¶ 道路橋示方書(6/16)
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9.2.2 基礎構造の影響
鋼製のラーメン構造の設計において,基礎構造の回転及び相対移動が予想
される場合は,その影響に留意しなければならない。
9.2.3 ラーメンの有効座屈長
ラーメンの有効座屈長 𝑙 は,特に厳密な計算を行わない場合は,表-9.2.1
に示す値とする。
表-9.2.1 ラーメン柱の有効座屈長
座屈形式
面内座屈
部材(図-9.2.1)
𝑙= 1.5ℎ : 𝑘≦5
下端固定
1 層の柱 = ሼ1.5 + 0.04(𝑘−5)ሽℎ : 5 < 𝑘≦10
(①~⑥) 𝑙= 3.5ℎ : 𝑘≦5
下端ヒンジ
= ሼ3.5 + 0.2(𝑘−5)ሽℎ : 5 < 𝑘≦10
𝑙= 1.9ℎ : 𝑘≦5
2 層以上の柱 (⑦~⑧)
= ሼ1.9 + 0.14(𝑘−5)ሽℎ : 5 < 𝑘≦10
1 本足の柱 (⑨) 𝑙= 2.0ℎ
2 層以上の1 本足の柱 (⑩) 𝑙= 2.2ℎ
𝐼ℎ⁄
ここに,𝑘=
𝐼𝐿⁄
𝐼 :柱の断面二次モ-メントの平均値(mm4)
𝐼 :はりの断面二次モーメントの平均値(mm4)
図-9.2.1 ラーメンの部材長
ただし,構造全体系の弾性固有値解析を行ってラーメンの有効座屈長を算
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出する場合には,この有効座屈長によってもよい。
9.2.4 荷重集中点及び屈折部の補剛
ラーメン構造の荷重集中点,フランジ又は腹板の屈折部等では,箱形断面
の場合にダイアフラムを,I 型断面の場合に補剛材をそれぞれ適切に設け
て,応力を円滑に伝達できる構造にするとともに,断面の変形を防ぐことが
できる構造とする。
9.2.5 隅角部
(1) 隅角部の設計にあたっては,横ばりの応力を柱に円滑に伝達できるよ
うにしなければならない。
(2) 隅角部の設計では,良好な溶接品質が確保できる柱とはりを構成する
板の組立方法としなければならない。
(3) 隅角部の設計は,疲労に対する耐久性能にも留意するとともに,フラ
ンジの応力の伝達機構に留意し応力集中の影響を評価しなければならな
い。
9.2.6 支承部及びアンカー部
ラーメン構造の支承部及びアンカー部は,作用する力を基礎構造へ十分に
伝達できる構造としなければならない。
9.2.7 ラーメン構造の限界状態1
9.2.7.1 曲げモーメント及びせん断力並びにねじりモーメントを受けるラーメ
ン構造の部材
曲げモーメント及びせん断力並びにねじりモーメントを同時に受けるラ
ーメン構造の部材が,垂直応力度及びせん断応力度がともにそれぞれの制限
値の45%以上の場合に,5.3.9 の規定を満足する場合には,限界状態1を超
えないとみなしてよい。
9.2.7.2 ラーメン構造
ラーメン構造が,9.2.1 から9.2.6 の規定,及び9.2.9.2(2)の規定を満足
するとともに,ラーメン構造を構成する各部材等が3.6.2 に規定する部材
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等の限界状態1を超えないとみなせる場合には,限界状態1を超えないとみ
なしてよい。
9.2.7.3 隅角部
ラーメン構造の隅角部が,9.2.9.3 の規定を満足する場合には,限界状態
1 を超えないとみなしてよい。
9.2.8 ラーメン構造の限界状態2
9.2.8.1 ラーメン構造
ラーメン構造が,9.2.1 から9.2.6 の規定,及び9.2.9.2(2)の規定を満足
するとともに,ラーメン構造を構成する各部材等の状態の組合せにより,ラ
ーメン構造全体として荷重を支持する能力はあらかじめ想定する範囲内に
あり,かつ,特別な注意のもとで使用できる限界の状態の場合には,ラーメ
ン構造の限界状態2を超えないとみなしてよい。
9.2.8.2 隅角部
ラーメン構造の隅角部が,9.2.9.3 の規定を満足する場合には,限界状態
2 を超えないとみなしてよい。
9.2.9 ラーメン構造の限界状態3
9.2.9.1 曲げモーメント及びせん断力並びにねじりモーメントを受けるラーメ
ン構造の部材
曲げモーメント及びせん断力並びにねじりモーメントを同時に受けるラ
ーメン構造の部材が,9.2.7.1 の規定を満足する場合には,限界状態3を超
えないとみなしてよい。
9.2.9.2 ラーメン構造
(1) ラーメン構造が,9.2.1 から9.2.6 の規定,及び(2)の規定を満足する
とともに,ラーメン構造を構成する各部材等の状態の組合せにより,ラ
ーメン構造全体として荷重を支持する能力の観点で挙動が可逆性を失う
ものの,耐荷力を完全には失わない限界の状態の場合には,ラーメン構
270
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造の限界状態3を超えないとみなしてよい。
(2) 軸方向圧縮応力度の制限値について𝜎௨ௗを9.2.3 に規定する有効座屈
長を用いて式(5.4.17)により算出し,5.4.8 の規定を満足する。
9.2.9.3 隅角部
ラーメン構造の隅角部が,9.2.5 の規定を満足する場合には,限界状態3
を超えないとみなしてよい。
9.2.10 防せい防食
(1) ラーメン構造の耐久性能は,Ⅰ編6 章及びこの編の14 章から16 章の
規定によらなければならない。
(2) ラーメン構造の柱部の土中又は水中にある部分について,腐食環境に
応じて根巻コンクリート,防食板,防食塗装で防護する等,発せいや防
食機能の低下が生じないように配慮しなければならない。また,閉断面
の場合は内部に滞水が生じないように,防せい防食処理の施工や排水に
配慮しなければならない。
9.3 ラーメン系橋
9.3.1 一 般
(1) 主桁・主構にラーメン構造を用いるラーメン系橋は,関連する規定に
よるほか,以下によらなければならない。
1) 主桁・主構は11 章による。
2) 床版・床組は12 章による。
3) 立体的構造保持部材は13 章による。
(2) ラーメン系橋の設計にあたっては,Ⅰ編3.2 及びこの編の3.6.1 によ
るとともに,施工方法,施工途中の各段階における構造等の条件を適切
に考慮して,施工時の安全性を確保しなければならない。
(3) ラーメン系橋の耐荷性能の評価にあたっては少なくとも,9.3.2 及び
9.3.3 の規定を満足しなければならない。
9.3.2 ラーメン系橋のたわみの照査
ラーメン系橋の衝撃を含まない活荷重による最大たわみは,式(9.3.1)
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を満足しなければならない。照査に用いるたわみの応答値の算出は,Ⅰ編8.2
に規定する活荷重の特性値としてよい。
𝐿
𝛿≦ ··············································· (9.3.1)
500
ここに,𝛿 :活荷重(衝撃を含まない)による最大たわみ(m)
𝐿 :支間長(m)(図-9.3.1)
図-9.3.1 ラーメン系橋のたわみ
9.3.3 方づえラーメン橋の水平変位の影響
方づえラーメン橋の伸縮装置及び支承等の設計にあたっては,活荷重(衝
撃を含む)による水平変位の影響を考慮する。
10章 ケーブル構造・ケーブル系橋
10.1 適用の範囲
この章は,橋の耐荷性能を担う部材としてケーブル部材を単独部材として
使用する場合のケーブル部材とその定着構造を含む構造部分(以下「ケーブ
ル構造」という。)に適用する。
また,ケーブル構造をⅠ編2.4.2,Ⅰ編2.4.3 及びⅠ編2.4.4 に規定する
いずれかの機能系統の主たる役割を担う部材として用いた橋(以下「ケーブ
ル系橋」という。)に適用する。
10.2 ケーブル構造
10.2.1 一 般
(1) ケーブル構造は,ケーブル部材から作用する力の影響を考慮したうえ
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で,各部材が所要の耐荷性能を満足するとともに,ケーブル構造全体と
して求められる耐荷性能を満足するようにしなければならない。
(2) ケーブル構造の設計にあたっては,ケーブルの剛性の影響,ケーブル
の変形の影響及び構造物の風による振動に配慮しなければならない。
(3) ケーブル構造の応答算出にあたっては,ケーブルの剛性の影響,ケー
ブルの変形の影響,部材間の挙動の違いを適切に考慮できる解析モデル
及び解析理論によらなければならない。
10.2.2 ケーブル定着構造
ケーブル定着構造の設計は,ケーブル部材からの作用力に対して行うこと
を原則とする。ただし,5.6.5 及び5.6.6 に規定するケーブル部材の制限値
の75%以上の強度をもつようにする。
10.2.3 ケーブルバンド
(1) ケーブルバンドは,作用力に対して安全となるように設計しなければ
ならない。
(2) ケーブルバンドは,ケーブルとの間ですべりが生じないようにしなけ
ればならない。
(3) (4)及び(5)を満足する場合には,(1)及び(2)を満足するとみなしてよ
い。
(4) ケーブルバンドは,ケーブルを均一に締付け,かつその締付け力の減
少がなるべく少ない構造とする。
(5) ケーブルバンドのすべり抵抗力の制限値は,ケーブルバンドに生じる
すべり力に対して,4.0 以上の安全余裕を確保する。
10.2.4 ケーブル構造の限界状態1
ケーブル構造が,10.2.1 から10.2.3 の規定を満足するとともに,ケーブ
ル構造を構成する各部材等が3.6.2 に規定する部材等の限界状態1を超え
ないとみなせる場合には,限界状態1を超えないとみなしてよい。
10.2.5 ケーブル構造の限界状態2
ケーブル構造が,10.2.1 から10.2.3 の規定を満足するとともに,ケーブ
ル構造を構成する各部材等の状態の組合せにより,ケーブル構造全体として
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荷重を支持する能力はあらかじめ想定する範囲内にあり,かつ,特別な注意
のもとで使用できる限界の状態の場合には,ケーブル構造の限界状態2を超
えないとみなしてよい。
10.2.6 ケーブル構造の限界状態3
ケーブル構造が,10.2.1 から10.2.3 の規定を満足するとともに,ケーブ
ル構造を構成する各部材等の状態の組合せにより,ケーブル構造全体として
荷重を支持する能力の観点で挙動が可逆性を失うものの,耐荷力を完全には
失わない限界の状態の場合には,ケーブル構造の限界状態3を超えないとみ
なしてよい。
10.2.7 防せい防食
(1) ケーブル構造の耐久性能は,Ⅰ編6 章及びこの編の14 章から16 章の
規定によらなければならない。
(2) ケーブル構造のケーブル,定着具,定着構造,バンド及びサドルで
は,発せいや防食機能の低下が生じないように,また,ケーブル構造の
各部に滞水が生じないように,防せい防食処理の施工や排水に配慮しな
ければならない。
10.3 ケーブル系橋
(1) ケーブル系橋は,関連する規定によるほか,以下によらなければなら
ない。
1) 主桁・主構は11 章による。
2) 床版・床組は12 章による。
3) 立体的構造保持部材は13 章による。
(2) ケーブル系橋の設計にあたっては,Ⅰ編3.2 及びこの編の3.6.1 によ
るとともに,施工方法,施工途中の各段階における構造等の条件を適切
に考慮して,施工時の安全性を確保しなければならない。
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11章 主桁・主構
11.1 主桁・主構
11.1.1 一 般
(1) Ⅰ編2.4.2 に規定する主桁・主構は,11.2 から11.5 の規定,及び,
以下の(2)から(4)の規定によらなければならない。
(2) 主桁・主構は,上部構造に作用する荷重等の影響を上下部接続部に適
切に伝達できる機能を有していなければならない。
(3) 主桁・主構は,立体的構造保持機能系統及び床版・床組機能系統を担う
部材等の耐荷性能の評価における前提条件として求められる範囲に上部
構造の橋軸方向の断面形状を保持できるものでなければならない。
(4) 主桁・主構は,床版・床組機能系統を担う部材等の耐荷性能の評価にお
ける前提条件を満足するよう,それらを所定の位置に支持できるもので
なければならない。
(5) 主桁・主構が,(2)から(4)を満足するにあたっては,少なくとも以下
の1)から6)による。
1) 上部構造の鉛直方向及び水平方向からの荷重等の影響に対して,主
桁・主構から上下部接続部に伝達させるために必要な主桁・主構とし
ての耐荷性能を有する。
2) 上部構造の鉛直方向及び水平方向からの荷重等の影響に対して,主
桁・主構の支点部を通じて上下部接続部に伝達させる。
3) 上部構造の鉛直方向及び水平方向からの荷重等の影響に対して,床
版と桁が一体となった合成断面で抵抗させる場合には,主桁・主構と
しての一体性を確保する。
4) 上部構造の鉛直方向及び水平方向からの荷重等の影響に対して,上
部構造の橋軸方向の断面形状を保持する。
5) 上部構造の鉛直方向及び水平方向からの荷重等の影響に対して,床
版・床組機能系統を構成する部材等を支持する。
6) 主桁・主構として複数の部材等を用いる場合には,部材等を適切に
組み合わせ,1)から5)の規定を満足する。
(6) 主桁に,鋼桁を用いる場合には,(1)によるほか,11.6 の規定を満足
しなければならない。
(7) 主桁に,コンクリート系床版を有する鋼桁を用いる場合には,(6)によ
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るほか,11.7 の規定を満足しなければならない。
(8) 主構に,トラス構造又はアーチ構造を用いる場合には,(1)によるほか,
7.2 の規定及び8.2 の規定を,それぞれ満足しなければならない。
11.1.2 構造設計上の配慮事項
主桁・主構の断面形状や配置並びに主桁・主構内部や主桁・主構間に立体
的構造を保持するための部材の配置や構造を決定するにあたっては,以下に
ついて配慮しなければならない。
1) 上部構造を構成するすべての部材等の点検や部材の更新などの設計
で考慮する維持管理の条件に対する維持管理の確実性と容易さ。
2) 上下部接続部に支承部を設ける場合には,支承部に損傷や破壊が生
じた場合の機能回復の方法,設計供用期間中の支承部の点検,補修,
更新などの設計で考慮する維持管理の条件に対する維持管理の確実性
と容易さ。
3) 上下部接続部に用いられる落橋防止システムや変位抑制構造などの
損傷や破壊時の機能回復の方法,設計供用期間中のそれらに対する点
検,補修,更新などの設計で考慮する維持管理の条件に対する維持管
理の確実性と容易さ。
11.2 主 桁
11.2.1 適用の範囲
この節は,主桁・主構に,主として曲げモーメント及びせん断力を受ける
充腹のI形断面,π形断面,U形断面及び箱形断面の鋼桁を用いる場合の設
計に適用する。
なお,鋼桁を主桁以外の目的で用いる場合にも,この節を準用することが
できる。
11.2.2 フランジ
11.2.2.1 一 般
(1) フランジの設計においては,部材断面内の応力の分布を適切に考慮し
なければならない。また,溶接ひずみの影響並びに製作,輸送及び架設
時の応力についても考慮しなければならない。
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(2) 11.2.2.2 から11.2.2.4 までの規定による場合には,(1)を満足すると
みなしてよい。
11.2.2.2 引張フランジの自由突出部の板厚
引張フランジ自由突出部の板厚は,鋼種に関わらず自由突出幅の1/16 以
上とする。
11.2.2.3 箱桁の引張フランジ
箱桁の引張フランジの板厚は腹板の中心間隔の1/80 以上とする。ただし,
十分に剛な補剛材がある場合には腹板中心間隔のかわりに補剛材中心間隔
を用いてよい。
11.2.2.4 フランジの有効幅
応力度と変形を計算するためのフランジの片側有効幅λは,式(11.2.1)及
び式(11.2.2)により算出し,その適用方法は表-11.2.1 による。
𝜆= 𝑏 ൬𝑏 0.05൰ 𝑙≦
𝑏 = ൜1.1 −2 ൬𝑏 ൬0.05 < < 0.30൰ ········ (11.2.1) 𝑙൰ൠ𝑏 𝑙
𝑏
= 0.15𝑙 ൬0.30 ≦ 𝑙൰
𝜆= 𝑏 ൬𝑏 0.02൰ 𝑙≦
ଶ 𝑏 = ቊ1.06 −3.2 ൬𝑏 4.5 ൬𝑏 ቋ𝑏 ൬0.02 < < 0.30൰ ········ (11.2.2) 𝑙൰+ 𝑙൰ 𝑙
𝑏
= 0.15𝑙 ൬0.30 ≦ 𝑙൰
ここに, 𝜆 :フランジの片側有効幅(mm)(図-11.2.1)
𝑏 :腹板の間隔の1/2 又は片持部のフランジの突出幅(mm)
(図-11.2.1)
𝑙 :等価支間長(mm)(表-11.2.1)
277
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図-11.2.1 フランジの有効幅
表-11.2.1 フランジの片側有効幅
片側有効幅
区間
等価 摘 要
(箇所) 記号 適用式
支間長 𝑙
単
純 ① 𝜆𝐿 (11.2.1) L
桁
① 𝜆𝐿ଵ 0.8L1
(11.2.1)
⑤ 𝜆𝐿ଶ 0.6L2
連
③ 𝜆𝑆ଵ 0.2 (L1+L2) 続
(11.2.2) 桁
⑦ 𝜆𝑆ଶ 0.2 (L2+L3)
②④ 両端の有効幅を用いて,
⑥⑧ 直線変化させる。
① 𝜆𝐿ଵ L1
(11.2.1) ゲ
④ 𝜆𝐿ଷ 0.8L3 ル
バ
② 𝜆𝑆ଶ (11.2.2) 2L2 ー
桁 両端の有効幅を用いて,
③
直線変化させる。
11.2.3 荷重集中点の構造
11.2.3.1 一 般
(1) 鋼桁の主桁の支点並びに床桁,縦桁及び対傾構等の取付部等のような
荷重集中点では,集中荷重に対する安全性が確保できる構造としなけれ
ばならない。
(2) 11.2.3.2 及び11.2.3.3 の規定による場合には,(1)を満足するとみな
してよい。
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11.2.3.2 荷重集中点の補剛材
(1) 鋼桁の主桁の支点並びに床桁,縦桁及び対傾構等の取付部等のような
荷重集中点には垂直補剛材を設ける。
このとき,垂直補剛材の設計にあたっては,5.5.3.5(1) 及び
5.5.3.5(2) 2)の規定を満足しなければならない。
(2) 荷重集中点の垂直補剛材は,1)及び2)により軸方向圧縮力を受ける柱
として設計する。
1) 柱としての有効断面積は,補剛材断面及び腹板のうち補剛材取付部
から両側にそれぞれ腹板の板厚の12 倍までとする。ただし,全有効断
面積は補剛材の断面積の1.7 倍を超えてはならない。
2) 設計軸方向圧縮応力度の制限値の算出に用いる断面二次半径は腹板
の中心線について求めるものとし,有効座屈長は桁高の1/2 とする。
図-11.2.2 荷重集中点の腹板の有効幅
11.2.3.3 設計細目
(1) 垂直補剛材と腹板の接合は,垂直補剛材が全集中荷重を受けるものと
して設計する。
(2) 支点上の垂直補剛材は両側に対称に設け,フランジの両縁に達するま
で延ばすことを原則とする。
(3) 支承取付部等の集中荷重を受け局部変形を生じる可能性のある鋼上部
構造の部位において,補剛材を設けて局部変形を防ぐとともに,桁が橋
軸直角方向の地震力によって面外変形を生じないように,横桁又はダイ
アフラム等により補強しなければならない。
279
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11.3 対傾構及び横構
11.3.1 一 般
(1) 鋼桁を主桁とする橋の上部構造は,Ⅰ編2.4.2 及びこの編の3.2,5.1.1
に規定する橋の立体的な機能が確保できる構造としなければならない。
(2) 13 章並びに11.3.2 及び11.3.3 の規定による場合には,(1)を満足す
るとみなしてよい。
11.3.2 対傾構
(1) 鋼桁橋の支点では,各主桁間に対傾構又は横桁を設ける。
(2) I形断面及びπ 形断面の鋼桁橋では,6m 以内で,かつフランジ幅の
30 倍を超えない間隔で中間対傾構又は中間横桁を設ける。箱形断面の鋼
桁橋でもこれに準じるのがよい。
(3) 床版を3本以上の桁で支持し,かつ桁の支間が10m を超える場合は,
それらの桁の間には剛な荷重分配横桁を設ける。荷重分配横桁の間隔は
20m を超えてはならない。
(4) 下路式の鋼桁橋では,床桁取付部はニーブレース板等により床桁と主
桁の垂直補剛材を連結し,横方向の変形に対して補剛する。この場合ニ
ーブレース板,補剛材等の各部の構造は,支間中最大の圧縮フランジ軸
力の1%の横力に対して安全であるように設計する。この軸力は圧縮フ
ランジ面内で各床桁取付点にフランジに直角に作用させる。耐力を期待
しない場合でも,ニーブレース板の自由辺の長さは板厚の60 倍を超え
てはならない。
この場合の圧縮フランジの応力度の制限値の計算に用いる固定点間
距離は,ニーブレースの中心間隔を用いる。
図-11.3.1 ニーブレースの自由辺
280
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11.3.3 横 構
(1) I形断面の鋼桁橋には,横荷重を支承部に円滑に伝達するように上横
構及び下横構を設けるのを原則とする。
(2) 上路式の鋼桁橋で鋼床版又はコンクリート系床版と桁とが結合されて
いて,桁の横ねじれ等に耐えられる場合は,上横構を省略することがで
きる。
(3) 支間が25m 以下で強固な対傾構がある場合は,下横構を省略すること
ができる。
ただし,曲線橋では下横構を省略してはならない。
11.4 ダイアフラム等による補剛
箱形断面の鋼桁の設計にあたっては,ダイアフラム等の補剛により断面形
状が保持できる構造とするとともに,集中力の作用点では力の伝達が確実と
なるようにする。
11.5 そ り
主桁には,死荷重,コンクリートの乾燥収縮,クリープ及びプレストレス
力等によるたわみに対して,路面が所定の高さになるように,そりをつける。
11.6 主桁の限界状態
11.6.1 一 般
(1) 鋼桁を主桁に用いる場合の限界状態は,11.6.2 から11.6.4 の規定に
よる。
(2) コンクリート系床版を有する鋼桁を主桁に用いる場合の限界状態は,
(1)のほか,11.7 の規定による。
11.6.2 主桁の限界状態1
(1) 主桁を構成する各部材等が,(2)及び(3)を満足する場合には,主桁が
限界状態1を超えないとみなしてよい。
(2) 主桁を構成する各部材等が,5 章に規定する鋼桁の限界状態1及び6
281
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章に規定する接合部の限界状態1を超えない。
(3) コンクリート系床版を有する鋼桁を主桁に用いる場合に,11.7.6 の規
定を満足する。
11.6.3 主桁の限界状態2
主桁を構成する各部材等の状態の組合せにより,主桁として荷重を支持す
る能力はあらかじめ想定する範囲内にあり,かつ,特別な注意のもとで使用
できる限界の状態の場合には,主桁の限界状態2を超えないとみなしてよ
い。
11.6.4 主桁の限界状態3
(1) 主桁を構成する各部材等が,(2)及び(3)を満足する場合には,主桁が
限界状態3を超えないとみなしてよい。
(2) 主桁を構成する各部材等が,5 章に規定する鋼桁の限界状態3及び6
章に規定する接合部の限界状態3を超えない。
(3) コンクリート系床版を有する鋼桁を主桁に用いる場合に,11.7.8 の規
定を満足する。
11.7 コンクリート系床版を有する鋼桁
11.7.1 一 般
11.7.1.1 適用の範囲
この節は,主として上部構造の主桁・主構にコンクリート系床版を有する
鋼桁を用いる場合の設計に適用する。なお,この節に規定しない主桁部分の
設計は11.1 から11.6 の規定,床版部分の設計については12 章の規定によ
る。
11.7.1.2 床版の合成作用の取扱い
(1) コンクリート系床版を有する鋼桁の設計にあたっては,床版のコンク
リートと鋼桁との合成作用を適切に考慮しなければならない。
(2) コンクリート系床版と鋼桁との合成作用を考慮するにあたっては,桁
の変形,断面力及び不静定力を適切に評価するとともに,引張応力が生
282
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じる部分のコンクリートの断面を適切に評価して桁断面の応力を算出し
なければならない。
(3) (4)から(6)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(4) 線形解析により部材の断面力,変位及びその断面力に基づく応力を算
出する。
(5) 桁断面の応力を算出する場合,コンクリート系床版と鋼桁との合成作
用の取扱いは,表-11.7.1 に示すとおりとする。
(6) 桁断面の弾性変形及び不静定力を算出する場合は,表-11.7.1 によら
ず,コンクリート系床版と鋼桁との合成作用を考慮する。
表-11.7.1 合成作用の取扱い
曲げモーメン
合成作用の取扱い 摘要
トの種類
正 コンクリート系床版を桁の断面に算入する
引張応力が生じる床版
において,コンクリー コンクリート系床版を
トの断面を有効とする 桁の断面に算入する
設計を行う場合
負
引張応力が生じる床版
コンクリート系床版の
において,コンクリー
橋軸方向鉄筋のみ桁の
トの断面を無視する設
断面に算入する
計を行う場合
11.7.2 設計に関する一般事項
11.7.2.1 床版のコンクリートと鋼材とのヤング係数比
(1) コンクリート系床版と鋼桁との合成作用を考慮するにあたっては,桁
の弾性変形,断面力及び不静定力等の算出に用いる鋼材と床版のコンク
リートとのヤング係数比を適切に設定する。
(2) 床版のコンクリートの設計基準強度𝜎が27N/mm2 から35N/mm2 までの
範囲において,床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮する設計
を行う場合には,桁の弾性変形,断面力及び不静定力等の算出に用いる
床版のコンクリートと鋼材とのヤング係数比𝑛は,7 を標準としてよい。
283
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11.7.2.2 床版のコンクリートのクリープ
(1) コンクリート系床版と鋼桁との合成作用を考慮するにあたって,床版
のコンクリートに持続荷重による応力が作用する場合には,床版のコン
クリートのクリープによる応力度の算出において,その影響を適切に評
価しなければならない。
(2) 合成断面としての床版のコンクリートに持続荷重による応力が作用す
る場合,床版のコンクリートのクリープによる応力度の算出に用いるク
リープ係数𝜑ଵは2.0 を標準としてよい。
11.7.2.3 床版のコンクリートと鋼桁との温度差
(1) コンクリート系床版と鋼桁との合成作用を考慮するにあたっては,床
版のコンクリートと鋼桁との温度差の影響を適切に考慮しなければなら
ない。
(2) Ⅰ編8 章を満足するとともに,(3)による場合には,(1)を満足すると
みなしてよい。
(3) 床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮して設計する場合にお
いて,著しい温度差が生じる場合以外は,床版のコンクリートと鋼桁と
の温度差として10 度を考慮し,温度分布は床版のコンクリート及び鋼
桁においてそれぞれ一様とすることを標準とする。
11.7.2.4 床版のコンクリートの乾燥収縮
(1) コンクリート系床版と鋼桁との合成作用を考慮するにあたっては,床
版のコンクリートの乾燥収縮による影響を適切に考慮しなければならな
い。
(2) (3)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮して設計する場合に,
床版のコンクリートの乾燥収縮による応力の算出に用いる最終収縮度𝜀௦
は20×10-5 を,クリープ係数 𝜑ଶは 𝜑ଶ=2𝜑ଵ=4.0 をそれぞれ標準とする。
284
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11.7.3 床 版
11.7.3.1 一 般
床版の設計は,この節の規定によるほか,12 章の規定による。
11.7.3.2 床版のコンクリートの設計基準強度
(1) 床版のコンクリートの設計基準強度は,所要の強度が確保できるよう
にするほか,床版が所要の耐久性能を満足するように定めなければなら
ない。
(2) 床版のコンクリートの設計基準強度の決定にあたっては,試験練り又
は実績等により,施工時に有害なひび割れが生じないことを確認する。
(3) (4)から(6)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(4) 床版のコンクリートの設計基準強度 𝜎は,24N/mm2 以上とする。ただ
し,床版にプレストレスを導入する場合はⅠ編9.2.3 の規定による。
(5) 床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮して設計する床版のコ
ンクリートの設計基準強度 𝜎は,床版にプレストレスを導入しない場
合に27N/mm2 以上,プレストレスを導入する場合に30N/mm2 以上とする。
(6) 鋼コンクリート合成床版のコンクリートの設計基準強度 𝜎は,床版
のコンクリートと鋼桁との合成作用の考慮の有無に関わらず30N/mm2 以
上とする。
11.7.3.3 引張力を受ける床版の鉄筋量及び配筋
(1) 引張応力が生じるコンクリート系床版においては,引張応力に抵抗す
るための鉄筋量及び配筋を適切に決定し,これを配置しなければならな
い。
(2) (3)及び(4)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 引張応力が生じるコンクリート系床版の最小鉄筋量は次による。
1) 引張応力が生じるコンクリート系床版において,コンクリートの断
面を有効とする設計を行う場合の床版の橋軸方向最小鉄筋量は式
(11.7.1)による。
𝑇௧ௗ≦𝑇௧௨ௗ ··········································· (11.7.1)
ここに,Ttd :床版に作用する全引張力(N)
285
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Ttud :引張強度の制限値(N)でⅢ編5.4.3 により算出する。
2) 引張応力が生じるコンクリート系床版において,コンクリートの断
面を無視する設計を行う場合の床版の橋軸方向最小鉄筋量は,コンク
リート断面積の2%とする。
この場合,床版断面の鉄筋の周長の総和とコンクリートの断面積の
比は0.0045mm/mm2 以上とすることを標準とする。なお,床版のために
配置された鉄筋を橋軸方向鉄筋の一部として考慮してもよい。
(4) 鉄筋は死荷重による曲げモーメントの符号が変化する点を超えて床版
のコンクリートの圧縮側に定着する。
11.7.3.4 床版の有効幅
(1) コンクリート系床版と鋼桁との合成作用を考慮するにあたっては,応
力分布を適切に考慮して床版の有効幅を設定しなければならない。
(2) (3)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) コンクリート系床版と鋼桁との合成作用を考慮するにあたっては,床
版の有効幅の算出は11.2.2.4の規定による。ただし,λ及びbは図-11.7.1
に示すとおりとし,この場合の水平に対するハンチの傾斜は45゜として
取り扱う。
図-11.7.1 𝜆と𝑏のとり方
11.7.3.5 主桁作用と床版作用との重ね合わせ
(1) 床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮するにあたっては,床
版は次の2つの作用に対して,それぞれ安全なように設計しなければな
らない。
1) 床版としての作用
2) 桁の断面の一部としての作用
(2) 床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮するにあたっては,床
286
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版は(1)に示した2つの作用を同時に考慮した場合に対して安全でなけ
ればならない。
(3) 床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮するにあたっては,(1)
に示す2つの作用のそれぞれに対して,床版が最も不利になる載荷状態
における応力を算出し,その合計に対して安全である場合には,(2)を満
足するとみなしてよい。ただし,桁作用によって正の曲げモーメントを
受ける部分の橋軸方向鉄筋の応力については,2つの作用の重ね合わせ
を考慮しなくてもよい。
11.7.3.6 せん断力が集中する部分の構造
(1) コンクリート系床版と鋼桁との合成作用を考慮するにあたっては,死
荷重や活荷重による応力,温度差や乾燥収縮による応力,風や地震の影
響による応力等が集中的に作用する端支点付近及び中間支点付近の床版
は,せん断力が円滑に伝達される構造とする。また,主引張応力によっ
て床版のコンクリートにひび割れが生じないようにしなければならな
い。
(2) (3)から(5)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) せん断力が集中する部分では,床版に生じるせん断力と主引張応力に
対する補強鉄筋を配置する。
(4) 補強鉄筋の直径は16mm 以上とし,床版の中立面付近に150mm 以下の
間隔で配置することを標準とする。
(5) 補強鉄筋を配置する範囲は主桁方向,主桁直角方向ともに主桁間隔の
1/2 以上とする。
11.7.3.7 構造目地
コンクリート系床版と鋼桁との合成作用を考慮するコンクリート系床版
のコンクリートには構造目地を設けてはならない。
11.7.3.8 合成作用を与えるときの床版のコンクリートの圧縮強度
(1) コンクリート系床版と鋼桁との合成作用を考慮するコンクリート系床
版のコンクリートでは,床版のコンクリート強度が,合成作用による応
力度によって床版の安全性や耐久性に問題が生じない強度に達した後に
合成作用を与えなければならない。
287
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(2) 床版のコンクリートに合成作用を与えるときの床版のコンクリートの
圧縮強度を,設計基準強度の80%以上とする場合には,(1)を満足する
とみなしてよい。
11.7.4 鋼 桁
11.7.4.1 一 般
鋼桁の設計は,この項の規定によるほか,11.1 から11.6 の規定による。
11.7.4.2 鋼桁のフランジ厚さ
(1) ずれ止めを取り付ける鋼桁のフランジは,著しい変形が生じることが
ない板厚としなければならない。
(2) ずれ止めに11.7.5.1(4)に規定するスタッドを使用する場合に,フラ
ンジの板厚を10mm 以上とする場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
11.7.5 ずれ止め
11.7.5.1 一 般
(1) 床版のコンクリートと鋼桁は,密着を確保するとともに車両の加速及
び制動及び地震等による水平力に対して所定の位置を確保できるように
接合しなければならない。
(2) ずれ止めは,床版のコンクリートと鋼桁との間の作用力に対して安全
となるように設計しなければならない。
(3) ずれ止めとして(4)のスタッドを用い,床版のコンクリートと鋼桁との
間のせん断力が最も大きくなる場合について11.7.6.4 を満足する場合
には,(1)及び(2)を満足するとみなしてよい。
(4) 床版を桁断面に見込んで設計する場合のずれ止めに使用するスタッド
は,軸径が19mm 及び22mm のものを標準とする。また,材質,種類,形
状,寸法及び許容差について,JIS B 1198(頭付きスタッド)を標準と
してよい。
11.7.5.2 床版のコンクリートの乾燥収縮及び床版のコンクリートと鋼桁との
温度差により生じるせん断力
(1) コンクリート系床版と鋼桁との合成作用を考慮する床版のコンクリー
288
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トと鋼桁とのずれ止めは,床版のコンクリートの乾燥収縮及び床版のコ
ンクリートと鋼桁との温度差により生じるせん断力を適切に考慮しなけ
ればならない。
(2) (3)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 床版のコンクリートの乾燥収縮及び床版のコンクリートと鋼桁との温
度差により生じるせん断力を,床版の自由端部において,主桁間隔(主
桁間隔がL/10 より大きいときはL/10 をとる)の範囲に設けるずれ止め
で負担する。
このとき,ずれ止めの設計にあたっては,図-11.7.2 に示すように,
せん断力の全部が,支点上で最大となる三角形に分布するものとしてよ
い。
図-11.7.2 せん断力の分布
ここに, 𝑎:主桁間隔
𝐿:単純桁の場合 𝐿:支間長
連続桁の場合 𝐿:支間長の合計
11.7.5.3 ずれ止めの最大間隔
(1) ずれ止めの最大間隔は,床版と鋼桁とのずれ止めとしての機能を満足
するように設定しなければならない。
(2) 床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮するための,ずれ止め
に11.7.5.1 に規定するスタッドを用いる場合に,その最大間隔が床版
のコンクリート厚さの3倍かつ600mm を超えない場合には,(1)を満足
するとみなしてよい。
289
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11.7.5.4 ずれ止めの最小間隔
(1) ずれ止めの最小間隔は,床版と鋼桁とのずれ止めとしての機能を満足
するように設定しなければならない。このとき,施工性が確保できるこ
と,床版のコンクリートに有害なひび割れが生じないことに配慮しなけ
ればならない。
(2) 床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮するにあたって,ずれ
止めとして11.7.5.1 に規定するスタッドを用いる場合に,(3)及び(4)
による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) スタッドの橋軸方向の最小中心間隔を5𝑑又は100mm とし,橋軸直角方
向の最小中心間隔は 𝑑+30mm とする。ここに,𝑑はスタッドの軸径(mm)で
ある。
(4) スタッドの幹とフランジ縁との最小純間隔は25mm とする。
11.7.5.5 中間支点付近のずれ止め
(1) 床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮するにあたっては,中
間支点付近のずれ止めは,着目点に生じる最大水平せん断力に対して設
計しなければならない。
(2) 中間支点付近のずれ止めの設計計算は,着目断面におけるコンクリー
トの応力状態に関わらず床版のコンクリート断面を有効として行わなけ
ればならない。
11.7.6 コンクリート系床版を有する鋼桁の限界状態1
11.7.6.1 一 般
(1) コンクリート系床版を有する鋼桁で,床版を桁断面に考慮する場合に,
(2)を満足し,かつ,(3)又は(4)を満足する場合には,限界状態1を超え
ないとみなしてよい。
(2) 11.7.6.2 から11.7.6.4 の規定を満足し,かつ,床版が12 章の規定を
満足する。
(3) 鋼桁が11.2 から11.6 の規定によるほか,5 章の関連する規定を満足
する。
(4) コンクリート系床版を有する鋼桁が,11.7.6.5 及び11.7.6.6 の規定
を満足する。
290
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11.7.6.2 床 版
(1) 床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮する際の,コンクリー
ト及び鉄筋の応力度の制限値は,(2)から(4)による。
(2) 床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮する際の,床版のコン
クリートの圧縮応力度の制限値は表-11.7.2 に示す値とする。
表-11.7.2 コンクリートの圧縮応力度の制限値(N/mm2)
コンクリート設計基準
強度(N/mm2) 27 30 35 40
作用の組合せ
1) 床版としての作用
永続又は
2) 主桁の断面の一部とし 10.0 11.0 13.0 13.0
変動作用
1 ての作用
が支配的
3) 1)と2)を同時に考慮し
な状況 14.5 16.0 18.5 18.5
た場合
偶発作用
1) 主桁の断面の一部とし
2 が支配的 14.5 16.0 18.5 18.5
ての作用
な状況
3 プレストレッシング直後 13.0 14.5 16.5 16.5
(3) 引張力を受けるコンクリート系床版においてコンクリートの断面を有
効とする場合,床版のコンクリートの引張応力度の制限値は表-11.7.3
に示す値とする。
表-11.7.3 コンクリートの引張応力度の制限値(N/mm2)
コンクリート設計基準
強度(N/mm2) 27 30 35 40
作用の組合せ
変動又は偶発作用が 床版の上,下縁 2.0 2.2 2.4 2.4
1
支配的な状況 床版厚中心 1.4 1.6 1.8 1.8
2 永続作用が支配的な状況 0.0 0.0 0.0 0.0
(4) 鉄筋の引張応力度及び圧縮応力度の制限値は,表-11.7.4 及び表-
11.7.5 に示す値とする。
291
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表-11.7.4 鉄筋の引張応力度の制限値(N/mm2)
応力度の
作用の組合せ 制限値
(N/mm2)
1) 主桁の断面の一部としての作用 180
永続又は変動作用が 2) 主桁断面の一部としての作用と
1
支配的な状況 床版としての作用とを同時に考 220
慮した場合
偶発作用が支配的な
2 1) 主桁の断面の一部としての作用 220
状況
表-11.7.5 鉄筋の圧縮応力度の制限値(N/mm2)
応力度の
作用の組合せ 制限値
(N/mm2)
1) 主桁の断面の一部としての作用 260
永続又は変動作用が 2) 主桁断面の一部としての作用と
1
支配的な状況 床版としての作用とを同時に考 315
慮した場合
偶発作用が支配的な
2 1) 主桁の断面の一部としての作用 315
状況
11.7.6.3 鋼 桁
床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮する際の,鋼桁の制限値の
補正係数は,表-11.7.6 に示す値とする。
表-11.7.6 鋼桁の制限値の補正係数
補正係数
設計で考慮する状況 正の曲げモーメントを 負の曲げモーメントを
受ける部分 受ける部分
圧縮縁 1.15 1.00 変動作用又は偶発作用が
支配的な状況 引張縁 1.00 1.00
11.7.6.4 せん断力を受けるスタッド
床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮するにあたって,せん断力
を受けるスタッドに,11.7.5.1 に規定するスタッドを用いる場合に,スタ
292
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ッドが受け持つ鋼桁と床版の間のせん断力が,式(11.7.2)を超えない。
なお,式(11.7.2)はスタッドの全高が150mm 程度の場合に適用できるも
のとし,このとき床版のコンクリートと鋼桁のフランジ間との付着力は無視
する。
𝑄 ≦ 12.2𝑑ଶඥ𝜎 : 𝐻𝑑⁄ ≧ 5.5
······················ (11.7.2)
𝑄 ≦ 2.23dHඥ𝜎 : 𝐻𝑑⁄ < 5.5
ここに,
𝑄 :スタッドが受け持つ鋼桁と床版の間のせん断力の制限値(N)
𝑑 :スタッドの軸径(mm)
𝐻 :スタッドの全高(mm),150mm 程度を標準とする。
𝜎 :床版コンクリートの設計基準強度(N/mm2)
11.7.6.5 曲げモーメントを受けるコンクリート系床版を有する鋼桁の限界状
態1
(1) コンクリート系床版を有する鋼桁に生じる曲げモーメントが,(2)に規
定する曲げモーメントの制限値 𝑀௦ଵௗを超えない。
(2) 曲げモーメントの制限値 𝑀௦ଵௗは,以下の1)から3)を全て満足する
状態の最大の曲げモーメントとする。
1) 鋼桁の引張フランジの最外縁に生じる引張応力度が,5.4.6 に規定
する曲げ引張応力度の制限値に,11.7.6.3 に規定する補正係数を考慮
した値を超えない。
2) 鋼桁の圧縮フランジの最外縁に生じる圧縮応力度が,5.4.1 から
5.4.3 に規定する局部座屈に対する圧縮応力度の制限値に,11.7.6.3
に規定する補正係数を考慮した値を超えない。
3) 鋼桁の圧縮フランジの最外縁に生じる圧縮応力度が,5.4.6 に規定
する曲げ圧縮応力度の制限値に,11.7.6.3 に規定する補正係数を考慮
した値を超えない。
ここに,1)から3)の評価にあたっては,断面に生じる維ひずみは中立軸
からの距離に比例すると仮定してよい。
293
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11.7.6.6 せん断力を受けるコンクリート系床版を有する鋼桁の限界状態1
(1) コンクリート系床版を有する鋼桁に生じるせん断力が,(2)及び(3)に
定めるせん断力の制限値 𝑉௦ଵௗを超えない。
(2) 垂直補剛材を有する直線のコンクリート系床版を有する鋼桁では,せ
ん断力の制限値 𝑉௦ଵௗは,5.5.4.3(2)の規定により算出する。
(3) (2)以外のコンクリート系床版を有する鋼桁では,せん断力の制限値
𝑉௦ଵௗは,5.3.7 の規定を満足する最大のせん断力とする。
11.7.7 コンクリート系床版を有する鋼桁の限界状態2
11.7.7.1 一 般
(1) コンクリート系床版を有する鋼桁で,床版を桁断面に考慮する場合に,
(2)及び(3)を満足する場合には,限界状態2を超えないとみなしてよい。
(2) 11.7.7.2 から11.7.7.4 の規定を満足し,かつ,床版が12 章の規定を
満足する。
(3) コンクリート系床版を有する鋼桁が,11.7.7.5 及び11.7.7.6 の規定
を満足する。
11.7.7.2 床 版
(1) 床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮する際の,コンクリー
ト及び鉄筋の応力度の制限値は,(2)から(4)による。
(2) 床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮する際の,床版のコン
クリートの圧縮応力度の制限値は表-11.7.7 に示す値とする。
表-11.7.7 コンクリートの圧縮応力度の制限値(N/mm2)
コンクリート設計基準
強度(N/mm2) 27 30 35 40
作用の組合せ
1) 床版としての作用
永続又は
2) 主桁の断面の一部とし 10.0 11.0 13.0 13.0
変動作用
1 ての作用
が支配的
3) 1)と2)を同時に考慮し
な状況 14.5 16.0 18.5 18.5
た場合
偶発作用
1) 主桁の断面の一部とし
2 が支配的 14.5 16.0 18.5 18.5
ての作用
な状況
294
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(3) 引張力を受けるコンクリート系床版においてコンクリートの断面を有
効とする場合,床版のコンクリートの引張応力度の制限値は表-11.7.8
に示す値とする。
表-11.7.8 コンクリートの引張応力度の制限値(N/mm2)
コンクリート設計基準
強度(N/mm2) 27 30 35 40
作用の組合せ
変動又は偶発作 床版の上,下縁 2.0 2.2 2.4 2.4
1 用が支配的な状
床版厚中心 1.4 1.6 1.8 1.8
況
2 永続作用が支配的な状況 0.0 0.0 0.0 0.0
(4) 鉄筋の引張応力度及び圧縮応力度の制限値は,表-11.7.9 及び表-
11.7.10 に示す値とする。
表-11.7.9 鉄筋の引張応力度の制限値(N/mm2)
応力度の
作用の組合せ 制限値
(N/mm2)
1) 主桁の断面の一部としての作用 180
永続又は変動作用が 2) 主桁断面の一部としての作用と
1
支配的な状況 床版としての作用とを同時に考 220
慮した場合
偶発作用が支配的な
2 1) 主桁の断面の一部としての作用 220
状況
表-11.7.10 鉄筋の圧縮応力度の制限値(N/mm2)
応力度の
作用の組合せ 制限値
(N/mm2)
1) 主桁の断面の一部としての作用 260
永続又は変動作用が 2) 主桁断面の一部としての作用と
1
支配的な状況 床版としての作用とを同時に考 315
慮した場合
偶発作用が支配的な
2 1) 主桁の断面の一部としての作用 315
状況
295
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11.7.7.3 鋼 桁
床版のコンクリートとの合成作用を考慮する際の,鋼桁の制限値の補正係
数は,11.7.6.3 の規定による。
11.7.7.4 せん断力を受けるスタッド
床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮するにあたって,せん断力
を受けるスタッドが,11.7.6.4 の規定を満足する。
11.7.7.5 曲げモーメントを受けるコンクリート系床版を有する鋼桁の限界状
態2
(1) コンクリート系床版を有する鋼桁に生じる曲げモーメントが,(2)に規
定する曲げモーメントの制限値 𝑀௦ଶௗを超えない。
(2) 曲げモーメントの制限値 𝑀௦ଶௗは,以下の1)から3)を全て満足する状
態の最大の曲げモーメントとする。
1) 鋼桁の引張フランジが降伏するものの,引張フランジと腹板の縁に
て5.4.6 に規定する曲げ引張応力度の制限値に,11.7.7.3 に規定する
補正係数を考慮した値を超えない。
2) 鋼桁の圧縮フランジの最外縁に生じる圧縮応力度が,5.4.1 から
5.4.3 に規定する局部座屈に対する圧縮応力度の制限値に,11.7.7.3
に規定する補正係数を考慮した値を超えない。
3) 鋼桁の圧縮フランジの最外縁に生じる圧縮応力度が,5.4.6 に規定
する曲げ圧縮応力度の制限値に,11.7.7.3 に規定する補正係数を考慮
した値を超えない。
ここに,1)から3)の評価にあたっては,断面に生じる維ひずみは中立軸
からの距離に比例すると仮定し,コンクリートの引張強度は無視してよ
い。
また,コンクリート及び鋼材の応力度-ひずみ曲線は1)から3)を超え
ない範囲で,図-11.7.3 及び図-11.7.4 に示したものを用いる。
296
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ここに,
𝜎 :コンクリートの設計基準強度
(N/mm2)
𝜎 :コンクリートの応力度(N/mm2)
𝜀 :コンクリートのひずみ
𝜀௨ :コンクリートの終局ひずみ
図-11.7.3 コンクリートの応力度-ひずみ曲線
ここに,
𝜎௦௬ :鋼材の降伏強度の特性値
(N/mm2)
𝜎௦ :鋼材の応力度(N/mm2)
𝐸௦ :鋼材のヤング係数(N/mm2)
𝜀௦ :鋼材のひずみ
図-11.7.4 鋼材の応力度-ひずみ曲線
11.7.7.6 せん断力を受けるコンクリート系床版を有する鋼桁の限界状態2
(1) コンクリート系床版を有する鋼桁に生じるせん断力が,(2)に規定する
せん断力の制限値 𝑉௦ଶௗを超えない。
(2) 垂直補剛材を有する直線のコンクリート系床版を有する鋼桁におけ
る,せん断力の制限値 𝑉௦ଶௗは,5.5.5.3(2)により算出する。
11.7.8 コンクリート系床版を有する鋼桁の限界状態3
11.7.8.1 一 般
(1) コンクリート系床版を有する鋼桁で,床版を桁断面に考慮する場合に,
(2)を満足し,かつ,(3)又は(4)を満足する場合には,限界状態3を超え
ないとみなしてよい。
(2) 11.7.8.2 及び11.7.8.3 の規定を満足し,かつ,床版が12 章の規定を
満足する。
(3) 鋼桁が11.2 から11.6 の規定によるほか,5 章の関連する規定を満足
する。
(4) コンクリート系床版を有する鋼桁が,11.7.8.4 及び11.7.8.5 の規定
を満足する。
297
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11.7.8.2 床 版
(1) 床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮する際の,コンクリー
ト及び鉄筋の応力度の制限値は,(2)から(4)による。
(2) 床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮する際の,床版のコン
クリートの圧縮応力度の制限値は表-11.7.11 に示す値とする。ただし,
コンクリート系床版を有する鋼桁のうち,I形断面又はU形断面の直線
の鋼桁で,設計基準強度が30N/mm2 以下の鉄筋コンクリート床版,かつ,
正の曲げモーメントを受ける場合で,軸圧縮応力度が材料の降伏応力度
の5%以下であるときは,これによらず11.7.8.4(2)による。
表-11.7.11 コンクリートの圧縮応力度の制限値(N/mm2)
コンクリート設計基準
強度(N/mm2) 27 30 35 40
作用の組合せ
永続,変動,偶発 1) 主桁の断面の
1 作用が支配的な 一部としての 14.5 16.0 18.5 18.5
状況 作用
(3) 引張力を受けるコンクリート系床版においてコンクリートの断面を有
効とする場合,床版のコンクリートの引張応力度の制限値は表-11.7.12
に示す値とする。
表-11.7.12 コンクリートの引張応力度の制限値(N/mm2)
コンクリート設計基準
強度(N/mm2) 27 30 35 40
作用の組合せ
変動又は偶発作用が 床版の上,下縁 2.0 2.2 2.4 2.4
1
支配的な状況 床版厚中心 1.4 1.6 1.8 1.8
2 永続作用が支配的な状況 0.0 0.0 0.0 0.0
(4) 鉄筋の引張応力度及び圧縮応力度の制限値は,表-11.7.13 及び表-
11.7.14 に示す値とする。
298
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表-11.7.13 鉄筋の引張応力度の制限値(N/mm2)
応力度の
作用の組合せ 制限値
(N/mm2)
永続,変動,偶発
1 作用が支配的な 1) 主桁の断面の一部としての作用 220
状況
表-11.7.14 鉄筋の圧縮応力度の制限値(N/mm2)
応力度の
作用の組合せ 制限値
(N/mm2)
永続,変動,偶発
1 作用が支配的な 1) 主桁の断面の一部としての作用 315
状況
11.7.8.3 せん断力を受けるスタッド
床版のコンクリートと鋼桁との合成作用を考慮するにあたって,せん断力
を受けるスタッドが,11.7.6.4 の規定を満足する。
11.7.8.4 曲げモーメントを受けるコンクリート系床版を有する鋼桁の限界状
態3
(1) コンクリート系床版を有する鋼桁に生じる曲げモーメントが,(2)及び
(4)に規定する曲げモーメントの制限値 𝑀௦ଷௗを超えない。
(2) コンクリート系床版を有する鋼桁のうち,I形断面又はU形断面を有
する直線の鋼桁で,設計基準強度が30N/mm2 以下の鉄筋コンクリート床
版,かつ,正の曲げモーメントを受ける場合で,軸圧縮応力度が材料の
降伏応力度の5%以下であるとき,曲げモーメントの制限値 𝑀௦ଷௗは,式
(11.7.3)により算出する。
𝑀𝑙𝑠3𝑑 = ξ1 ∙ξ2 ∙Φ𝑈∙𝑀𝑙𝑠3𝑢 ·································· (11.7.3)
ここに,
𝑀𝑙𝑠3𝑑 :曲げモーメントの制限値(N・mm)
𝑀𝑙𝑠3𝑢 :抵抗曲げモーメントの特性値(N・mm)で(3)により算出する。
ξ1 :調査・解析係数で表-11.7.15 に示す値とする。
299
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ξ2 :部材・構造係数で表-11.7.15 に示す値とする。
Φ𝑈 :抵抗係数で表-11.7.15 に示す値とする。
表-11.7.15 調査・解析係数,部材・構造係数,抵抗係数
ξଵ ξଶ Φ
ⅰ) ⅱ)及びⅲ)以外の作用の組合せを考
0.80
慮する場合 0.90
0.90
ⅱ) Ⅰ編3.3(2)2)で⑩を考慮する場合
1.00
ⅲ) Ⅰ編3.3(2)3)で⑪を考慮する場合 1.00
(3) 部材断面の曲げモーメントの特性値は,部材の最外縁の圧縮コンクリ
ートが終局ひずみに達するときの抵抗曲げモーメントとする。ここで,
抵抗曲げモーメントは,1)から4)の規定に基づき算出する。
1) 維ひずみは中立軸からの距離に比例すると仮定する。
2) コンクリートの引張強度は無視する。
3) コンクリートの応力度-ひずみ曲線は,図-11.7.5 に示したものを
用いる。このとき,コンクリートの終局ひずみは,設計基準強度が
30N/mm2 以下のコンクリートに対して0.0035 とする。
4) 鋼材の応力度-ひずみ曲線は,図-11.7.6 に示したものを用いる。
ここに,
𝜎 :コンクリートの設計基準強度
(N/mm2)
𝜎 :コンクリートの応力度(N/mm2)
𝜀 :コンクリートのひずみ
𝜀௨ :コンクリートの終局ひずみ
図-11.7.5 コンクリートの応力度-ひずみ曲線
ここに,
𝜎௦௬ :鋼材の降伏強度の特性値
(N/mm2)
𝜎௦ :鋼材の応力度(N/mm2)
𝐸௦ :鋼材のヤング係数(N/mm2)
𝜀௦ :鋼材のひずみ
図-11.7.6 鋼材の応力度-ひずみ曲線
300
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(4) (2)以外のコンクリート系床版を有する鋼桁では,曲げモーメントの制
限値 𝑀௦ଷௗは,11.7.7.5 の規定により算出する。
11.7.8.5 せん断力を受けるコンクリート系床版を有する鋼桁の限界状態3
(1) コンクリート系床版を有する鋼桁に生じるせん断力が,(2)及び(3)に
規定するせん断力の制限値 𝑉௦ଷௗを超えない。
(2) 垂直補剛材を有する直線のコンクリート系床版を有する鋼桁では,せ
ん断力の制限値 𝑉௦ଷௗは,5.5.6.3(2)により算出する。
(3) (2)以外のコンクリート系床版を有する鋼桁では,せん断力の制限値
𝑉௦ଷௗは,5.4.7 の規定を満足する最大のせん断力とする。
11.7.9 合成応力度及び二軸応力状態に対する評価
11.7.6 から11.7.8 に規定するコンクリート系床版を有する鋼桁の限界状
態に関する照査に加えて,以下の1)及び2)を満足しなければならない。
1) 曲げモーメント及びせん断力並びにねじりモーメントを受ける部分
の合成応力度の照査は,5.3.9 の規定による。
2) 主桁と横桁との取付部等のように,鋼桁に二方向の応力が加わる部
分の合成応力度の照査は,5.3.10 の規定による。
12章 床版・床組
12.1 一 般
(1) Ⅰ編2.4.2 に規定する床版・床組は,自動車等が安全円滑に通行でき
る路面を保持する機能を有するとともに,上部構造に作用する荷重等の
影響を主桁・主構機能を構成する部材等に伝達する機能を有していなけ
ればならない。
(2) 床版・床組が,(1)に規定する機能を有するためには,少なくとも以下
の1)から4)を満足しなければならない。
1) 直接支持する荷重等の影響に対して,自動車等が安全円滑な通行がで
きる路面を保持するために必要な床版・床組としての耐荷性能を満足し
なければならない。
2) 直接支持する荷重等の影響に対して,自動車等が安全円滑な通行がで
きる路面を保持するために疲労に対する耐久性能を損なう有害な変形
301
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を生じさせない。
3) 直接支持する荷重等の影響を,床版・床組から主桁・主構機能系統を
構成する部材等に伝達させなければならない。
4) 床版・床組として複数の部材等を用いる場合には,部材等を適切に組
み合わせ,1)から3)の規定を満足しなければならない。
(3) (4)による場合は,(1)を満足するとみなしてよい。
(4) 12.2 に規定する床版,12.3 に規定する床組を適切に組み合わせるこ
とによって,自動車等が安全円滑に通行できる路面を保持し,上部構造
に作用する荷重等の影響を主桁・主構機能を構成する部材等に伝達しな
ければならない。
12.2 床 版
12.2.1 一 般
12.2.1.1 適用の範囲
この節は,鋼桁で支持された床版の設計に適用する。
12.2.1.2 設計の基本
(1) 床版の設計においては,直接支持する活荷重等の影響に対して耐荷性
能を満足するようにしなければならない。
(2) 床版は,活荷重に対して疲労に対する耐久性能を損なう有害な変形が
生じないようにしなければならない。
(3) 床版の設計にあたっては,施工に対する前提条件を適切に定めなけれ
ばならない。
(4) 鉄筋コンクリート床版,プレストレストコンクリート床版,鋼コンク
リート合成床版及びPC 合成床版は12.2.2 から12.2.7 の規定,鋼床版
は12.2.8 から12.2.11 の規定による場合には,(1)及び(3)を満足する
とみなしてよい。
(5) 床版に立体的構造保持機能を担わせる場合は,Ⅰ編2.4.2 の関連規定
によるほか,次の1)及び2)を満足しなければならない。
1) 床版に主桁間の荷重分配作用を考慮した設計を行う場合には,その
影響を適切に評価し,その作用に対して安全なようにする。
2) 地震の影響や風荷重等の横荷重に対して床版が抵抗する設計を行う
場合においては,その影響を適切に評価し,それらに対して安全なよ
302
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うにする。
12.2.2 コンクリート系床版における一般事項
12.2.2.1 一般
(1) この項は,2辺又は1辺で支持される床版で,その床版支間がなす短
辺と長辺の辺長比が1:2 以上の1方向版としてモデル化できる鉄筋コ
ンクリート床版,プレストレストコンクリート床版,鋼コンクリート合
成床版及びPC 合成床版の設計に適用する。
(2) この項の規定は,17 章の規定を満足することを前提として設計に適用
することができる。
(3) この項に規定されていない事項については,Ⅲ編の規定に準じる。
(4) 床版を支持する主桁又はトラス橋等の縦桁は,大型の自動車の車輪の
軌跡が床版に与える影響を考慮してその配置を定めなければならない。
(5) 鋼材とコンクリートのヤング係数比は,床版の構造と支持する桁との
合成作用を考慮して適切に設定しなければならない。この項の規定に従
う,鉄筋コンクリート床版,プレストレストコンクリート床版における
鉄筋コンクリート部材の応力度の算出では,ヤング係数比を15 として
よい。PC 構造の応力度計算においては,抵抗断面(換算断面)や鉄筋拘
束力をⅢ編5.6 に従って算出する。また,鋼コンクリート合成床版に用
いるヤング係数比は,適切に設定する。
12.2.2.2 床版の支間
(1) 単純版並びに連続版のT荷重及び死荷重による曲げモーメントを算出
する場合の支間は,床版から支持桁への応力伝達と輪荷重の載荷位置を
考慮して,かつ,桁のフランジ形状,床版と桁の連結構造並びに床版の
材料及び構造に応じて,適切に設定する。
(2) (3)及び(4)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 鋼桁で支持された鉄筋コンクリート床版及びPC 合成床版における床
版の支間は,1)及び2)のとおりとする。
1) 単純版及び連続版の支間は,主鉄筋の方向に測った支持桁の中心間
隔とする。ただし,単純版において,主鉄筋の方向に測った純支間に
支間中央の床版の厚さを加えた長さが上記の支間より小さい場合は,
これを支間としてよい。
303
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図-12.2.1 単純版の支間
2) 片持版の支間は,支点となる桁のフランジの突出幅の1/2 の点から
主鉄筋の方向にそれぞれ図-12.2.2 に示すように測った値とする。
(a) 主鉄筋が車両進行方向に (b) 主鉄筋が車両進行方向に
直角な場合 平行な場合
図-12.2.2 鉄筋コンクリート床版及びPC 合成床版の片持版の支間
(4) 鋼桁で支持されたプレストレストコンクリート床版及び鋼コンクリー
ト合成床版における床版の支間は,1)及び2)のとおりとする。
1) 単純版及び連続版の支間は,主鉄筋の方向に測った支持桁の中心間隔
とする。
2) 片持版の支間は,支点となる桁の中心位置から主鉄筋の方向にそれぞ
れ図-12.2.3 に示すように測った値とする。
304
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(a) 主鉄筋が車両進行方向に (b) 主鉄筋が車両進行方向に
直角な場合 平行な場合
図-12.2.3 プレストレストコンクリート床版及び鋼コンクリート合成床版の
片持版の支間
12.2.2.3 床版の設計曲げモーメント
(1) B活荷重で設計する橋においては,Ⅰ編8.2 に規定するT荷重(衝撃
の影響を含む)による床版の単位幅(1m)あたりのT荷重による曲げモ
ーメントは,表-12.2.1 に示す式で算出する。ただし,床版の支間が車
両進行方向に直角の場合の単純版,連続版及び片持版の主鉄筋方向の曲
げモーメントは,表-12.2.1により算出した曲げモーメントに,表-12.2.2
又は表-12.2.3 の割増係数を乗じた値とする。
(2) A活荷重で設計する橋においては,曲げモーメントは,表-12.2.1 に
示す式で算出した値を20%低減した値としてよい。
305
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表-12.2.1 T荷重(衝撃を含む)による床版の単位幅(1m)あたりの曲げモーメン
ト(kN・m/m)
床版支間 床版支間
の方向 車両進行方向に直角 の方向 車両進行方向に平行
床
版 曲げモ 構 曲げモ
曲げモーメン
の 構造 ーメン ーメン 主鉄筋方 配力鉄筋
トの種類 主鉄筋方向 配力鉄筋方
区 トの方 造 トの方 向の曲げ 方向の曲 の曲げモー 向の曲げモ
分 向 向 モーメン げモーメ メント ーメント
適用 適用 ト ント
支間(m) 支間(m)
単 RC
支間曲げ 0< L≦4 +(0.12 L +(0.10 L RC 0<L≦4 +(0.22 L +(0.06 L
純 (PC,
モーメント (0< L≦8) +0.07)P +0.04)P (PC) (0< L≦6) +0.08)P +0.06)P
版 合成)
支 モ 中間 +(単純版 +(単純版
間 ー 支間 RC の80%) と同じ) 0< L≦4 +(単純版 +(単純版 RC 0<L≦4 曲 メ (PC,
(0< L≦8) の80%) の80%) (PC) (0< L≦6) +(単純版 +(単純版 げ ン 端 合成)
ト連 支間 の90%) と同じ)
続 RC,
支 モ -(単純版版 点 ー PC, 0< L≦4 の80%) RC 0< L≦4 -(単純版 曲 メ 中間 合成 - -
げ ン 支点 (PC) (0< L≦6) の80%)
ト PC, -(0.15 L 4<L≦8
合成 +0.125)P
RC,
−𝑃∙𝐿
PC, 0< L≦1.5 (1.30𝐿+ 0.25)
支点曲げ 合成 RC 0< L≦1.5 -(0.70 - -
片 モーメント (PC) (0< L≦3.0) L+0.22)P
PC, -(0.60 L
持 1.5< L≦3.0
合成 -0.22)P
版
RC
先端付近曲げ 0< L≦1.5 +(0.15 L RC 0< L≦1.5 +(0.16 L (PC, - -
モーメント (0< L≦3.0) +0.13)P (PC) (0< L≦3.0) +0.07)P
合成)
ここに, RC :鉄筋コンクリート床版及びPC 合成床版
PC :プレストレストコンクリート床版
合成 :鋼コンクリート合成床版
注)コンクリート桁に支持された床版はⅢ編11.2.2.3 の規定による
L :12.2.2.2 に規定するT荷重に対する床版の支間(m)
P :Ⅰ編8.2 に規定するT荷重の片側荷重(100kN)
表-12.2.2 床版の支間方向が車両進行方向に直角な場合の単純版及び
連続版の支間方向曲げモーメントの割増係数
支間 L (m) L≦2.5 2.5<L≦4.0 4.0<L ≦8.0
割増係数 1.0 1.0+( L-2.5)/12 1.125+( L-4.0)/26
ここに,L:12.2.2.2 に規定するT荷重に対する床版の支間(m)
306
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表-12.2.3 床版の支間方向が車両進行方向に直角な場合の片持版の
支間方向曲げモーメントの割増係数
支間 L (m) L ≦1.5 1.5< L ≦3.0
割増係数 1.0 1.0+( L-1.5)/25
ここに,L:12.2.2.2 に規定するT荷重に対する床版の支間(m)
(3) 等分布死荷重による床版の単位幅(1m)あたりの曲げモーメントは,
表-12.2.4 に示す式で算出してよい。ただし,プレストレストコンクリ
ート床版が鋼桁に支持される場合には,等分布死荷重による床版の単位
幅(1m)あたりの曲げモーメントは,支持桁の拘束条件を考慮して算出
しなければならない。
表-12.2.4 等分布死荷重による床版の単位幅(1m)あたりの
曲げモーメント(kN・m/m)
主鉄筋方向の 配力鉄筋方向の
床版の区分 曲げモーメントの種類
曲げモーメント 曲げモーメント
単純版 支間曲げモーメント +wL 2/8
片持版 支点曲げモーメント -wL 2/2
端支間 +w L2/10
支間曲げ
無視してよい
モーメント 中間支間 +w L2/14
連続版
支点曲げ 2支間の場合 -w L2/8
モーメント 3支間以上の場合 -w L2/10
ここに, L :12.2.2.2 に規定する死荷重に対する床版の支間(m)
w :等分布死荷重(kN/m2)
(4) 床版を支持する桁の剛性が著しく異なり,そのために生じる付加曲げ
モーメントの大きさが無視できない場合には,床版を支持する桁の剛性
の相違を考慮して,曲げモーメントを算出しなければならない。付加曲
げモーメントの算出にあたって,A活荷重で設計する橋については,付
加曲げモーメントの値を20%低減してよい。
(5) 床版にプレストレスを導入する場合においては,プレストレッシング
により生じる不静定力を考慮することを原則とする。ただし,不静定曲
げモーメントが小さくなるようにPC 鋼材を配置する場合には,この不
静定曲げモーメントを無視することができる。
307
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12.2.2.4 床版の最小全厚
(1) 床版の厚さは,設計耐久期間における耐荷性能が確保されるように決
定する。
(2) (3)及び(4)に従い,かつ,12.2.5 (2)から12.2.5 (6)による場合には,
(1)を満足するとみなしてよい。
(3) 鉄筋コンクリート床版,プレストレストコンクリート床版,鋼コンク
リート合成床版及びPC 合成床版の車道部分の床版の最小全厚は160mm
とする。
(4) 歩道部分の床版の最小全厚は140mm とする。
12.2.2.5 底鋼板及びPC 板の最小板厚
(1) 鋼コンクリート合成床版の底鋼板の最小板厚は,5.2.1 によるととも
に,コンクリート重量による鋼板のたわみ,疲労損傷,溶接時の変形,
製作時の取扱い及び施工性を考慮して決定する。
(2) PC 合成床版におけるPC 板の最小板厚は,コンクリート重量によるPC
板のたわみ,PC 鋼材の配置と緊張時の変形及び施工時を考慮して決定す
る。
12.2.2.6 コンクリートの設計基準強度
床版のコンクリートの設計基準強度 𝜎 は,11.7.3.2 の規定による。
12.2.2.7 鉄筋の種類及び配置
(1) 鉄筋には異形棒鋼を用いるものとし,その直径は13,16,19mm を原則
とする。ただし,プレストレストコンクリート床版及び鋼コンクリート
合成床版においては直径22,25mm を用いてよい。
(2) 鉄筋のかぶりは30mm 以上とする。
(3) 鉄筋の中心間隔は100mm 以上でかつ300mm 以下とする。ただし,引張
主鉄筋の中心間隔は床版の全厚を超えてはならない。
(4) 鉄筋コンクリート床版及びPC 合成床版において断面内の圧縮側には,
引張側の鉄筋量の少なくとも1/2 の鉄筋を配置するのを原則とする。
(5) 鉄筋コンクリート床版において連続版で主鉄筋を曲げる場合には,図
-12.2.4 に示すように支点から 𝐿/6 の断面で曲げなければならない。た
だし,床版の支間の中央部の引張鉄筋量の80%以上及び支点上の引張鉄
308
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筋量の50%以上は,それぞれ曲げずに連続させて配置しなければならな
い。ここに,𝐿は支持桁の中心間隔とする。
図-12.2.4 連続版の主鉄筋を曲げる位置
(6) 床版の配力鉄筋は床版の支間方向にその量を変化させて配置してよ
い。この場合,12.2.2.3 に規定する曲げモーメントに対して算出した配
力鉄筋量に,表-12.2.5 の係数を乗じた鉄筋量を配置する。
表-12.2.5 配力鉄筋量を算出する係数 𝐿:(m)
床版の支間が車両進行方向に直角な場合 床版の支間が車両進行方向に平行な場合
連続版及び単純版 歩道のない片持版 連続版及び単純版 片持版
(7) プレストレストコンクリート床版のプレストレス導入方向には,直径
13mm 以上の異形棒鋼を配置し,その中心間隔は,300mm 又は床版の全厚
の小さい方の値以下でなければならない。
12.2.2.8 PC 鋼材の配置
(1) プレストレストコンクリート床版のPC 鋼材は,床版に一様にプレス
トレスが導入されるように配置しなければならない。
(2) 斜橋の支承部付近における床版の支間方向のPC 鋼材は,支承線方向
に配置する。
309
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12.2.2.9 鋼コンクリート合成床版のずれ止め並びに補強材の形状及び配置
鋼コンクリート合成床版の底鋼板とコンクリートのずれ止め,補強材の形
状及び配置は1)から3)を満足しなければならない。
1) ずれ止め及び補強材は,製作性及び施工性を考慮した形状とする。
2) ずれ止め及び補強材は,曲げモーメントの算出及び輪荷重による繰返
し載荷に対する応力の算出において平面保持が成立しているとみなせ
るとともに,床版が等方性版とみなせるように配置する。
3) ずれ止め及び補強材は,コンクリートが確実に充てんできる構造とな
るように配置する。
12.2.2.10 底鋼板の継手
鋼コンクリート合成床版の底鋼板どうしの継手部は,一般の床版部と同等
の耐荷性能及び耐久性能を有していなければならない。
12.2.2.11 PC 合成床版のずれ止めの形状及び配置
PC 合成床版のPC 板と場所打ちコンクリートのずれ止めの形状及び配置は
1)から3)を満足しなければならない。
1) ずれ止め及び補強材は,製作性及び施工性を考慮した形状とする。
2) ずれ止めは,曲げモーメントの算出及び輪荷重による繰返し載荷に対
する応力の算出において平面保持が成立しているとみなせるとともに,
床版が等方性版とみなせるように配置する。
3) 場所打ちコンクリートと接するPC 板の上面に設けるずれ止めは,図
-12.2.5 に示すように床版の支間方向に所要のずれ止め効果が期待で
きる適当な凹凸を設けることを標準とする。
図-12.2.5 PC 板に設ける凹凸
310
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12.2.2.12 床版のハンチ
(1) 床版と支持桁との結合部は,応力が円滑に伝わる構造としなければな
らない。
(2) 床版には,支持桁上にハンチを設けるのを原則とする。
(3) (4)から(5)による場合には,(1)を満足するとみなしてよい。
(4) 床版のハンチの傾斜を,1:3 より緩やかにすることを標準とする。な
お,1:3 よりきつい場合は,図-12.2.6 に示すように1:3 までの厚さを床
版として有効な断面とみなす。
図-12.2.6 ハンチ部の床版の有効高さ
(5) 図-12.2.6 に示すハンチの高さが80mm 以上の場合には,ハンチ下面に
沿って桁直角方向に用心鉄筋を配置するのが望ましい。この場合,用心
鉄筋は直径13mm 以上とし,その間隔はハンチの位置において支持桁に
直角方向に配置された床版の下側鉄筋間隔の2倍以下とする。
12.2.2.13 桁端部の床版
(1) 桁端部の車道部分の床版は,十分な剛度を有する端床桁,端ブラケッ
ト等で支持することを標準とする。
(2) 桁端部の中間支間の床版を端床桁等で支持しない場合は,桁端部から
床版支間の1/2 の間の床版については,T荷重(衝撃を含む)による曲
げモーメントとして,12.2.2.3 に規定する値の2倍を用いる。なお,一
般には,桁端部以外の中間支間の床版の必要鉄筋量の2倍の鉄筋を配置
すればよい。
(3) 桁端部の片持部の床版を端ブラケット等で支持しない場合は,桁端部
から死荷重に対する床版支間長の間の床版については,T荷重(衝撃を
含む)による曲げモーメントとして,12.2.2.3 に規定する値の2倍を用
いる。なお,一般には,桁端部以外の片持部の床版の必要鉄筋量の2倍
の鉄筋を配置すればよい。
311
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(4) 桁端部の車道部分の床版は,床版の厚さをハンチ高だけ増し,斜橋の
床版においては,更に補強鉄筋を配置するのを原則とする。
12.2.3 コンクリート系床版の限界状態1
12.2.3.1 曲げモーメントを受ける床版
(1) 曲げモーメントを受ける床版が,(2)から(4)による場合には,限界状
態1を超えないとみなしてよい。
(2) 床版に生じる曲げモーメントが,(3)又は(4)による制限値を超えない。
ただし,T荷重及び死荷重による曲げモーメントの算出には,12.2.2.3
の規定による曲げモーメントを特性値として用いる。
(3) 鉄筋コンクリート床版,鋼コンクリート合成床版及びPC 合成床版の
鉄筋コンクリート断面に生じる曲げモーメントの制限値はⅢ編
5.7.2(2)及び(3)の規定による。
(4) プレストレストコンクリート床版及びPC 合成床版のPC 板に生じる応
力度の制限値はⅢ編5.10.2(2)及び(3)の規定による。
12.2.3.2 せん断力を受ける床版
押抜きせん断力を受ける床版が,12.2.4.2 の規定を満足する場合には,
限界状態1を超えないとみなしてよい。
12.2.3.3 せん断力を受けるずれ止め
(1) せん断力を受ける底鋼板やPC 板とコンクリートのずれ止めが,(2)か
ら(5)を満足する場合には,限界状態1を超えないとみなしてよい。
(2) 底鋼板とコンクリートのずれ止めに用いる材料はⅠ編9.1 の規定によ
る。
(3) 12.2.2.9 を満足する。このとき,頭付きスタッドをずれ止めとして用
いる場合には,11.7.5.1 の規定による。PC 板とコンクリートのずれ止め
の構造細目は12.2.2.11 の規定による。
(4) ずれ止めに生じる水平せん断力の算出においては,Ⅰ編8.2 に規定す
るT荷重(衝撃を含む)を用いる。
(5) ずれ止めに生じる水平せん断力は式(12.2.1)により算出する。この
水平せん断力が,(6)によるずれ止めの水平せん断力の制限値を超えな
い。
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𝑄ௗ= γ୮∙γ୯∙𝑄 ····································· (12.2.1)
ここに,𝑄ௗ :ずれ止めに生じる水平せん断力
𝑄 :T荷重(衝撃を含む)による水平せん断力
γ୮ :活荷重に乗じる荷重組合せ係数(=1.00)
γ୯ :活荷重に乗じる荷重係数(=1.25)
(6) (2)に規定する頭付きスタッドの場合の水平せん断力の制限値は,
11.7.6.4 の規定により算出してよい。PC 板とコンクリートのずれ止め
では,ずれ止めのコンクリートのせん断伝達機構を考慮してずれ止めの
水平せん断力の制限値を適切に設定する。
12.2.4 コンクリート系床版の限界状態3
12.2.4.1 曲げモーメントを受ける床版
(1) 曲げモーメントを受ける床版が,(2)から(4)による場合には,限界状
態3を超えないとみなしてよい。
(2) 床版に生じる曲げモーメントが,(3)又は(4)による制限値を超えない。
ただし,T荷重及び死荷重による曲げモーメントの算出には,12.2.2.3
の規定による曲げモーメントを特性値として用いる。
(3) 鉄筋コンクリート床版,鋼コンクリート合成床版及びPC 合成床版の
鉄筋コンクリート断面に生じる曲げモーメントの制限値はⅢ編
5.9.2(2)及び(3)の規定による。
(4) プレストレストコンクリート床版及びPC 合成床版のPC 板に生じる曲
げモーメントの制限値はⅢ編5.11.2(2)及び(3)の規定による。
12.2.4.2 せん断力を受ける床版
押抜きせん断力を受ける床版が,12.2.2.4 の規定を満足する場合には,
限界状態3を超えないとみなしてよい。
12.2.4.3 せん断力を受けるずれ止め
せん断力を受ける底鋼板やPC 板とコンクリートのずれ止めが,12.2.3.3
による場合には,限界状態3を超えないとみなしてよい。
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