1(2)に規定する評価点の位置を,下部構造が所要の支点位置
保持機能を発揮する上で求められる範囲にとどめる。
(2) 橋脚躯体部が8章及び9章の規定を満足する場合は,(1)を満足すると
みなしてよい。
6.2.2 橋脚基礎構造
(1) 6.1 の橋脚基礎構造は,以下の1)から3)を満足しなければならない。
1) 橋脚基礎部は,橋脚躯体構造から伝達される荷重を,橋脚基礎地盤
部を介して橋の耐荷性能の評価で考慮する部分の外部の地盤に伝達す
るために必要な剛性や強度を有する。
2) 橋脚基礎部は,橋脚躯体構造から伝達される荷重等の影響に対して,
6.1(3)に規定する評価点の位置を下部構造が所要の支点位置保持機能
を発揮する上で求められる範囲にとどめる。
3) 橋脚基礎地盤部は,橋脚基礎部から伝達される荷重を,橋の耐荷性
能の評価で考慮する部分の外部の地盤に伝達するために必要な剛性や
強度を有する。
(2) 8章及び13 章の規定を満足する場合は(1)を満足するとみなしてよ
い。
600
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6.3 接合部の設計
6.3.1 橋脚躯体構造と橋脚基礎構造の接合部
(1) 橋脚躯体構造と橋脚基礎構造との接合部に 3.7.2(4)に規定する評価
点を設ける場合は,接合部は剛な構造としなければならない。
(2) 8章,10 章及び13 章の規定による場合は,(1)を満足するとみなして
よい。
6.3.2 橋脚躯体構造と上下部接続部の接合部
(1) 橋脚躯体構造と上下部接続部の共有する部分に3.7.2(4)に規定する
評価点を設ける場合は,その部位は剛な構造としなければならない。
(2) 8章及びⅤ編6.4 の規定による場合は,(1)を満足するとみなしてよ
い。
7章 橋台及び橋台の構成
7.1 一般
(1) 3.4 に規定する下部構造の耐荷性能の評価にあたっては,橋台を(2)の
橋台躯体構造と(3)の橋台基礎構造に適切に区分しなければならない。
(2) 橋台躯体構造
上下部接続部を介して上部構造からの作用を橋台基礎構造に伝達する
役割及び橋台背面土を所要の状態に保つ役割を担う部分で,以下の1)の
橋台躯体部,2)の橋台土留め部,3)の橋台躯体背面部に適切に区分しな
ければならない。
1) 橋台躯体部
上下部接続部を介して上部構造からの作用を橋台基礎構造に伝達す
る役割を担う構造部分で,以下のⅰ)からⅲ)を満足する。
ⅰ) 上下部接続部とその一部を共有し,その位置に橋台が有すべき支
点反力支持機能及び支点位置保持機能の評価を行う点を有する。
ⅱ) 橋台基礎構造とその一部を共有する場合には,その位置に橋台が
有すべき支点反力支持機能及び支点位置保持機能の評価を行う点
を有する。
ⅲ) 橋台基礎構造と直接接合されている場合には,橋台が有すべき支
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点反力支持機能及び支点位置保持機能の評価を行うことができ,か
つ,剛な接合部を有し,接合部に支点反力支持機能及び支点位置保
持機能の評価を行う点を有する。なお,橋台の耐荷性能の評価で考
慮する橋台背面土の状態を満足させるために橋軸方向の土留めの
機能を担う構造部分で構造的に橋台躯体部と一体となっている部
分は,橋台躯体部の一部として扱うことを基本とする。
2) 橋台土留め部
橋台の耐荷性能の評価で考慮する橋台背面土の状態を満足させるた
めに橋台躯体部と連続して設けられる,主として橋軸直角方向の土留
めの機能を担う構造部分。
3) 橋台躯体背面部
橋台の耐荷性能の評価で考慮する橋台躯体部に接する背面土部分。
(3) 橋台基礎構造
橋台躯体構造を介して伝達される作用を橋の耐荷性能の評価で考慮す
る部分の外部の地盤に伝達する役割を担う部分で,以下の1)の橋台基礎
部と2)の橋台基礎地盤部に適切に区分しなければならない。
1) 橋台基礎部
(2)1)ⅱ)又は(2)1)ⅲ)の支点反力支持機能及び支点位置保持機能の
評価点を含む構造部分であり,以下のⅰ)及びⅱ)を満足する。
ⅰ) 橋台躯体構造とその一部を共有する場合には,その位置に(2)1)
ⅱ)の評価点を含む剛な部位を有する。
ⅱ) 橋台躯体構造と直接接合される場合には,接合部に剛な領域を有
し,その領域に(2)1)ⅲ)の評価点との位置関係が明確な評価点を有
する。
2) 橋台基礎地盤部
橋台躯体構造からの作用を橋台基礎部を介して耐荷性能の評価で考
慮する部分の外部の地盤に伝達する役割を担う地盤材料からなる部
分。
7.2 橋台躯体構造及び橋台基礎構造の構成
7.2.1 橋台躯体構造
(1) 7.1 の橋台躯体構造は,以下の1)から5)を満足しなければならない。
1) 上下部接続部から伝達される鉛直方向及び水平方向からの荷重を橋
台基礎構造に伝達させるために必要な剛性や強度を有する。
602
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2) 上下部接続部から伝達される鉛直方向及び水平方向からの荷重に対
して,7.1(2)1)ⅰ)及び 7.1(2)1)ⅱ)又は(2)1)ⅲ)に規定する評価点の
位置を,下部構造が所要の支点位置保持機能を発揮する上で求められ
る範囲にとどめる。
3) 橋台土留め部は,橋台の耐荷性能の評価にあたって,橋台背面土が
橋台躯体部に及ぼす影響の評価の前提となる橋台背面土の安定を確保
し,橋台背面土が所要の状態にあることを満足できる構造であり,か
つ,耐荷性能を有していなければならない。
4) 橋台躯体背面部は,橋台の耐荷性能の評価にあたって,橋台躯体部
に及ぼす影響の評価の前提を満足させるために必要な剛性や強度を有
する。
また,橋台躯体構造から伝達される荷重を,橋の耐荷性能の評価で考
慮する部分の外部の土工区間に伝達するために必要な剛性や強度を有
する。
5) 橋台躯体背面部は,橋の区間と橋梁接続区間の間で所要の路面の連
続性を満足できるために必要な性能を有していなければならない。
(2) 橋台躯体構造が8章,9章,11 章及び12 章の規定を満足する場合は,
(1)を満足するとみなしてよい。
7.2.2 橋台基礎構造
(1) 7.1 の橋台基礎構造は,以下の1)から3)を満足しなければならない。
1) 橋台基礎部は,橋台躯体構造から伝達される荷重を,橋台基礎地盤
部を介して橋の耐荷性能の評価で考慮する部分の外部の地盤に伝達す
るために必要な剛性及び強度を有する。
2) 橋台基礎部は,橋台躯体構造から伝達される荷重等の影響に対して,
7.1(3)1)i)又は(3)1)ii)に規定する評価点の位置を下部構造が所要の
支点位置保持機能を発揮する上で求められる範囲にとどめる。
3) 橋台基礎地盤部は,橋台基礎部から伝達される荷重を,橋の耐荷性
能の評価で考慮する部分の外部の地盤に伝達するために必要な剛性や
強度を有する。
(2) 8章及び13 章の規定を満足する場合は(1)を満足するとみなしてよ
い。
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7.3 接合部の設計
7.3.1 橋台躯体構造と橋台基礎構造の接合部
(1) 橋台躯体構造と橋台基礎構造との接合部に3.7.2(4)に規定する評価
点を設ける場合は,接合部は剛な構造としなければならない。
(2) 8章,10 章及び13 章の規定による場合は,(1)を満足するとみなして
よい。
7.3.2 橋台躯体構造と上下部接続部の接合部
(1) 橋台躯体構造と上下部接続部の共有する部分に3.7.2(4)に規定する
評価点を設ける場合は,その部位は剛な構造としなければならない。
(2) 8章及びⅤ編6.4 の規定による場合は,(1)を満足するとみなしてよ
い。
7.3.3 橋台躯体部の躯体部分と土留め部分の接合部及び橋台躯体部と橋台土
留め部の接合部
(1) 橋台躯体部の躯体部分と構造的に一体となる土留め部分(以下「パラ
ペット」という。)の接合部は,以下の1)及び2)を満足しなければなら
ない。
1) パラペットから躯体部分に作用する荷重の影響を考慮して,部材相
互の断面力に相当する作用力を確実に伝達できる。
2) 躯体部分とパラペットの接合部は,パラペットが限界状態3に達し
たときの作用力を確実に伝達できる。
(2) 橋台躯体部と橋台土留め部を構成する部材(以下「横方向土留め部材」
という。)の接合部は,以下の1)及び2)を満足しなければならない。
1) 橋台土留め部から橋台躯体部に作用する荷重の影響を考慮して,部
材相互の断面力に相当する作用力を確実に伝達できる。
2) 橋台躯体部と橋台土留め部の接合部は,橋台土留め部が限界状態3
に達したときの作用力を確実に伝達できる。
7.3.4 橋台躯体部と伸縮装置との接合部
(1) 橋台躯体部と伸縮装置との接合部は,作用する荷重の影響を考慮して,
部材相互の断面力に相当する作用力を確実に伝達できるようにしなけれ
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ばならない。
(2) (1)にあたっては,少なくとも以下の1)及び2)の荷重の影響を考慮し
なければならない。
1) 活荷重の影響
2) 衝撃の影響
8章 橋脚及び橋台の設計
8.1 一般
(1) 橋脚及び橋台は,下部構造として求められる支点反力支持機能及び支
点位置保持機能を発揮できるよう,それぞれの橋脚及び橋台が所要の支
点反力支持機能及び支点位置保持機能を発揮できるようにしなければな
らない。
(2) 橋脚及び橋台の設計では,(1)を満足したうえで,各設計状況において
所要の耐荷性能を有するようにしなければならない。
(3) (1)及び(2)を満足するにあたっては,橋脚は6章,橋台は7章の規定
に従って構造を区分し,区分した部材等のそれぞれに対して以下の1)か
ら4)を満足するように,橋脚及び橋台の耐荷性能の評価をしなければな
らない。
1) 躯体構造が,荷重を支持する能力の観点で,橋脚又は橋台が3.6 に
規定する限界状態を超えないとみなせるために必要な状態を満足す
る。
2) 基礎部が,荷重を支持する能力の観点で,橋脚又は橋台が3.6 に規
定する限界状態を超えないとみなせるために必要な状態を満足する。
3) 基礎地盤部が,荷重を支持する能力の観点で,橋脚又は橋台が3.6 に
規定する限界状態を超えないとみなせるために必要な状態を満足す
る。
4) 基礎部が,橋脚又は橋台が3.6 に規定する限界状態を超えないとみ
なせるために必要な安定した状態を満足する。
(4) 8.2 から8.4 及び9章から13 章を満足する場合には,(3)を満足する
とみなしてよい。
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8.2 橋脚及び橋台の限界状態
(1) 橋脚及び橋台の耐荷性能で考慮する限界状態は,以下のいずれかの状
態とする。
1) 橋脚又は橋台の限界状態1
橋脚又は橋台の荷重を支持する能力が低下していないとみなせる限
界の状態
2) 橋脚又は橋台の限界状態2
橋脚又は橋台が荷重を支持する能力はあらかじめ想定する範囲内に
あり,かつ,特別な注意のもとで使用できる限界の状態
3) 橋脚又は橋台の限界状態3
橋脚又は橋台が荷重を支持する能力の観点で挙動が可逆性を失うも
のの,耐荷力を完全には失っていないとみなせる限界の状態
(2) (1)の橋脚の限界状態は,以下の1)から4)の状態の組合せによって代
表しなければならない。
1) 橋脚躯体構造の状態
2) 橋脚躯体構造と橋脚基礎構造の接合部の状態
3) 橋脚基礎部の状態
4) 橋脚基礎地盤部の状態
(3) (1)の橋台の限界状態は,以下の1)から4)の状態の組合せによって代
表しなければならない。
1) 橋台躯体構造の状態
2) 橋台躯体構造と橋台基礎構造の接合部の状態
3) 橋台基礎部の状態
4) 橋台基礎地盤部の状態
(4) (3)1)の橋台躯体構造の状態は,以下の1)から4)の状態の組合せによ
って代表しなければならない。
1) 橋台躯体部
2) 橋台土留め部
3) 橋台躯体背面部
4) 橋台躯体部と橋台土留め部の接合部
(5) 橋脚及び橋台の耐荷性能に,3.6.1 に規定する部材等の塑性化した状
態を考慮する場合には,その部材並びにその部材が塑性化をする位置及
び範囲を,その部材の維持管理が確実かつ容易に行えるよう設定するこ
とを標準とする。
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(6) 斜め橋台を構成する各部材等の断面力,応力及び変位の算出にあたっ
ては,原則として橋台背面直角方向及び橋軸方向に対して行う。
(7) 橋台躯体構造及び橋台基礎構造が,レベル1地震動を考慮する設計状
況に対して,それぞれ限界状態1及び限界状態3を超えない場合は,レ
ベル2地震動を考慮する設計状況に対して橋台の限界状態2及び3を超
えないとみなしてよい。ただし,以下の1)から4)の場合を除く。
1) Ⅰ編5.3.6 に規定する橋に影響を与える液状化が生じると判定され
る土層を有する地盤上にある場合
2) レベル2地震動を考慮する設計状況における橋台の荷重支持条件が
レベル1地震動を考慮する設計状況における橋台の荷重支持条件と異
なる場合
3) 以下のi)及びii)に該当する場合
ⅰ) 橋台基礎構造の前面が斜面又はのり面の場合
ⅱ) 15 章及び19 章を満足する杭基礎及び組杭深礎基礎の橋台基礎部
において,杭又は深礎杭を橋軸方向及び橋軸直角方向のいずれに対
しても複数列となるように配置していない組杭構造の場合
4) 橋脚と同様の振動特性を有する橋台の場合
8.3 圧密沈下の影響の評価
(1) 橋脚及び橋台が地盤の圧密沈下の影響を受ける場合は,橋脚及び橋台
の耐荷性能の評価において見込む橋脚基礎地盤部及び橋台基礎地盤部の
範囲を,耐荷性能の評価にあたって最も不利になるように設定しなけれ
ばならない。
(2) 橋脚及び橋台の耐荷性能の評価にあたっては,(1)を満足したうえで,
Ⅰ編8.13 に規定する地盤変動の影響として,圧密沈下の影響を負の周面
摩擦等として考慮する。考慮の方法については,各基礎形式に応じて,
15 章から18 章の規定による。
8.4 側方流動の影響の評価
(1) 基礎地盤部が,側方流動が生じる地盤条件に位置する場合は,側方流
動が橋の耐荷性能に影響を及ぼす可能性を考慮しなければならない。
(2) 側方流動が橋の耐荷性能に影響を及ぼす可能性がある場合は,その影
響が生じないように別途の対策をした上で,基礎構造の所要の耐荷性能
を満足しなければならない。
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9章 橋脚躯体構造及び橋台躯体構造
9.1 一 般
9.1.1 適用の範囲
この章は,橋脚躯体構造及び橋台躯体構造並びにそれらを構成する部材等
に適用する。ただし,橋脚躯体部と橋脚基礎部及び橋台躯体部と橋台基礎部
との接合部,橋台躯体背面部並びに橋台土留め部については,この章の規定
によるほか,10 章,11 章及び12 章によらなければならない。
9.1.2 設計一般
(1) 躯体部を構成する部材等は,所要の耐荷性能を有していなければなら
ない。
(2) (1)を満足させるにあたっては,以下の(3)から(6)及び9.2 から9.5 の
規定を満足しなければならない。
このとき,躯体部は,上下部接続部からの荷重を基礎部に伝達すると
ともに,上下部接続部との境界位置と基礎部との相対的な位置関係を保
持する機能を有していなければならず,以下の1)から3)を満足するもの
とする。
1) 支点反力支持機能及び支点位置保持機能の評価点を設ける上下部接
続部と躯体部が共有する部分は剛な構造とする。
2) 支点反力支持機能及び支点位置保持機能の評価点を橋脚躯体部のは
りに位置する支承下部取付部と共有する部分に設ける場合,その評価
点と躯体下部に設ける評価点との相対的な位置関係が明確となるよう
に,はり及び柱又は壁に必要な剛性を確保する。
3) 躯体部が基礎部とその一部を互いに共有して支点反力支持機能及び
支点位置保持機能の評価点を置く場合にはその部位,躯体部が基礎部
と直接接合される場合には評価点を置く接合部又はその近傍の部位は
それぞれ剛な構造とする。
(3) 躯体部の耐荷性能で考慮する状態は,以下のいずれかの状態とする。
1) 躯体部の限界状態1
躯体部の荷重を支持する能力が低下していないとみなせる限界の状
態
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2) 躯体部の限界状態2
躯体部が荷重を支持する能力はあらかじめ想定する範囲内にあり,
かつ,特別な注意のもとで使用できる限界の状態
3) 躯体部の限界状態3
躯体部が荷重を支持する能力の観点で挙動が可逆性を失うものの,
耐荷力を完全には失わない限界の状態
(4) (3)の躯体部の状態は,躯体部を構成する部材等の状態の組合せによっ
て代表できるようにしなければならない。
(5) 躯体部の形式及び形状の設定にあたっては,9.1.3 を満足しなければ
ならない。
(6) 地震の影響を考慮する設計状況における橋脚躯体部の柱の耐荷性能で
考慮する状態の評価にあたっては,9.1.4,9.1.5 を満足しなければなら
ない。
9.1.3 躯体部の形式及び形状
躯体部の形式及び形状は,架橋地点の地形,地質条件や洪水,高潮,波浪
等の影響を踏まえ,下部構造に及ぶ作用や周辺構造物に及ぼす影響,施工性,
維持管理の確実性及び容易さ等を考慮して決定しなければならない。
9.1.4 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の構造細目
9.1.4.1 地震時保有水平耐力の下限値
地震の影響を考慮する設計状況における鉄筋コンクリート橋脚の躯体部
の柱の耐荷性能で考慮する状態の評価において,地震時保有水平耐力を考慮
する場合には,式(9.1.1)を満足しなければならない。
𝑃≧0.4𝑐ଶ𝑊 ··································································· (9.1.1)
ここに,𝑃:鉄筋コンクリート橋脚躯体部の柱の地震時保有水平耐力(N)
で,単柱式の鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部又は一層式の
鉄筋コンクリートラーメン橋脚の橋脚躯体部の面外方向に対
しては式(9.4.3)により算出する。また,一層式の鉄筋コンク
リートラーメン橋脚の橋脚躯体部の面内方向は式(9.4.6)に
より算出する。
𝑐ଶ:レベル2地震動の地域別補正係数で,地震動のタイプに応じ
てⅠ編8.19.10に規定する𝑐୍又は𝑐୍୍を用いる。
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𝑊:等価重量(N)で,式(9.4.11)により算出する。ただし,鉄筋
コンクリート橋脚躯体部の柱の破壊形態がせん断破壊型の場
合には,9.4.5 3)に規定する𝑐を1.0とする。
9.1.4.2 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の軸方向鉄筋の段落し
(1) 原則として軸方向鉄筋の段落しは行わない。橋脚躯体部の高さが30m
を超える高橋脚の場合には,軸方向鉄筋の段落しを行ってもよいが,(2)
から(6)を満足しなければならない。
(2) 軸方向鉄筋の段落しは,塑性化を考慮する領域では行ってはならない。
(3) 段落し位置を設定するにあたっては,塑性化を考慮する領域以外の領
域が先行して塑性化しないようにしなければならない。
(4) 単柱式の鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の段落し位置を式
(9.1.2)により設定する場合は,(3)を満足するとみなしてよい。ここ
で,段落し位置とは,途中定着される軸方向鉄筋の端部の位置をいう。
ெ
ℎ= ℎ൬1 − ଶெಳ൰+ 𝐷 ···································· (9.1.2)
ここに,ℎ:橋脚躯体部の基部から𝑖番目の軸方向鉄筋の段落し位置まで
の高さ (mm)
ℎ:橋脚躯体部の基部から上部構造の慣性力の影響を考慮する
位置までの高さ (mm)
𝑀௬:橋脚躯体部の基部から𝑖番目の段落し位置の断面の降伏曲
げモーメント (N・mm)
𝑀௬:橋脚躯体部の基部断面の降伏曲げモーメント (N・mm)
𝐷:段落し位置において生じる曲げモーメントと降伏曲げモー
メントとの間に所要の差を確保できるように設定された
定着長(mm)で,橋脚躯体部の柱の断面寸法(mm)とする。矩
形断面の場合には短辺方向の長さ,また,円形断面の場合
には直径とする。
(5) 段落し位置ごとに,軸方向鉄筋量を低減する割合は原則として1/3 以
下とする。ただし,橋軸方向及び橋軸直角方向に異なった高さで段落し
する場合には,それぞれの面において低減する割合を定める。
(6) 段落し位置の上下それぞれに橋脚躯体部の柱断面の短辺の長さ又は直
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径の1.5 倍に相当する領域では,帯鉄筋間隔を150mm 以下とする。また,
9.4.3.2(2)に従い帯鉄筋間隔は急変させてはならない。
9.1.4.3 鉄筋の配置
(1) 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の横拘束鉄筋の配置はⅢ編
5.3.6 の規定によるほか,横拘束鉄筋のうち,帯鉄筋は5.2.5(5)1)の規
定を満足するように配置しなければならない。
(2) 鉄筋コンクリートラーメン橋脚の橋脚躯体部の柱とはりの接合部にお
いては,塑性ヒンジが形成されないように配筋しなければならない。
(3) 鉄筋コンクリート橋脚躯体部に対して,3.10.2 3)の規定する構造設
計上の配慮を行う場合は,9.4.2 に規定する曲げ破壊型となる断面形状
及び配筋とする。
(4) (3)を満足するにあたっては,少なくとも9.4.3.1(1)の規定を満足し
なければならない。
9.1.5 鋼製橋脚の橋脚躯体部の構造細目
(1) 鋼製橋脚の橋脚躯体部の鋼製柱の地震時保有水平耐力は,式(9.1.3)を
満足しなければならない。
𝑃௨≧0.4𝑐ଶ𝑊 ··········································· (9.1.3)
ここに,𝑃௨:9.5.5 に規定する鋼製橋脚の橋脚躯体部の鋼製柱の地震時
保有水平耐力(N)
𝑐ଶ:レベル2地震動の地域別補正係数で,地震動のタイプに応
じてⅠ編8.19.10 に規定する𝑐୍又は𝑐୍୍の大きい方を用い
る。
𝑊:等価重量(N)で,式(9.4.11)により算出する。
(2) 鋼製橋脚の橋脚躯体部の鋼製柱は,(3)から(5)によるとともに,ぜい
性的な破壊を防ぐことができ,かつ塑性変形能が確実に得られる構造と
しなければならない。
(3) コンクリートを充てんしない鋼製橋脚の橋脚躯体部の鋼製柱は,Ⅱ編
5.4.1,5.4.2,5.4.3 及び5.7.8 の規定を満足するとともに,局部座屈
に対する圧縮応力度の制限値がその上限値となる幅厚比パラメータの範
囲で部材寸法を設定する。
(4) 鋼製橋脚の橋脚躯体部の鋼製柱の内部にコンクリートを充てんする
場合は,ぜい性的な破壊を防ぐとともに,塑性変形能を確保するために,
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内部にコンクリートを充てんするにあたって,その充てん範囲はコンク
リートを有する断面と有しない断面との境界部付近に座屈が生じないよ
うにしなければならない。
(5) 単柱式の鋼製橋脚の橋脚躯体部の柱の内部のコンクリートの充てん高
さが式(9.1.4)を満たす場合は,(4)を満足するとみなしてよい。このと
き,hc が橋脚躯体部の柱の基部から横ばり付け根の下端までの高さを超
える場合は,横ばりにコンクリートを充てんしないよう,横ばり付け根
の下端までの高さをコンクリート充てん高さとする。
ℎ> ൫1 −𝑀௬௦𝑀⁄ ൯ℎ ····································· (9.1.4)
ここに,ℎ:コンクリートの充てん高さ(mm)
ℎ :橋脚躯体部の柱基部から上部構造の慣性力の影響を考慮
する位置までの高さ(mm)
𝑀௬௦:充てんしたコンクリート直上の鋼断面の曲げモーメント
(N・mm)で,式(9.1.5)により求める。
𝑀௬௦= ൫𝜎௦௬−𝜎௦ே൯𝑍 ························· (9.1.5)
𝜎௦௬:局部座屈に対する応力度の特性値又は鋼材の降伏強度
(N/mm2)
𝜎௦ே:充てんしたコンクリートの直上の鋼断面の軸力による応
力度(N/mm2)
𝑍:充てんしたコンクリートの直上の鋼断面(総断面)の断面
係数(mm3)
𝑀:橋脚躯体部の柱基部の限界状態2又は3に対応するひず
みの特性値に最初に達するときの曲げモーメント(N・mm)
で,9.5.5(1)4)の規定により算出する。
9.1.6 衝突物に対する防護
躯体部は,必要に応じて衝突物に対して適切な防護をしなければならない。
9.2 特定の形式による橋脚躯体部
9.2.1 一般
(1) 橋脚躯体部が1つの柱とその頂部から張り出したはりで構成されるT
形橋脚の橋脚躯体部の場合は9.2.2,複数の柱とはりを組み合わせたラ
ーメン橋脚の橋脚躯体部の場合は9.2.3 の規定を満足しなければならな
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い。
(2) コンクリートを充てんした鋼製橋脚の橋脚躯体部の柱の場合は,9.2.4
の規定を満足しなければならない。
9.2.2 T形橋脚の橋脚躯体部
(1) T形橋脚の橋脚躯体部の設計にあたっては,柱及び張出ばりで構成さ
れる部材の形状の影響等を考慮して状態を評価しなければならない。
(2) (3)及び(4)の規定により鉄筋コンクリート部材からなるT形橋脚の橋
脚躯体部の状態を評価する場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) T形橋脚の橋脚躯体部の柱は,1)及び2)による。
1) 柱は,フーチング等との接合部を固定端とする片持ちばりとする。
2) 柱の設計にあたっては,最も不利となる軸力及び曲げモーメントの
組合せを荷重として用いる。
(4) T形橋脚の橋脚躯体部の張出ばりは,1)から3)による。
1) 張出ばりは,柱との接合部を固定端とする片持ばりとする。
2) 片持ばりの張出長は,柱断面が長方形の場合には柱前面における鉛
直断面から,円形の場合には柱外面より柱直径の1/10 内側へ入った位
置からはり先端までの長さとする。また,柱断面が小判形の場合には,
断面が半円形と長方形からなるものとして円形の場合の規定により張
出長を求める。
3) 張出ばりを一方向にのみ張出す場合には,Ⅲ編8.2.5 から8.2.7 に
規定する端接合部として評価する。
9.2.3 ラーメン橋脚の橋脚躯体部
9.2.3.1 一般
(1) ラーメン橋脚の橋脚躯体部の耐荷性能の評価にあたっては,柱及びは
りで構成される部材の形状や不静定構造であることによる影響等を考慮
して状態を評価しなければならない。
(2) (3)及び(4)によりラーメン橋脚の橋脚躯体部の状態を評価する場合に
は,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) ラーメン橋脚の橋脚躯体部の柱が独立した橋脚基礎構造と接合される
場合の各部材や接合部に生じる断面力や変位の算出にあたっては,基礎
構造間での不同沈下及び相対水平移動と整合するようにラーメン構造の
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柱の基部の支点条件を設定しなければならない。
(4)1) ラーメン橋脚の橋脚躯体部は,面外荷重に対する柱の荷重分担を適
切に考慮したうえで状態の評価を行う。
2) 3)による場合には,1)を満足するとみなしてよい。
3) ラーメン橋脚の橋脚躯体部の面外荷重に対する柱の分担率は,柱の
剛度比によって定める。ただし,柱の剛度にあまり差がない場合には,
柱の軸力に比例させて面外荷重を分配した場合についても定める。
9.2.3.2 鋼製ラーメン橋脚の橋脚躯体部のたわみの照査
(1) 鋼製ラーメン橋脚の橋脚躯体部は,それが支持する上部構造で考慮す
る活荷重に対して,衝撃を含まない活荷重によって生じる最大たわみが,
式(9.2.1)から式(9.2.5)を満足するようにしなければならない。また,
式(9.2.1)から式(9.2.5)を満足する場合でも,上部構造の応力が𝛿ଵ又は
𝛿ଷによって無視し得ない影響を受けると考えられる場合は,主桁を弾性
支承上のはりとして扱う解析モデルによる等の配慮をしなければならな
い。
(2) (1)のたわみの応答値の算出にあたっては,Ⅰ編8.2 に規定する活荷
重の特性値を用いてよい。
ሺ𝛿ଵ+ 𝛿ଶሻ又はሺ𝛿ଶ+ 𝛿ଷሻのうち大きい方≦ భାమାయ ········ (9.2.1) ହ
భ
図-9.2.1(a)の場合𝛿ଵ≦ ···························· (9.2.2) ଷ
య
𝛿ଷ≦ ···························· (9.2.3) ଷ
భ
図-9.2.1(b)の場合𝛿ଵ≦ ···························· (9.2.4) ହ
య
𝛿ଷ≦ ···························· (9.2.5) ହ
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(a) (b)
𝛿1,𝛿3:ラーメン横ばりの主桁の位置でのたわみ
𝛿2:主桁のたわみ
図-9.2.1 鋼製ラーメン橋脚の橋脚躯体部のたわみ
9.2.3.3 鋼製ラーメン橋脚の橋脚躯体部の柱とはりの接合部
鋼製ラーメン橋脚の橋脚躯体部の柱とはりの接合部は,Ⅱ編9.2.5 の規
定による。
9.2.3.4 鉄筋コンクリートラーメン橋脚の橋脚躯体部の柱とはりの接合部
鉄筋コンクリートラーメン橋脚の橋脚躯体部の柱とはりの接合部は,Ⅲ編
8.2.5 から8.2.9 の規定による。
9.2.4 コンクリートを充てんした鋼製橋脚の橋脚躯体部
コンクリートを充てんした鋼製橋脚の橋脚躯体部の柱の限界状態には,鋼
断面とコンクリート断面の合成効果を見込まないことを原則とする。
9.2.5 幅の大きい躯体
幅の大きい橋脚躯体部及び橋台躯体部は,温度変化,乾燥収縮,上部構造
の死荷重等による鉛直亀裂,横方向における不同沈下等に対して安全なもの
としなければならない。
9.3 特定の形式による橋台躯体部
9.3.1 一般
橋台躯体背面部が地盤材料からなる盛土で構成される鉄筋コンクリート
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の逆T式橋台躯体部の場合は9.3.2,橋台部ジョイントレス構造の場合は20
章の規定による。
9.3.2 鉄筋コンクリート逆T式橋台の橋台躯体部
(1) 鉄筋コンクリート製の逆T式橋台の橋台躯体部の設計にあたっては,
たて壁の形状や橋台躯体部の背面から作用する荷重の影響等を適切に考
慮して状態を評価しなければならない。
(2) (3)及び(4)より逆T式橋台の橋台躯体部の状態を評価する場合には,
(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 逆T式橋台の橋台躯体部のたて壁は,フーチング等との接合部を固定
端とする片持ばりとする。
(4) 逆T式橋台の橋台躯体部のたて壁の鉄筋の配置は,1)から4)による。
1) たて壁の鉛直方向鉄筋の段落しは行わない。
2) 前面側の鉛直方向鉄筋は,背面側の鉛直方向鉄筋の1/2 以上の鉄筋を
配置する。ただし,8.4 の規定により側方移動が生じると考えられる橋
台又はⅠ編5.3.2 の規定により土質定数の低減係数𝐷ாが1 未満の土層
上にある橋台においては,背面側の鉛直方向鉄筋と同程度を配置する。
3) 配力鉄筋は直径13mm 以上の異形棒鋼とし,たて壁の前面側及び背面
側それぞれの鉛直方向鉄筋の1/3 以上の鉄筋を鉛直方向鉄筋の外側に
300mm 以下の間隔で水平方向に配置する。また,その端部は,半円形フ
ック又は鋭角フックにより橋台躯体部の内部のコンクリートに定着す
る。
4) 中間帯鉄筋の配置は,ⅰ)から ⅳ)による。
ⅰ) 中間帯鉄筋は,配力鉄筋と同材質,同径の鉄筋とする。
ⅱ) 中間帯鉄筋の配置間隔は,鉛直方向600mm 以内,水平方向1m 以内
とする。
ⅲ) 中間帯鉄筋は,フック又は定着体を配力鉄筋にかけて定着する。た
だし,フックの場合は少なくとも一方は半円形フック又は鋭角フック
とし,一方のフックを直角フックとする場合には,直角フックの位置
が千鳥状になるように中間帯鉄筋を配置する。
ⅳ) 2 組の中間帯鉄筋を橋台躯体部の断面内部で重ねて継ぐ場合には,
中間帯鉄筋の直径の40 倍以上重ね,その端部にはフックを設ける。
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9.4 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部が塑性変形能を有する場合の
限界状態
9.4.1 一般
(1) 塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の鉄筋コンクリー
ト橋脚の橋脚躯体部は,以下の1)から4)を満足しなければならない。
1) 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部に対して塑性化を考慮するにあ
たっては,破壊形態を考慮したうえで,限界状態の特性値及び制限値
を適切に設定し,地震時保有水平耐力を算出しなければならない。こ
こで,破壊形態は,曲げ破壊型,曲げ損傷からせん断破壊移行型及び
せん断破壊型に区分することを標準とする。
2) 9.4.2 の規定による場合は,適切に破壊形態を区分し,破壊形態に応
じた地震時保有水平耐力を算出したとみなしてよい。
3) 破壊形態に応じた鉄筋コンクリート橋脚躯体部の限界状態は9.4.4
から9.4.6 の規定による。
4) 柱と橋脚基礎部との接合部は10.2 の規定による。
9.4.2 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の破壊形態の判定
鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の破壊形態の判定は1)による。また,
破壊形態に応じた地震時保有水平耐力は2)による。
1)ⅰ) 単柱式の鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部及び一層式の鉄筋コ
ンクリートラーメン橋脚の橋脚躯体部の面外方向に対する破壊形態
の判定は,橋脚躯体部を構成する柱の破壊形態により判定するもの
とし,式(9.4.1)による。
𝑃௨≦𝑃௦:曲げ破壊型
𝑃௦< 𝑃௨≦𝑃௦:曲げ損傷からせん断破壊移行型 ······ (9.4.1)
𝑃௦< 𝑃௨:せん断破壊型
ここに,𝑃௨:9.4.7 に規定する鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の
柱の終局水平耐力(N)
𝑃௦:Ⅲ編5.3.5 の規定により算出する鉄筋コンクリート橋脚
の橋脚躯体部の柱のせん断力の制限値(N)
𝑃௦:荷重の正負交番繰返し作用の影響に関する補正係数ccを
1.0としてⅢ編5.3.5の規定により算出する鉄筋コンクリ
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ート橋脚の橋脚躯体部の柱のせん断力の制限値(N)
ⅱ) 一層式の鉄筋コンクリートラーメン橋脚の橋脚躯体部の面内方
向に対する破壊形態の判定は,式(9.4.2)による。
𝑆≦𝑃௦:曲げ破壊型
𝑃௦< 𝑆≦𝑃௦:曲げ損傷からせん断破壊移行型 ······ (9.4.2)
𝑃௦< 𝑆:せん断破壊型
ここに,𝑆:9.4.8 に規定する終局水平耐力に相当する断面力が生
じたときに𝑖番目の塑性ヒンジ位置に生じるせん断力
(N)
𝑃௦:Ⅲ編5.3.5 の規定により算出する𝑖番目の塑性ヒンジ位
置のせん断力の制限値(N)
𝑃௦:荷重の正負交番繰返し作用の影響に関する補正係数cc
を1.0 としてⅢ編5.3.5 の規定により算出する𝑖番目の
塑性ヒンジ位置のせん断力の制限値(N)
2)ⅰ) 単柱式の鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部及び一層式の鉄筋コ
ンクリートラーメン橋脚の面外方向に対する橋脚躯体部の地震時保
有水平耐力は,橋脚躯体部を構成する柱の破壊形態に応じて式
(9.4.3)により算出する。
𝑃= 𝑃௨(曲げ破壊型)(ただし,𝑃< 𝑃௨)
𝑃= 𝑃௨(曲げ損傷からせん断破壊移行型) ·········· (9.4.3)
𝑃= 𝑃௦(せん断破壊型)
ここに,𝑃:鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の地震時保有水
平耐力(N)
𝑃:鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱のひび割れ水平
耐力(N)で,式(9.4.4)により算出する
ே
𝑃= ቀ𝜎௧+ ቁ ··························· (9.4.4)
ここに,𝑍:橋脚躯体部の基部断面における軸方向鉄筋を考
慮した橋脚躯体部の柱の断面係数(mm3)
𝜎௧:コンクリートの曲げ引張強度(N/mm2)で,式
(9.4.5)により算出する。
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ଶ/ଷ
𝜎௧= 0.23𝜎 ···················· (9.4.5)
N:橋脚躯体部の柱基部断面に作用する軸力(N)
A:橋脚躯体部の柱基部断面における軸方向鉄筋を
考慮した橋脚躯体部の柱の断面積(mm2)
ℎ:橋脚躯体部の柱基部から上部構造の慣性力の影
響を考慮する位置までの距離(mm)
𝜎:コンクリートの設計基準強度(N/mm2)
ⅱ) 一層式の鉄筋コンクリートラーメン橋脚の橋脚躯体部の面内方向の地
震時保有水平耐力は,破壊形態に応じて式(9.4.6)により算出する。
𝑃= 𝑃௨(曲げ破壊型)
𝑃= 𝑃௨(曲げ損傷からせん断破壊移行型) ·············· (9.4.6)
𝑃= 𝑃(せん断破壊型)
ここに,𝑃௨:9.4.8 に規定する一層式の鉄筋コンクリートラーメン橋脚
の橋脚躯体部の終局水平耐力(N)
𝑃:Ⅲ編5.3.5 の規定により算出する𝑖番目の塑性ヒンジ位置
のせん断力の制限値(N)
9.4.3 鉄筋コンクリート橋脚の躯体部材の塑性変形能を確保するための構造
細目
9.4.3.1 一般
(1) 橋脚躯体部において,塑性化を考慮する領域の躯体部材の鉄筋の配置
は,塑性変形能が確実に得られるように,以下の1)及び2)を満足しな
ければならない。ここで,塑性化を考慮する領域は,単柱式の鉄筋コン
クリート橋脚躯体部の場合で,柱基部に塑性ヒンジを設ける場合には,
柱基部から上部構造の慣性力の影響を考慮する位置までの距離ℎの0.4
倍の長さに相当する領域とする。一層式の鉄筋コンクリートラーメン橋
脚躯体部の場合は,柱に対しては柱基部からはり軸線までの高さの1/2
を,また,はりに対してはそれを両端で支持する柱の中心間距離の1/2
をℎとし,はり端部からℎの0.4 倍の長さに相当する領域とする。
1) 軸方向鉄筋は9.4.2 に規定する地震時保有水平耐力が確実に保持で
きるように配置する。
2) 横拘束鉄筋は,軸方向鉄筋のはらみ出しを抑制する効果と横拘束鉄
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筋で囲まれるコンクリートを拘束する効果を確実に発揮できるような
形式及び間隔で配置する。
(2) 9.4.3.2 の規定による場合は,(1)を満足するとみなしてよい。
9.4.3.2 鉄筋の配置
(1) 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部材の軸方向鉄筋は,5.2 に規定す
る構造細目を満足し,かつ,耐荷性能の評価にあたって塑性化を考慮す
る領域においてかぶりコンクリートが剥離しても軸方向鉄筋が確実に機
能するように配置する。
(2) 横拘束鉄筋の配置はⅢ編5.3.6 の規定によるほか,塑性化を考慮する
領域における帯鉄筋間隔は,帯鉄筋の直径に応じて表-9.4.1 に示す値以
下,かつ,断面幅の0.2 倍以下とする。この場合,断面幅は,矩形断面
の場合には短辺の長さ,また,円形断面の場合には直径とする。塑性化
を考慮する領域以外の領域で,帯鉄筋の間隔を変化させる場合には,そ
の間隔を徐々に変化させなければならない。
表-9.4.1 帯鉄筋間隔の上限値 (mm)
帯鉄筋の直径
13≦φh <20 20≦φh <25 25≦φh <30 φh ≧30 φh (mm)
帯鉄筋間隔の上限値 (mm) 150 200 250 300
(3) Ⅲ編5.3.6(2)5)によるほか,以下の1)から3)を満足する。
1) 塑性領域及びその影響を受ける範囲の部材断面は充実断面とする。
2) 部材内で弾性域にとどまることが確実である領域を中空断面とする
場合は,充実断面から中空断面へと変化する部位に対して応力伝達に
配慮しテーパーを設けるものとする。テーパーの寸法は,付根部の幅
と軸方向の幅の比を1:3 とし,付根部の幅は中空断面の幅の厚さの0.5
倍を標準とする。
3) 矩形断面の場合は中空断面の内部の隅角部においてハンチを設ける
とともに,その接合部を取り囲むように補強鉄筋を配筋するものとす
る。ハンチの寸法は,幅と軸方向の幅の比を1:1 とし,幅は中空断面
の幅の厚さの0.5 倍を標準とする。
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9.4.4 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の限界状態1
(1) (2)又は(3)を満足する場合は,塑性変形した状態を耐荷性能の評価に
考慮する場合の鉄筋コンクリート橋脚躯体部の柱の限界状態1を超えな
いとみなしてよい。
(2) 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の破壊形態が曲げ破壊型の場
合に,9.4.3 の規定を満足したうえで,以下の1)及び2)を満足する。
1) 鉄筋コンクリート橋脚躯体部に生じる水平変位が,式(9.4.7)によ
り算出する水平変位の制限値を超えない。
𝛿௬ாௗ= ξଵ⋅Φோ⋅𝛿௬ா ··································· (9.4.7)
ここに,𝛿௬ாௗ:塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の
鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の限界状態1
に対応する水平変位の制限値(mm)
ξଵ:調査・解析係数で,1.00とする。
Φோ :抵抗係数で,1.00とする。
𝛿௬ா :塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の
鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の限界状態1に
対応する水平変位の特性値(mm)で,単柱式の鉄筋コン
クリート橋脚の橋脚躯体部に対しては9.4.7の規定に
より算出する。一層式の鉄筋コンクリートラーメン橋
脚の橋脚躯体部に対しては9.4.8の規定により算出す
る。
2) 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱に生じるせん断力が,Ⅲ編
5.3.5 に規定するせん断力の制限値を超えない。
(3) 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の破壊形態が曲げ損傷からせ
ん断破壊移行型の場合及びせん断破壊型の場合に,以下の1)及び2)を満
足する。
1) 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部に生じる変位が,式(9.4.7)に
より算出する水平変位の制限値を超えない。
2) 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部に生じるせん断力が,Ⅲ編5.3.5
に規定するせん断力の制限値を超えない。
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9.4.5 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の限界状態2
鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の破壊形態が曲げ破壊型の場合
は,9.4.3 の規定を満足したうえで,以下の1)から3)を満足する場合には,
塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の鉄筋コンクリート橋
脚の橋脚躯体部の柱の限界状態2を超えないとみなしてよい。
1) 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱に生じる水平変位が,式
(9.4.8)により算出する水平変位の制限値を超えない。
𝛿௦ଶௗ= ξଵ⋅Φ௦⋅𝛿௦ଶ ··································· (9.4.8)
ここに,𝛿௦ଶௗ:塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の鉄
筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の限界状態2
に対応する水平変位の制限値(mm)
𝛿௦ଶ :塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の
鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の限界状態
2に対応する水平変位の特性値(mm)で,単柱式の鉄筋
コンクリート橋脚の橋脚躯体部に対しては9.4.7の規
定により算出する。一層式の鉄筋コンクリートラーメ
ン橋脚の橋脚躯体部に対しては9.4.8の規定により算
出する。
ξଵ:調査・解析係数で,1.00とする。
Φ௦:抵抗係数で,0.65とする。
2) 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱に生じるせん断力が,Ⅲ編
5.3.5 に規定するせん断力の制限値を超えない。
3) 式(9.4.9)により算出する鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱に
生じる残留変位𝛿ோが,残留変位の制限値を超えない。ここで,残留変位
の制限値は地震後に橋に求める機能に応じて適切に設定しなければな
らない。個別に検討を行わない場合は,橋脚躯体部の下端から上部構造
の慣性力の影響を考慮する位置までの高さの1/100 の値とすることを
原則とする。
𝛿ோ= 𝑐ோሺ𝜇−1ሻሺ1 −𝑟ሻ𝛿௬ா ······························ (9.4.9)
ここに,𝛿ோ:鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱に生じる残留変
位(mm)
𝑐ோ:残留変位補正係数で,0.6 とする。
𝑟 :鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の降伏剛性に対
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する降伏後の二次剛性の比で,零とする。
𝛿௬ா :塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の鉄
筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の限界状態1に対応
する水平変位の特性値(mm)で,単柱式の鉄筋コンクリー
ト橋脚の橋脚躯体部に対しては9.4.7の規定により算出
する。一層式の鉄筋コンクリートラーメン橋脚の橋脚躯
体部に対しては9.4.8の規定により算出する。
𝜇:鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の最大応答塑性
率で,鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の最大応
答変位を塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮す
る場合の鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の限界状
態1に対応する水平変位の特性値𝛿௬ாで除した値とす
る。静的解析による場合,最大応答塑性率は,式(9.4.10)
により算出する。
ଶ ଵ
ቁ + 1ൠ ····················· (9.4.10) 𝜇= ଶ൜ቀమబௐೌ
𝑘:レベル2地震動の設計水平震度の標準値で,地震動のタイ
プに応じてⅠ編8.19.8に規定する𝑘୍又は𝑘୍୍を用い
る。
𝑐ଶ:レベル2地震動の地域別補正係数で,地震動のタイプに
応じてⅠ編8.19.10に規定する𝑐୍又は𝑐୍୍を用いる。
W :等価重量(N)で,式(9.4.11)により算出する。
𝑊= 𝑊+ 𝑐𝑊 ··························· (9.4.11)
𝑐:等価重量算出係数で,0.5 とする。
𝑊:当該鉄筋コンクリート橋脚が支持している上部構造部分
の重量(N)
𝑊:鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の重量(N)
𝑃:鉄筋コンクリート橋脚躯体部の柱の地震時保有水平耐力
(N)
9.4.6 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の限界状態3
(1) 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の破壊形態が曲げ破壊型の場
合は,9.4.3 の規定を満足したうえで,以下の1)及び2)を満足する場合
には,塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合の鉄筋コンク
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リート橋脚の橋脚躯体部の柱の限界状態3を超えないとみなしてよい。
1) 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱に生じる水平変位が,式
(9.4.12)により算出する水平変位の制限値を超えない。
𝛿௦ଷௗ= ξଵ⋅ξଶ⋅Φ௦⋅𝛿௦ଷ ······························· (9.4.12)
ここに,𝛿௦ଷௗ:塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合
の鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の限界状
態3に対応する水平変位の制限値(mm)
𝛿௦ଷ:塑性変形した状態を耐荷性能の評価に考慮する場合
の鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の限界状
態3に対応する水平変位の特性値(mm)で,単柱式の
鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部に対しては
9.4.7の規定により算出する。一層式の鉄筋コンクリ
ートラーメン橋脚の橋脚躯体部に対しては9.4.8の
規定により算出する。
ξଵ:調査・解析係数で,1.00とする。
ξଶ:部材・構造係数で,1.00とする。
Φ௦:抵抗係数で,0.65とする。
2) 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱に生じるせん断力が,Ⅲ編
5.3.5 に規定するせん断力の制限値を超えない。
(2) 鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の破壊形態が曲げ損傷からせ
ん断破壊移行型の場合及びせん断破壊型の場合は,9.4.4(3)1)及び2)を
満足する場合には,鉄筋コンクリート橋脚の柱の限界状態3を超えない
とみなしてよい。
9.4.7 単柱式の鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の限界状態に対応す
る特性値
(1) 単柱式の鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の限界状態1に対応
する水平変位の特性値𝛿௬ா,限界状態2に対応する水平変位の特性値𝛿௦ଶ
及び限界状態3に対応する水平変位の特性値𝛿௦ଷ並びに限界状態1に対
応する耐力𝑃௬(以下「降伏水平耐力」という。)及び終局水平耐力𝑃௨の算
出は,以下の1)から6)による。この場合,適用対象は充実断面の単柱式
の鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱であり,その適用範囲は,軸
方向鉄筋比が2.5%まで,横拘束鉄筋比が1.8%まで,柱基部の軸圧縮応力
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度が3N/mm2 まで,軸方向鉄筋の種類はSD345,SD390 及びSD490,横拘束
鉄筋の種類はSD345,コンクリートの設計基準強度は21~30N/mm2 とす
る。
1) 維ひずみは,中立軸からの距離に比例するものとする。
2) 水平力-水平変位の骨格曲線は図-9.4.1 に示す完全弾塑性型とす
る。
図-9.4.1 単柱式の鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の水平力-水平
変位関係のモデル化
3) コンクリートの応力度-ひずみ曲線及び鉄筋の応力度-ひずみ曲線
はⅢ編5.3.4 の規定による。ただし,図-9.4.2 に示すコンクリートの
限界圧縮ひずみ𝜀は式(9.4.13)により算出する。また,塑性変形した
状態を耐荷性能の評価に考慮する単柱式の鉄筋コンクリート橋脚の橋
脚躯体部の柱の限界状態2,限界状態3に対応する軸方向鉄筋の引張
ひずみ𝜀௦௧ଶ及び𝜀௦௧ଷは図-9.4.3 に基づき,それぞれ式(9.4.14)及び式
(9.4.15)により算出する。
.ହఙ
𝜀= 𝜀+ ········································· (9.4.13) ாೞ
𝜀௦௧ଶ= 0.025 ∙𝐿.ଵହ𝜙ି.ଵହ𝛽௦.ଶ𝛽.ଶଶ ····························· (9.4.14)
𝜀௦௧ଷ= 0.035 ∙𝐿.ଵହ𝜙ି.ଵହ𝛽௦.ଶ𝛽.ଶଶ ····························· (9.4.15)
ここに,𝜀:横拘束鉄筋で拘束されたコンクリートの限界圧縮ひずみ
𝜀:コンクリートが最大圧縮応力度に達するときのひずみで,
Ⅲ編式(5.3.4)により算出する。
𝜎𝑐𝑐:横拘束鉄筋で拘束されたコンクリートの最大圧縮応力度
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(N/mm2)で,Ⅲ編式(5.3.3)により算出する。
𝐸𝑑𝑒𝑠:下降勾配(N/mm2)で,Ⅲ編式(5.3.5)により算出する。
𝜀௦௧ଶ:限界状態2に対応する軸方向鉄筋の引張ひずみ
𝜀௦௧ଷ:限界状態3に対応する軸方向鉄筋の引張ひずみ
𝜙 :式(9.4.14)又は式(9.4.15)により,各限界状態に対応する
軸方向鉄筋の引張ひずみを算出するための軸方向鉄筋の
直径 (mm)
𝐿𝑝:塑性ヒンジ長 (mm) で,式(9.4.16)により算出する。
𝐿= 9.5𝜎௦௬ଵ/𝛽 ିଵ/ଷ𝜙′ ൡ ····················· (9.4.16)
ただし,𝐿≦0.15ℎ
𝜎𝑠𝑦:軸方向鉄筋の降伏強度(N/mm2)
𝛽𝑛:軸方向鉄筋のはらみ出しに対する抵抗を表すばね定数
(N/mm2)で,断面形状に関わらず式(9.4.17)により算
出する。
𝛽𝑛= 𝛽𝑠+ 𝛽 ···························· (9.4.17)
𝛽𝑠:横拘束鉄筋の抵抗を表すばね定数(N/mm2)で,式
(9.4.18)により算出する。
ଷ଼ସாబூ
𝛽𝑠= ························ (9.4.18) ೞௗᇲయ௦
𝐸:横拘束鉄筋のヤング係数(N/mm2)
𝐼:横拘束鉄筋の断面二次モーメント(mm4)
𝑑ᇱ:塑性ヒンジ長を算出するための横拘束鉄筋
の有効長(mm)で,慣性力の影響を考慮す
る方向と平行な方向に配置する横拘束鉄筋
によって分割されたコンクリート部分の中
で最も大きい値とする。ただし,円形断面
の場合には,最外縁に配置された横拘束鉄
筋が囲むコンクリートの直径の0.8 倍の値
とする。
𝑛௦:塑性ヒンジ長を算出するための横拘束鉄筋
の有効長𝑑ᇱが最も大きいコンクリート部分
に配置される圧縮側軸方向鉄筋の本数で,
複数段配筋される場合にはそれらの合計の
本数とする。
𝑠 :横拘束鉄筋の間隔(mm)
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𝛽𝑐𝑜:かぶりコンクリートの抵抗を表すばね定数
(N/mm2)で,式(9.4.19)により算出する。
𝛽𝑐𝑜= 0.01𝑐 ················· (9.4.19)
𝑐:塑性ヒンジ長を算出するための横拘束鉄筋
の有効長d′ が最も大きいコンクリート部
分の最外縁に配置された軸方向鉄筋の最外
面からコンクリートの表面までの距離(mm)
𝜙ᇱ:塑性ヒンジ長を算出するための横拘束鉄筋
の有効長d′ が最も大きいコンクリート部
分に配置される軸方向鉄筋の直径(mm)で,
40mm 以上の直径の軸方向鉄筋を用いる場合
には40mm とする。
ℎ :橋脚の柱基部から上部構造の慣性力の影響
を考慮する位置までの距離(mm)
図-9.4.2 コンクリートの応力度-ひずみ曲線
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図-9.4.3 軸方向鉄筋の応力度-ひずみ曲線
4) 限界状態1は,図-9.4.1 に示す完全弾塑性型の骨格曲線における弾
性限界点とする。限界状態1に対応する降伏水平耐力𝑃௬及び水平変位
の特性値𝛿௬ாは,それぞれ,式(9.4.20)及び式(9.4.21)により算出する。
ெೞమ
𝑃௬= ·············································· (9.4.20)
ெೞమ
𝛿௬ா= ெబ𝛿௬ ·········································· (9.4.21)
ここに,𝑃𝑦:単柱式の鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の降伏水
平耐力 (N)
𝛿𝑦𝐸:限界状態1に対応する水平変位の特性値(mm)
𝑀𝑙𝑠2:限界状態2に対応する橋脚躯体部の柱基部断面の曲げモー
メント (N・mm)
ℎ:橋脚の柱基部から上部構造の慣性力の影響を考慮する位置
までの距離(mm)
𝛿𝑦0:最外縁にある軸方向引張鉄筋位置において軸方向鉄筋の引
張ひずみが降伏ひずみに達するときの水平変位(以下「初
降伏変位」という。) (mm)で,上部構造の慣性力の影響を考
慮する位置に式(9.4.22)により算出する初降伏水平耐力𝑃௬
を作用させたときの曲率分布をもとに算出する。
𝑀𝑦0
𝑃𝑦0 = ··································· (9.4.22)
ここに,𝑃𝑦0:最外縁にある軸方向引張鉄筋が降伏するときの単
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柱式の鉄筋コンクリート橋脚の柱の水平耐力 (N)
𝑀𝑦0:最外縁にある軸方向引張鉄筋が降伏するときの橋
脚躯体部の柱基部断面の曲げモーメント(N・mm)
5) 限界状態2は,最外縁の軸方向引張鉄筋位置において軸方向鉄筋の引
張ひずみが鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の限界状態2に対
応する引張ひずみに達するとき又は最外縁の軸方向圧縮鉄筋位置にお
いてコンクリートの圧縮ひずみが限界圧縮ひずみに達するときのいず
れか先に生じるときの状態とする。このときの水平耐力を終局水平耐力
𝑃௨とし,式(9.4.23)により算出する。限界状態2に対応する水平変位の
特性値𝛿௦ଶは式(9.4.24)により算出する。
ெೞమ
𝑃௨= ··············································· (9.4.23)
𝛿௦ଶ= 𝑘ଶ൛𝛿௬ா+ ൫𝜙௦ଶ−𝜙௬൯𝐿൫ℎ−𝐿/2൯ൟ ··················· (9.4.24)
ここに,𝑃𝑢:単柱式の鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の終局水平
耐力 (N)
𝛿𝑙𝑠2:単柱式の鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の限界状態
2に対応する水平変位の特性値 (mm)
𝑀𝑙𝑠2:限界状態2に対応する橋脚躯体部の柱基部断面の曲げモーメ
ント (N・mm)
ℎ:橋脚の柱基部から上部構造の慣性力の影響を考慮する位置ま
での距離(mm)
𝑘2:補正係数で,1.3とする。
𝛿𝑦𝐸:限界状態1に対応する水平変位の特性値(mm)
𝜙𝑙𝑠2:橋脚躯体部の柱基部断面における限界状態2に達するときに
生じる曲率 (1/mm)
𝜙𝑦:橋脚躯体部の柱基部断面における限界状態1に達するときに
生じる曲率 (1/mm) で,式(9.4.25)による。
൬ெೞమ ································ (9.4.25) 𝜙𝑦= ெబ൰𝜙𝑦0
𝜙𝑦0:橋脚躯体部の柱基部断面の最外縁にある軸方向引張鉄筋
が降伏するときの曲率 (1/mm)
𝐿𝑝:塑性ヒンジ長 (mm) で,式(9.4.16)により算出する。
6) 限界状態3は,最外縁の軸方向引張鉄筋位置において軸方向鉄筋の
引張ひずみが鉄筋コンクリート橋脚の橋脚躯体部の柱の限界状態3に
対応する引張ひずみに達するとき又は最外縁の軸方向圧縮鉄筋位置に
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