¶ 道路土工構造物技術基準
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道路土工構造物技術基準
第1章 総則
この技術基準は、道路法(昭和27 年法律第180 号)第29 条及び第30 条を適用して、道路を新設し、
又は改築する場合における道路土工構造物の設計及び施工について一般的技術基準を定めるものであ
る。
第2章 用語の定義
本基準における用語の定義は、次のとおりとする。
(1)道路土工構造物
道路を建設するために構築する土砂や岩石等の地盤材料を主材料として構成される構造物及びそ
れらに附帯する構造物の総称をいい、切土・斜面安定施設、盛土、カルバート及びこれらに類するも
のをいう。
(2)切土
路床と舗装との境界面までの地山を切り下げた部分をいい、のり面保護施設を含む。
(3)斜面安定施設
自然斜面の崩壊等による道路への影響を防止又は抑制するために設置する施設をいう。
(4)盛土
路床と舗装との境界面までの土を盛り立てた部分をいい、のり面保護施設を含む。
(5)カルバート
道路の下を横断する道路、水路等の空間を確保するために、盛土又は原地盤内に設けられる構造物
をいう。
(6)のり面
盛土又は切土により人工的に形成された斜面をいう。
(7)のり面保護施設
のり面の侵食や風化、崩壊を防止するために作られる植物又は構造物で被覆したものをいい、擁壁
を含む。
(8)地山
道路土工構造物の構築の用に供する自然地盤をいう。
(9)自然斜面
自然に形成された斜面をいう。
(10)路床
舗装下部の原地盤や土砂、岩石等の地盤材料を主材料として構築される、舗装の基礎となる部分を
いう。
(11)部材等
道路土工構造物を構成する要素のことをいう。
(12)要求性能
道路土工構造物の設計に際して使用目的との適合性、構造物の安全性について要求される性能をい
う。
(13)限界状態
道路土工構造物の性能の照査を行うにあたり、道路土工構造物やその部材等の状態を区分するため
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に用いる代表的な状態をいう。
第3章 基本原則
(1)道路土工構造物の構造は、その構造形式、当該道路土工構造物の存する地域の地形、地質、気象そ
の他の状況及び道路の交通状況を勘案し、当該道路土工構造物に影響する作用及びこれらの組合せ
に対して十分安全なものでなければならない。
(2)道路土工構造物の設計及び施工にあたっては、使用目的との適合性、構造物の安全性、耐久性、施
工品質の確保、維持管理の確実性及び容易さ、環境との調和並びに経済性を考慮しなければならな
い。
第4章 調査
道路土工構造物の適切な設計、施工及び維持管理を行うために、地質・地盤等の不確実性を考慮しつ
つ、事業の各段階において、必要な調査を行わなければならない。
第5章 計画
道路土工構造物の計画にあたっては、当該地域及びその周辺の地形、地質、気象、水理、過去の点検
状況、維持修繕及び災害履歴、個々の道路土工構造物の特性、使用する材料、対象とする災害、使用目
的との適合性、構造物の安全性、耐久性、施工品質の確保、維持管理の確実性及び容易さ、環境との調
和並びに経済性を考慮し、加えて地域の防災計画、関連する道路網の計画並びに連続又は隣接する構造
物等の計画と整合するように、道路土工構造物の配置の検討及び構造形式の選定を行わなければならな
い。
第6章 設計
6-1 設計に際しての基本的事項
(1)道路土工構造物の設計にあたっては、原則として、使用目的との適合性及び構造物の安全性につい
て、6-2の作用及びこれらの組合せに対し、6-3で設定する要求性能を満足することを照査す
る。
(2)道路土工構造物の設計は、耐久性について、各部材等に必要な耐久性を満足するよう行わなければ
ならない。
(3)道路土工構造物の設計にあたっては、地質・地盤等の不確実性の影響を考慮したうえで、設計で前
提とする施工の条件及び維持管理の条件を定めなければならない。
(4)道路土工構造物の設計は、地質・地盤等の不確実性を考慮しつつ、理論的で妥当性を有する方法や
実験等による検証がなされた方法、これまでの経験・実績から妥当とみなせる方法等、適切な知見
に基づいて行う。
(5)道路土工構造物の設計にあたっては、道路土工構造物の一部の機能不全等が原因となって崩壊等の
道路土工構造物の致命的な状態となることを極力回避するための配慮について検討を行う。
6-2 作用
道路土工構造物の設計にあたっては、次の作用を考慮することを基本とする。
(1)常時の作用
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常に道路土工構造物に影響する作用をいう。
(2)降雨の作用
地域の降雨特性、道路土工構造物の立地条件等を勘案し、供用期間中に通常想定される降雨に基づ
く作用をいう。
(3)地震動の作用
次に示すレベル1地震動及びレベル2地震動の2種類の地震動による作用をいう。
1)レベル1地震動
供用期間中にしばしば発生する地震動
2)レベル2地震動
供用期間中に発生することは極めて稀であるが一旦生じると道路土工構造物に及ぼす影響が甚
大であると考えられる地震動
(4)その他の作用
6-3 要求性能
(1)道路土工構造物の要求性能は、(3)に示す重要度に応じ、かつ、当該道路土工構造物に連続又は隣
接する構造物等の要求性能並びに地形及び地質の状況を考慮して、6-2の作用及びこれらの組合
せに対して(2)から選定する。
(2)道路土工構造物の要求性能は、安全性、使用性及び修復性の観点から次のとおりとする。
性能1:道路土工構造物が健全である、又は、道路土工構造物は損傷するが、当該道路土工構造
物の存する区間の道路としての機能に支障を及ぼさない性能
性能2:道路土工構造物の損傷が限定的なものにとどまり、当該道路土工構造物の存する区間の
道路の機能の一部に支障を及ぼすが、速やかに回復できる性能
性能3:道路土工構造物の損傷が、当該道路土工構造物の存する区間の道路の機能に支障を及ぼ
すが、当該支障が致命的なものとならない性能
(3)道路土工構造物の重要度は、物流等の社会・経済活動上の位置づけ、防災計画上の位置づけ等の道
路ネットワークにおける路線の位置づけや代替性、道路土工構造物が損傷した場合の隣接する施設
への影響等を考慮して決定する。
6-4 性能照査の方法
道路土工構造物の性能照査は、原則として、要求性能に応じた道路土工構造物の限界状態を設定し、
想定する作用によって生じる道路土工構造物の状態が限界状態を超えないことを照査することにより
行う。
6-5 限界状態
道路土工構造物の限界状態は、原則として次の方法により定める。
(1)性能1に対する道路土工構造物の限界状態は、道路土工構造物が健全である、又は、道路土工構造
物は損傷するが、当該道路土工構造物の存する区間の道路としての機能に支障を及ぼさない範囲内
で適切に定める。
(2)性能2に対する道路土工構造物の限界状態は、道路土工構造物の損傷が限定的なものにとどまり、
当該道路土工構造物の存する区間の道路の機能の一部に支障を及ぼすが、速やかに回復できる範囲
内で適切に定める。
(3)性能3に対する道路土工構造物の限界状態は、道路土工構造物の損傷が、当該道路土工構造物の存
する区間の道路の機能に支障を及ぼすが、当該支障が致命的とならない範囲内で適切に定める。
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6-6 使用材料
使用材料は、使用目的に応じて必要とされる強度、施工性、耐久性、環境適合性等の性能を満足する
品質を有し、その性状が明らかなものでなければならない。
6-7 各道路土工構造物の設計
各道路土工構造物の設計は、6-1から6-6までによるほか、次に従って行う。
6-7-1 切土・斜面安定施設
(1)常時の作用として、少なくとも死荷重の作用を考慮する。
(2)斜面安定施設については、(1)のほか、斜面安定施設の設置目的に応じて斜面崩壊、落石・岩盤崩
壊、地すべり又は土石流による影響を考慮する。
(3)荷重の組合せは、想定する範囲内で同時に作用する可能性が高い荷重の組合せのうち最も不利とな
る条件を考慮して決定する。
(4)荷重は、想定する範囲内で最も不利となる条件を考慮して作用させる。
(5)切土は、必要に応じてのり面保護施設を設置し、のり面の侵食や崩壊を防止する構造となるよう設
計する。
(6)切土は、原則として表面排水施設及び地下排水施設を設置することにより、雨水や湧水等を速やか
に排除する構造となるよう設計する。
(7)路床は、舗装と一体となって自動車の輪荷重を安定して支持する構造となるよう設計する。
(8)斜面安定施設は、原則として表面排水施設及び地下排水施設を設置することにより、雨水や湧水等
を速やかに排除する構造となるよう設計する。
6-7-2 盛土
(1)常時の作用として、少なくとも死荷重の作用及び活荷重の作用を考慮する。
(2)荷重の組合せは、想定する範囲内で同時に作用する可能性が高い荷重の組合せのうち最も不利とな
る条件を考慮して決定する。
(3)荷重は、想定する範囲内で最も不利となる条件を考慮して作用させる。
(4)盛土は、必要に応じてのり面保護施設を設置し、のり面の侵食や崩壊を防止する構造となるよう設
計する。
(5)盛土は、原則として表面排水施設及び地下排水施設を設置することにより、雨水や湧水等を速やか
に排除する構造となるよう設計する。
(6)路床は、舗装と一体となって自動車の輪荷重を安定して支持する構造となるよう設計する。
(7)盛土の基礎地盤は、盛土の安定性を確保するとともに著しい沈下等を生じないよう設計する。
6-7-3 カルバート
(1)常時の作用としては、少なくとも死荷重の作用、活荷重の作用及び土圧の作用を考慮する。
(2)荷重の組合せは、想定する範囲内で同時に作用する可能性が高い荷重の組合せのうち最も不利とな
る条件を考慮して決定する。
(3)荷重は、想定する範囲内で最も不利となる条件を考慮して作用させる。
(4)カルバート裏込め部は、原則として排水施設等を設置することにより、雨水や湧水等を速やかに排
除する構造となるよう設計する。
(5)カルバートの基礎地盤は、カルバートの著しい沈下、周辺の構造物との著しい段差等を生じないよ
う設計する。
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第7章 施工
(1)道路土工構造物の施工は、設計の前提条件及び設計段階で定めた事項等を満足するよう行わなけれ
ばならない。ただし、設計の前提条件及び設計段階で定めた事項等が満足されない場合には、道路
土工構造物の性能が確保されることを確認し、必要に応じて設計及び施工方法を見直さなければな
らない。
(2)道路土工構造物の施工にあたっては、十分な品質の確保に努め、環境への影響にも配慮しなければ
ならない。
第8章 記録の保存
道路土工構造物の設計、施工及び維持管理の各段階で必要となる記録は、当該道路の機能等を踏まえ、
適切に保存する。