¶ 自転車通行帯に関する道路構造令の改正の概要等について
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令和元年7月5日
国土交通省道路局 企 画 課
国道・技術課
環境安全・防災課
高速道路課
参 事 官
自転車通行帯に関する道路構造令の改正の概要等について
1.改正の趣旨
本来、自転車専用の通行空間を確保する必要があるにもかかわらず、自転車道の設置に必要な幅員(2
メートル以上)を確保できない等により、これを整備できていない状況が多数生じている。
他方、近年では、道路交通法(昭和35年法律第105号)第20条第2項の規定に基づく普通自転
車専用通行帯(幅員1.5メートル以上)の設置が進んでおり、実際に自転車関連の交通事故数の減少
や道路利用者の不安感の低減等の効果が確認されている。
このような状況を踏まえ、既設の道路のみならず、新たに整備する道路における自転車通行空間の確
保を推進するため、道路構造令を改正し、自転車を安全かつ円滑に通行させるために設けられる帯状の
車道の部分として「自転車通行帯」を新たに規定することとした。
2.改正の概要等
(1)自転車通行帯
(定義)
第2条 この政令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところに
よる。
15 自転車通行帯 自転車を安全かつ円滑に通行させるために設けられる帯状の車道の部分をい
う。
(自転車通行帯)
第9条の2 自動車及び自転車の交通量が多い第3種又は第4種の道路(自転車道を設ける道路を除
く。)には、車道の左端寄り(停車帯を設ける道路にあっては、停車帯の右側。次項において同じ。)
に自転車通行帯を設けるものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない
場合においては、この限りでない。
2 自転車の交通量が多い第3種若しくは第4種の道路又は自動車及び歩行者の交通量が多い第3
種若しくは第4種の道路(自転車道を設ける道路及び前項に規定する道路を除く。)には、安全か
つ円滑な交通を確保するため自転車の通行を分離する必要がある場合においては、車道の左端寄
りに自転車通行帯を設けるものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得な
い場合においては、この限りでない。
3 自転車通行帯の幅員は、1.5メートル以上とするものとする。ただし、地形の状況その他の特
別の理由によりやむを得ない場合においては、1メートルまで縮小することができる。
4 自転車通行帯の幅員は、当該道路の自転車の交通の状況を考慮して定めるものとする。
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【改正のポイント】
・自動車及び自転車の交通量が多い第3種又は第4種の道路又は自転車の交通量が多い第3種若しくは
第4種の道路又は自動車及び歩行者の交通量が多い第3種若しくは第4種の道路で安全かつ円滑な交
通を確保するため自転車の通行を分離する必要がある場合においては、自転車通行帯を設置すること
とした。
【留意事項】
・自転車通行帯は、次の要件を満たす場合にあっては、設置しないこともできる。
○山岳地のように工事が非常に困難な場合又はその効果に比して工事に過大な費用を要する場合
等
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(2)自転車道
(自転車道)
第10条 自動車及び自転車の交通量が多い第3種(第4級及び第5級を除く。次項において同じ。)
又は第4種(第3級を除く。同項において同じ。)の道路で設計速度が1時間につき60キロメー
トル以上であるものには、自転車道を道路の各側に設けるものとする。ただし、地形の状況その他
の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。
2 自転車の交通量が多い第3種若しくは第4種の道路又は自動車及び歩行者の交通量が多い第3
種若しくは第4種の道路で設計速度が1時間につき60キロメートル以上であるもの(前項に規
定する道路を除く。)には、安全かつ円滑な交通を確保するため自転車の通行を分離する必要があ
る場合においては、自転車道を道路の各側に設けるものとする。ただし、地形の状況その他の特別
の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。
3 自転車道の幅員は、2メートル以上とするものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由
によりやむを得ない場合においては、1.5メートルまで縮小することができる。
4 自転車道に路上施設を設ける場合においては、当該自転車道の幅員は、第12条の建築限界を勘
案して定めるものとする。
5 自転車道の幅員は、当該道路の自転車の交通の状況を考慮して定めるものとする。
【改正のポイント】
・自動車の速度が高い道路においては、自転車道を整備することとし、その目安として速度(原則とし
て規制速度を用いるものとするが、速度規制が行われていない道路等については、当該道路の役割や
沿道状況を踏まえた上で、必要に応じて実勢速度を用いるものとする。以下、速度に関する記述につ
いては同様とする。)が時速50キロメートルを超える場合に自動車対自転車の死亡事故が多くなる傾
向にある※ことを踏まえ、設計速度が時速60キロメートル以上の道路については、自転車道を設置す
ることとした。
【留意事項】
・道路構造令は、最低限保持すべき一般的技術的基準を定めたものであるため、地域の実情に応じ、道
路管理者の裁量と責任において、設計速度が時速60キロメートル未満の場合でも自転車道を設ける
ことは可能である。
・自転車道は、次の要件を満たす場合にあっては、片側のみに設置することあるいは設置しないことも
できる。
○山岳地のように工事が非常に困難な場合又はその効果に比して工事に過大な費用を要する場合
○交差点が連続するなどにより走行する自動車の速度が時速50キロメートルを超えないことが見
込まれる場合 等
・自転車道と歩道及び車道との分離方法は、基本的に縁石線又はさくによるものとする。
※国土交通省調べ
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3.整備形態選定の考え方
・自動車、自転車、歩行者の交通量と自転車道等の整備形態の関係は下表の通りとする。
自転車
少
改正後 多 ※4 歩行者
(500台/日以上) 多 ※4 少
(500人/日以上)
※3
自転車通行帯
自転車通行帯
※1
多 ※4
自転車道 自転車歩行者道
(4,000台/日以上) ※1
自転車道
自 自転車歩行者道
動
車 ※2 自転車通行帯
※1
少 自転車道
※1 新設道路においては、設計速度60km/h以上の場合、既設道路においては速度50km/h超の場合。
※2 安全かつ円滑な交通を確保するため自転車の通行を分離する必要がある場合(自動車と自転車の分離)。
※3 安全かつ円滑な交通を確保するため自転車の通行を分離する必要がある場合(自転車と歩行者の分離)。
※4 自動車、自転車、歩行者の交通量の多い場合の目安であり、具体的な整備形態の選定に当たっては、道路交通の状況等を総合的に勘案
した上で各道路管理者が関係者と合意を図るものとする。
・自動車の「交通量が多い」場合とは、対自転車の事故が多い傾向にある4,000台/日以上※を目安
とする。
・自転車の「交通量が多い」場合とは、対自動車、対歩行者ともに事故が多い傾向にある500台/日
以上※を目安とする。
・歩行者の「交通量が多い」場合とは、対自転車の事故が多い傾向にある500人/日以上※を目安と
する。
・「安全かつ円滑な交通を確保するため自転車の通行を分離する必要がある場合」とは、以下のとおりと
する。
○自動車の交通量が少なく、自転車の交通量が多い場合(上記表の※2)、自動車と自転車の分離の
必要性は、速度が時速40キロメートル超を目安とする。
○自動車及び歩行者の交通量が多く、自転車の交通量が少ない場合(上記表の※3)、自転車と歩行
者の分離の必要性は、通勤・通学時など自転車と歩行者の通行が時間的に集中して輻輳する場合な
どを考慮する。
・具体的な整備形態の選定に当たっては、上記表を基本とするものの、道路交通の状況等を総合的に勘
案した上で、各道路管理者が関係者と合意を図るものとする。
※国土交通省調べ
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4.路肩の設置の考え方
・自転車通行帯は車両の通行の用に供する車道の部分であり、道路の主要構造部を保護し、又は車道の
効用を保つ路肩とは機能が異なることから、自転車通行帯を設ける場合であっても、路肩を設置する
ことを基本とする。
・自転車道又は自転車歩行者道を設置する場合を除き、自転車の安全性を確保するため、路肩は車道と
の連続性を保ち、可能な限り平坦性を確保することとする。また、路肩あるいは、やむを得ず、第8条
第7項に基づき路肩を設置せず、自転車通行帯へ雨水等の排水施設を設ける場合は、通行の妨げとな
る段差や溝の解消に努め、滑りにくい構造とするものとする。特に排水施設の溝は、自転車走行時に
タイヤのはまり込みがないように、縁石線から遠ざけて設置することは避けるべきであること。また、
交差点手前においては、自転車が縁石に近づいて走行する頻度が高くなることが想定されるため、注
意が必要である。
5.トンネル、橋梁部等における路肩の縮小規定の扱い
・自転車道、自転車通行帯又は自転車歩行者道を設けない道路においては、第8条第2項、第5項又は
第7項に基づく(第7項にあっては、歩道を設ける場合に限られる)、路肩の幅員の縮小を行わないこ
とを基本とする。
6.その他
・自転車通行帯は、自転車と自動車の双方の安全性を向上させるために停車帯の右側に設置するものと
する。
・車道側に設けられる植樹帯の植栽や歩道のない道路における路外の雑草等が車道側に繁茂することは
車道の左側通行を原則とする自転車利用の妨げとなることから、植栽等を設置する場合は、視認性及
び自転車の走行性を妨げることがないように樹種や配置を検討するとともに、落ち葉等も留意した適
切な維持管理に努めること。また、交差点の隅角部や沿道出入り口付近の構造及び植栽の状況によっ
ては、交差道路や沿道側から自転車を確認すること及び自転車が交差道路や沿道の状況を確認するこ
とが困難になる場合もあるため、自転車の通行が想定される道路にあっては、視認性に配慮すること。
・自転車通行帯は、道路交通法第20条第2項の規定に基づく普通自転車専用通行帯として、同法第4
条第1項の規定に基づく都道府県公安委員会による交通規制の実施を想定して設けるものである。そ
のため、道路管理者が自転車通行帯を設けようとするときは、当該地域を管轄する都道府県公安委員
会と十分な時間的余裕をもって事前に協議した上で、その整備を図る必要がある。
・なお、やむを得ない事情により、道路交通法の規定に基づく都道府県公安委員会による車両通行帯(普
通自転車専用通行帯)としての交通規制が併せて実施されないこととなった場合、標識令別表第六に
記載のある車両通行帯境界線及び車両通行帯最外側線が設けられないこととなる。この場合、道路交
通法第76条第1項も踏まえた上で、当面、自転車通行帯を設けるための道路空間に、矢羽根型路面
表示等を設置することにより、自転車の通行位置を示す等の運用をすることを基本とする。
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